音楽好きな私にとって、音楽は常に身近にあります。車で移動中は勿論ですが、電車による通勤時でさえ音楽は欠かせません。
そんな大好きな音楽なんですが、ごくたまに音楽を聴くということに疲れる時があります。そういう時は暫く音楽を聴くのを止める・・・というのが普通なんでしょうが、根っからの音楽好きの私は"音楽を聴くことに疲れた時"に聴きたくなるアルバムがあるのです(笑)
そんなアルバムの1枚が、今回紹介するRickie Lee Jonesが1979年にリリースした1stアルバム『RICKIE LEE JONES (邦題:浪漫)』です。
Rickie Lee Jonesは1954年にシカゴ生まれ。思春期には荒れた生活を送ったものの、ショービジネス界での成功を目指してL.A.に移ります。L.A.でウェイトレスとして働きながらクラブで歌うようになり、そんな中で知り合ったのがTom Waitsだったそうです。また彼女のデモ・テープが、ソロ・アルバムを制作中だったLittle FeatのLowell Georgeの耳にとまり、Rickie Lee Jonesの曲をアルバムに取り上げたことがきっかけとなりデビューに至ったようです。
1979年頃の西海岸と言えばウエストコースト・サウンドが主流の時代でしたが、Rickie Lee Jonesの音楽はそんな流れには関係無く、ブルースやJAZZの影響を色濃く感じる独自の音楽性とヴォーカル・スタイルが特徴と言えるでしょう。デビューに至るまでにはレコード会社による争奪戦もあったようですから、彼女がいかに個性的なSSWだったことが伺われます。
『RICKIE LEE JONES (邦題:浪漫)』は、贅沢なスタッフ、ミュージシャンが集結し制作されたアルバムです。
プロデュースはLenny WaronkerとRuss Titlemanのコンビ。参加しているミュージシャンは、Steve Gadd(ds)、Andy Newmark(ds)、Jeff Porcaro(ds)、Willie Weeks(b)、Buzzy Feiten(g)、Fred Tackett(g)、Neil Larsen(key)、Randy Kerber(key)、Victor Feldman(key)、Michael Boddicker(syn)、Tom Scott(sax)、Ernie Watts(sax)等という顔触れ。
ストリングス・アレンジはNick DeCaro、Johnny Mandelが手掛けています。そして渋いジャケット写真はNorman Seeffというのですから、凄い面子が集まったものです。
これだけ腕利きミュージシャンが集まっていますが、サウンド自体はいたってシンプル。そこがたまらなく良いんですよね。アコースティックなサウンドを軸にしたシンプルな演奏に、Rickie Lee Jonesの奔放なヴォーカルが一層映える感じでしょうか。まさに大人の音楽という印象です。
『RICKIE LEE JONES / RICKIE LEE JONES (邦題:浪漫)』
01. Chuck E.'s In Love
02. On Saturday Afternoons in 1963
03. Night Train
04. Young Blood
05. Easy Money
06. The Last Chance Texaco
07. Danny's All-Star Joint
08. Coolsville
09. Weasel And The White Boys Cool
10. Company
11. After Hours (Twelve Bars Past Goodnight)
ピックアップ曲:
「Chuck E.'s In Love」 / 作詞・作曲:Rickie Lee Jones
ヒット・シングル曲ですね。ブルージーながらも心地良いリズムとちょっとけだるげなヴォーカルがたまらなく魅力的な1曲です。曲毎のクレジットが無いのですが、このドラミングはSteve Gaddでしょうね。Rickie Lee Jonesのアレンジによる控え目なホーン・セクションも良い味を出してます。
「On Saturday Afternoons in 1963」 / 作詞・作曲:Rickie Lee Jones、ストリングス・アレンジ:Nick DeCaro
静かで美しいバラード・ナンバー。とにかくNick DeCaroのアレンジによるストリングスの美しさが際立っています。
「Young Blood」 / 作詞・作曲:Rickie Lee Jones
軽やかなリズムにMichael McDonaldのコーラスが絶妙なミディアム・ナンバー。本当にシンプルなアレンジですが、Rickie Lee Jonesのヴォーカルとのバランスが絶妙です。
「EASY MONEY」 / 作詞・作曲:Rickie Lee Jones
Lowell Georgeが気に入って取り上げたというのがこの曲です。JAZZYなアレンジに乗せたレイジーな歌声は本当に心を癒してくれる気がします。Rickie Lee Jonesのヴォーカルの魅力が詰まった1曲ではないでしょうか。まさに大人の為の1曲。
「Danny's All-Star Joint」 / 作詞・作曲:Rickie Lee Jones
典型的なRock'n RollなアレンジにRickie Lee Jonesのけだるいヴォーカルのバランスが面白いナンバー。Rock'n RollなのにどこかJAZZYな味わいがあるのが不思議です。
「Comoany」 / 作詞・作曲:Rickie Lee Jones & Alfred Johnson、ストリングス・アレンジ:John Mandel
透明感のあるRickie Lee Jonesのヴォーカルが冴える美しいバラード曲です。Nick DeCaroとはまた一味違ったJohn Mandelのストリングス・アレンジが絶妙です。このアルバムの中で私が1番好きなヴォーカルがこの「Company」です。
Rickie Lee JonesとTom Waitsです。
どんなに流行りの音楽を聴いてみても この2人の音楽に帰り着いて
しまいます。
『Company』いい曲ですよね。
今井美樹が過去にこの曲を取り上げた時には感心したものです
『なかなかやるじゃないか』ってね それ以来今井美樹も聴き
続けてます(笑。
本当に魅力的なヴォーカルですよね。
何となく疲れた時とか彼女の音楽を聴くと凄く癒されるんですよね。
彼女の歌声は本当にリラックスさせてくれます。
確かに今井美樹さんは『フィエスタ』で「Company」を取り上げてましたね。
あのアルバムは選曲がかなり渋くて良いアルバムでした。
(当ブログでも取り上げました)
「Company」でのRickie Lee Jonesのヴォーカルは本当に素晴らしいの一言で、いつ、どんな時に聴いても本当に癒されます(笑)
久々になっちゃった。すみません。
で、このブラスのアレンジ、とても管の奇麗になるポイントを掴んでるアレンジだったから、てっきりジェリー・ヘイあたりだと想ってた。
kz-shinさんのテキスト観て、あれ?と調べたら、ほお、そうなの!となりました。
ご無沙汰です。お忙しいみたいですね。
最近はゆーこさんの登場回数が増えているみたいですし・・・(笑)
デビュー・アルバムでホーン・アレンジまでこなしているんですから、本当に才能のある人なんだなと驚いた記憶があります。
才能と言うよりはセンスなのかも知れませんけど。
JASRACのデータベースによれば、「Company」をカバーしたのは実は世界でたった4人です。Patricia Kaas, Melissa Errico, Dianne Reevesと、わが日本の今井美樹ちゃんです。このうち、オリジナルのRickieも含め、入手できなかったErrico以外の4つを聞き比べましたが、声の美しさは美樹さんがナンバーワンです。さすがに表現力はRickieに一歩譲りますけどね、これは年季(人生経験?)の違いじゃないかと。美樹さんがこの曲を録音してから20年たつ今、ぜひ再録音してほしいと思います。今なら多分(当時の)Rickieには勝てると思う。
調べて下さってありがとうございます。
それでも4人のアーティストがカヴァーしているんですね。
レコーディングはされていなくても、ステージで歌われたりしているのを含めるときっと多いのでしょうね。
今井さんが今歌うとしたら、アレンジが誰が手掛けるかが興味深いです(笑)