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大貫 妙子_AVENTURE ◇ 2009年 08月 09日
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今回紹介するのは、大貫 妙子が1981年にリリースした通算5作目となるアルバム『AVENTURE』です。
『MIGNONNE』(1978年)、『ROMANTIQUE』(1980年)、そして本作の3枚は、ヨーロッパ三部作と呼ばれていましたね。しかし、どうもご本人は否定しているみたいですね(笑)
とは言え、フランス語のアルバム・タイトルが多いのは事実ですし、加三部作と呼ばれているアルバムのジャケット写真のイメージはまさにヨーロピアンという気がします。

以前紹介した『MIGNONNE』は私の大好きなアルバムでしたが、『ROMANTIQUE』はちょっと暗い印象があって『MIGNONNE』ほどには好きにはなれなませんでした。なので『AVENTURE』も『ROMANTIQUE』のような路線だと勝手に思い込んでいて、リアルタイムでは聴いていませんでした。暫く大貫 妙子の音楽から遠ざかっていたのもこの頃です。
暫く経って彼女のベスト盤を聴いた時に、『AVENTURE』の中から「恋人達の明日」と「グランプリ」が収録されていて、その2曲が気に入りました。いつかアルバムを聴いてみたいと思っていたんですが、運良くBOOK OFFで格安で入手出来ました(笑)

プロデュースは、牧村 憲一と宮田 茂樹。アレンジは坂本 龍一、加藤 和彦&清水 信之、前田 憲男が手掛けており、コーラス・アレンジで山下 達郎も参加しています。バックのミュージシャンもYMOファミリーを中心に贅沢な顔触れとなっています。

『大貫 妙子 / AVENTURE』
01. 恋人達の明日
02. Samba de mar
03. 愛の行方
04. アヴァンチュエール
05. テルミナ
06. チャンス
07. グランプリ
08. La mer, le ciel
09. ブリーカー・ストリートの青春
10. 最後の日付

明るく軽やかなPOPナンバー01。アレンジは坂本 龍一、コーラス・アレンジを山下 達郎が手掛けています。相変わらず教授のアレンジは、大貫 妙子の曲と相性が良いですね。凝ったアレンジのコーラスは、大貫 妙子・竹内 まりや、epoの3人(RCAシスターズ)です。

爽やかで夏らしさ全開のサンバ曲02。アレンジは清水 信之&加藤 和彦です。サンバだけにパーカッションが大活躍していますが、浜口 茂外也はサンバ・ホイッスルのみを担当しており、他のパーカッションは全てプログラミングによるものです。

私のあまり得意ではないヨーロピアンな雰囲気が漂うバラード03。決して嫌いなメロディーではないのですが・・・。坂本 龍一、高橋 幸宏、大村 憲司の3人だけの演奏ながら、物足りなさは感じません。坂本 龍一のアレンジの賜物でしょうね。

長いイントロが印象的な04。夏や海をイメージさせる曲ですが、この海は太平洋ではなくエーゲ海や地中海といったかんじでしょうか。凝ったアレンジで、部分的にはインスト曲を聴いている気分になります。

2時間枠のサスペンス・ドラマのエンディング曲に使われそうな05。当時の大貫 妙子らしい曲と言える曲ではないでしょうか。ヨーロピアンの香りが漂います。

大村 憲司のアレンジ曲06。キャッチーでPOPなメロディーが心地良いナンバーです。村上 秀一のドラミングが高橋 幸宏っぽくて面白い1曲です。

カー・レースのSEで始まる07は、前田 憲男のアレンジによるJAZZYなナンバーです。今聴いても古臭さを感じないアレンジが素晴らしいですね。打ち込みを使わない演奏というのは、時代を経ても色褪せないという典型的な曲でしょう。個人的に大好きな渡嘉敷 祐一のドラミングが格好良いです。

前田 憲男のアレンジ曲08。まさに正統派といった感じのアレンジですが、これが実に気持ち良い仕上がりになっています。富樫 春生のピアノが影の主役と言える1曲です。

加藤 和彦&清水 信之のアレンジ曲09。アレンジャーによってサウンド的にも雰囲気も違っているにも関わらず、纏まりの無さというのは感じませんね。大貫 妙子の歌声や歌い方が、どんな曲にも対応出来るからなんでしょうね。

