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吉野 千代乃_Montage ◇ 2007年 10月 23日
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BOOK OFFやGEOといった中古CDを扱うお店をよく利用するのですが、最近はなかなか欲しいモノに出会えません。それでもBOOK OFFの安棚に置かれている250円のCDは、私にとっては非常に魅力的です。お目当てのモノが無かったにしても考え方ひとつです。そんな時には、名前は知っていても今まで聴いた事の無かったアーティストのアルバムを買ってみたりします。これが意外に良いアルバムに出会えたりするんです。もし自分の好みの音楽で無かったとしても250円ですからね・・・(笑)

今回紹介するのもそんな1枚です。名前は知っていたにも関わらず、1度も聴いた事が無かったアーティストです。そのアーティストとは吉野 千代乃です。そして初めて出会った(250円で購入した)アルバムが、1988年にリリースされた彼女の4枚目となるアルバム『Montage』です。
作詞家の松井 五郎がプロデュース。松井 五郎の書いた詞に、斉藤 英夫、菅野 よう子、矢萩 渉、和田 典久、藤田 司、山川 恵津子、小路 隆、佐藤 健といった面々が曲を付けています。正直なところ、佐藤 健と山川 恵津子はよく知られていますが、その他の面々は知名度は低いかも知れませんね。しかし、メロディーの良さは知名度には関係無いですからね(笑)

このアルバムを聴いて最初に感じたのは、吉野 千代乃が素晴らしく歌が上手いという事でした。パワフル、繊細、アンニュイという色んな表情を見せつつも、しっかりした歌唱力が根本にあるので聴いていて実に気持ちの良いヴォーカルですね。相当な実力派シンガーと言えると思います。

『吉野 千代乃 / Montage』
01. とがったKissの警告
02. 春・ma・maison
03. Make Me 太陽
04. Dance In The Champagne
05. 帰れないエトランゼ
06. 月夜のモノローグ
07. ホロスコープガール
08. 涙はFineで終わらない
09. ジ・ン・ク・ス
10. 日付変更線

軽快な打ち込みサウンドが印象的なポップ・チューン01。決して力んではいないのですが力強さを感じるヴォーカルが魅力です。凝ったアレンジではないですが、サックスをフィーチャーして打ち込み特有の無機質な感じがしないのも良いですね。

しっとりとしたバラード・ナンバー02。本格派シンガーといった堂々たる歌いっぷりです。菅野 よう子の作・編曲のナンバーで、春らしいホンワカとした雰囲気がよく表現されている気がします。

02と同じ菅野 よう子の作・編曲によるポップなナンバー03。村上 秀一のドラミングに耳を奪われます。ポップながらもファンキーな味付けが施されたアレンジが絶妙で、吉野 千代乃のヴォーカルも溌剌としています。お気に入りのナンバーになっています。

軽めの打ち込みのリズムとギター・リフを中心にダンサブルに仕上げている04。全体的に音が軽すぎるのが残念な気がします。もっと低音を効かせて方が良かったと思いますね。

テレビ東京系TV"夏樹 静子トラベルサスペンス"のテーマ曲だったという05。まさにサスペンス・ドラマのエンディング・ロールと同時に流れたらピッタリな感じのバラード曲です。しとやかに歌う吉野 千代乃の歌声が綺麗です。

不思議な心地良さが漂うミディアム・ポップ・ナンバー06。米光 亮の軽快なギター・カッティングやアコースティック・ギターのプレイが光る1曲です。

テクノ・ポップ風な07。アンニュイな吉野 千代乃のヴォーカルが、他の曲と同一人物が歌っているとはとは思えない程可愛らしいですね。山川 恵津子らしいキャッチーなメロディーのナンバー。

生のリズム隊の音はやはり良いです!リズムが心地良いミディアム・ナンバー08。しとやかなメロディー・ラインとタイトなリズムの組み合わせが絶妙です。いかにも80年代といった趣きのあるナンバーで、この曲もお気に入りの1曲になっています。

