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鈴木 茂_LAGOON and SUMMER BREEZE (Disc.1) ◇ 2009年 05月 03日
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今回紹介するのは、2006年7月にリリースされた鈴木 茂の『LAGOON and SUMMER BREEZE』です。
このアルバムは、1976年にリリースした鈴木 茂の2ndアルバム『LAGOON』と夏向きにチョイスされた9曲を収録した2枚組で、鈴木 茂自身の手によってリマスタリングが施されています。
名盤である1st『BAND WAGON』(1975年)の雰囲気とは違って、まさにCITY POP(当時はまだこんな呼び方は存在してませんでしたが・・・)といった趣の強いアルバムで、これからの季節にお似合いのアルバムだと思います。

Disc.1(『LAGOON』)は9曲中6曲がヴォーカル曲で、残り3曲がインスト・ナンバーです。Disc.2は9曲中7曲がヴォーカル曲で、残り2曲がインスト・ナンバーで構成されています。ギタリストの彼については今更私が何も語る必要の無いのですが、ヴォーカリストとして考えた場合、決してお世辞にも上手いとは言い難いのですが、独特な雰囲気を持った声で決して聴く者に不快感を与えない、つまり心地良く聴ける歌声だという気がします。
2枚組というボリュームなので、紹介記事をDisc.1とDisc.2に分けて書こうと思います。Disc.2はまた別の機会(夏が終わるまでには書くつもりですが・・・笑)に紹介します。一応収録曲は書いておきます。

Disc.1(LAGOON)に参加しているミュージシャンは、細野 晴臣(b)、小原 礼(b)、林 立夫(ds)、浜口 茂外也(per)、矢野 誠(key)、ジョン山崎(key)、岩沢 幸矢(cho)等です。

Disc.1_『LAGOON』
01. LADY PINK PANTHER
02. デビル・ゲーム
03. BRANDY WINE
04. TOKYO・ハーバー・ライン
05. HAWAIIAN
06. 走れラビット
07. コルドバの夜
08. ALMERIA
09. 8分音符の詩

Disc.2_『SUMMER BREEZE』
01. レイニー・ステイション
02. ラハイナ・ガール
03. テレスコープ
04. ジュリエット
05. ソバカスのある少女
06. はあとぼいるど町
07. PHOENIX
08. 風信子(ヒヤシンス)
09. 10セントの魂

洒落たボッサ調ナンバー01。今から33年前にこんなメロディーやアレンジの曲が存在していたこと自体驚きです。鈴木 茂のセンスの良さが前面に出ている曲だと思いますね。こんなに素晴らしい音楽センスとギター・テクニックを持っているのですから、薬物等に手を出さずにいつまでも一線で活躍し続けて欲しいものです。曲中で聴けるハーモニカは、ブレッド&バターの岩沢 幸矢のようです。余談ですが、スターダスト・レビューがアルバム『ALWAYS』(2008年)でこの曲をカヴァーしています。こちらもなかなか良いので聴き比べても面白いと思いますよ。

ゆったりした三拍子が心地良い02。松本 隆の世界観を見事にメロディーに乗せたという感じがします。矢野 誠のピアノ、エレピのプレイが素晴らしいですね。鈴木 茂のギターよりも強く印象に残りますね。

CITY POP的FUSIONと表現したくなるようなインスト・ナンバー03。スピーディーで都会的なサウンドが実に気持ちが良いです。軽快な鈴木 茂のギター・カッティングを軸に、サックス、フルート、エレピ等の自由奔放なサウンドが駆け巡ります。Drive Musicとして最適な1曲でしょう。

まさにCITY POPなタイトルとメロディー・ラインを持った04。ボキャブラリーの乏しさゆえ、決まりきった言葉しか出てきませんが、実にお洒落なナンバーですね(笑)。ボーカル曲においては、楽曲の雰囲気を重視したアレンジで決してギタリストとして積極的に前面に出ずにバックに徹しているところも心憎いです。でも結構良いプレイが端々で聴けますね。

ハワイのオレンジ色と紺色に染まったまさに"マジック・アワー"をサウンドで表現したようなインスト・ナンバー05。波の音のSEも効果的で、寝る時のBGMとして聴けば良い夢が見れそうな気がしますね(笑)

コミカルなタイトルの06は、ウクレレを上手く使ったトロピカル・ムードが溢れるポップ・ナンバーです。当時からお洒落な街のひとつだった横浜が舞台になっています。ホーン・セクションを上手く使っていて、アレンジ・センスの良さを改めて感じます。「本当に33年前の曲なの?」って感じですね。

どことなく細野 晴臣の楽曲に通じるようなトロピカル路線の07。こんなに短い歌詞でも曲と成立してしまうのですから、松本 隆っていうのは凄い人ですね。"気持ち良い"という表現がピッタリな1曲です。