坂本 龍一のアレンジによるバラード曲10。

ヨーロッパ三部作と呼ばれていますが、私は『MIGNONNE』と本作は然程ヨーロッパ色が強いとは思いません。確かにヨーロピアンな曲もありますが、言われるほどの感じではないですね。
夏向けの曲もありますし、POPで親しみ易い曲も多く、大貫 妙子の淡々としたヴォーカルが涼しげで気持ち良く聴ける1枚です。
アレンジ面においては、アレンジャーの個性がよく出ていますし、どれも素晴らしいアレンジばかりです。アレンジャーの個性を楽しむのも面白いと思います。
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by kaz-shin | 2009-08-09 08:04 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(6) | |
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Commented by kotaro at 2009-08-09 14:50 x
こんにちは。前田憲男さんは今の我家の近所にある豊中・桜塚高のOBです。教授とMidi 楽器時代の申し子、清水氏については言及しましたので、きょうは前田さんの音楽ルーツについて記します。
今はそれほどステータスのない北大阪(豊中)ですが、阪急の前身時代からの非常に古い分譲住宅地帯でハイカラな生活文化が伝わっています。
お師匠はおそらく服部良一では、と推測しています。服部は大阪出身で戦後東京へ活動拠点を移し、民放黎明期に前田も東上します。
独学で音楽理論を学んだ1人で、この時代はジャズやラジオ、テレビの現場が教科書でこのような人が何人もいます。
さて、大貫妙子にとりベテランの前田との仕事は、オーケストラルなアレンジメントや映画・映像を前提とした音楽作りの広がりを学んだのではないでしょうか。
ショウ要素もそれ以降に加わったように思えます。その後「夏に恋する女たち」で、TVの仕事もするようになり、彼女が現在まで続く流れや、単にJ-popの懐かしい歌手で終わらなかったのも、この作品で成長したからだと思います。
Commented by kaz-shin at 2009-08-09 23:45
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
前田憲男さんはJAZZピアニストとして活動をスタートしていますが、
私を含め多くの人がオーケストレーションの仕事のイメージが強いかも知れませんね。
07は、前田さんのセンスの良さを感じさせます。
達郎さんも服部克久氏と一緒に仕事をしたりしながら、スキル・アップしているようですし、
大貫さんにとっても貴重な経験だったろうことは私も同感です。
例えば同じ曲を教授、清水信之氏、前田憲男氏の3人がアレンジしたものを聴き比べてみたいものです。
きっと面白いでしょうね。
Commented by サラ at 2009-08-13 22:16 x
この当時の三部作には思いいれがあります。
この当時は圧倒的にYMO関連というか坂本龍一さんの影響力があったという感触が残っています。もちろん好きでした。
いつだったか忘れましたが、あのスティリー・ダンのコンサートに行った時に会場で大貫妙子さんを見ました。すごく小柄な女性でした(笑)。
Commented by kaz-shin at 2009-08-13 23:33
サラさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
この頃のアルバムに思い入れの強い方って多いみたいですね。
私は『MIGNONNE』は特に好きで、今でも1番好きなアルバムは?と
尋ねられたら迷わず『MIGNONNE』と答えます(笑)
特に教授のアレンジが3部作の中では1番好きですね。
Commented by kotaro at 2009-08-15 10:04 x
お盆休み、のんびりされていますか。
投稿された人の名でこじつけて済まないのですが
このところ浜本沙良という女性シンガーのパフという
アルバムを見つけて気に入ってよく聴いています。

フォーライフ/90年代/有賀啓雄/という組み合わせ
ちょっと同時代の今井美樹っぽい曲もありますが、声質が
違うので「今聴くならこっちのほうがいいかな?」みたいな
掘り出しもんです。
当時全く売れなかったのはおそらく今井美樹全盛期で
マーケットの重複含めフォーライフのマーケティング失敗
だったのだろうと想像します。同時期の佐藤聖子も苦しい
展開でもう少し売れてもいいくらいチャーミングだったのにと
今思います。
見かけたら聴いてみてください。

後の時代になってあれこれいうのは、社会の通念や格言で「役に
立たないこと」の典型とずっとされてきましたが、電脳時代は
ガムやスルメの噛み直しで結構楽しめるから、またちょっと違う
と思います。

Commented by kaz-shin at 2009-08-16 22:38
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
短いお盆休みでしたが、のんびり過ごせました。
また明日から仕事ですね。お互い頑張りましょう。

さて、浜本沙良さんですが、いつか紹介しようと温めてました(笑)
いい機会でしたので、今日紹介させてもらいました。
2ndアルバムを探しているのですが、こちらはまだ見つかってませんが・・・。

音楽って人間が奏でるものが基本であって、基本というのは時代に関わらずもっとも大事なファクターだと思ってます。
どんなにサンプリング技術が発達して生の音に近づいても、人間の奏でる音には決して勝てないし、
結局は色褪せてしまうものという気がします。
だから私にとっては70年代~80年代初めのバンド・サウンドが好きで離れられないのかも知れません(笑)
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