私がFUSIONという音楽に接して、興味を持つようになったきっかけを作ってくれた記念すべきアルバムを紹介します。
1977年にリリースされたリー・リトナーのアルバム『GENTLE THOUGHTS』です。当時はまだ高校生で、聴く音楽はニュー・ミュージックや歌謡曲、ロック系の洋楽などで歌入りの音楽が中心でした。
ある日、友人からこのアルバムを聴かされて、ショックを受けたのを憶えています。
それまでインストゥルメンタルな音楽と言うと、スクリーン・ミュージックやパーシー・フェイス等のオーケストラみたいなもののイメージが強かったんですね。
実際に聴いてみると、スピーカーから流れてくるサウンドの迫力とカッコ良い演奏に驚いたと同時に、歌の無い音楽でもこんなに良いものがあるんだと思い知りました。
そもそもこのアルバムは最高音質を追求して、演奏された音を直接レコード・プレス用の原盤に刻み込むというダイレクト・カッティングという方法で制作されました。
要するにレコード片面分の曲数を続けて演奏して、エンジニアがその場でミックスした音がテープに録音されるのでなく、レコード原盤に刻み込んでしまう荒業ですね(笑)
そして、数千枚単位の限定発売だったと思います。後に追加プレスされたと思いますが・・・。
肝心の演奏に関しても、その迫力に圧倒されてしまいました。
ギター・サウンドが元々好きだったんですが、ロック系のギターとは違う迫力とテクニックに感動しましたね。
特にミュートを使った単音バッキングや独特なカッティングが素晴らしく、ソロ以外でのプレイでカッコ良いと思った最初のギタリストです。
このアルバムに出会ってから、1年位はFUSIONばかりを聴くような生活になってしまいました(笑)
『Lee Ritenour & His Gentle Thoughts / GENTLE THOUGHTS』
01. CAPTAIN CARIBE ~ GETAWAY
02. CHANSON
03. MEISO
04. CAPTAIN FINGERS
05. FEEL LIKE MAKIN' LOVE
06. GENTLE THOUGHTS
Lee Ritenour / Electric Guitar - Gibson 335 & Gibson L-5
Ernie Watts / Saxphones & Flute
Dave Grusin / Steinway Piano & Fender Rhodes (01 - 03)
Patrice Rushen / Steinway Piano & Fender Rhodes (04 - 06)
Anthony Jackson / Bass
Harvey Mason / Yamaha Drums
Steve Forman / Percussion
デイヴ・グルーシン作曲の名曲とE,W&Fの名曲がメドレーとなった01。ギターとサックスのユニゾン・プレイを主にギター・ソロとサックス・ソロが炸裂します。メドレーのつなぎでのハーヴィーのドラムもカッコ良いの一言。ここ曲でのリトナーのカッティングに衝撃を受けましたね(笑)
デイヴ・グルーシン作の02。しっとりとしたバラード曲です。アーニー・ワッツのフルートとリトナーのギターの音色がとても美しいナンバー。
ハーヴィー・メイソン作の03。親しみやすいメロディーのバラード曲03。アーニー・ワッツのサックスをメインに、リトナーのバッキングやハーヴィー・メイソンのドラミングが印象的な曲です。
リトナーの十八番とも言えるリズム・カッティングが冴える、リトナーの代表曲04。スピーディーなギターとサックスのユニゾンによるメロディー、アンソニーのベース・ランニングも凄いですが、中盤での全員によるユニゾン・プレイが鳥肌ものです。
ロバータ・フラック等で有名な05。名バラード曲です。リトナーのJAZZYなギター・プレイと、パトリース・ラッシェンの美しいピアノ・ソロが素晴らしいですね。
ハーヴィー・ハンコック作の06。軽快なリズムが特徴ですが、このテンポでこれだけのグルーヴ感をだすメンバーの腕の確かさを感じます。緊張感の中にも温かみのある演奏が素晴らしいと思います。
CDの時代になって音質はどんどん向上しているので、CDでこのアルバムを聴いた人は特別何も感じないかもしれませんが、私はCDで聴いてもアナログ時代に聴いたあの感動が蘇ります。
緊張感漂う演奏、リハーサルを積み重ねているとはいえ、確かな音で録音・ミックスを施したエンジニア・フィル・シアーの腕の確かさを感じます。
日本国内でのリー・リトナーの人気を不動のものとしたアルバムですね。ダイレクト・カッティングにおけるミスが許されない神業的なプレイも含めて、FUSION史に残る名盤だと信じている1枚です。
