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YUTAKA (横倉 裕)_BRAZASIA ◇ 2006年 08月 26日
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1973年に大学を中退し、セルジオ・メンデスを慕って単身アメリカに渡った横倉 裕が、FUSIONの名門レーベルのGRPから1990年にリリースした『BRAZASIA』を紹介します。
横倉 裕のアルバムの中で1番好きなのは、1978年にアルファ・レーベルからデイヴ・グルーシンのプロデュースによるアルバム『LOVE LIGHT』ですが、この『BRAZASIA』も素晴らしい作品で大好きなアルバムです。
『BRAZASIA』とは、"ブラジル"と"アジア"を結びつけた造語だそうです。タイトルからも想像出来る様にブラジル音楽色の強い仕上がりになっています。

ブラジル音楽に傾倒するあまり、日本を飛び出した横倉 裕の事を日本人ではなくなったという風に言われる事があるようですが、私はそのように思いません。
確かに彼の音楽のルーツはブラジル音楽です。そして音楽活動の場をセルジオ・メンデスの活躍する海外へ求めたのも事実。しかし、彼の音楽を聴けば彼が日本人としての血や誇りを忘れていない事に気付きます。
彼の音楽に欠かせないものに日本の伝統楽器・琴があります。彼は琴という楽器の素晴らしさを理解しており、世界に誇れる楽器であることを日本国内に住む日本人の誰よりも知っているのではないでしょうか。
横倉 裕の奏でる琴は、時にハープのように、時にアコースティック・ギターのように表現豊かな美しい音色です。世界に類の無い美しい音色を持った弦楽器としての琴を作った日本人のひとりとしての誇りを彼の音楽から感じます。

『YUTAKA (横倉 裕) / BRAZASIA』
01. BRAZASIA
02. EAST BY SOUTH
03. MORENA
04. CHUVA
05. LAMBADA NOVA (YOU'RE GOOD FOR ME)
06. URBAN JUNGLE
07. WAYWARD WIND
08. (IF I ONLY HAVE) ONE CHANCE
09. SAO JORGE
10. SAY YOU DO

横倉の奏でる琴とオスカー・カストロネヴィスのアコースティック・ギターの組み合わせが絶妙なボッサ曲01。横倉とポーリン・ウィルソンのデュエットが極上のリラックス空間へと導いてくれます。間奏で横倉が素晴らしいピアノ・ソロを聴かせてくれます。
テオ・リマのタイトなドラミングとギターのようにメロディーを奏でる琴が印象的なインスト・ナンバー02。ジェリー・ヘイを中心としたホーン・セクションが曲を盛り上げます。
パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッション、横倉の琴、オスカー・カストロネヴィスのアコースティック・ギターのコンビネーションが面白い03。横倉のヴォーカルも良い味出ています。
琴の音色がオリエンタル・ムードを高める美しいメロディーを持ったインスト曲04。ここでも琴をギターのように弾きまくっています。
ポーリン・ウィルソンのヴォーカルをフィーチャーしたテンポのある05。打ち込みによるグルーヴとホーン・セクションが心地良いナンバーです。横倉のアレンジ・センスが光ってる曲ですね。
シンセを多用し、琴とシンセを使い分けてメロディーを奏でるシックな感じのインスト曲06。
横倉 裕一人の多重録音による美しいバラードのインスト曲07。ここではアコースティック・ピアノが主役で琴は脇役って感じですね。
キャッチーなメロディーを持った08は、どちらかと言えばAOR風な作品です。横倉のヴォーカル、琴を中心に、エイブラハム・ラボリエルの渋いベース、テオ・リマのドラミングが見事な調和を見せています。
アフリカ民族音楽のようなイントロに続き、軽快なボサノヴァが始まる09。インスト曲です。
再びポーリン・ウィルソンのヴォーカルをフィーチャーした10。ボサノヴァ・タッチのアレンジながら、コンテンポラリーなサウンドが魅力です。このアレンジも大好きです。

アルバムを通して感じるのは、横倉 裕のソング・ライター、アレンジャーとしての素晴らしい才能はもちろんですが、やはり琴という楽器の可能性や音色の美しさでしょう。
日本に住んでいながらも琴の音色を聴くのは、おそらくお正月に流れてくるBGMくらいなものです。
こんなに素晴らしい日本古来の楽器の存在を、海外で活躍する日本人アーティストに教えられるというのも不思議な気がします。
琴の音色も含めて、極めて気持ち良いサウンドで溢れたアルバムです。ぜひ1度聴いてみて下さい。
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by kaz-shin | 2006-08-26 15:47 | FUSION系 | Trackback | Comments(2) | |
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Commented by くらりん at 2006-09-02 15:37 x
はじめまして。YUTAKAいいですね。僕がYUTAKAの音楽に出会った
のは、23、4年前でしょうか?たしか某不動産会社のCMで画面の隅に
Yutaka Yokokuraの名前を見つけたときからです。レコード屋で見つけ
た『ラブ・ライト』のカセット。この中にあのCMの曲が入ってるんだと思う
と嬉しくて即購入。結局、その曲は入っていませんでしたが、それから
数年後『アドリブ』誌で久しぶりに名前を見つけ、『YUTAKA』という
アルバムが出ていることを知り、タワーレコードで輸入版を購入。そして
やっとあの曲『ドリームランド』をフルで聞くことができました。その後の
ブラジル路線になる前のPOPな感じの曲ですが、とても好きな1曲です。
『ブラザジア』『アナザー・サン』以降音沙汰もすっかりなくなってしまい
ましたが、某掲示板で9月来日のセルジオ・メンデスのサポートメンバー
に名を連ねているとの話もあり、「生YUTAKA見てー」と思う今日この頃
です。
すみません。ちょっと昔の思い出に浸ってしまいました。日々更新大変
だと思いますが、楽しみにしています。それでは。
Commented by kaz-shin at 2006-09-02 18:10
くらりんさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
横倉さんを好きな方がいらっしゃって、凄く嬉しいですね。
私は、『LOVE LIGHT』を聴いて衝撃を受けました。曲も良かったですし、
琴や尺八、琵琶などの日本特有の楽器を上手く使って、変に日本を打ち出す
訳でもない彼の音楽性に惚れました。後に彼本来のブラジル色が強まり
ますが、これがまた気持ち良いサウンドばかり。
素晴らしいアーティストですね。
最近中古CD店で、横倉さんプロデュースのポーリン・ウィルソンの
アルバムを見つけ、目下このアルバムを聴き込んでるところです(笑)

またお時間があったら覗きに来て下さいね。よろしくお願いします。
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