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JAYE P.MORGAN_JAYE P.MORGAN ◇ 2009年 06月 28日
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今回紹介するのは、2000年にまさに"奇跡"と呼ぶに相応しいCD化を果たした1976年リリースのジェイ・P・モーガンの『JAYE P.MORGAN』です。
このアルバムは、若き日のデヴィッド・フォスターがプロデュースし、彼の人脈をフルに使った豪華なミュージシャンの起用と、AIRPLAYのサウンドへの布石とも呼べるようなサウンドが特徴です。しかし、このアルバムは、正式に発売されずに試作プレスのみの数十枚のレコードしか世の中に存在しなかったと言われている作品でもあります。プロデュースを手掛けたデヴィッド・フォスター自身もこのアルバムが世に出ているとは思っていなかったとか・・・。

そんなマニアックなアルバムを私は知る由もありませんでしたが、中田 俊樹氏監修のAORのガイド本を読んで初めてこのアルバムの存在を知りました。存在を知ってからは聴きたくて仕方がなかったのですが、ようやく念願叶ってCD化されたという次第です。
そして、やはりAOR好きにとっては収録曲全9曲にデヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンが関わっているというのも実に興味深いアルバムですね。
本来アルバムの主人公であるジェイ・P・モーガンには申し訳無いのですが、やはりこのアルバムの聴き所は、若かりし日のお馴染みの腕利きミュージシャン達の溌剌とした演奏にありますね。

参加ミュージシャンがとにかく凄いです。David Foster(key)、Bill Mays(key)、Jay Graydon(g)、Lee Ritenour(g)、Ray Parker Jr.(g)、David Hungate(b)、Henry Davis(b)、Steve Schaeffer(ds)、Jeff Porcaro(ds)、Harvey Mason(ds)、Ed Green(ds)、Steve Forman(per)、Bill Champlin(cho)、Kenny Loggins(cho)等という顔触れです。
80年代に入り、もしこの面子でレコーディングをして、そのアルバムがリリースされないというのことは全く考えられないでしょうね(笑)

『JAYE P.MORGAN / JAYE P.MORGAN』
01. I Fall In Love Everyday
02. Keepin' It To Myself
03. Here Is Where Your Love Belongs
04. Closet Man
05. It's Been So Long
06. Let's Get Together
07. Can't Hide Love
08. You're All I Need To Get By
09. It All Goes Round

Jay Graydon & Harry Garfield作の01。軽快なAORナンバーです。特に間奏でのJay GraydonのギターとDavid Fosterのシンセによるユニゾンが印象的です。Harvey MasonのドラミングやRay Parker Jr.のバッキングもこの曲を盛り上げている要因と言えるでしょう。

Average White Bandの名曲のカヴァー02。Alan Gorrieの作品です。David Fosterのクラビネットのプレイと終盤でのJay Graydonらしいワイヤー・クワイヤーが耳を引きますね。特にJay Graydonのギターは好きな人ならすぐに判るほどの"らしい"プレイです。

Bill Champlinの作品03。実に渋いAORナンバーで、Jeff Porcaroのシャッフル・ビート、Lee Ritenourらしいバッキング、Lenny Pickettのサックスが光る1曲です。特にPorcaroのドラミングは格好良いの一言です。

David Foster、Eric Mercury & Donny Gerrardによるボッサ・ナンバー04。涼しげな感じが心地良いナンバーです。派手さはありませんが、よくまとまっているアレンジだと思います。David Fosterのローズのプレイが凄く好きなんですよ(笑)

Stevie Wonderのカヴァー05。美しいバラード・ナンバーです。全体的にしっとりとした演奏ですが、後半になるにつれ徐々に盛り上がっていくDavid Hungateのベース、Jeff Porcaroのドラミングには注目です。やはりPorcaroのドラミングは格好良いですね!

おそらくRay Parker Jr.であろうギターのカッティングが素晴らしいグルーヴィーなナンバー06。そして主人公のJaye P.Morganよりも目立っているBill Champlinのコーラス・ワークも見事です。

EW&Fの名曲のカヴァー07。この曲でもRay Parker Jr.は良い仕事してますね。本当にリズム・カッティングに関してはまさに職人といった感じです。ここでのHarvey Masonのドラミングが結構好きなんですよね。この曲は1978年にHODGES, JAMES & SMITHという黒人女性トリオが、この曲のオケをそのまま使用してリリースしています。他にも03と05もこのアルバムのオケをそのまま流用していたとか・・・。以前紹介したコンピ・アルバム『AOR Light Mellow ~ UNIVERSAL Edition ~』に「YOU CAN'T HIDE LOVE」として収録されているので聴き比べても面白いと思います。

ソウル・クラシックスとして人気の高い08。デュエットのお相手はDonny Gerard。この曲で印象的だったのはDavid Fosterによる美しいストリングス・アレンジですね。続く09でも素晴らしいストリングス・アレンジを施しております。どうしてもリズム・アレンジに注目しがちですが、ストリングス・アレンジに関しても若い時から才能を発揮していたんですね。

David FosterによるJAZZバラード09。Bill Maysの素晴らしいピアノと美しいストリングスに尽きますね。この曲が個人的にはJaye P.Morganに1番似合っている気がしました。

アルバムを通して聴いた印象は、ヴォーカルも演奏も前に出過ぎておらずサラッと聴けるところが良いなと思いましたね。だからBGMとしても最適ですし、何度聴いても飽きがこないのかも知れません。だからと言って淡白という訳では決してありません。集中して聴けば、随所に参加ミュージシャンの素晴らしいプレイを堪能出来るアルバムでもあります。ある意味AORのお手本とも言えるアルバムではないでしょうか。
AOR黎明期のアルバムとしては上出来過ぎるアルバムかも知れません(笑)
AOR好きな方にはぜひとも聴いて欲しい1枚ですし、自信を持ってお薦め出来る1枚です。
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今朝、寝ぼけ眼でTVを見ていると、眠気が一気に吹っ飛ぶようなニュースが飛び込んできました。もう皆さんもご存知だと思いますが、あのマイケル・ジャクソンが亡くなりました。朝の時点ではまだ本当に亡くなったのか半信半疑でしたが、時間が経つにつれ事実であることが判明。
私と同世代(マイケルの方が1歳上)ですから、あまりにも若いです・・・。
死因等まだ不明な部分もあるようですが、とにかく"諸行無常"を感じずにはいられません。

先日(6月10日)には、KENNY RANKINの訃報に接し、追悼の意味を込めてアルバム紹介記事を書いたばかりだったのに・・・。
今回も追悼のアルバム紹介になってしまいました。
ブログを始めたばかりの頃に1度紹介しているのですが(紹介記事はコチラ)、大好きなアルバムで思い入れも強いにも関わらず内容の薄い紹介記事だったので、今回Part 2として紹介するのが、1979年にリリースされたソロ・アルバム『OFF THE WALL』です。

