今朝、寝ぼけ眼でTVを見ていると、眠気が一気に吹っ飛ぶようなニュースが飛び込んできました。もう皆さんもご存知だと思いますが、あのマイケル・ジャクソンが亡くなりました。朝の時点ではまだ本当に亡くなったのか半信半疑でしたが、時間が経つにつれ事実であることが判明。
私と同世代(マイケルの方が1歳上)ですから、あまりにも若いです・・・。
死因等まだ不明な部分もあるようですが、とにかく"諸行無常"を感じずにはいられません。
先日(6月10日)には、KENNY RANKINの訃報に接し、追悼の意味を込めてアルバム紹介記事を書いたばかりだったのに・・・。
今回も追悼のアルバム紹介になってしまいました。
ブログを始めたばかりの頃に1度紹介しているのですが(紹介記事はコチラ)、大好きなアルバムで思い入れも強いにも関わらず内容の薄い紹介記事だったので、今回Part 2として紹介するのが、1979年にリリースされたソロ・アルバム『OFF THE WALL』です。
『OFF THE WALL』が思い入れの強い理由は3つ。
①マイケル・ジャクソンというアーティストに初めて向き合ったアルバムであること。
②クインシー・ジョーンズのプロダクションの素晴らしさ、人脈の広さに改めて驚かされたこと。
③天才ソングライター・ロッド・テンパートンに興味を持った初めての作品だったこと。
特に③は、以降クインシーのプロデュース作品を聴けばロッドの曲が聴けるということで、結構追いかけました(笑)
クインシーがプロデュースとなれば集まるミュージシャンも凄い訳で・・・(笑)。
Drums : John Robinson
Bass : Louis Johnson、Bobby Watson
Guitar : David Williams、Mario Henderson、Larry Carlton、Phil Upchurch、Wah Wah Watson
Keyboards : Greg Phillngganes、Michael Boddicker、David Wolinski、George Duke、David Foster、Steve Porcaro
Percussion : Paulinho Da Costa、Randy Jackson、Richard Heath
Horns : THE SEAWIND HORNS
『MICHAEL JACKSON / OFF THE WALL』
01. DON'T STOP 'TIL YOU GET ENOUGH (邦題:今夜はドント・ストップ)
02. ROCK WITH YOU
03. WORKIN' DAY AND NIGHT
04. GET ON THE FLOOR
05. OFF THE WALL
06. GIRLFRIEND
07. SHE'S OUT OF MY LIFE (邦題:あの娘が消えた)
08. I CAN'T HELP IT
09. IT'S THE FALLING IN LOVE (邦題:それが恋だから)
10. BURN THIS DISCO OUT (邦題:ディスコで燃えて)
単調なリズムでありながらもギターのリフ、パーカッションの使い方が巧みさと甲高いマイケルのヴォーカルが印象的な01。アルバムの冒頭に相応しく、聴く者を惹き付ける魅力を持っているナンバーです。シングルでビルボード・チャート1位を獲得しているから当たり前ですが・・・(笑)。Greg Phillngganesのリズム・アレンジとJerry Heyのホーン・アレンジが秀逸です。
02もビルボード・チャート1位を獲得している名曲ですね。さすがに天才・ロッド・テンパートン、良い曲書きます。ロッド・テンパートンの凄いところは作詞・作曲のみならず、アレンジもこなすところ。この曲でもセンスの良いアレンジを施してます。マイケルの多重録音コーラスが意外に渋くて大好きなんです。
マイケルのソング・ライターとしての非凡な才能を感じさせるダンサブル・ナンバー03。Jerry Heyのホーン・アレンジが良いですね。ディスコ・ビートを叩かせたら本当に上手いJohn Robinsonのドラミング、 David WilliamsとPhil Upchurchのギターも実に渋いプレイを聴かせてくれます。
マイケル・ジャクソンとルイス・ジョンソンの共作による04。この曲ではやはりルイス・ジョンソンのベースが影の主役と言っても過言ではないでしょう。ルイスらしいチョッパー・ベースが随所で聴けて、私はそれだけで大満足の1曲です(笑)
ロッド・テンパートン作の05。シングル・カットされた曲ですね。これも大好きなナンバーです。後のマイケルの方向性の布石のような楽曲ではないかと思っています。クドイと思われるかも知れませんが、ロッド・テンパートンは本当に素晴らしいセンスを持っていますね。この曲なんて本当に良いアレンジだと思います。
ポール・マッカートニーが提供した06。ポールらしい柔らかくキャッチーなメロディーが光るナンバーです。突出した名曲という程の曲ではないのですが、雰囲気が好きで繰り返し聴いても厭きのこないタイプの曲ですね。