だから、このレコードも少し遅れて買ってます。そのお陰で僕の持っているのはTAKE IIなんです。帯に「30000枚限定」と書かれています。
その頃はできが良かったTAKE IIをレコード化しただけだと思っていたんですけど、ダイレクトカッティングと言うのはTAKE I が完売になった場合にTAKE II をレコード化することがあるんですね。
CD化されたのでレコードは処分しても良いなんて考えてましたが、
1年程前のジャズライフ誌に、CD化されたのはTAKE I と書かれていて、売らなくて良かったと思いました。(苦笑)
早くからFUSION系を聴かれていたんですね。私はまさにこのアルバム
からのスタートでした。
友人にこのレコードをカセットに録音してもらってしばらく聴いていたんですが、
やはり欲しくなって買いに行った時にはTAKEⅠは既に無かったです(笑)
それ以来、ダイレクト・カッティングの第二弾、三弾はすぐに買ったんですけどね。
今でも愛着があるアルバムです。
このアルバムはお薦めですよ。サウンド的にもダイレクト・カッティング効果を
感じられますし、緊張感溢れる演奏も良いです。
「Feel Like Makin' Love」は、↑でも書きましたがJAZZYな感じが
良いです。ぜひ聴いてみて下さい。
私もたまに聴くと、初心に戻れたような気になれるアルバムです(笑)
多重録音もシーケンスなども使わない、シンプルなバンド・サウンドが
とても好きなんですね。やはり人の手によって奏でられるサウンドは
良いですね。
とりましたので、実家へ行く前に家族で1泊2日熱海に一泊しました。
今は子供と遊んでいる親父のPCで書いています。
このアルバムのコメントは言われるとおりですね。私は覚えてませんが
発売を待って聴きましたね。ライナーノーツに書いてありましたが、
H.メイソンのドラムは音質は凄かったですが、それは実音ではなく
テクニシャンの力だと(我々の力量を評価して貰った事ですだと)。
当時高校生の私はダイレクトカッティングの衝撃を音楽通の父に
力説したところ、父は「そんなの昔は普通じゃん」と一蹴されました。
ちなみにオーバーダビングを始めてしたのはレスポールだと教えて
貰ったのを覚えています。そのことを今言うと、全て覚えていない
そうです・・・・・
ひとさんのお父様が仰るように、昔は機材の関係で一発録りが当たり前
だったんでしょうね。
このレコードはあえて音の良さの追求の為の一発録り。時代の流れを
感じますね。
私の中でFUSIONという言葉で真っ先に連想するのが、このアルバム
だったりします。
夏休みを楽しんで下さいね。リフレッシュには良い音楽も必要ですよ。
最近まで、深町純のダイレクトカッティング物は
いつまで待っていてもリイシューの噂が無いんで
すごく不思議に思っていたんです。
と言うのは、
リー・リトナー(LEE RITENOUR) アルバム
ダイレクト・カッティング Direct to Disk Recording
『Gentle Thoughts』
『Sugar Loaf Express』
『Friendship』
この三枚が普通にCD化されているので
ダイレクト・カッティングと言えでも
アナログパチパチノイズのないマスター音源が有るのが
普通と思っていました。
しかし、これらリトナーのアルバムも
CD化されたアルバムの音源は、
当時の録音時に並行で録音された76cm/secのアナログマスターからの
CD化だったんですね。
お金の余裕あるメーカーの場合は
こうして並行録音の音源を残すことが出来ても
弱小メーカーの場合は
アナログマスターで残す余裕が無く
最初からマスターテープ音源自体が存在しない・・・
こういうケースがあるのかも知れないですね・・・
ちなみに、私は、『Gentle Thoughts』の音源、
WESINGさん、kaz-shinさんと同じく
アナログ盤が、TAKE2で、
CD盤が、TAKE1という形で所有しています。
この『Gentle Thoughts』のレコードを買った時は、
何故、TAKE2と書かれているのか
すごーく不思議だった事を覚えています。
ところで、kaz-shinさーん、
TAKE1とTAKE2、
アドリブ等の違いを聴き比べしてみた事はあるんですかーー??
確かに言われてみれば、ダイレクト・カッティングですからマスターテープがあるというのは不思議ですよね。
Kennyさんのコメントで納得しました(笑)
Take1と2の聴き比べはしてないです。
というかTake1は昔カセットで聴いていて、そのカセットはもうありません。
もし良かったら聴き比べて違いを教えて下さい。
興味あります。
kaz-shin さーん、
長くなりましたら複数のコメントになるかも・・・です。
>Take1は昔カセットで聴いていて、そのカセットはもうありません。
おや??