アルバム中最もロック色の強いナンバーが09です。サビに向かって徐々に盛り上がっていくタイプの曲で、ライブで映えるナンバーと言えるかも知れません。

佐藤 健らしく、聴きやすいメロディーながら歌うのは難しいであろうバラード曲10。美しいメロディーや、富田 素弘によるスケールの大きなアレンジが印象的ですね。

突出した曲がある訳では無いのですが、全体としてよく纏まっていると思いますし、吉野 千代乃のヴォーカリストとしての非凡な才能を味わえるアルバムです。今のところ、まだこのアルバムしか聴いたことが無いのですが、他のアルバムも聴いてみたいと思わせますね。
実は、彼女が1992年にリリースした7作目のオリジナル・アルバム『JOURNEY TO LOVE』を探しています。実はこのアルバム、私の敬愛する林 哲司のプロデュース作品なのです。調べてみるとファンの間でも人気の高いアルバムのようなので、ぜひ見つけて聴いてみたいと思います。もし、入手出来たらまた記事を書きたいなと思います。
吉野 千代乃は1986年にデビューということなので、昨年20周年を迎えています。最近も活動されているようですが、こういう本格派の人にはぜひ頑張って欲しいなと思います。
ELTON JOHN_GREATEST HITS ◇ 2007年 10月 22日
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今回は、過去に類を見ないほど手抜きの記事となりますがご容赦下さい。と言うのも、明日急遽長野へ出張となりまして客先へ朝9時に入らなければならず、千葉県在住の私は早朝5時30分には自宅を出なければなりません。いつもペースで記事を書いてますと、とても早起きする自信が無いので思い切り手抜きさせて下さい(笑)

今回紹介するのは、エルトン・ジョンが1974年にリリースした初のベスト盤『GREATEST HITS』です。このアルバム・ジャケットを見て懐かしいと思う方も多いのではないでしょうか。このベスト盤、エルトン・ジョンの全アルバム中で最も売れたアルバムらしいですね。発売後、10週間アルバム・チャートのトップを獲得、1975年のアメリカの年間アルバム・チャート第1位を記録したモンスター・アルバムです。
私にとっても思い出深いアルバムなんです。1974年というと私がまだ15歳の頃で、当時は明けても暮れてもビートルズ一色でした。レコードを買うのはビートルズかメンバーのソロ作品ばかり・・・。そんな頃にビートルズ以外に買った初めての洋楽のLPレコードがこのアルバムでした。当時は日本でも爆発的に売れていたと思います。私の友人達も多くも持っていたアルバムでしたね。
選曲も"GREATEST HITS"の名に相応しく、当時頻繁にラジオで流れていたヒット曲が全て網羅されています。私の所有しているCDはUK盤(輸入盤)でして、アメリカ盤に比べ収録曲が1曲少ない10曲です。

『ELTON JOHN / GREATEST HITS』
01. Your Song (僕の歌は君の歌)
02. Daniel
03. Honky Cat
04. Goodbye Yellow Brick Road
05. Saturday Night's Alright For Fighting (土曜の夜は僕の生きがい)
06. Rocket Man
07. Candle In The Wind (風の中の火のように)
08. Don't Let The Sun Go Down On Me (僕の瞳に小さな太陽)
09. Border Song (人生の壁)
10. Crocodile Rock (クロコダイル・ロック)

アメリカ盤には、7曲目に「Bennie And The Jets」が収録されているようです。それにしてもこの選曲を見ると、おそらく全曲がベスト10圏内にチャート・インしたのではないかなと思います。
私と同年代の人や洋楽の好きな方にはお馴染みの曲ばかりなので、今更曲毎のレビューの必要はありませんね(汗)
このアルバムを聴いていると、思春期を思い出しますね。頻繁に聴く訳では無いのですが、たまに無性に聴きたくなるアルバムです。
明日はしっかりした記事を書きますので、今夜はこれにて失礼します(笑)
金井 夕子_CHINA ROSE ◇ 2007年 10月 21日
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今回紹介するのは、9月19日にリリースされた4枚組CD『78 - 82 ぼくらのベスト 金井 夕子 アナログ・アルバム 完全復刻パッケージ』の中から、1979年12月に発売された3rdアルバム『CHINA ROSE』です。