『OFF THE WALL』が思い入れの強い理由は3つ。
①マイケル・ジャクソンというアーティストに初めて向き合ったアルバムであること。
②クインシー・ジョーンズのプロダクションの素晴らしさ、人脈の広さに改めて驚かされたこと。
③天才ソングライター・ロッド・テンパートンに興味を持った初めての作品だったこと。
特に③は、以降クインシーのプロデュース作品を聴けばロッドの曲が聴けるということで、結構追いかけました(笑)

クインシーがプロデュースとなれば集まるミュージシャンも凄い訳で・・・(笑)。
Drums : John Robinson
Bass : Louis Johnson、Bobby Watson
Guitar : David Williams、Mario Henderson、Larry Carlton、Phil Upchurch、Wah Wah Watson
Keyboards : Greg Phillngganes、Michael Boddicker、David Wolinski、George Duke、David Foster、Steve Porcaro
Percussion : Paulinho Da Costa、Randy Jackson、Richard Heath
Horns : THE SEAWIND HORNS

『MICHAEL JACKSON / OFF THE WALL』
01. DON'T STOP 'TIL YOU GET ENOUGH (邦題:今夜はドント・ストップ)
02. ROCK WITH YOU
03. WORKIN' DAY AND NIGHT
04. GET ON THE FLOOR
05. OFF THE WALL
06. GIRLFRIEND
07. SHE'S OUT OF MY LIFE (邦題:あの娘が消えた)
08. I CAN'T HELP IT
09. IT'S THE FALLING IN LOVE (邦題:それが恋だから)
10. BURN THIS DISCO OUT (邦題:ディスコで燃えて)

単調なリズムでありながらもギターのリフ、パーカッションの使い方が巧みさと甲高いマイケルのヴォーカルが印象的な01。アルバムの冒頭に相応しく、聴く者を惹き付ける魅力を持っているナンバーです。シングルでビルボード・チャート1位を獲得しているから当たり前ですが・・・(笑)。Greg Phillngganesのリズム・アレンジとJerry Heyのホーン・アレンジが秀逸です。

02もビルボード・チャート1位を獲得している名曲ですね。さすがに天才・ロッド・テンパートン、良い曲書きます。ロッド・テンパートンの凄いところは作詞・作曲のみならず、アレンジもこなすところ。この曲でもセンスの良いアレンジを施してます。マイケルの多重録音コーラスが意外に渋くて大好きなんです。

マイケルのソング・ライターとしての非凡な才能を感じさせるダンサブル・ナンバー03。Jerry Heyのホーン・アレンジが良いですね。ディスコ・ビートを叩かせたら本当に上手いJohn Robinsonのドラミング、 David WilliamsとPhil Upchurchのギターも実に渋いプレイを聴かせてくれます。

マイケル・ジャクソンとルイス・ジョンソンの共作による04。この曲ではやはりルイス・ジョンソンのベースが影の主役と言っても過言ではないでしょう。ルイスらしいチョッパー・ベースが随所で聴けて、私はそれだけで大満足の1曲です(笑)

ロッド・テンパートン作の05。シングル・カットされた曲ですね。これも大好きなナンバーです。後のマイケルの方向性の布石のような楽曲ではないかと思っています。クドイと思われるかも知れませんが、ロッド・テンパートンは本当に素晴らしいセンスを持っていますね。この曲なんて本当に良いアレンジだと思います。

ポール・マッカートニーが提供した06。ポールらしい柔らかくキャッチーなメロディーが光るナンバーです。突出した名曲という程の曲ではないのですが、雰囲気が好きで繰り返し聴いても厭きのこないタイプの曲ですね。

美しいバラード・ナンバー07。この曲もシングル・カットされましたね。情感豊かなマイケルのヴォーカルを聴いて、バラードも上手いなと思えた曲でした。美しいストリングスを中心としたシンプルなアレンジがメロディーとヴォーカルを際立たせていますね。

スティーヴィー・ワンダーの書いた08。スティーヴィーはアレンジにも関わっています。メロディー、アレンジ共に"渋い"という表現がぴったりな1曲ですね。聴く回数が増える毎に愛着が湧くタイプのナンバーではないでしょうか・・・。

09も名曲ですね。キャロル・ベイヤー・セイガーとデヴィッド・フォスターの共作ナンバーで、キャロル・ベイヤー・セイガーの1978年リリースの2ndアルバム『...TOO』に収録されていたナンバーのカヴァーです。不思議なものでマイケルが歌っても全く違和感がないですね。アレンジはクインシーとデヴィッド・フォスターです。素晴らしいコーラスを聴かせてくれるのはPatti Austinです。何と贅沢な1曲でしょうか(笑)

ロッド・テンパートンの作品10。ロッド・テンパートンの在籍していた"ヒートウェイヴ"の音楽を思い出させます。Jerry Heyのホーン・アレンジが渋いですね。Jerry Heyのホーン・アレンジャーとしての出世作と勝手に想像してしまうほど、このアルバムでは素晴らしいホーン・アレンジが多いです。

30年も前のの作品なのに今聴いても全く古さどころか、輝きを失っていないアルバムですね。
この頃のマイケルは音楽を本当に楽しんで作って、歌っていたんではないかと思えます。もちろんマイケルの才能を全て出し尽くせるようなお膳立てをしたクインシーのプロダクションがあってこそだとは思いますが・・・。
マイケルは天国に旅立ちましたが、このアルバムは何時までも私の大切な宝物として、これからも聴き続けていくことだろうと思います。
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今回紹介するのは、最近BOOK OFFで250円で購入したものでここ数日間ヘビーローテーションとなっているアルバムです。
そのアルバムは、鈴木 雄大が1989年にリリースした通算7作目となるアルバム『THE BEAT OF YOUR HEART (君のハートが聴こえる)』です。実は私、鈴木 雄大のアルバムを聴くのはこれが初めて・・・。
昔「レイニー・サマー」という曲を聴いたことがありますが、この曲は確か都倉 俊一の作曲で悪い曲では無いのですが、格別良い曲という印象もありませんでした。加えて鈴木 雄大という名前のイメージから、フォーク系ニューミュージックの人だと思い込んでいたこともあって、今まで聴く機会がありませんでした。

少し前に松原 みきの記事を書いた時に、いつもお世話になっているKenny Uさんが初期(CD化されていないようですが)のアルバムが格好良いと教えて下さったので、機会があれば聴いてみたいと思っていました。
運良く250円という価格で鈴木 雄大のアルバムを見つけたので、とりあえず聴いてみようと購入したのですが、これが大当たりでした。
他のアルバムを聴いていないので、あくまでもこのアルバムの印象でしか語れませんが、実にグルーヴィーでファンキー、曲の構成も面白く、センスの良いメロディーの曲ばかりでかなり驚きました。80年代のエレクトロ・ファンクが好きな人にはピッタリかも知れません。

驚いたことがもうひとつ。鈴木 雄大の歌声でした。これが佐藤 竹善によく似てるんですよね~。もちろん鈴木 雄大の方がはるか先にデビューしてましたが・・・。佐藤 竹善よりも若干細い感じなんですが、バラード曲では本当によく似てます。そんなことを感じながらアルバムを聴いているとまたもやビックリ!佐藤 竹善がゲスト・ヴォーカルで1曲参加してました(笑)
1989年というとSing Like Talkingでデビューして間もない頃だと思いますが、同じレコード会社であったことや歌声が似ているということで参加したのではないかと思われます。

