今回紹介するのは、日本におけるドゥワップ・コーラス・グループの元祖と言っても過言ではないであろうキングトーンズが、グループ結成35周年を記念して制作された1995年のアルバム『SOUL MATES』です。
1960年にグループを結成。キングトーンズと言えば「グッド・ナイト・ベイビー」ですが、このデビュー曲がリリースされたのが結成8年後の1968年でした。そしてこの曲がヒットして広く名前が知られるようになったのが1969年頃だったと思います。私がまだ10歳の頃です(笑)
それから現在までにメンバー交代や、リード・ヴォーカルの内田"JUN"正人が病気で倒れたりと色々あったようですね。
以前、1978年にTHE KING TONES & MARIE名義でリリースしたCITY POPな香りのするアルバム『RESURRECT』を紹介しましたが、本作はより一層ポップで聴き易く、CITY POP色が強くなっているアルバムです。何しろ豪華なアーティストによる書き下ろしやカヴァーで構成されているのが1番の特徴です。曲を提供あるいはカヴァーされているアーティストは、山下 達郎、高野 寛、松尾 清憲、大沢 誉志幸、藤井 尚之、佐野 元春、根本 要(スターダスト・レヴュー)、片桐 麻美、上田 正樹といった面々です。これだけで聴いてみたいと思いませんか?
サウンド・プロデュースは村松 邦男と中西 康晴。アレンジも村松が7曲、中西が4曲手掛けています。参加しているミュージシャンも豪華で、島村 英二(ds)、長谷部 徹(ds)、渡嘉敷 祐一(ds)、田中 清司(ds)、高水 健司(b)、美久月 千晴(b)、岡沢 章(b)、村松 邦男(g)、直居 隆雄(g)、徳武 弘文(g)、倉田 信雄(key)、伊藤 隆博(key)、中西 康晴(key)、島 健(key)等が参加しています。
『THE KING TONES / SOUL MATES』
01. DOWN TOWN / 作詞:伊藤 銀次、作曲:山下 達郎、編曲:村松 邦男
02. グッド・ナイト・ベイビー / 作詞:ひろまなみ、作曲:むつひろし、編曲:村松 邦男
03. 夢の中で会えるでしょう / 作詞・作曲:高野 寛、編曲:村松 邦男
04. ウインク100万% / 作詞:かつらかじ、作曲:松尾 清憲、編曲:村松 邦男
05. スイート・デイズ / 作詞:かつらかじ、作曲:大沢 誉志幸、編曲:村松 邦男
06. いとしの銀列車 / 作詞:かつらかじ、作曲:藤井 尚之、編曲:村松 邦男
07. BAD GIRL / 作詞・作曲:佐野 元春、編曲:小西 康晴
08. 素敵な週末 / 作詞:かつらかじ、作曲:根本 要、編曲:村松 邦男
09. スローダンス / 作詞・作曲:片桐 麻美、編曲:小西 康晴
10. KING "T" PARTY / 作詞:かつらかじ、作曲:根本 要、編曲:小西 康晴
11. LONG TRAIL / 作詞:大目方 敏子、作曲:上田 正樹、編曲:小西 康晴
12. グッド・ナイト・ベイビー(アカペラ) / 作詞:ひろまなみ、作曲:むつひろし、編曲:内田 正人
ご存知シュガー・ベイブの名曲のカヴァー01は、元々伊藤・山下コンビがキングトーンズの為に書いた曲というのは有名な話ですね。この曲がアルバムのトップを飾るというのは、ある意味では必然だと思いますし、感慨深いものがあります。オリジナルに比べテンポを落としてゆったりした感じですが、アレンジがシュガー・ベイブのメンバーだった村松 邦男だけにどことなくシュガー・ベイブっぽい香りがします。村松 邦男のギターがイカしてます。
キングトーンズを代表するヒット曲02。オリジナルに忠実なアレンジだと思います。シンプルな演奏ですが、コーラスをフィーチャーするには丁度良いのかも知れませんね。