以前紹介した2ndアルバム『invitation』は、コンセプト的にも中途半端な感じでトータルでは地味な印象が拭えなかったのですが、『CHINA ROSE』は金井 夕子の持つ異国情緒というイメージをより押し出した感じに仕上がっており、前作よりはトータル・バランスが良く聴きやすいと思います。CITY POP風なメロウなポップスとテクノ風、フォルクローレ風の味付けされたエキゾチックなポップスが混じったバラエティに富んだ内容で、曲自体も前作より耳に馴染む良い曲が多いのもこのアルバムの特徴かも知れません。
作家陣も尾崎 亜美、鈴木 茂、細野 晴臣、梅垣 達志、筒美 京平、島 健というバラエティに富んだ顔触れになっています。アレンジは鈴木 茂、船山 基紀、梅垣 達志、細野 晴臣、坂本 龍一が手掛けています。1979年という時代を考えれば、アイドルのアルバムという枠を越えた良い作品が揃っていると思います。

『金井 夕子 / CHINA ROSE』
01. マヤマヤ・ビーチ
02. SOIR, AU REVOIR
03. チャイナ・ローズ
04. Sweet Inspiration
05. 離愁
06. オリエンタル・ムーン
07. A BOY FROM ANDES
08. DISCO TANGO
09. パ・ル・ラ
10. 冬の銀河
Bonus Track
11. ロックンロール・グッバイ
12. スリランカ慕情

作詞・作曲:尾崎 亜美、鈴木 茂の編曲による01は、トロピカル・ムード溢れるポップ・ナンバーです。尾崎 亜美らしいメロディー・ラインと、この頃にはアレンジャーとしての才能を開花させた鈴木 茂のアレンジが素晴らしい1曲です。渡嘉敷 祐一の軽快なドラミング、鈴木 茂のギター・ソロ、EVEのコーラスが心地良いサウンドを作り出しています。この曲は、岩崎 良美の1983年にシングル曲「月の浜辺」としてリメイクされています。

作詞:竜 真知子、作・編曲:鈴木 茂による02。どこか往年の山口 百恵を彷彿させるような歌謡曲風なナンバーですが、結構良い曲ですね。金井 夕子の声によく似合っている曲です。林 立夫(ds)と岡沢 茂(b)のリズム隊が良い仕事をしてますね。

作詞:竜 真知子、作曲:細野 晴臣、編曲:細野 晴臣、坂本 龍一による名曲03。ライナーによると当時ディレクターだった渡辺 有三が金井 夕子と一緒に細野の元へ訪れて、曲の依頼をしたらしいですね。高橋 ユキヒロ(ds)、細野 晴臣(b)、坂本 龍一(key)、穴井 忠臣(per)といった顔触れはYMOそのものですが、まだ手弾きによるシンセ・サウンドが新鮮で、細野の得意とするオリエンタルなメロディーとの相性も抜群です。細野はこの1曲のレコーディングにかなり時間をかけていたらしいですね。難しいメロディーをさりげなく歌う金井 夕子のヴォーカルも素晴らしいです。

作詞:金井 夕子、作・編曲:梅垣 達志による軽快なポップ・ナンバー04。リズム・アレンジが凝っています。林 立夫(ds)、後藤 次利(b)、羽田 健太郎(key)、松原 正樹(g)、吉川 忠英(a.g)、斉藤 ノブ(per)というリズム・セクションの演奏が素晴らしく、特に後藤 次利のベース・プレイや松原 正樹のギター・プレイは、彼らの魅力が十分に発揮されています。

しっとりとしたバラード曲05は、作詞:金井 夕子、作・編曲:梅垣 達志によるナンバー。今の季節にぴったりな曲で、スケールの大きさを感じさせるサビのメロディーが印象的です。演奏メンバーは04とほぼ同じメンバーです。