『THE BEAT OF YOUR HEART (君のハートが聴こえる)』は、鈴木 雄大と椎名 和夫がプロデュース。全曲の作詞・作曲は鈴木 雄大自身が、全曲のアレンジを椎名 和夫が手掛けています。
サウンド的には椎名 和夫による打ち込みがメインですが、古川 昌義(g)、土方 隆行(g)、椎名 和夫(g)、Jake H. Conception(sax)、浜口 茂外也(per)、青山 純(ds)、伊藤 広規(b)、Cindy(cho)、佐々木 久美(cho)、木戸 やすひろ(cho)、比山 貴詠史(cho)、広谷 順子(cho)、佐藤 竹善(vo)等が参加しています。

『鈴木 雄大 / THE BEAT OF YOUR HEART (君のハートが聴こえる)』
01. Knock on your door
02. Boom Boom
03. Just Your Life (Heisei Version)
04. Go-Go, Swing!
05. ここで消えろ
06. Slow Dancer
07. 君のハートが聴こえる
08. Stone Love
09. みんな ともだち
10. 同じ怒り

全編打ち込みなんですがグルーヴ感が心地良いナンバー01。Cindyと佐々木 久美のコーラス・ワークも素晴らしく、普段あまり打ち込みのみのサウンドが好きでは無い私ですが、全然違和感無く聴けました。メロディーもキャッチーで、アルバムの冒頭にピッタリな曲と言えるでしょう。

打ち込みを軸に、古川 昌義の軽快なギター・カッティング、Jake H. Conceptionのサックス、青山 純のAdditional Drumsが絶妙に組み合わさったFUNKYなナンバー02。この曲が不思議な曲で、5分47秒の曲なんですが、実際には8分位あるように聴こえる曲なんです。意味が分からないと思いますが、実際の時間よりずっと長く感じる曲なんです。実際聴いてもらえると分かるのですが・・・(笑)。結構好きな曲です。

洒落たメロディー、アレンジが心地良いバラード・ナンバー03。この曲を聴けば、歌い方や声が佐藤 竹善に似ているというのを実感出来ると思います。Jake H.Conceptionのサックスの音色が切なく美しいです。Sing Like Talkingの楽曲だと言っても不自然さを感じないでしょう。良い曲です。

重たいシンセ・ベースとカッティングの名手・土方 隆行のギター・ワークが格好良いグルーヴィーなナンバー04。曲の構成が面白いと思います。

佐藤 竹善がゲスト・ヴォーカルで参加しているミディアム・ファンク・チューン05。当然ながら声の相性はばっちりです。打ち込みに土方 隆行のギター、Cindy、佐々木 久美と鈴木 雄大のコーラスだけなんですが、グルーヴ感もあってなかなか良いですよ。土方 隆行のロック・フィーリング溢れるギター・ソロも聴き所です。

唯一バンド形式で録音されているハチロクのバラード・ナンバー06。これがまた良い曲なんですよね。素晴らしいメロディーを書く人です。メンバーは土方 隆行、椎名 和夫、藤岡 雅裕(sax)、青山 純、伊藤 広規、Cindy、佐々木 久美です。特に藤岡 雅裕のサックスは素晴らしいです。

それまでのFUNK路線とは変わってPOPなアルバム・タイトル・ナンバー07。打ち込みと椎名 和夫のギターとコーラスというシンプルな構成で、何故か穏やかな気分になれるそんな曲です。

都会的でFUNKYなアレンジとキャッチーでPOPなメロディーの組み合わせが面白い08。Cindyと佐々木 久美のコーラスは本当に良いですね。あの山下 達郎が認めていただけのことはあります。このアルバムにおけるCindyと佐々木 久美の存在感は相当なものです。

タイトルとは裏腹にかなりFUNK色の強いナンバー09。歌詞が面白いです。最初は"?"な感じですが、何回か聴いていくうちにお気に入りの1曲になりました(笑)。椎名 和夫のブルージーなソロ、カッティング等のギター・プレイが堪能出来ます。

クロージングにピッタリな感じのミディアム・バラード・ナンバー10。鈴木 雄大の書くメロディーは、構成の上手さもあるとは思いますが、Aメロ→Bメロ→サビの順序に従いメロディーもどんどんキャッチーになっていくのが特徴です。だから聴いていて飽きがこないような気がします。この曲もサビのメロディーが特に印象に残るように作られているように思います。

このアルバムを聴いてから、鈴木 雄大の他のアルバムを探しているのですが、なかなか見つかりません。でも結構気に入ってしまったので根気よく探してみようかと思ってます。まだまだ私の知らない素晴らしいアーティストが沢山いることを改めて実感しましたし、こんな素晴らしいアーティストに250円で出会えたというのはBOOK OFFのおかげですね。
かなり私としては気に入っているアルバムなので、興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。お薦めの1枚です。
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伊豆田 洋之_I WANNA PAIN ◇ 2009年 06月 21日
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1970年代、1980年代の半ば頃まで、レコードを片っ端からレコードを買い漁っていた時期がありました。とにかく色んなアーティストの音楽を聴いてみたいという思いが強かったんだろうと思います。中には今でも聴き続けているアルバムもあれば、買ってから1~2度聴いただけで最近まで所有していることすら忘れているようなレコードもあります。

先日BOOK OFFの安棚物色中に見覚えのあるジャケットを見つけました。どんな内容だったかすら覚えていませんでしたが、ジャケットは覚えていたんで懐かしさもあり購入しました。レコードを買った当時は何故あんまり聴かなかったのか不明ですが、今改めて聴いてみるとなかなか良いアルバムでした。
それが今回紹介する伊豆田 洋之が1986年にリリースした2ndアルバム『I WANNA PAIN』です。

伊豆田 洋之は1984年、ディスコメイト・レコードから1stアルバム『Rose Bud Days』をリリース。レコード会社をEPICソニーに移籍後の1986年にリリースされたのが本作となります。以降1996年に杉 真理、松尾 清憲らと"Piccadilly Circus"を結成したり、歌声がポール・マッカートニーに似ているところからビートルズのナンバーをカヴァーするライブ活動したりと現在でも活躍されているようです。
1stアルバムは未聴なんですが、話によるとPOP路線だったようです。この2ndアルバムはどちらかというとPOP ROCK路線が強くなっています。癖の無い聴き易いメロディーが多く、ソングライターとしても良いモノを持っていると思います。

『伊豆田 洋之 / I WANNA PAIN』
01. 笑顔にダーツ
02. Next Door Girl
03. Wall in Love
04. Trouble
05. Blue Whisper
06. I Wanna Pain
07. Tightなままで
08. 迷路
09. She has・・・

移籍後第一弾となったシングル曲01。大村 雅朗のアレンジによる典型的なPOP ROCK路線のナンバーですね。サウンド、メロディー共に80年代らしい曲と言えるかも知れません。

