1994年にリリースされたギタリスト、スティーヴ・カーンのベスト・アルバムです。中古店で手に入れたのですが、輸入盤です。同じアルバムで国内盤が出ているのかは分かりません。
このベスト盤には、スティーヴ・カーンのコロンビア時代の3枚のアルバム、『Tightrope』(1977年)、『The Blue Man』(1978年)、『Arrows』(1979年)から選ばれた曲が収録されています。
3枚のアルバムを通して、バックのメンバーをほとんど変えずに録音されているのも面白いですね。
ある種のバンド・サウンドを聴いているような気さえします。
バックを支えるメンバーは、Jeff Mironov(g)、Don Grolnick(Key)、Will Lee(b)、Steve Gadd(ds)が核となるメンバーで、そこにBob James(Key / Producer)、Michael Mainieri(Marimba)、David Sanborn(sax)、Randy Brecker(tps)、Michael Brecker(sax)がゲストで登場するという豪華メンバー。
『STEVE KHAN / THE COLLECTION』
01. TIGHTROPE
02. STAR CHAMBER
03. SOME PUNK FUNK
04. DAILY BULLS
05. DAILY VALLEY
06. AN EYE OVER AUTUMN
07. DAILY VILLAGE
08. CITY SUITE, PART 1 : CITY MONSTERS
09. CITY SUITE, PART 2 : DREAM CITY
01~03がアルバム『Tightrope』から。01はサンボーン、ブレッカー兄弟のホーン・セクションにスティーヴ・カーンのガッツあるギター・ソロが聴き所です。
02では、渋いアコースティック・ギターのソロが堪能できます。
タイトル通りなファンキーなナンバー03。ボブ・ジェームスのシンセとドン・グロルニックのピアノが印象的です。ちなみに『TIGHTROPE』のプロデューサーは、ボブ・ジェームスです。
04~06がアルバム『The Blue Man』から。04はスピード感のあるナンバーで、ガッドのドラミングはさすが。
マイク・マイニエリのマリンバがフィーチャーされた05。ここでもアコースティック・ギターのソロを披露してます。
9分近い大作の06。サンボーン、ブレッカー兄弟の大活躍する曲です。
07~10がアルバム『Allows』から。選曲された4曲に共通した印象としては、ガッドのドラミングの素晴らしさですね。やはり凄いドラマーです。
あとはスティーヴ・カーンのギターの音色が、どのアルバムもほとんど一緒なんですね。
職人気質みたいなものを感じます。
全ての曲をスティーヴ・カーンが作曲、編曲していますが、正直なところメロディアスな曲は余り無いです。
どちらかと言えば難しい曲が多いので、万人に受けるとは言い難いですね。
しかし、バックのミュージシャンを含んだ高い技術の演奏は素晴らしいですから、FUSION好きな方には楽しめるアルバムだと思います。
私は、このアルバムを聴いて改めてガッドのドラミングの凄さを思い知りました(笑)
とても難しいですね。スーパーテクニシャンではないし、これが代表曲と
いうのもあまり思いつかない。彼の音からは景色が全く浮かばない。
でもその独特のヴォイシングと引っかかりのあるピッキングは癖になる。
でもご紹介の3枚はもちろん、しこしこ作ったかのアコースティックアルバ
ム、アイウィットネスなど傑作ぞろいの作品群は彼女とのデートには持っ
て行かない方がよいかな?
ひとさんが仰るように、どんなギタリストかを形容するのは難しいギタリスト
ですよね。比べるたり、似たタイプのギタリストがいないと言うか・・・(笑)
でも味があるんですよ、不思議と。
以前、FUSIONが嫌いではない友人に聴かせたら、一言「つまんない」でした。
デート向きではないかも知れませんね(笑)
メロディアスな曲が少ないせいなんでしょうね。アンサンブルで考えたら
結構面白いのですけどね。
マニア好みのギタリストなんですかね。
先日、もうすぐ久しぶりに来日するビリー・ジョエルのPV見てたら、ビリーのバックでストラト弾いておりました。(曲名は失念!多分アルバム「Stranger」か「52th Street」に入っていた曲だと思います)
かと思えばジョー・ザビヌル(元Weather Report)率いるWeather Updateでも渋いソロ弾いておりました。
そういう意味では玄人好みのセッションギタリストとしては有能だったんでしょうね、きっと。
彼のギター・プレイは、存在感がありますね。特にリーダー・アルバムよりも
スタジオ・セッションでのプレイが好きだったりします。
ビリー・ジョエルの『52th Street』でのプレイもかなり良かったですし、
深町 純のニューヨーク・オールスター・ライヴでも渋いプレイを聴かせてくれました。
夢さんの仰るように、ワン・アンド・オンリーな玄人好みのギタリストかも知れませんね。