本文を読んだ限りでは、CDレビューかな??っと、思っていたんですよ。
でも、よーく過去のコメントを読んで、私なりに判断する限りですが、
「するとー・・、この記事は、
アナログ盤(TAKE2)に基づいて書かれたんですかね??」
出来れば、
kaz-shin さんの音源所有状況を教えて下さいましたら
よりこれから書く比較について、解り易いです。
TAKE1(CDリイシュー盤)
TAKE2(アナログ盤) という事でご理解くださいね!
TAKE1とTAKE2、もう一度、聴き比べしてみました。
かなり違いが有りますよーー!
ちなみに、私は、ずーっと、TAKE2で聴いて来た人間です。
(過去には、LP音源→カセット録音→耳コピーしたりして来ました)
ですので、TAKE2が、耳に馴染んでいる!
そんな人間が、TAKE1を聴くと、
「さすが、スタジオミュージシャン、録音時は、
毎回、違う事やっているんですねー!」
「ライブ会場での録音を聴いているみたい!」
「ホントは、キメじゃ無い部分までキメになってるー」
っていう感想ですねー。
↑↑↑↑↑↑↑↑
今回、始めて、ちゃんと聴き比べしてみたらこんな感じです。
今まで何気なく聴いていたんですがヘッドアレンジは同じなので
ほとんど判らなかったですけど。って当たり前かー!!
もしか、カセット録音してある人が
これ読んだら、どっちか判断出来ると思いますので。
<判りやすい部分でーす!>
その1:ゲッタウェイのエンディング
この曲の最後に、4回リピートのフレーズ有りますが・・・
TAKE1→ドラムキメのフィルが4回有り→5回目もフィル有りでEND!
TAKE2→ドラム4回すべてリズムキープ→5回目のみフィル有りでEND!
その2:FEEL LIKE MAKIN' LOVE
ピアノソロも良く聴けば全然違うのですが、
その後の、サックスソロ部分が目印!
TAKE1→サックスソロ最初のフレーズが駆け上がりフレーズではありません。
TAKE2→サックスソロ最初のフレーズが下から駆け上がるフレーズで始まり
二回同じ駆け上がるフレーズを吹いています!
さて、kaz-shin さんにとっての耳馴染みはどちらですかね??
私の勘違いでした!
まずこのCDは持っています。CDに収録されているのはTAKE 1なんですね。ここを勘違いしてました。
以前友人に録音してもらったカセットに入っていたのは初回プレス盤だったはずなので、
これもTAKE 1ということになるんだとしたら私はTAKE 2を聴いたことがないということになります(笑)
失礼しました。
詳細な解説ありがとうございました。
出来ればTAKE 2もCD化してくれたら聴き比べが出来るのですが・・・。
Victorさんなら音源残してますからね、きっと。
再度のコメントをさせていただく事、
お許しくださいませ。
それでは、kaz-shin さんがお持ちのCDで
いつでも結構ですので、
一度、上記の相違点のチェックをしていただけませんかー??
と言うのは、レコードの場合も、
帯に、TAKE2と書かれているだけなので、
もしも帯を紛失してしまったら、
一体どっちのテイクのLPなのかは判らないないんですよね。
(噂では、確か規格番号も同じだったとか・・・)
ですので、もしかしたら、TAKE2だって、
密かに、CD化されているのかも・・・
この際に、是非、今まで感じていた疑問点を
きちんと整理出来たら嬉しいです。
PS.1
ゲッタウェイのエンディングって
♪♪♪♪/♪・・・/♪♪♪♪/♪・・・/
♪♪♪♪/♪・・・/♪♪♪♪/♪・・・/
その後、一拍6連のキメで終わりです。
PS.2
しばらく前に、二つTBをさせていただきました。
出来れば相互TBしてくださいましたら嬉しいです。
お願いします。
今度CDチェックしてみますね。
でもかなり前に紹介したCDはダンボールに入れて片付けてしまっているので、探すのにちょっと時間がかかりますが・・・(笑)
気長に待って頂けると嬉しいです。
年末にはCDの整理をしたいと思っていましたので、その時にでも。
TBの件は、こちらからもTBしなければと思っていたんですが、自分からTBする機会がなくてやり方忘れてしまってました(笑)
すみませんでした。でもちゃんとTB出来たようで安心しました。