高野 寛が書き下ろした03は、高野自身もセルフ・カヴァーしているようです。キャッチーなメロディーのポップ・ナンバーで、シュガー・ベイブっぽいアレンジが施されています。キングトーンズにお似合いの曲だと思います。
松尾 清憲らしいポップ色全開の04。軽快なリズム・アレンジにストリングスを加えたダイナミックなサウンドが魅力的です。村松のギター・カッティングが良い味出してます。
大沢 誉志幸の作曲によるソウルフルなミディアム・バラード05。フィリー・サウンドを意識したような渋いアレンジが、メロディーとよくマッチしています。聴けば聴くほど魅力を感じてくる、そんなナンバーですね。
藤井 尚之の作曲によるオールディーズな香り漂うポップ・ナンバー06。リード・ヴォーカルは大川 由香利。低音のヴォーカルとコーラスとのコントラストが素晴らしく、ノリの良い演奏がたまりません(笑)
佐野 元春のアルバム『Back To Street』に収録されていた曲のカヴァー07。中西 康晴のJAZZYなアレンジが最高です。渡嘉敷 祐一のドラミング、高水 健司のウッド・ベース、名手・直居 隆雄のギター、中西 康晴のピアノ、そして数原 晋のフリューゲル・ホーンの全てが渋いです。リード・ヴォーカルは成田 邦彦です。
スタレビが好んで演奏しそうな根本 要作曲のオールディーズ風ナンバー08。コーラスに精通している根本 要なので、おそらくコーラスを付けやすいようなメロディー、構成にしたんじゃないかと思っています。コーラス・ワークと高水 健司のベース・プレイが光る1曲。
私はよく知らないのですが、シンガー・ソング・ライターの片桐 麻美が書いたバラード曲09。いわゆる3連バラードというやつです。歌謡曲チックなメロディーはおそらく意識して書いたものかも知れません。しっとりとした良い曲です。
ビッグ・バンド・ジャズ風なアレンジが心地良い、根本 要作曲の10。根本 要の最も得意とする分野の曲でしょう。まるで初期のスタレビを聴いているような錯覚に陥ります。リード・ヴォーカルは富賀 慎一郎なんですが、これが実に良い声をしてまして曲調にピッタリなんです。淵野 繁雄のサックス・ソロ、中西 康晴のピアノ・ソロが圧巻です。
上田 正樹作曲のバラード曲11。美しいメロディーが印象的です。中西 康晴のアレンジ・センスが光るナンバーで、渡嘉敷 祐一、岡沢 章というリズム隊と直居 隆雄のオクターブ奏法が実に私好みです(笑)
英訳された「グッド・ナイト・ベイビー」をアカペラで歌う12。おそらくマイクの前では歌っておらず、歌っているところをマイク一本で拾ったという形で一発録りしたものだと思います。残響感が凄いのが残念です。
「グッド・ナイト・ベイビー」を知っている、あるいは聴いたことがあるという人は多いと思いますが、アルバムを購入してまで聴こうという人は少ないでしょうね。以前紹介した『RESURRECT』も良いアルバムですが、取っ付きやすさから言えば断然この『SOUL MATES』ですね。特にCITY POP関連が好きな人には、お薦めしたい1枚です。現在は入手困難かも知れませんが、機会があったら聴いてみて下さい。
幅広い世代が聴いて楽しめるポップなアルバムだと思います。
というか、待ってました!
私が思うに、村松さんの沢山のお仕事の中でもこのアルバムはベスト⑩に入るのではないかと思います。未だ聴いて無いけど…
現在、このアルバムはなかなか手に入りにくいイメージがあります。あのAmazonで捜してもありませんでした(涙)
おかしいなぁー。試験が終わったらセコハン屋を巡ってみます。
村松さんがお好きなふらいんぐしゅがあさんにはピッタリな1枚だと思いますよ。
村松さんの繊細なポップ・センス溢れるアレンジと、中西 康晴のJAZZYな大人の
アレンジとの組み合わせが絶妙なアルバムです。
試験が無事終わって余裕が出来たら、探してみて下さい。気に入ると思いますよ。
何度も見ましたよ~ユーさんユタカさんの加入でキントンも若返った?
