Music Avenue
musicave.exblog.jp
Top
DIANE SCHUUR_DEEDLES ◇ 2010年 03月 14日
e0081370_22492360.jpg 

今回紹介するのは、2度もグラミー賞を獲得した盲目の白人女性ジャズ・シンガー、Diane Schuurの実質的なデビュー・アルバムと言っても良いであろう、1984年にリリースされた『DEEDLES』です。
本作『DEEDLES』は、Diane SchuurがStan Getzの推薦でホワイト・ハウスのジャズ・パーティーに招かれ、その歌っている姿がテレビ放送によって放映され、そのテレビ番組を観たDave GrusinとLarry Rosenが彼女の才能と資質に惚れ込んでアーティスト契約を結び、ジャズ・シンガーとして制作された第1作が本作だということです。

Diane Schuurの歌は本当に素晴らしいの一言です。恐ろしいくらいに歌が上手いのですが、ただそれが技術的なことではなく、彼女が心底歌を楽しんで歌っており、あくまで自分の感性のままの感情表現が聴く者の胸を打つのだと思います。
ジャズというジャンルに拘らず、ゴスペル、ブルース、POPS、カントリー等あらゆる分野の音楽、つまり彼女が好きな音楽を楽しんで歌っている、それがDiane Schuurの音楽ではないでしょうか。盲目の彼女にとって白人の音楽とか、黒人の音楽とかいう区別は全く関係のない次元の話だったのでしょうね。彼女の耳で聴いて良いと思う音楽を愛し歌ってきた、ただそれだけだったのかも知れませんね。

『DEEDLES』は、Dave GrusinとLarry Rosenのプロデュース、アレンジは全曲Dave Grusinが手掛けています。取り上げている楽曲は、1930年代~1950年代のスタンダード曲が中心となっていますが、確かに彼女の歌の素晴らしさを伝えるには、オリジナルよりもまずスタンダードの方が良いかも知れませんね。
参加しているミュージシャンは、Dave Grusin(key)、Don Grusin(key)、Haward Roberts(g)、Steve Khan(g)、Dan Dean(b)、Moyes Lucas(ds)、Buddy Williams(per)、Stan Getz(sax)の面々。
シンプルなアレンジと演奏ですが、ダイアン・シューアの歌を聴かせる為のアレンジという感じがいかにもDave Grusinらしいです。

『DIANE SCHUUR / DEEDLES』
01. THE VERY THOUGHT OF YOU
02. NEW YORK STATE OF MIND
03. TEACH ME TONIGHT
04. I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHT
05. I'LL CLOSE MY EYES
06. REVEREND LEE
07. I'M JUST FOOLIN' MYSELF
08. ROCK ME ON THE WATER
09. CAN'T STOP A WOMAN IN LOVE
10. AMAZING GRACE

ピックアップ曲:
「THE VERY THOUGHT OF YOU」 / 作詞・作曲:Ray Noble、編曲:Dave Grusin
1930年代に書かれたバラード曲のようです。とにかくDave Grusinのピアノとストリングスの美しさが際立っている1曲です。アルバム冒頭からスロー・バラード曲でDiane Schuurの歌を堪能してもらおうという趣向かも知れません。初めて聴いた時、「本当に白人シンガーなの?」と驚かされました。

NEW YORK STATE OF MIND」 / 作詞・作曲:Billy Joel、編曲:Dave Grusin
Billy Joelの1975年リリースのアルバム『ニューヨーク物語』に収録されていた邦題「ニューヨークの想い」のカヴァーです。実に都会的でJAZZYなアレンジが洒落ています。小粋なBarでこんな曲を聴きながら飲むお酒はきっと美味しいでしょうね(笑)。間奏でのStan Getzのエモーショナルなサックス・ソロが実に渋いです。

「TEACH ME TONIGHT」 / 作詞・作曲:Sammy Cahn & Gene DePaul、編曲:Dave Grusin
AORファンにはお馴染みとも言えるAl Jarreauの1981年の傑作アルバム『Breakin Away』の最後を飾ったラヴ・バラード曲のカヴァーです。オリジナルは1950年代に書かれたとのこと。ゆったりとしたJAZZYな演奏に乗せ、気負いと言うものを全く感じさせないDiane Schuurのヴォーカルが心地良く響きます。