イントロのギター・リフが印象的なPOPナンバー02。コーラスが伊豆田 洋之の多重録音なんですが、このコーラスが凄く良くて、リード・ヴォーカル時の声よりも好きだったりします。なかなか洒落たメロディー・ラインの曲です。

爽やかなPOPチューン03。特に夏にちなんだ歌詞ではありませんが、西本 明のアレンジが夏っぽくて、コーラス・ワークも含めて、夏のドライブにぴったりな感じに仕上がっています。この曲も01と同様、80年代を感じさせる1曲です。メロディー、アレンジ共にお気に入りの曲です。

ミディアム・バラード・ナンバー04。出来は悪くないのですが、割とありがちなメロディー・ラインで新鮮味に欠けるという印象です。印象に残り難いタイプの曲かも知れませんね。

スロー・バラード・ナンバー05。クリスマス・ソングという訳ではありませんが、メロディー、アレンジ共に"聖夜"というイメージが湧いてくる、そんな1曲です。

アルバム・タイトル曲06。松原 正樹のギターが印象的で、村田 和人のサウンドを彷彿させるウエスト・コースト・ロック風ナンバーです。ここでも実に気持ち良い多重録音コーラスが聴けます。メロディーを上手く活かしている大村 雅朗のアレンジが良いですね。村田 和人が歌ってら似合いそうです(笑)

あまり起伏の無いメロディーが逆に独特の心地良さになっているミディアム・ナンバー07。

シングル・カットされたバラード・ナンバー08。シングル曲としては弱い感じは否めませんが、サビのメロディーは個人的には好きですね。Aメロ部の工夫次第でもっと光るタイプの曲かも知れません。メロディー・センスはなかなかだと思います。

POP ROCKナンバー09。キャッチーなメロディーですが、今の時代にはちょっときついかなという印象です。伊豆田 洋之の書くメロディーは、サビのメロディーはどの曲も良いんですよ。ただ、AメロやBメロがちょっと野暮ったいという感じですね。これは時代も関係しているので仕方の無いことかも知れませんが・・・。

変に凝った曲はありませんし、どの曲も耳に馴染みやすいメロディーを持っていると思います。ただ、"捨て曲無し"という程でもないんですね・・・(笑)
これを機会に他のアルバムも探して聴いてみようと思っていますが、コーラスも素晴らしいですし、ヴォーカルもしっかりしています。私個人としてはPOP ROCK路線よりもCITY POPあるいはウエスト・コースト・ロック路線の方が似合う気がします。私のお薦めは03、06です。バラードなら05です。
入手し難いアルバムかも知れませんが、機会があったらぜひ聴いてみて下さい。
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濱田 金吾_midnight cruisin' ◇ 2009年 06月 16日
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今回紹介するのは、1980年のソロ・デビューから一環して"夜"と"都会"、そしてそこに生活する男女の人間模様を歌にしてきた、まさにCITY POPを代表するアーティスト・濱田 金吾が1982年にリリースした通算4枚目となる『midnight cruisin'』です。

1stアルバム『MANHATTAN IN THE RAIN』(1980年)から3rdアルバム『FEEL THE NIGHT』(1981年)まではAIR RECORDSに所属していましたが、本作からはMOON RECORDSに移籍しています。濱田 金吾は、当時AIR RECORDSの敏腕プロデューサーである小杉 理宇造、山下 達郎と共にAIR RECORDSの立ち上げに関わったアーティストの一人でもあります。

作曲家として活動していた濱田 金吾のデモテープを聴き、歌うように説得したのが小杉 理宇造だったということです。流石に桑名 正博や山下 達郎を育ててきた人だけに、やはり見る目があったという他ありませんね。

濱田 金吾の音楽の特徴と言えば、キャッチーを通り越してまさにコマーシャルなメロディーにあります。そして嫌味の無いハスキーな歌声と大抵の楽器もこなせる器用さも彼の音楽をよりセンスの良いものにしているかも知れませんね。「CITY POPな音楽ってどんな音楽?」と思っている方は、濱田 金吾の音楽を聴けば分かりやすいかも知れません(笑)

『濱田 金吾 / midnight cruisin' 』
01. 抱かれに来た女
02. 横顔のタクシー・ドライバー
03. SO, I LOVE YOU
04. 街のドルフィン
05. ほのかなイリュージョン
06. midnight cruisin'
07. せめてからりと晴れてくれ
08. シャワールームのある風景
09. 真夜中のテニスコート

数原 晋のコルネットが都会の夜を上手く表現しているイントロが印象的な01。1曲目から"都会"と"夜"というキーワードが出てくるCITY POPな渋いナンバーです。島村 英二(ds)と富倉 安生(b)のリズム隊のグルーヴ感たっぷりのリズムと松下 誠の軽快なギター・カッティングが絶妙なバランスです。タイトルもなかなかインパクトが強いですよね(笑)

イントロの生ギターの音色が耳に残る軽やかなナンバー02。この生ギターを弾いているのは安川 ひろしなんですが、オープンチューニングの為か独特の雰囲気が出てますね。また濱田 金吾はピアノを弾いているのですが、これが結構上手いので驚きました。本当に器用な人なんですね。

美しいストリングスで始まるバラード・ナンバー03。サビのメロディーがなかなか洒落ていて、濱田 金吾のヴォーカルとコーラスとのコンビネーションも素晴らしいです。ストリングスとコーラスの使い方が本当に綺麗の一言ですね。

ティミーという女性シンガーに提供した曲のセルフ・カヴァー04。夜のドライブのBGMにピッタリな軽快なPOPナンバーです。確かに濱田 金吾が自分で歌う為に書いたという感じではありませんね。洒落たアレンジによってCITY POP風に仕上がっていますが、メロディーはGIRLS POP風な味わいがあります。

ピアノとストリングスだけをバックにしっとりと歌い上げるバラード曲05。CITY POPな作品でここまでストリングスを全面に出している曲は珍しいかも知れません。大人の為のバラードといった感じでしょうか・・・。美しい弦楽器の響きと濱田 金吾のハスキーな声が絶妙にマッチしています。

アルバム・タイトル曲06。タイトル、歌詞、メロディー、アレンジ(演奏)をひっくるめて、まさにCITY POPなナンバーです。個人的にはシンセがもう少し控え目の方がお洒落な感じがします。この曲も島村 英二&富倉 安生のリズム隊が良い仕事してます。濱田 金吾はティンパレス、カウベル、エンディングでのギター・ソロと大活躍してます。

レゲエ・タッチのアレンジが軽やかで心地良い07。注意して聴くと松下 誠と濱田 金吾のギター・プレイが結構渋いですよ。でも私はこの曲に関しては富倉 安生のベース・プレイが大好きです。濱田 金吾の書くメロディー、特にサビ部のメロディーはどれも本当にキャッチーなのが凄いですね。

濱田 金吾のアルバムの特徴のひとつとして必ずJAZZYなナンバーが1曲収録されているのですが、この08がそのJAZZYなナンバーです。JAZZって"夜"と"都会"というキーワードに本当によく似合いますよね。随分ライブっぽい演奏だなと思っていたんですが、調べてみるとストリングスと管楽器を同時に録音したようです。