美しいバラード・ナンバー07。この曲もシングル・カットされましたね。情感豊かなマイケルのヴォーカルを聴いて、バラードも上手いなと思えた曲でした。美しいストリングスを中心としたシンプルなアレンジがメロディーとヴォーカルを際立たせていますね。
スティーヴィー・ワンダーの書いた08。スティーヴィーはアレンジにも関わっています。メロディー、アレンジ共に"渋い"という表現がぴったりな1曲ですね。聴く回数が増える毎に愛着が湧くタイプのナンバーではないでしょうか・・・。
09も名曲ですね。キャロル・ベイヤー・セイガーとデヴィッド・フォスターの共作ナンバーで、キャロル・ベイヤー・セイガーの1978年リリースの2ndアルバム『...TOO』に収録されていたナンバーのカヴァーです。不思議なものでマイケルが歌っても全く違和感がないですね。アレンジはクインシーとデヴィッド・フォスターです。素晴らしいコーラスを聴かせてくれるのはPatti Austinです。何と贅沢な1曲でしょうか(笑)
ロッド・テンパートンの作品10。ロッド・テンパートンの在籍していた"ヒートウェイヴ"の音楽を思い出させます。Jerry Heyのホーン・アレンジが渋いですね。Jerry Heyのホーン・アレンジャーとしての出世作と勝手に想像してしまうほど、このアルバムでは素晴らしいホーン・アレンジが多いです。
30年も前のの作品なのに今聴いても全く古さどころか、輝きを失っていないアルバムですね。
この頃のマイケルは音楽を本当に楽しんで作って、歌っていたんではないかと思えます。もちろんマイケルの才能を全て出し尽くせるようなお膳立てをしたクインシーのプロダクションがあってこそだとは思いますが・・・。
マイケルは天国に旅立ちましたが、このアルバムは何時までも私の大切な宝物として、これからも聴き続けていくことだろうと思います。
猫になりたい哲学者さんも仰っていますが、テレビではOff the Wallより後のアルバムばかり特集していて、マイケルのスタート地点であるこのアルバムにはあまり触れていなかったので、なんか残念。
事実私はThriller以後よりこのOff the Wallの方が「ブラコン」していて、私の好みの直球をいっているんですよ。バック陣も鼻血ものですし、特に#1と#3はジェリー・ヘイ隊(シーウィンド)のアンサンブルに毎度痺れされますし。
うーむ、晩年の行いには…なんともですが、合掌です。
RIP
私は、彼のプライベート生活には全く興味がないので、ここ20年ちかくのワイドショー・ネタには目を閉じ、耳を塞いできました。ただひたすら、次の作品を待っていました。残念ながら「アーティスト」としての才能は、すでに尽きてしまっている、とも感じていましたが・・・。
「Off The Wall」は、その直前の映画「The Wiz」と合わせて楽しみたい傑作だと思います。
「Thriller」以降は、また別のサウンド・プロダクションだと考えたほうが良いと思います。ずいぶん印象が違っていますもんね。
どちらの時代も私は好きなんですが・・・。
私もきっちり追悼の記事を書こうと思っています。
まだ、気持ちの整理がつかないんで、しばらく時間をおいてから・・・。
毎日のぞかせてもらってるのですが、皆さんのすごいコメントに圧倒されてなかなかコメントできてません。
さて、マイケル・ジャクソンってすごいんですね、というのが率直な感想です。わたしは、なぜか全く興味がなく、まともに聞いたことがありません。
スリラーが82年のようですからまだまだラジオ日常的に音楽を聞いていた時期なのですが・・。
昨日から、世の中ひっくり返ったような大騒ぎなので改めて聞いてみようと思ってます。でも当分BOOKOFFには出てこないですね。
次作以降も、素晴らしい作品ばかりではあるのですが、想像もしない程の巨大なショービズの渦に、本人も気づかないまま、少しづつ、少しづつ飲み込まれて行く中で、自分自身を保とうとする必死さが、感じられていく様な気がします。
最強のエンターテイナーでもありましたが、この作品を聴くと、「歌手」マイケル・ジャクソンというものを強く印象づけられますよね。歌の旨さは、疑い様がないのですが、本人が歌そのものを好きなんだなと。
どれほどのお金をその手にしても、どれほどの名声を手にしても、満たされない肉体的なコンプレックス。そのコンプレックスを持たせ続けてしまう、アメリカ社会の"闇"を彼は体現したかったのでしょうか?歌を通じて、訴えたかったのでしょうか?
そうではなく、やはり歌を 音楽を愛して止まない、アーティストであったのだと、僕は信じていたいです。
合掌・・・。
TOTOファミリーの参加した『スリラー』よりも
こちらの方がブラコンの香りがプンプンとしています。
さらにこの頃のクインシー・ジョーンズ作品で言うと
自身のアルバムに加えて
ルーファス
パティ・オースティン
ブラザース・ジョンソン
ジョージ・ベンソン
などのアルバムでのプロデュースが
"ブラコン路線まっしぐら"で良い感じですよね!