シングル曲だった06。作詞:松本 隆、作曲:筒美 京平、編曲:船山 基紀によるナンバーで、筒美 京平が金井 夕子の為に書いた曲の中では大好きな1曲です。売れる曲かと言われれば"?"なんですが、筒美 京平の懐の広さを感じます。金井 夕子の持っている雰囲気にピッタリな1曲ではないでしょうか。

作詞:松本 隆、作曲:筒美 京平、編曲:船山 基紀による07はフォルクローレ風ナンバーです。筒美 京平ならではのメロディーだと思いますが、この辺りも山口 百恵の後追いみたいな感じがしてしまいます。曲自体は悪くないですが・・・。

作詞:Brian Walker、日本語詞:金井 夕子、作曲:島 健、編曲:船山 基紀による面白いナンバー08。タイトル通り、ディスコ・サウンドとタンゴを組み合わせたメロディーとアレンジが特徴です。私個人的にはタンゴ調の部分をそっくりカットしたらもっと良い曲に仕上がった気がします。タイトルは変更しないといけないでしょうけど(笑)

作詞・作曲:尾崎 亜美、鈴木 茂の編曲による09。流石に尾崎 亜美ですね。キャッチーなメロディーと明るい曲調が聴いていて"ほっ"とさせてくれます。鈴木 茂のアレンジとギターがかなり格好良いですね。

作詞:竜 真知子、作・編曲:鈴木 茂によるバラード曲10。ボッサ調のアレンジですが、冬の澄んだ空気の感じがよく表現されていると思います。メロディーも馴染みやすく、アレンジャーとしてでなく作曲家・鈴木 茂の非凡な才能を感じます。EVEのコーラスが美しく、ファンキーなコーラスからオースドックスなコーラスまで本当に幅広くこなす彼女達の技量には驚かされます。

ボーナス・トラック11は、5枚目のシングル「オリエンタル・ムーン」のカップリング曲。作詞:松本 隆、作曲:筒美 京平、編曲:船山 基紀です。個人的に可も無く不可も無くといった印象しかありません。

6枚目のシングル曲12。作詞:阿木 燿子、作・編曲:筒美 京平による作品ですが、筒美 京平流歌謡曲の典型的な1曲とも言える1曲です。当時は結構好きな曲でしたが、今聴くとちょっと時代を感じてしまうタイプの曲かも知れません。

あくまでも個人的な感想ですが、収録曲においては「この曲は今イチだな」というのが無くて曲自体の出来が良くて気に入っています。しかし、3枚目のアルバムとなっても、まだ方向性みたいなものがはっきりしていないのが気に掛かります。金井 夕子が何でも器用に歌いこなす実力があるのも事実だとは思いますが、少し可哀相な気もしますね。
ただ、このアルバムでの大きな収穫は細野作品「CHINA ROSE」との出会いではないかと思います。オリエンタルなムードの曲を書けるということで作曲を依頼したのかも知れませんが、それ以上にテクノ・サウンドと金井 夕子の声のマッチングというのは予想外だったのでしょう。次作『écran』では、このテクノ・ポップ路線が増えてきます。もっと早くイメージを統一させて、シングル・アルバム作りをしていればもう少し売れたかも知れないという気がしてなりません。
1stアルバム『Feeling Lady』とこの『CHINA ROSE』は、色こそ違いますが金井 夕子の代表作だと思うのですが・・・どうでしょう?(笑)
東北新幹線_THRU TRAFFIC ◇ 2007年 10月 20日
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音楽ライターである金澤 寿和氏が監修する、大人の音楽ファンに向けたCDシリーズ『Light Mellow's Choice』シリーズから今月17日、素晴らしいアルバムが初CD化となってリリースされました。そのアルバムが今回紹介する東北新幹線の『THRU TRAFFIC』(1982年)です。

東北新幹線は、ギタリストとして現在も活躍している鳴海 寛と作曲家、編曲家として主に裏方として活躍している山川 恵津子のデュオで、東北新幹線の開業日(1982年6月)とほぼ同時期にデビューしています。
私が彼らの名前を初めて目にしたのは、大好きな女性アーティストの一人である八神 純子のバック・バンドのメンバーだったことや八神 純子のアルバムのミュージシャン・クレジットだったと記憶しています。そんな二人が組んでアルバムをリリースしていたなんて、つい最近までは全く知らずにいたのですが、金澤氏が監修した「LightMellow 和モノ699」というCITY POPのガイド本に紹介されており、非常に興味が湧いていつか聴いてみたいと思っていました。