ライナーノーツを失くされたとの事。この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。
映画版の「ショムニ」にキントンが出演されていたんですか?
今度レンタルして観てみます。情報ありがとうございます。
私は高野さんのアルバムってあまり聴いたことが無いんですよ。
以前から聴いてみようとは思ってました。
お薦めのアルバムってありますか?例えば「夢の中で会えるでしょう」が収録されているアルバムとか・・・。
SMOOTH ACEもノー・チェックです。機会があったら聴いてみたいと思います。
情報ありがとうございました。
「50に近いおやじ」のフレーズに惹かれて慣れないパソコンに向かって文字を打っているCity POP好きの「50に近い」(あくまで50まえ)おやじであります。
さて、高野寛さんのアルバムですが、全てを持っている訳でなく、本当のファンの方にしかられるので1枚に絞る事ができません。
年代順にセレクトした自選のベストアルバムが出ているようなのでいかがでしょうか。
(うーん某中古、ショップの250円や500円コーナーには出てこないので買えませ~ん)
それよりもYOU TUBEに高野さんとキングトーンズの競演で「夢の中で会えるでしょう」を見る(聞く)ことが出来る様です。
是非チェックの程をよろしくお願いします。
高野寛さんのポップス・センスの良さは知っているつもりですし、数曲は知っているのですが、
機会が無くてアルバムを通して聴いたことがありませんでした。
1度ちゃんと聴いてみたいと思っていましたから、この機会に聴いてみようと思います。
確かにベスト盤から聴くというのは良いかも知れませんね。私も初めて聴くアーティストの場合、ベスト盤から聴くケースが多いです。
今度聴いてみますね。情報ありがとうございました。
大変失礼ですが、このグループのことは全く知らず興味もありませんでした。
そのままにしておいたのですが、先日何となく聞いてみたくなって・・・通勤途中の車の中で聞きました。
1曲目・・・この歌知ってる!から始まりました。2曲目聴いたことある・・・懐かしいような・・・9曲目涙が出てきました。
10曲目KING "T" PARTY は楽しくなり、私の中ではヒットです。声も曲調に合っていると言われるとおり聞くたびに吸い込まれていきます。ファンになりました。
ネットで調べましたが、現在のメンバーではないようで、残念なことに富賀さんという方の今がわかりません。ご存知立ったら教えてください。
いつくらいまで、メンバーだったのでしょうか。
お父様が好きなアルバムだったんですね。
もしお父様が生きてらっしゃったら、親子で同じ音楽を楽しめたのかも知れませんね。
確かにこのアルバムは世代を超えて楽しめると思いますし、本来音楽の持つ素晴らしさはそんなところにあるような気がします。
私もキングトーンズや富賀さんについてネットであれこれと検索してみましたが、詳しいことは分かりませんでした。
お力になれなくてすみません。
これからもお父様が好きだったこのアルバムを大切にして下さいね。
いろいろ調べていただいたようで、ありがとうございました。やっぱり・・・でしたけれど。
職場の50才半ばの先輩に、このCDの話しをしたところ、飛びつくように「ほしい!」と。パソコンを使わない方なので・・・昨夜コピーして今朝渡しました。お礼にと・・・かつおの燻製?(夏休みに土佐に行ったそうで)を頂きました。そういえば、「海老で鯛を釣る」て言葉ありましたよね。まさにアレです。
ベストが出ているらしい・・・ので、今度レンタルでもしてみようかと・・・
お父さんの歳に近い(かも)の私も調べてみました。
キングトーンズは結成約10年にして「グッドナイトベイビー」
の大ヒットで世に知られるようになりました。kaz-shinさんも私もたぶん小4のころ、「けったいで面白い歌やなー」が印象です。
で、そのあと10年くらい間があって山下達郎が無名の時代、(全国区じゃなかったという意味で)大滝詠一とナイアガラなんかやってた頃にプロデュースしたのが78年のRESURRECT のようです。