メロウなバラード・ナンバー09。実に濱田 金吾らしい曲と言えると思います。アルバムのクロージング・ナンバーとしては最適な1曲でしょう。間奏のチェロの音色が優雅で心地良いです。

改めてアルバムを通して聴くと、"夜"と"都会"、そして人間模様が上手く描かれているのが分かります。濱田 金吾の書いたメロディーが秀逸なのは当然ですが、康 珍化、小林 和子、来生えつこという作詞家陣が濱田 金吾の世界を言葉にしているなと思います。
CITY POPにはリゾート感溢れるものもあれば、濱田 金吾のように都会生活を描いたものあって様々で、そこが面白いところでもあります。
私が若い頃は、海へ出かける時の車内のBGMは角松 敏生や山下 達郎で、帰りの車内のBGMは安部 恭弘や濱田 金吾だったりしました。つまりTPOに合わせて楽しめるのもCITY POPの良い所です。
濱田 金吾のアルバムのコピー(詳細は忘れましたが・・・)だったかにこんな名言がありました。
"音遊び、するなら浜田は金吾です。"
夜のドライブにぴったりですので、ぜひ聴いてみて下さい。
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当山 ひとみ_JUST CALL ME PENNY ◇ 2009年 06月 15日
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私のブログにおける"検索ワード"ランキングのTOP10に必ずランク・インしてくるアーティストに当山 ひとみがいます。
彼女のアルバムの紹介記事は過去に『AFTER 5:00 STORY』(1989年)と『ONE SCENE』(1987年)の2枚だけです。それでも毎月"検索ワード"ランキングに顔を出すということは、それだけ彼女の音楽を好きだった人が多かったということなのかも知れません。

今回紹介するのは、彼女が1981年にリリースしたデビュー・アルバム『JUST CALL ME PENNY』です。
私の持っているのは、コロンビアが実施したサービスで、製造中止や廃盤になったアルバム(CD)を1枚でもCD-Rに焼いてくれる"R-BAN"(現在はオンデマンドCDと名前が変わっています。詳しくはコチラ)で購入したものです。
正規なCDでは無いにしても音質等が悪い訳ではありませんから、こういうサービスは本当にありがたいですね。

『JUST CALL ME PENNY』は、1977年にデビューを飾り、日本人離れしたソウルフルな歌声を聞かせてくれた井田リエ&42ndストリートの42nd Street Bandがバックを務めています。またゲスト・ミュージシャンとして当時日本でも人気の高かったFUSION BAND"24丁目バンド"が参加しています。
収録されている曲の大半が、42nd Street Bandのギタリスト・米倉 良広の作曲・編曲によるもので、POPでありながら程よくソウルフルな曲が楽しめるアルバムになっています。

『当山 ひとみ / JUST CALL ME PENNY』
01. ドア越しのGood Song ~SO MANY TIMES~
02. マイ・ガイ (CAFE Sign)
03. イメージ・チェンジ
04. レイニー・ドライバー
05. ステーション
06. ベイビー、ベイビー、ベイビー
07. ミッドナイト・エクスプレス
08. サンフランシスコ - オークランド
09. インスタント・ポラロイド

お得意の英語の台詞で始まる01は、どこか懐かしさ漂うオールディーズ風ナンバーです。当山 ひとみの歌声はPOPな中にどこかR&Bのテイストを感じる、ある種独特な歌声の持ち主という感じですね。

ミディアム・バラード・ナンバー02。この曲もサビまでのメロディーは郷愁漂う感じで、サビは洒落たCITY POP風なメロディーという面白いナンバーに仕上がっています。言葉は悪いですが、都会的でスタイリッシュな部分と田舎臭さが混じったという感じでしょうか(笑)

N.Y.サウンドを彷彿させるミディアム・ナンバー03。アレンジはCITY POP風、メロディーはGIRLS POPといった趣のある曲です。米倉 良広のギターがEric Gale風で良い感じです。

24丁目バンドがバックを務めた04。明らかにグルーヴ感が違いますね。Will Leeのベースが印象に残ります。アレンジは格好良いのですが、どこか歌謡曲チックなメロディーなのが勿体無い感じがします。決して悪い曲という意味ではありませんので、あしからず。

軽快でPOPな05。須藤 薫が歌っても似合いそうなPOPナンバーです。EVEのコーラスが曲を一層華やかにしています。それまでの曲の中では1番明るい曲調かも知れません。

キャッチーなナンバー06。EVEのコーラス・ワークも含めアレンジが洒落ていていますし、メロディーも自然と耳に馴染んでくる感じです。

アレンジに関してはタイトルのイメージ通りなんですが、どうもメロディーがキャッチーな割りに垢抜けない感じがする07。80'sというより70'sの匂いが強い気がします。

FUNKYなナンバー08。42nd Street Bandの底力を感じるアレンジ、演奏が印象的です。特にEVEのコーラスは流石と言った感じです。アルバム中で私が最も好きな曲になっています。

英語詞のナンバー09。24丁目バンドのFUSION色の強い演奏が格好良いナンバーです。このアルバムでは前曲08と09の出来が良く、この2曲がCITY POP好きな方にはお薦めですね。

収録曲9曲中7曲(01、02、03、04、06、07、09)の作曲と7曲(02、03、04、05、06、08、09)のアレンジを米倉 良広が手掛けています。彼のアレンジ・センスはなかなかなんですが、メロディーは今聴くとどうしても古臭い感じが否めません。この手のメロディーが好きな方も多いと思いますが・・・。
ただ、09に関しては良いメロディーだと思います。英語詞にメロディーを付ける方が得意なのかも知れません。
当山 ひとみのヴォーカルも1stアルバムということもあるのでしょう、少し固い感じがしますね。個人的に強くお薦め出来るアルバムではありませんが、08、09の出来が凄く良いので興味があったら聴いてみて下さい。
冒頭に書いたコロンビアの"オンデマンドCD"では、当山 ひとみの初CD化のアルバムも含め、19作品購入可能です。
このようなサービスをレコード会社各社で提供してくれると嬉しいですよね。
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渡辺 貞夫_SADAO WATANABE ◇ 2009年 06月 13日
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今回紹介するのは、日本を代表するJAZZ MANである"ナベサダ"こと渡辺 貞夫が1987年にリリースしたベスト盤『SADAO WATANABE』です。
ナベサダと言えば、1978年頃に自身が出演(草刈 正雄と共演)した資生堂・ブラバスのCMで使われた「CALIFORNIA SHOWER」が収録されたアルバム『CALIFORNIA SHOWER』が大ヒット。それまでブームの兆しのあったFUSION音楽を一般に広く知らしめたと言っても過言ではないと思います。私もJAZZ MANのアルバムで初めて手にしたのがナベサダでした。

