CITY POPの代名詞的アーティスト・安部恭弘の3枚目のアルバム。1984年にリリース。
1982年のデビューだが、デビュー以前に竹内まりやに楽曲を提供していた。安部恭弘の特徴は、都会的で洗練されたPOPなメロディー、独特な声であろう。特に声は1度聴けば忘れられないもの。アーティストとしてこれほどの強みはない。
1stアルバム『Hold Me Tight』や2ndアルバム『MODERATO』も大好きなアルバムなのだが、聴いた回数や思い入れの強さではこのアルバムが1番である。
それまでの楽曲の詞の殆どは、松本隆が書いていたのだが、このアルバムから康珍化(カン・チンファと読む)や吉田美奈子・大貫妙子等が提供しており、詞の世界が広がった気がする。松本隆の詞の世界が嫌いな訳ではないが、私個人は康珍化の詞が好きなのだ。
そして、職業アレンジャーでは日本一好きな清水信之のアレンジの素晴らしさが、このアルバムが好きな大きな要因である。清水信之に関してはいずれ書きたいと思うが、1979年に若干19歳でデビュー。20歳の頃には、epoのアルバムにアレンジャーとして参加している。いわゆる天才。楽器はほぼ何でもこなせるマルチ・プレイヤーである。このアルバム発表時でさえ24歳という若さなのだ。そのアレンジの冴えには、本当に驚かされる。
最近では、ベスト盤を含めオリジナル・アルバムも再販されている。興味のある方はベスト盤を聴いてみるなり、このアルバムを聴いてみる事をお勧めする。自信を持ってお薦め出来るアルバムである。