2002年10月10日、STB139 SWEET BASILでのギタリスト・松原正樹の25周年記念ライヴが収められたDVD。松原正樹は私が日本で1番好きなギタリストである。70年代後半からスタジオ・ミュージシャンとして活躍し、その仕事量たるや半端な数ではない。私と年齢が割と近い人ならば、彼のギターを聞いた事が無いという人は皆無なはずである。あらゆるジャンルの音楽のアーティストの信頼を受け、バックを努めてきた職人である。
松原正樹の何処が好き?と聞かれたら、音、カッティング技術、そして流れるようなソロ・フレーズだろう。松原正樹というギタリストに出会っしまった事で、私のレコード(70年代後半の話)の買い方が一変した。いわゆるクレジット買いという暴挙がここから始まったのだ(笑)松原正樹がギターを弾いていれば、たとえ1度も聴いた事が無いアーティストだろうが、全く無名な新人だろうがレコードを買い漁った。それくらい好きなギタリストである。
このDVDは何回観ても鳥肌が立つ(笑)なんせタイトルにもあるようにパラシュートのメンバーを迎えてパラシュートのナンバーも聴かせてくれるのだから・・・。パラシュートは、スタジオ・ミュージシャンが集まって結成されたFUSIONバンドである。看板は今剛とのツイン・ギター。今回全編に二人のギターが響き渡っている。
2003年には、CROSSOVER JAPAN '03でオリジナル・メンバーで復活したパラシュートだがこの映像はその前年のものである。
今剛とのコンビはやはり最強である。息が合ってるというような生やさしい言葉では言い表せない程だ。このDVDの中でとっても興味深いシーンがある。今剛のナンバーである『AGATHA』の演奏中、今剛のギターの弦が切れたのだ。今剛は弦へのアタックが非常に強いから仕方ないのだろう。残った弦だけでメロ・パートを弾き続けるのだが、チューニングが微妙に狂っている。
そこへ松原がユニゾンでメロ・パートに入ってきた。すると今剛はギターを変えてメロ・パートに何気なく戻ってきたのだ。この間ほんの10秒かかっていないほどである。まさの阿吽の呼吸である。
長年スタジオ・ワークを共にしてきた間柄だと感心してしまった。
ギター好きな方は観ないと損しますよ(笑)
Guitar : 松原正樹、今剛
Bass : 高水健司
Drums : 山木秀夫
Keyboard : 佐藤準、南部昌江
Percussion : 三沢またろう、斉藤ノブ
Vocal : マイク・ダン
Chorus : 比山貴咏史
80年代の音楽大好き人間には、たまらんメンバーである(笑)
ギターを抱えていない松原正樹は、どう見ても人の良さそうなずんぐりむっくりな体系のおっさんである。しかし、ギターを弾きだすと豹変するところが何とも言えんところである。
とにかく、このダサいタイトルさえなければ、ファンには最高のDVDです(笑)
時に「盟友」というのはMike Dunnと今 剛の二人のことをさすのでしょうかねぇ?
私は松原命という人間ではありますが、パラシュートという「バンド」のファンですので、たとえドラマーとしては山木氏の方が(歌物以外も凄いという点で)ミッチー林氏よりも好きであっても、ベーシストとしては後藤氏の方がMikeよりも好きだとしても、やはりあのメンツ以外にパラシュートという言葉を使って欲しくなかったですねぇ。
そこに、メロが気色悪いことにすでに気づいていた松原氏がバッキングを止めて、メロを取り出してフォローした=ギターチェンジの暇を与えた訳です。
妻君・南部昌江さんと名手・佐藤 準氏のツイン・キーボードだから、リズムバッキングはキーボードに任せられますからね。
しかし、Open Your Freewayが一番よかったですね、やはり。
弦が切れて、ギターを交換するあの場面が大好きなんです。
あの場面こそが「盟友」なのかも知れませんね(笑)
お互いを認め合いながらも、負けたくないというライバル心もしっかりと持っている
松原さんと今さんの二人のコンビはやはり最高です。
この二人に出会ってなければ、こんなに音楽にのめり込んでいなかったでしょうね。
「Open Your Freeway」が確かに1番パラシュートっぽかったですね。
今日は、悲しいお知らせ。
私の大好きな松原正樹先生が天に召されました。
音楽の神様は何という仕打ちをなされるのか。
佐藤博、大村憲司、ブッチャ-、青木智仁、・・・
みんなあの世に逝ってしまいました。
どうかあの世で素晴らしいセッションを楽しんでください。
ありがとうございました。