このベスト盤に収録されているのはビクター時代の音源で、しかもDave Grusinが関わった楽曲を中心に選曲されています。『MY DEAR LIFE』(1977年)から1曲、『CALIFORNIA SHOWER』(1978年)から3曲、『MORNING ISLAND』(1979年)から6曲、シングル盤から1曲の計11曲が収録されています。
私がこのベスト盤を購入した理由は二つ。ひとつは、『MY DEAR LIFE』、『CALIFORNIA SHOWER』、『MORNING ISLAND』の3枚はアナログ盤は持っていたもののCDを購入していなかったから。もうひとつは、1980年にシングル盤のみリリースされた「NICE SHOT!」のスタジオ録音音源が収録されていたからです。この「NICE SHOT!」もブラバスのCMで使われていた記憶があります。

ご存知の方も多いと思いますが、収録曲11曲中10曲のアレンジをDave Grusinが手掛けています。『CALIFORNIA SHOWER』ではジェントルソウツのメンバーを中心にロスで録音され、いかにも西海岸のカラッとしたサウンドが特徴で、『MORNING ISLAND』はN.Y.録音で、メンバーもN.Y.で活躍するミュージシャンで固められ爽やかな中にも都会的な雰囲気をもったサウンドが特徴と言えるでしょう。

『渡辺 貞夫 / SADAO WATANABE』
01. CALIFORNIA SHOWER
02. NICE SHOT!
03. INNER EMBRACE
04. SAMBA DO MARCOS
05. SERENADE
06. MORNING ISLAND
07. SEVENTH HIGH
08. TURNING PAGES OF WIND (風の想い出)
09. DOWN EAST
10. HOME MEETING
11. MY DEAR LIFE

アルバム『CALIFORNIA SHOWER』からは01、07、08の3曲がセレクトされています。メンバーは、Dave Grusin(key)、Lee Ritenour(g)、Chuck Rainy(b)、Harvey Mason(ds)、Paulinho Da Costa(per)等が参加しています。
いずれもジェントルソウツらしいサウンドで、いかにも渇いた西海岸の風を感じる01。
ホーン・セクションを加えて少し都会的な印象のあるスリリングなナンバー07。
美しいストリングスが印象的なメロウなバラード・ナンバー08。

アルバム『MORNING ISLAND』からは、03、04、05、06、09、10の6曲がセレクトされています。メンバーは、Dave Grusin(key)、Eric Gale(g)、Jeff Mironov(g)、Francisco Centeno(b)、Steve Gadd(ds)、Rubens Bassini(per)等が参加しています。
N.Y.の夜を感じさせるバラード・ナンバー03。
Dave Grusin作曲によるナンバーで、JAZZYなイントロからサンバへと変わっていくアレンジが絶妙な04。都会のオアシスっていうイメージでしょうか・・・。
しっとりした中にも心地良さを感じるバラード・ナンバー05。Jeff Mironovの渋いギター・プレイとDave Grusinのピアノ・ソロが光っている曲ですね。
まさにアルバム・ジャケットのイメージそのままといった感じの06。これは名曲だと思います。ナベサダのフルートが摩天楼に昇る朝陽を感じさせてくれます。
N.Y.らしいサウンドが格好良い09。この曲の主役はズバリEric Galeでしょうね。渋い1曲です。
シャッフル・ビートが心地良い10。JAZZYでノリの良いナンバーです。

02は日本で録音され、シングルのみでリリースされたと記憶しています。メンバーは、Dave Grusin(key)、Don Grusin(key)、Bobby Broom(g)、Marcus Miller(b)、Buddy Williams(ds)、Roger Squitero(per)です。Buddy & Marcusのリズム隊が良い仕事をしており、"ナイス・ショット!"の爽快感が実に上手く表現されているのではないでしょうか。隠れた名曲だと思っています。

ナベサダの代表的な1曲と言える11。名曲中の名曲ですね。この曲のみナベサダがアレンジしています。参加メンバーは、Dave Grusin(key)、Lee Ritenour(g)、Chuck Rainy(b)、Harvey Mason(ds)、Steve Forman(per)で、まさにジェントルソウツそのものですね。

ナベサダも今年で76歳、初のリーダー・アルバムをリリースしてから実に半世紀近く経つにも関わらず、今でも現役でしかも第一線で活躍しているのですから凄いの一言ですね。
このベスト盤に収録されている曲を録音した頃は45~47歳。そのサックス・プレイには気負いというものを全く感じさせず、逆に余裕すら感じます。Dave Grusinの洒落たアレンジとの相性も抜群で、30年経過した今聴いても古さを感じません。
これからの季節に似合う曲が多いので、毎年この時期に活躍してくれる1枚になっています。
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今回紹介するのは、今年デビュー35周年を迎え、この6月10日にはフォノグラム時代のオリジナル・アルバム11枚と2枚組のシングル・コレクション、ソニー時代の2枚組ゴールデン・ベスト、そしてニュー・アルバム1枚の合計14枚ものアルバムをリリースした大橋 純子の通算4枚目、大橋 純子&美乃家セントラル・ステイション名義としては2枚目となる『CRYSTAL CITY』(1977年リリース)です。

何より嬉しかったのは、フォノグラム時代のオリジナル・アルバム11枚がリイシュー(うち3枚は初CD化です)されたことですね。本当は全部欲しいのですが、予算の都合上で美乃家セントラル・ステイション絡みのアルバムを中心に5枚購入しました。特に私の大好きな『FULL HOUSE』(1979年)がCDで聴けるのは本当に嬉しいです。リマスターされており音質もかなり良いですし、ボーナス・トラックも付いて2,000円はお買い得だと思います。

さて『CRYSTAL CITY』ですが、まだまだ歌謡曲が全盛で、ようやくニューミュージックが広がり始めたというような時代に制作されています。当時これだけFUNKYな曲を歌っていたシンガーは大橋 純子と吉田 美奈子くらいなものでしょう。しかし、ヴォーカルの迫力、声量の凄さという点では、元祖FUNKの女王は大橋 純子かなという気がします。
アルバムの収録されている楽曲はバラエティに富んでおり、CITY POPあり、FUNKあり、Mellowありと言った感じで32年も前に制作されているにも関わらず、今聴いても全く古さを感じさせません。これはバック・バンドである美乃家セントラル・ステイションの演奏力や佐藤 健、林 哲司、土屋 昌巳、増尾 元章、梅垣 達志、深町 純といった作家陣の書いたセンスの良い楽曲のおかげでしょう。
特に美乃家セントラル・ステイションのFUSIONテイストたっぷりの演奏は本当に素晴らしいです。美乃家セントラル・ステイションはアルバム毎に若干メンバーの違いがありますが、このアルバムの演奏メンバーは、
佐藤 健(key)、菊池 ひみこ(key)、見砂 和照(ds)、土屋 昌巳(g)、松本 正嗣(g)、杉本 和也(b)、高杉 登(per)の7人です。FUSIONが好きな方には憶えのある名前が多いと思います。
凄い演奏と凄い大橋 純子のヴォーカルを堪能出来るアルバムです。