彼らのアルバムを聴いて、まず驚いたのが二人とも非常に歌が上手いことですね。山川 恵津子に関しては、コーラス要員として数々のアルバム・クレジットで見かけていたのである程度想像出来たのですが、鳴海 寛の歌の上手さには正直驚きました。ファルセット・ヴォイスを巧みに使うあたりは、渡辺 直樹(マニアックですかね・・・汗)に感じが似ているかも知れません。
"新幹線"というスピード感のある名前とは裏腹にアルバム全体を通して、スロウからミディアムのナンバーを集め、極上のメロウ・サウンドを聴かせてくれます。特に編曲家を当初から目指していたという山川 恵津子と編曲家、プロデューサーとしても活躍していた鳴海 寛の二人によるアレンジが素晴らしく、このアルバムの聴き所であろうと思います。CITY POP、J-AOR好きな人には聴いて欲しい1枚ですね。

『東北新幹線 / THRU TRAFFIC』
01. Summer Touches You / 作詞・作曲:鳴海 寛
02. Up and Down / 作詞・作曲:山川 恵津子
03. 心のままに / 作詞・作曲:鳴海 寛
04. ストレンジ・ワイン / 作詞:来生 えつこ 作曲:鳴海 寛
05. September Vallentine / 作詞:斎藤 敦子 作曲:安部 恭弘
06. 月に寄りそって / 作詞:来生 えつこ 作曲:山川 恵津子
07. Cloudy / 作詞:来生 えつこ 作曲:山川 恵津子
08. Spell / 作詞:金京姫 作曲:鳴海 寛
09. ラスト・メッセージ / 作詞:佐藤 アリス 作曲:鳴海 寛

初めてアルバムを聴いた時、この曲のイントロを聴いただけで良いアルバムだろうという予感の働いた01。極上のメロウ・グルーヴに乗せた鳴海 寛の甘い歌声が見事にマッチングしたナンバーです。間奏部でのジョージ・ベンソンを彷彿させるアコースティック・ギターとスキャットのユニゾン等洒落たアレンジが素晴らしい。

アース、ウインド&ファイアーの影響が出たという02。こちらもメロウなミディアム・グルーヴが心地良いナンバーで、八神 純子に声が似ていることも八神のバック・バンドに加わるきっかけだったという山川 恵津子のヴォーカルが素晴らしいです。ストリングスやホーン・アレンジやコーラスのアレンジなどを聴くと、二人のアレンジャーとしてのセンスの良さを感じます。

美しいメロディーとファルセット・ヴォイスが印象的なメロウなナンバー03。元々はアコースティック・ギターが専門だったらしい鳴海のアコースティック・ギターの音色やプレイが、この曲の雰囲気にピッタリで心地良い空間を生み出している気がします。

波の音のSEで始める、これもメロウなグルーヴがたまらないミディアム・スローなナンバー04。この曲のアレンジも素晴らしく、リズム・アレンジが凝ってますね。鳴海のエモーショナルなギター・ソロが圧巻です。

J-AORの代表格とも言える安部 恭弘のナンバーを取り上げた05。シンガーズ・アンリミテッドを意識したというコーラス・ワークが見事ですし、鳴海・山川のデュエットも素晴らしいです。JAZZYなアレンジが素晴らしく、まさに大人の為の1曲といった感じです。故・羽田 健太郎の素晴らしいピアノは鳥肌モノです。

個人的にお気に入りの1曲となっている06もデュエット・ナンバーです。鳴海のギター・プレイと山川 恵津子のヴォーカルに痺れます。特に山川 恵津子のヴォーカルは、ファルセットの使い方などまるで八神 純子を聴いているような気がします。本当にアレンジが素晴らしく、25年も前の曲とは思えませんね。