この頃の、ジョン・ロビンソン&ルイス・ジョンソンの
リズムセクションは最高にファンキーです!
さて、話はそれますが、例のGaudioについて、
やっと文章の下書きが出来ました。
もう少し私なりにまとめますのでしばらくお待ちくださいね!
マスメディアの報道が偏るのは、ある意味仕方の無いことかも知れませんね。
マイケルの音楽を好きな人にとってみれば、好きなアルバムや思い入れの強いアルバムはそれぞれ違うことでしょう。
皆が自分の好きなアルバムを大事に聴き続けてあげること、彼の存在を忘れないことが1番の供養かも知れませんね。
私の場合、マイケルと同年代でもあり、リアル・タイムで彼の音楽に接してきて特に衝撃を受けたのが『OFF THE WALL』でした。
マイケルと言えば『Thriller』みたいなところがありますよね。
デンタさんが仰るようにジェリー・ヘイのホーン・アレンジが素晴らしいですね。
ジェリー・ヘイがホーン・アレンジを手掛けるようになったのは、シーウィンドの1stアルバム制作の頃だったと聞いてます。
そうするとたったアレンジを手掛けるようになって2年位しか経過していないことになります。
本人は最初は自信が無かったようですが、やはり才能があったということなんでしょうね。
このアルバムで相当自信を持ったのではないかと思っています。
本当に驚きましたよね。
私もどんなアーティストであっても、私生活の部分や思想については全く興味がありません。
偉そうなことを言いますが、アーティストとリスナーの接点は作品であると常々思っているんです。
そして作る側に情熱が無くなった時、良い音楽というのは作れないのだととも感じています。
最近のマイケルはまさにその状態だったんでしょうね。
才能は枯れていなかった・・・と信じたい気持ちもあります。
追悼記事のアップを楽しみにしています。
私もこの『OFF THE WALL』というアルバムに出会っていなければ、hisaさん同様マイケルには興味を抱かなかったかも知れません。
個人的にお薦めするとすれば、やはり『OFF THE WALL』ですね。
ただこのアルバムはBOOK OFFではほとんど見かけません。
来月には紙ジャケの再発があるらしいので、気が向いたら聴いてみて下さい。
>この頃の、マイケルは、歌う事を心底楽しんでいる様に感じております。
同感です。アルバムを聴いていると楽しんで歌っているのが本当に伝わってきます。
スーパースターへの階段を登る度に"孤独感"が漂うようになり、殻に閉じ籠もってしまったような感じがします。
それでは良い音楽は作れなかったでしょうね。なんだか悪循環ですね。
今は数々の名作を楽しんで冥福を祈りたいと思います。
この頃のクインシーのプロデュース作品は本当に名作ばかりですよね。
私がクインシーが凄いなと思うのは、決して出しゃばらずにアーティストや作家が仕事をしやすいような環境を作ることに徹していることです。
ロッド・テンパートンにしてもこれほど大物に曲を提供するのは初めてだったようですが、クインシーの段取りによって名曲になったと言えるかも知れませんね。
私もジョン・ロビンソンとルイス・ジョンソンのリズム隊は大好きです。
ですから角松さんが2ndでこの二人を起用した時は驚いたと同時に、そのセンスの良さに痺れました(笑)
90年代からのインタビューでしょっちゅう人間サウンドマシーンよろしく自分の曲のリズムを再現即興でダンスしているところを見るにつけ、彼は天才であり、永遠のピーターパンだったと思います。せめてマドンナの10分の1の図太さがあれば、メデイアに生活をかき回されることもなく、もっと多くの作品を発表できていただろうと思うと、残念です。7月半ばにスタート予定だったツアーはコンサートの半分くらいまで通しリハーサルをした映像があるそうですが、バックダンスをハイスクールミュージカルの振り付け師が担当したこともあって、完成品でなくてもぜひ公開して欲しいと思ってしまいます。マイケルにしてみれば自分が納得していない状態で公開されるなんて絶対嫌でしょうけど。
亡くなったことで、また彼の作品が純粋に作品として評価されるであろうことに、Bitter Sweetな気分でいます。
マイケルが亡くなったことで、最近色んなニュースや番組で彼の全盛期の歌や踊りを久しぶりに見ましたが、とにかくカッコ良いですよね。
整形が悪いとは決して思ってはいませんが、せいぜい1991年の「Black and White」のPVに出ていた頃の容姿に止めておけば良かったのに・・・と思ったりもします。
いずれにせよ、本当に才能のあるアーティストを失ってしまいましたね。
私も久しぶりに色んなアルバムを引っ張りだして聴いています。