『大橋 純子&美乃家セントラル・ステイション / CRYSTAL CITY』
01. クリスタル・シティー
02. 霧に抱かれて
03. FUNKY LITTLE QUEENIE
04. 男と女のいる舗道
05. 落日風景
06. アラビアン・ナイト
07. 夜のハイウェイ
08. 炎のヒロイン
09. 風のシルエット
10. LIKE A SEA GULL
BONUS TRACKS
11. FUNKY LITTLE QUEENIE (プロモーション・ロング・ヴァージョン)
12. FUNKY LITTLE QUEENIE (英語ロング・ヴァージョン)

歌詞、メロディー、アレンジ共にCITY POPの見本とも言える名曲01。リズム・セクション、ホーン・セクション、ストリングスが見事に融合している佐藤 健のアレンジが秀逸です。

作・編曲:林 哲司によるバラード・ナンバー02。綺麗なメロディーですが、どことなく暗さが漂う曲でもありますね。美しいストリングスが印象的なんですが、ストリングス・アレンジは萩田 光雄が手掛けています。

強烈なFUNKナンバー03。あの小さい体のどこからあんな凄い声が出るのかと不思議でなりません。土屋 昌巳のアレンジ曲で、菊池 ひみこのエレピ・ソロ、村岡 健のサックス・ソロがフィーチャーされています。しかし、やはり大橋 純子の迫力あるヴォーカルが光っています。

ボッサ・ナンバー04。この曲もまさにCITY POPなナンバーです。デュエット・ヴォーカルは佐藤 健で、上手くは無いのですが良い味出してます。ジェイク・H・コンセプションの美しいフルート・ソロが素晴らしいですね。

何とも優雅でアダルトなナンバー05。JAZZYなアレンジは萩田 光雄です。曲は増尾 元章。それにしても大橋 純子はどんなタイプの曲においても素晴らしい歌声を聴かせてくれますね。03と全く違うヴォーカル・スタイルですが、実に上手いです。

作詞・作曲・編曲:土屋 昌巳による06。パーカッションを効かせたアレンジは、まさにタイトル通りアラビアンな感じに仕上がっています。土屋 昌巳らしい個性的な曲です。

萩田 光雄のアレンジが光る07は、まさに都会の夜を連想させます。渋いメロディーとアレンジが絶妙にマッチしています。作曲は梅垣 達志。

作詞:松本 隆、深町 純の作・編曲による08。この曲では深町 純自身もキーボードで参加しています。アレンジはPOP色が強いですが、大橋 純子のヴォーカルは結構FUNKYです(笑)

メロウ・ナンバー09。佐藤 健の書いた01、04とこの09は3曲ともCITY POP色が強く、本当にセンスの良いメロディーを書きますね。大橋 純子のヴォーカルが風のように心地良く響きます。

林 哲司の作・編曲によるしっとりとしたバラード曲10。02よりも林 哲司らしいメロディーです。特にサビのメロディーは洋楽チックです。まだ作曲家としてブレイク前ですが、この時点で既に才能は開花しつつあったということを強く感じさせる曲です。

大橋 純子という人は、歌を歌う為に生まれてきた人なんだと強く感じますね。
声量・音域・表現力全てにおいて超一流です。ここまで歌えるシンガーってそうは存在しません。どんなタイプの曲も歌いこなせるシンガーとしてのキャパシティは相当なものです。
一般的に大橋 純子と言えば、「たそがれマイ・ラブ」や「シルエット・ロマンス」を思い浮かべる人が多いと思いますが、彼女の本当の凄さはアルバムを聴かないと分からないかも知れません。これから先何度かリイシューされたアルバムを紹介しようと思っていますので、記事を読んで興味が湧いたアルバムがあったら、ぜひ聴いてみて下さい。その格好良さにきっと驚くはずですから・・・(笑)
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KENNY RANKIN_SILVER MORNING ◇ 2009年 06月 10日
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そのハートウォーミングな歌声でAORファンの心を鷲掴みにした、JAZZYな都会派シンガー・ケニー・ランキンが6月7日、肺ガンによる合併症で亡くなりました。
今回はそのケニー・ランキンの死に追悼の意を込めて、彼の代表作であり名盤と誉れの高い1974年のアルバム『SILVER MORNING』を紹介します。

以前、このアルバムと人気を二分していると言っても過言では無い名盤『The Kenny Rankin Album』を紹介しました。このアルバムも機会を見て紹介したいなと思っていながらタイミングを逸しており、まさか追悼という形で紹介することになろうとは夢にも思っていませんでした。
私の購入したCDは輸入盤で、ライナーも歌詞カードも付いていないシンプルなモノですが、ケニーの音楽の場合はそんなものは必要無いですね。とにかく聴いていて心地良い、それだけで十分だという気がします。
理屈抜きで良いアルバムなんで、多くの人に聴いて欲しい1枚です。

『KENNY RANKIN / SILVER MORNING』
01. Silver Morning
02. Blackbird
03. In The Name Of Love
04. Peaple Get Ready
05. Killed A Cat
06. Haven't We Met
07. Penny Lane
08. Pussywillows Cattails
09. Catfish
10. Birembau
11. Why Do Fools Fall In Love

Jimmy Haskellのストリングス・アレンジが秀逸な01。"銀色の朝"というタイトルのイメージとサウンドが見事にマッチしているナンバーです。上手いと言えるヴォーカルではありませんが、その歌声は心地良く聴く者を魅了します。

お馴染みビートルズのカヴァー02。オリジナルを凌駕していると言っても過言では無い仕上がりです。いつも思うのですが、ビートルズ時代のポール・マッカートニーというのはまさに神懸り的な才能を発揮していましたね。

テンポのあるJAZZYなナンバー03。スリリングな演奏とケニーの歌が素晴らしいナンバーです。間奏のギター・ソロやケニーのスキャットは圧巻です。35年も前にこんな洒落た音楽を作っていた事に驚かされます。

カーティス・メイフィールドの名曲のカヴァー04。アコースティックなサウンドを軸に何とも郷愁感溢れるアレンジになっています。

タイトルからも想像出来まると思いますが、何とも切なく悲しげなナンバー05。私個人的にはちょっと苦手なタイプの曲ですが、決して悪い曲ではありませんよ。

ジャズ・シンガー・カーメン・マクレエに提供した曲のセルフ・カヴァーだという06。JAZZとブラジル音楽が見事に融合したナンバーですね。録音状態が時代もあり、決して良いとは言い難いのですが、逆にそれが良い味になっていて不思議な心地良さを運んできます。

07もビートルズのカヴァーです。リヴァプールの通りがケニーのヴァージョンではブラジルの海岸通リに変わってしまったようです(笑)。02同様、非常に魅力的なカヴァーに仕上がっています。

切ないメロディーが印象的な08。演奏もケニーのヴォーカルもシンプルそのもので、そこが切なさを際立たせているような気がします。

私の大好きなナンバー09。軽快なテンポのボッサ調ナンバーです。ケニーのヴォーカルはスロー・ナンバーよりもリズムのある曲の方が活き活きとしていて、本当に気持ち良く聴けます。