「REVEREND LEE」 / 作詞・作曲:Eugene McDaniels、編曲:Dave Grusin
Roberta Flackが1970年のアルバム『第2章』で取り上げた曲のカヴァー。ゴスペル色が強いヴォーカル(これがDiane Schuurの魅力でもありますが)は、Roberta Flackよりもはるかに黒人ぽく聴こえますね。アレンジもFUSION色が強くて面白いです。

「ROCK ME ON THE WATER」 / 作詞・作曲:Jackson Browne、編曲:Dave Grusin
曲自体は知らなかったのですが、Jackson Browneの作品で、Linda Ronstadtが1972年にシングル・リリースしていたようです。言われてみれば確かにLinda Ronstadtが歌いそうな曲ですね。ゴスペル・チックなアレンジなんですが、どこかウェスト・コースト・ロックの色を全く消していないDiane Schuurのヴォーカルが見事です。Steve Kahnのギター・ソロも実に味があります。

「AMAZING GRACE」 / Traditional、編曲:Dave Grusin
お馴染みの讃美歌ですね。Diane Schuurのピアノの弾きといった感じに仕上げていますが、変に厳粛な感じではなく、心の赴くままに歌っているというDiane Schuurのヴォーカルが沁みる1曲です。

アルバム全体を通してDiane Schuurの素晴らしいヴォーカルが堪能できるのですが、実は私が1番好きなアルバムは1988年にリリースされたN.Y.とL.A.のTOPミュージシャンを集めて録音された『TALKIN' 'BOUT YOU』で、このアルバムにおける演奏とヴォーカルは、もう震えがくるくらいに素晴らしいものです。いつか必ず紹介したいと思っています。
まずは当ブログ初登場ということでDiane Schuurの1stアルバムと言っても良いであろう本作を選んでみました(笑)
[PR]
by kaz-shin | 2010-03-14 10:55 | FUSION系 | Trackback | Comments(4) | |
トラックバックURL : https://musicave.exblog.jp/tb/12305799
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by kadomania at 2010-03-15 09:12 x
90年代の初頭に運良く2度ほどライブを体験する機会に恵まれましたが、脳天がしびれるような歌声でした。強奏の際の声のパンチはもちろんなんですが、ppの際の安定感に度肝を抜かれた覚えがあります。

僕が持っているのは、91年Pure Schuur~94年 Heart to Heart までの4枚で80年代と00年代が今の所、全くありません。いつもながらの素晴らしいご紹介なので、是非是非ファーストから聞いてみたくなりました。

JAZZはもちろんですが、POPSやSOUL、R&B、AORと何が来ても何でもござれ状態で自分の唄にしてしまう彼女のアルバムは多くの方に聴いてもらいたいですよね。

以前より、かなり大~きくなられておりますが(笑)、昨年もブルーノートに来てますし、これからも来日してくれそうですから、また彼女の生唄に触れてみたいものです。
唄のスケールが大き~いことに期待して・笑

Commented by kaz-shin at 2010-03-17 00:15
kadomaniaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
生で聴くダイアンの歌声は格別でしょうね。
私も1度生で聴いてみたいものです。
彼女の歌は、どんなに凄腕のミュージシャンが集まっても決して
演奏に負けていないところが凄いですよね。
別の機会に1番好きなアルバムをまた紹介したいと思っていますが、80年代の彼女のアルバムも凄く良いので聴いてみて下さい。

相変わらずお仕事お忙しそうですが、お体ご自愛下さい。
Commented by Peninsula at 2010-03-31 13:44 x
ご無沙汰しております。いつものようにご紹介の記事を読んで図書館でリクエスト、借りて聞きました。ここのところ、かなり追いつめられている状態だったのですが、アメージンググレースを聞いてすごく楽になれました。魂に寄り添ってくれるような声であり、唄だったと思います。他の曲もそれぞれの色や情景が浮かんできます。すごい人を紹介していただいて、どうもありがとうございました。
チューブに上がっているレイ チャールズとのライブの模様は見ていても楽しくなりました。お暇な時にサーフしてみてください。
Commented by kaz-shin at 2010-04-01 23:41
Peninsulaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
お久しぶりです。
ダイアンのアルバムを気に入ってもらえたようで何よりです。
Peninsulaさんのようなコメントを頂戴すると、ブログを続けてきて本当に良かったなと思います。ありがとうございます。
たかが音楽なんですが、そんな音楽に沢山救ってもらってきました。
これからもきっと力になってくれると信じています。
音楽って素晴らしいですね。
<< KAREN CARPENTER... ページトップ 相棒 Season8_神の憂鬱 >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Ice Green Skin by Sun&Moon