山川 恵津子のアンニュイなヴォーカルが印象的なメロウなナンバー07。曲調、アレンジ、ヴォーカルのトータル的なバランスが絶妙です。派手さは無いですが、印象に残るナンバーですね。

インスト曲と言って良いナンバー08。おそらくFUSION好きな人も納得する1曲だと思います。英語詞のコーラスが入っていますが、おそらく聴かせたかったのは演奏でしょう。鳴海のデヴィッド・T・ウォーカーを彷彿させるギターが聴き所です。ギターもデヴィッドと同じギブソンのバード・ランドを使用しているそうです。

このアルバムの中においてはオーソドックスな感じがしてしまうバラード曲09。山川 恵津子はフロントに立つことが嫌いなんだそうですが、曲によって色んな表情を見せるヴォーカルは本当に素晴らしく、何故歌わないのだろうと不思議な気がします。

最近聴いた新譜の中では群を抜いて、驚きと感動を同時に味わった素晴らしいアルバムでした。彼らの高い音楽性は、同じ時代にリリースされたCITY POP、J-AORのアルバムの中でも抜きん出ている気がします。楽曲、アレンジ、演奏、ヴォーカルのどれを取っても完成度が高く、トータル的なバランスも良いです。このアルバムしかリリースされていないのが惜しい気もすますね。今でも通用する音楽だと思いますし、だからこそ金澤氏が初CD化に尽力されたのだろうと思います。
二人で決めたという参加しているメンバーも豪華で、宮崎 全弘(ds)、市原 康(ds)、山木 秀夫(ds)、後藤 次利(b)、高水 健司(b)、羽田 健太郎(key)、浜口 茂外也(per)、数原 晋(tp)、ジェイク・H・コンセプション(sax)、八神 純子(cho)等という顔触れです。

何故こんな素敵なアルバムが今までCD化されなかったのが不思議です。とにかく良いアルバムです。
ぜひ1度騙されたと思って聴いてみて下さい。これは確かに名盤ですよ。
THE PLAYERS_THE PLAYERS LIVE ◇ 2007年 10月 19日
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音楽の重要なファクターとしてリズムがありますね。皆さんはどんなリズムが好きですか?激しいリズム、緩いリズム、はたまた打ち込みによるデジタルなリズム、ミュージシャンの奏でる生のリズム、人それぞれ好みのリズムというのがあると思います。
私の場合、やはり一流のドラマーとベーシストが奏でる生のリズム隊の音がたまらなく好きです。日本の音楽シーンにおいて、今まで色んな音楽を聴いてきましたが、そんな中に自分好みのリズム隊というのも出てきますね。ドラマーとベーシストの組み合わせだけでも相当な数のリズム隊が考えられる訳ですが、私の場合ですと例えば林 立夫×細野 晴臣、林 立夫×後藤 次利、林 立夫×高水 健司、高橋 幸宏×後藤 次利、上原 裕×田中 章弘、青山 純×伊藤 広規、ロバート・ブリル×後藤 次利、村上 秀一×高橋 ゲタ夫、菊池 丈夫×青木 智仁等、一体どの位あるんだと思うほど好きなリズム隊が存在します。

今回紹介するアルバムは、そんなリズム隊の中でも私の大好きなリズム隊である、渡嘉敷 祐一(ds)と岡沢 章(b)が在籍していたTHE PLAYERSの『THE PLAYERS LIVE』(1985年)です。THE PLAYERSは何度かメンバーが変わっていますが、このライブ盤でのメンバーは故・鈴木"コルゲン"宏昌(key)を中心に、松木 恒秀(g)、中村 誠一(sax)、ボブ 斉藤(sax)、岡沢 章、渡嘉敷 祐一の6人組です。しかも皆凄腕のミュージシャンばかりです。
鈴木 宏昌は、私と同年代であればタモリの音楽バラエティ番組「今夜は最高」の音楽監督だった人としてお馴染みでしょうし、あるいはアニメ「海のトリトン」の音楽を担当した作曲家としてご存知の方もいるかも知れません。そんな中で私は、渡嘉敷×岡沢のリズム隊の作り出すグルーヴがたまらなく好きで、そのグルーヴの中を松木 恒秀のギターが歌いまくるという贅沢なサウンドがたまらないのです(笑)
このライブ盤は、1985年8月2日~3日に六本木ピットインでレコーディングされたものです。