いつまでも忘れないように・・・。
お久しぶりでございます。
他にも良いアルバムがありますが、やはり押さえておきたいのは
『OFF THE WALL』ですよね。
ジェリー・ヘイのホーン・アレンジの功績は大きいと思いますね。
SEAWIND HORNの素晴らしさ=ジェリー・ヘイのアレンジの素晴らしさという気がします。
確かに、純粋に歌を楽しんでいるマイケルは、70年代までだったのかも知れません。
この時期の再評価は、小林克也さんや湯川れい子さんが、もっと声を大きくして、MTVの前に、ソウルトレインの時代があったんだよ~と解説してほしいものです。
以前がメインかなという気がします。
日本人のDJでしたら糸井五郎さんにかなりの敬意を持って
られたでしょう。憧れの音楽ビジネスへ。彼女は16からですが
同年生まれのマイケルはあんな幼い頃からABCやアイルビーゼア
を歌っていたのですから、きっとまぶしい存在だったに違い
ありません。
黒人音楽への日本人の理解はずいぶんまともになったとはいえ
まだ今の時代の若者を見てもおかしいなあと思う部分はあります。
柳ジョージや山下達郎の世代の方がまだまともに理解してる、
米への憧れがあった世代の方が楽しんで体得しています。
マスコミが変に紹介する以前の音楽を聴いて育った方がダイレクト
に若い感性で共振できたからではないでしょうか。
そういう意味では後半の成人してからのマイケルは、マスコミに
殺された、成功と引き換えに、というのはあまりに酷でしょうか。
80年代に高度になり過ぎた米音楽ビジネスの批判本を読んだ
記憶があります。
黒人音楽はそもそもイメージほどオシャレでもないし、黒人にとって生活の一部なのでしょう。それが日本に輸入された後、メディアを通してオシャレな音楽として広まった訳で。多分、日本ではバブル景気も関係していたのでは?
今の若者、特に女性が青山テルマとか加藤ミリヤなどを聴くのは、ファッションとの関連が強いというか女性ファッション誌からの影響が大きいのは否定できません。
また、日本自身アメリカ化してしまいましたから、今更アメリカに強い憧れを抱く必要もなくなりましたし、柳ジョージさんや達郎さんと今の若者を比較するのは、少し乱暴な気もします。
ただし、メディアやファッション文化の強い影響で、黒人音楽の本質的な部分が日本に輸入された際、なおざりにされてきたことは問題あるかもしれません。kotaroさん、無知の若輩なりの答えですが、いかがでしょうか?
岩崎宏美さんがマイケル・ジャクソンやジャクソンズが好きだという話は聞いたことがあります。
岩崎さんの歌や歌唱法からは、黒人音楽の影響を強く受けているという印象はありませんが、内面的には大きな影響を受けていたんでしょうね。
最近のマイケル・ジャクソンに関する報道を見ていていると、もっと音楽的に掘り下げて欲しいなと思うことも確かに多いです。
マイケルに関わらず、ビッグに成り過ぎると純粋に音楽を作るという環境を周りが許してくれなくなってしまうような印象があります。
誰もが音楽を愛し、純粋に良い音楽を作ろうとしてアーティストとしての活動をスタートさせたはずなのに・・・。
もちろんアーティスト自身の問題もあるでしょう。それでも音楽がビッグ・ビジネスとなった時点から、国内外問わず音楽が変わってきたかなという感じはしますね。
今の若い世代の人達は、現在の音楽業界、あるいは環境のもとで音楽を楽しんでいます。
ですからそれで良いんですよ。確かに我々の年代と比較してもあまり意味は無いでしょう。
ただ、私は時に思います。音楽に関して言えば、少し可哀想かなと・・・。
なんだか凄く狭い範囲での選択肢しか無いように思えてなりません。
逆にだからこそミリオン・ヒットが沢山生まれるんでしょうけど。
現在の若者に対する批判というより、業界への不満が大きいですね。
それはきっとkotaroさんも同じだと思います。
謝りますが、若い世代の批判を言おうとする意図ではありません。
私はジャズの方からリズム&ブルースやファンク等を聴くようになったのですが、系統だって聴く作業(ことの面白さ)が以前は多分にありました。
音楽の流れといいましょうか。柳ジョージ、山下達郎は上の世代になりますが、ラジオで彼らが自分の音楽ルーツを語るの聞きなるほどと“勉強”したものです。
この極東の国にどう伝わってどう翻訳されそれがどう伝播していくか、これを面白く思っていました。
MJの追悼記事にこんなコメントもちょっとですが、クインシージョーンズが触媒になりどう化学変化したか、80年後半以降になりオーディオはビジュアルと一体化したことでMJが何を意識したのか、そういうことなどが言いたかったのですが、不快に思われたならどうぞお許しください。