夏向きなインスト・ナンバー08。決してFUSIONという堅苦しさは微塵も無くて、あくまで聴き易さに拘ったようなインスト・ナンバーに仕上がっています。インスト曲においてもギターが決してしゃしゃり出て来ません。鈴木 茂の中では、自分のイメージした雰囲気をどのようにサウンドで表現するかだけを考えて、アレンジしているのではないでしょうか。

JAZZYなバラード・ナンバー09。この曲での鈴木 茂のヴォーカルが大好きです。CITY POP好きが集うようなBARで、この曲を聴きながらグラスを傾け、色々音楽談義に花を咲かせたくなるような曲ですね(笑)

1976年と言えば歌謡曲全盛の時代、CITY POPな感じではせいぜいユーミンや丸山 圭子がヒットを出していた頃ですね。この年のヒット曲を挙げてみると、
★木綿のハンカチーフ / 太田 裕美
★北の宿から / 都 はるみ
★春一番 / キャンディーズ
★なごり雪 / イルカ
★およげ! たいやきくん / 子門 真人
★岸壁の母 / 二葉 百合子
★夏にご用心 / 桜田 淳子
★ファンタジー/ 岩崎 宏美
★ビューティフル・サンデー / 田中 星児
★あの日にかえりたい / 荒井 由実
★どうぞこのまま / 丸山 圭子
等、 本当に沢山の名曲が生まれた年でもあります。

しかしながら、これらの楽曲と鈴木 茂の楽曲とを比べた場合、あきらかに時代の先を行っていたという感じがしますよね。上に挙げた曲の中には、特にアレンジ面では時代を感じさせるもの多いですが、鈴木 茂の曲は今聴いても古さは全く感じさせません。
"はっぴいえんど"関連のミュージシャン(アーティスト)の素晴らしい音楽センスと卓越した演奏技術が、70年代の後半以降の邦楽の牽引車となり、新しいムーヴメントを作り出したことは周知の通りですし、当然なるべくしてなったという感じがしますね。
CITY POPが好きな方にはお薦めの1枚ですし、そうでない方も上のヒット曲を思い出しながら、このアルバムを聴いてそのサウンドの違いを聴き比べるのも面白いかも知れませんよ。
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by kaz-shin | 2009-05-03 23:06 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(4) | |
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Commented by まるいチーズ at 2009-05-04 01:03 x
こんばんは
いいですね~このアルバム、実はつい最近BOOKOFFで500円で売っているのを見つけまして(笑)即買いしました。
LAGOONは大好きな作品でしてCDを買いましたが、この二枚組もいいですね。
76年は私は高校3年でして、G・ベンソンのブリージンを聴いてクロスオーバーなる音楽を知った頃です。はっぴいえんども好きなグループで、茂さんのこのアルバムには飛びつきました(笑)
曲良し、演奏良し、歌良しですよ(笑)ジャケットからしてリゾート感溢れる感じですが、あきまで都会の中のリゾートという感じがします。素敵な作品ですね。
Commented by kotaro at 2009-05-04 04:14 x
私もラグーンは大好きな1枚です。
鈴木茂をちゃんと聴いたのは79年のコスモス'51からで、「君は黙っていても嘘をつく」をラジオで耳にして、飛びつきました。
あっという間にクラウン時代の5枚のアルバムを揃えたのもこの時だけです。
実は楽譜集も持っています。表紙写真、拙掲示板に先日貼ってみました。
「100Wの恋人」、いま聴いても「渋谷系」のハシリで、ニヤリとするシーンですね。
「トーキョー・ハーバー・ライン」、詞がたまらなく好きです。
このアレンジがまた、いいんだな。
めったに口にしないけど、カッコイイと思います。
Commented by kaz-shin at 2009-05-06 00:48
まるいチーズさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
このアルバムが500円というのは良い買い物でしたね~。
時々BOOK OFFの値段設定については首を傾げたくなります、良くも悪くも・・・(笑)

私がFUSIONに目覚めたのは、翌1977年のリー・リトナーの『GENTLE THOUGHTS』からでしたから、
鈴木さんの音楽については少し後追いの形です。

このアルバムではギタリストのアルバムという感じがしない分、最初はがっかりした部分もありました。
でも洒落たメロディー・センスとアレンジ、演奏の素晴らしさで次第に虜になったという感じですね。
都会の中のリゾート・・・、良い響きですね~。まさにCITY POPですね。
Commented by kaz-shin at 2009-05-06 00:52
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
Kotaroさんが「カッコイイ」と表現されるのは珍しいですね。
確かに"カッコイイ"ですよね。メロディーにしてもアレンジにしても演奏にしても
全然古臭さとか時代特有の野暮ったさみたいなものを感じませんね。
楽器なら練習を積むことで、ある程度のレベルには到達出来るかも知れませんが、曲作りやアレンジというのはセンスですから・・・。
素晴らしいミュージシャンであり、素晴らしいアーティストですね。
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