『THE PLAYERS / THE PLAYERS LIVE』
01. EAGLE EYES
02. WONDERFUL GUY
03. KALEIDOSCOPE
04. JACK-A-DANDY
05. WITH ALL BEAUTIFUL LOVE
06. MADAGASCAR LADY
07. SMOOCH
08. AGAIN AND AGAIN
09. GALAXY

スピーディーかつスリリングな01。中村 誠一からボブ 斉藤へと続く長いサックス・ソロがこの曲の1番の聴き所なんですが、私はスティーヴ・ガッドを彷彿させる渡嘉敷 祐一のドラミングが好きなんです。

THE PLAYERSの代表曲とも言える02。名曲です。親しみやすいメロディーが心地良いナンバーで、この曲の主役はやはり松木 恒秀のギターですね。あの山下 達郎が師匠と慕うギタリストだけあって上手いです。スタジオ・レコーディングされたものには感じない、緊張感みたいなものが伝わってきます。

9分を超える大作03。これも素晴らしいナンバーですね。静と動の展開が面白く、FUSIONの醍醐味を味わえる1曲と言えるかも知れません。ロック・フィーリング溢れる松木のギター、タイトな渡嘉敷のドラミング等を含め、メンバー全員の熱演を楽しめるナンバーです。

ポップで明るい感じの04。聴いていて楽しいナンバーですが、演奏している方は決して楽ではないでしょう。フレットレス・ベースのように聴こえるのはギターでしょうか、岡沢 章とのベースの絡みも良いですね。

心地良いバラード・ナンバー05。曲によって表情の変わる松木 恒秀のギターは、当たり前なんですがやっぱり凄いですね。このアルバムを寝ながら聴いていると、決まってこの曲で眠り込んでしまいます(笑)

シンセを巧みに使った06は、サックスとシンセのコンビネーションが面白いです。それにしてもドラマーが大変な曲が多いですね。その割にはゆったり聴こえるのが鈴木 宏昌のアレンジの凄いところです。

アルバム全9曲中8曲が鈴木 宏昌の曲なんですが、この07だけが松木 恒秀の作曲です。ギターが前面に出る曲かと思いきや、サックスとシンセによるメロディーが非常に聴きやすいですね。勿論松木 恒秀のギターも堪能出来ます。

美しいメロディーが印象的なバラード・ナンバー08。サックスが2本というのが音の幅を広げていますね。そして、素晴らしい鈴木 宏昌のピアノ・ソロに聴き惚れてしまいます。

ラストはTHE PLAYERSはここから始まったというアルバム『GALAXY』(1979年)のアルバム・タイトル・チューン09。渡嘉敷 祐一のライブならではの迫力のドラミングが個人的に大好きな1曲です。

このライブ・アルバムは大好きなんですが、1点だけ気になることが・・・。それは観客の歓声がどうも合成っぽいんですよね。おそらく臨場感を出そうという意図かも知れませんが、どこか不自然な感じがします。ありのままで良かったように思います。
渡嘉敷 祐一のドラミングで特に好きなのが、ディスコ・ビートを叩いている時です。以前も書いた事があるのですが、個人的にディスコ・ビートを叩かせたら日本一だと思っております。あの山下 達郎もプロデュース作品等のディスコ・ビートのナンバーでは、青山 純でなく渡嘉敷 祐一を起用しているケースが結構あります。代表的な曲で言うと、アン・ルイスの「恋のブギ・ウギ・トレイン」なんかもそうですね。この曲は渡嘉敷、岡沢、松木の3人が参加してます。
つい最近1stアルバム『GALAXY』が復刻しましたが、どうせなら未CD化のアルバムも含め全作品を復刻して欲しいものです。
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