ブラジリアン・テイストの色濃い10もお気に入りの1曲。こういうテンポの曲の時のケニーのヴォーカルは本当に素敵です。特にスキャットが素晴らしいの一言。

アナログ盤では10で終わりでしたが、CDではボーナス・トラックとして11が収録されています。フランキー・ライモン・アンド・ザ・ティーンエイジャーズのカヴァーで、映画『アメリカン・グラフィティ』にも使われたこのオールディーズ・ナンバーをケニー風に仕立てており、アレンジのセンスの良さが光ってます。

ケニー・ランキンの新作ならびに生の歌声を聴くことはもう叶わなくなりました。
しかし、35年も前の作品を今私を始め、多くの人が楽しんでいるはずです。そしてこれから先も聴き継がれていくことでしょう。
不謹慎かも知れませんが、聴き継がれていくような作品を作ってきたということはアーティスト冥利に尽きると言えると思いますし、天国でケニーもきっと喜んでいるのではないでしょうか。
今夜は彼の冥福を祈りつつ、ケニーの音楽を心から楽しませてもらおうと思います。
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中川 イサト_WATER SKIPPER ◇ 2009年 06月 08日
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今回紹介するのは、極上のアコースティック・ギター・サウンドを聴かせてくれる中川 イサトが1990年にリリースしたアルバム『WATER SKIPPER』です。
私はこのアルバムに出会うまでは、中川 イサトという人はフォーク・ソングを歌っている人だと思っておりました。多分それは、中川 イサトがフォーク・グループ"五つの赤い風船"のメンバーとしてデビューしたというイメージが強かったからだと思います。失礼な話ですが、ジャケット写真を見た限りでもちょっと田舎臭い感じで、いかにもフォーク・ソングって雰囲気なんですよね(笑)

そんな私が何故このアルバムを購入したかと言うと、それは"AIRレーベル"からリリースされていたからという単純な理由なんです。AIRレーベルからリリースされている作品が悪い訳が無いという思い込みがあって、例えフォーク・ソングでも一味違うんだろうなと勝手に解釈して買いました(笑)
実際にアルバムを聴いてみると、アコースティック・ギターの演奏によるインストゥルメンタルな作品だったことに驚愕し、そのサウンドの気持ち良さに魅了されてしまいました。

調べてみると、アコースティック・ギターによる独奏が基本的なスタイルのようですが、このアルバムではサウンド・プロデュースを難波 弘之が手掛け、バンド・サウンドによるアンサンブルが中心となっています。
また彼の演奏スタイルは爪弾き。これはやはりフォーク系から発展してきたスタイルなのかなという気がしますね。
バックを務めるメンバーは、難波 弘之(key)、長谷部 徹(ds)、松原 秀樹(b)、菅原 裕紀(per)、松田 幸一(blues harp)等です。

『中川 イサト / WATER SKIPPER』
01. あいらんど
02. St. Thomas
03. Floating Cloud
04. After Hours
05. 黄昏
06. Astrad
07. Uncle Rag
08. 茴香
09. Chotto Tropical
10. Geogia On My Mind
11. Monn Dance
12. Poh-Han's Theme
13. Which Way ~いつか行く旅~

楽園気分に浸れる夏向けの涼しげなナンバー01。リラクゼーション・ミュージックといった感じで癒し効果抜群です。碧い海、青い空に囲まれ、心地良い潮風に吹かれながら椰子の木陰で聴きたい、そんな1曲です。

中川 イサトの独奏によるソニー・ロリンズの名曲02。JAZZのナンバーながら、実に爽やかで清々しい演奏が心地良いです。独奏では中川 イサトの素晴らしいテクニックを堪能出来ます。

上手いタイトルを付けたなという印象の03。青い空に浮かぶ雲がゆっくりと流れていく感じが、上手く表現されている気がします。浜辺や野原に寝転んで、空を見上げながら聴きたいような衝動に駆られます。難波 弘之のアレンジ・センスが光る1曲です。

一転して都会の夜、BARでグラスを傾けながら聴きたいようなJAZZYなナンバー04。中川 イサトもプレイもそうですが、難波 弘之のピアノ、松原 秀樹のベースのプレイがかなり渋いです。大人の夜の為の1曲といった雰囲気を持っています。

難波 弘之の作曲による05。メロディアスで、爽やかなナンバーです。CMやTV番組のBGMとして使われてもおかしくないような曲ですね。どこかの田舎町の夕暮れ時のイメージでしょうか。

同じく難波 弘之の作曲による06。軽快なボッサ調のナンバーです。05に比べると都会的でグッとシックな感じがお洒落です。涼しげで寝苦しい夜にピッタリかも知れません。

中川 イサトが得意としているらしいラグタイム風ナンバー07。アコースティック・ギターの独奏から、バンド演奏が加わってきます。ホンキートンク調ピアノやアコーディオン風なシンセと難波 弘之が大活躍しています。古き良きアメリカって感じですね(笑)

08のタイトルは"ういきょう"と読みます。香料などに使われる多年草の植物のようです。どんな植物なのか分からないのですが、きっと植物の花をイメージしているのかも知れません。ちょっと幻想的な雰囲気を持っている曲です。

朝日ソーラーのCMのイメージ・ソングに起用された09。まさにタイトル通り、"ちょっとトロピカル"な曲です。松原 幸広のアレンジなんですが、ストリングスを全編に使ったスケールの大きい曲で、サウンド自体はトロピカルというイメージはあまり感じませんが、涼しげで気持ちの良い曲です。

"我が心のジョージア"という邦題でお馴染みのJAZZのスタンダード・ナンバーのカヴァー10。ストリングスの美しい調べとブルージーなギター、松田 幸一のブルース・ハープのコンビネーションが渋い1曲です。

満点の星空と満月の明るい月夜。そんな夜をイメージさせる11は、中川 イサトの独奏によるナンバーです。愛くるしいナンバーですね。

TVの旅番組のBGMなんかで使われていそうな12は、ちょっと切ない感じのメロディーが印象的なナンバーです。日本の原風景というイメージが湧いてきます。

ラストを飾る13は、本当に旅番組のオープニング・テーマ曲だったというナンバー。作曲は難波 弘之です。

難波 弘之が作曲した05、06、13以外は、おそらく中川 イサトが以前から独奏スタイルで演奏していた曲だったのではないでしょうか。難波 弘之はその独奏を聴き、ギター・プレイや音色に合わせてアレンジを施したという感じがします。決して出過ぎず、かと言って地味という感じでもないアレンジが絶妙で、このアルバムに一貫した心地良さを演出しています。
これからジメジメした梅雨を迎え、やがて日本独特の蒸し暑い夏がやってきます。そんな時にこのアルバムを聴けば、爽やかで涼しげな気分にさせてくれることは保障しますよ。
現在は廃盤なようで中古市場で見つけるしかないと思いますが、もし見つけたらぜひ聴いてみて下さい。

ちなみに中川 イサトは1947年生まれ。同年のアーティストには加川 良、はしだのりひこ、小田 和正、小椋 佳がいますが、スタジオ・セッションではお馴染みのアコースティック・ギターの名手・吉川 忠英も同年らしいです(笑)
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