私はこれはリアルタイムに聴いていません。
80年に今度は大滝詠一がプロデュースすることになり「ドゥアップトゥナイト」など一連のシングルがでます。
このSMS時代のことを詳しく書いてる記事がありました。ご参考に。私はこの時期も好きです。(URL参照)
その後また地味な活動になり95年に結成35年を盛り上げようと村松邦男(これまたシュガーベイブ)と聴いて育った高野寛ら若いミュージシャンらで作ったのが本作ということになります。
(URL参照)
一度調べて聴きに行かれてお父さんが好きだった歌を偲ばれてみるのも、宜しいんじゃないかと。
オソマツさまでした。
初めてですが、これも参考に。(URL参照)
THE KING TONES SOUL MATES で検索してkaz-shinさんのブログに出会えたこともですが、URL開いて、くすぐりっこしあうくらい大好きだった父の青春時代に近づけたようで、すごく嬉しく感じています。
本当にありがとうございました。私の知りたい!に向き合っていただき、今日はステキな日になりそうです。(こちらは朝から雨でムシムシしてますが)
トミー&チャーリーさんのステージにも興味が・・・ですが、東京は遠い・・・です。でも、チャンスがあれば!!!是非
本当にありがとうございました。
ハニー(恋人)への歌とわかりますが、オトナになるまではずっと
大人のおじさんが女の子に歌ってあげているシチュエーションを想像
していました。
私も2人の年頃の娘含め3児の父親で、いつまで元気かわかりませんが、亡くなったお父さんの気持ちが分かるような気がします。
歌って歌い継がれていくもので、古い歌をネットで起こしていくのも楽しいことです。
今夜は楽しい夢を!
本当に何も出来ずにごめんなさい。
私のブログには本当に音楽を愛している、素晴らしい人ばかりが集ってくれています。
私は全くお役に立てませんでしたが、kotaroさんが色々調べて下さったので、ぜひ参考にして下さいね。
こんな頼りない管理人のブログですが、これからもよろしくお願いします(笑)
お忙しい中、色々調べて下さってありがとうございます。
どうも私の場合、検索の仕方が下手なのかkotaroさんのように
情報が上手いことヒットしません(笑)
ひまわりさんに対してはもちろんですが、私にとっても勉強になる情報でした。
本当にありがとうございました。
kaz-shinさんのブログに出会ってもうそんなに時間が過ぎてしまいました。父の命日近くなると思い出して・・・それに最近、昭和の歌がTVで流れたりしていますがキングトーンズには出会えていません。
kotaroさんが教えてくださったトミー&チャーリーさんを昨夜色々と検索してみました。来月20日某パシフィックHでショーがあるのを見つけました。仕事の都合を付けて行ければ!ただ月火と休まなければいけないのが・・・今回が無理なら次回に・・・と思っていましたがHは九月末で閉館するとありました。
でも一度お二人の歌は生で聞きたいと思います。
一年ぶりのご挨拶でした。
レスが遅くなってしまいました。すみません。
こんな稚拙なブログを思い出して下さって、ありがとうございます。
好きなアーティストは、やはり生で聴きたいでしょうから、ショーを観に行けると良いですね。
もし、足を運べたらまた感想を聞かせて下さい。
忘れていました。歳取ったかなー。
私の親爺も、9月のあたまが命日です。
個人個人の人生の思い出は、その家族だけのメモリーですが、
でも、音楽という共通の話題があると、楽しい空間が共有できます。
ところで、歌に歌われた、ホテルパシフィックも、終わりですか。
ブレッドアンドバターの曲が、思い出されてしまいますね。
ここの所忙しく、夏休みも取れていないけど、品川まで、
いってみようかな?
この夏は異様に暑かったので、ホントに皆様ご自愛ください。
最近、やたらと人の名前やモノの名前が出てこないです。
徐々にもうろくしているようです(笑)
それでも好きな曲のタイトルやアーティストの名前は忘れずに出てくるから不思議です。
それは思い出とリンクしているからなんでしょうね、きっと。
既に私は夏バテ気味ですが、私からも皆さんにはご自愛下さるように願います。