70年代の初め頃から音楽を聴く事が趣味となってから、80年代後半までに沢山のレコードを収集してきました。やがてアナログからデジタルの時代を迎え、レコードはCDへと形を変えていきました。現在所有しているレコードの大半はCD化されていますが、全てのアルバムを買い直す訳にはいきません。これまでにレコードに使ってきたお金をまた同じ位使わなければなりませんから・・・(笑)
CD化された事は知っていてもなかなかCDを買えなかったアルバムも沢山あります。そんなアルバムをBOOK OFFの安棚コーナー、とりわけ250円という値段で売られていると嬉しくなってしまうのです。今回も長らくCD化されたのを買わずにいたアルバムを250円で見つけたので紹介します。
1988年にリリースされたビートルズのトリビュート・アルバム『抱きしめたい』です。
東芝EMIで制作されたこのアルバムは、プロデューサーが日本でのビートルズの担当ディレクターだった石坂 敬一のもと、当時東芝EMIに所属していたアーティスト達がビートルズの曲をカヴァーしたものです。
参加したのは14人(組)のアーティスト達で、全14曲中13曲がこのアルバムの為に録音されたものでした。
早速参加アーティストとカヴァーした曲目を紹介しましょう。
『抱きしめたい』
01. ノーウェジアン・ウッド(ノルウェーの森) / 高中 正義・松任谷 由実
02. ユー・キャント・ドゥ・ザット / NOBODY
03. テル・ミー・ホワイ / 安部 恭弘
04. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス / THE WILLARD
05. ハニー・パイ / 加藤 和彦
06. オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ / アースシェイカー
07. ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! / ちわき まゆみ
08. ロックン・アンド・ロール・ミュージック / 佐藤 隆
09. ドント・レット・ミー・ダウン / 忌野 清志郎&仲井戸 麗市
10. ヘルター・スケルター / VOW WOW
11. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ / 伊藤 銀次
12. ミッシェル / 鈴木 康博
13. ブラックバード / SHOW-YA
14. ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア / チューリップ
どのアーティストも自分に似合った曲を選んでいるなと思いますね。違和感はもちろん感じませんし、アーティストの個性がよく出ていて面白いです。
01は、高中とユーミンの顔合わせ。アレンジは松任谷 正隆で、組曲風なアレンジが斬新です。壮大な雰囲気かと思うと4ビート・ジャズに変わったりと凝ったアレンジが施されています。高中もエレクトリック・シタール、エレ・アコ等を弾きまくっています。特にジャズ・アレンジでのエレ・アコのソロが良いです。
NOBODYらしいストレートなロックのアレンジの02。彼らがビートルズ好きが伝わってくる歌と演奏です。
CITY POP風ビートルズといった感じの安部 恭弘の03。大好きなカヴァーです。
THE WILLARDの04は、テンポのあるロック風アレンジですが、いかにも日本人の歌う英語って感じがいただけません。名曲なんで少々がっかりです(笑)
選曲の良さに思わず笑ってしまった加藤 和彦の05。この曲が似合う日本人アーティストは彼だけかも知れません。オリジナルの雰囲気を壊さないアレンジです。
原曲とは全く違うアプローチをしているアースシェイカーの06。ロック風なアレンジですがポップさは失われていません。イントロのドラムを聴いてたらグランド・ファンクを思い出しました(笑)
ちわき まゆみの07は、全ての演奏、サウンドが本人による声によるものです。テクノ風ビートルズです。
ビートルズ好きなら思わず微笑んでしまいそうなストレートなカヴァーと言うか、コピーに近い佐藤 隆の08。1番オリジナルに忠実な1曲でしょう。
忌野 清志郎&仲井戸 麗市による09。忌野らしい選曲で、シンプルにアコースティック・ギター2本による弾き語りです。
10は、ハード・ロックと言えばこの曲ですからVOW WOWがカヴァーしたのも頷けます。まさにお似合いのナンバーでしょう。
伊藤 銀次による11。これもオリジナルのイメージを壊さないカヴァーに仕上がっています。伊藤 銀次も相当なビートルズ好きなんでしょうね。
鈴木 康博の12。いかにも彼らしい選曲ですし、彼のギター・テクニックを発揮した弾き語りスタイルです。この曲にはこういうシンプルな演奏が似合いますね。
SHOW-YAによる13。前半はオリジナルに近い形ですが、途中からハード・ロック風なアレンジに変わります。演奏がしっかりしている数少ない女性グループでしたね。ここでも良い演奏を聴かせてくれます。
チューリップの14だけは、このアルバムの為に録音されたものではなく1976年(今から30年前になるんですね)にリリースされたビートルズのカヴァー・アルバム『すべて君たちのせいさ』に収録されていました。今聴くと演奏も上手くはありませんが、ビートルズが大好きな彼らならではの温もりを感じますね。ちなみに『すべて君たちのせいさ』のレコード・ジャケットは↓のような感じでした。
今回紹介したアルバムは、ビートルズに興味の無い人にはつまらないものでしょう(笑)
ビートルズが好きで、なおかつカヴァーとかトリビュート・アルバムに拒否反応を示さない人にお薦めします。
たまに聴くとこういうアルバムも楽しくて良いものですね。
方に反応しちゃいました。
このセンスのかけらもないジャケットが最高でした(笑)演奏では、
「HEY JUDE」の”何だよバカヤロウ”ってエフェクトが脱力モノでしたね。
でも、彼らにとっては、ビートルズから脱却するための”ケジメ”のアルバム
だったのでしょうね。。
>本題ではなくTULIPの『ALL BECAUSE OF YOU GUYS』の方に反応しちゃいました。
いえいえ、とんでもないです。逆にこのアルバムにコメントを頂戴した事が嬉しいですよ(笑)
聴かれていたんですねぇ。懐かしいですよね。
当時はよく聴いてました。ビートルズに憧れていた彼らがここまでのカヴァー・アルバムを
作ったというのは、pyonta_zさんの仰るように彼らからある意味で独立したかったのかも知れませんね。
CD欲しくなってしまいました(笑)
というわけで、ビートルズの曲を知ってからでも特別な思い入れはありません。このアルバムは高中・ユーミン目当てでした。それと、オリジナル・オムニバス・アルバムが好きということもあったんですけどね。
kaz-shinさんなら第2弾(かな?)の「ALL WE NEED IS LOVE」も持ってますよね?
ビートルズは中学校時代に嵌りました。解散して数年しか経っていない頃の話ですが・・・(笑)
中学3年間は寝ても覚めてもビートルズ一色でしたね。
私もこのアルバムは、高中さんとユーミンの顔合わせと安部 恭弘目当てで買いました。
>kaz-shinさんなら第2弾(かな?)の「ALL WE NEED IS LOVE」も持ってますよね?
アハハハ、持ってません(笑)
自分のコメント見返して、顔から火が出そうになりました。
「HEY JUDE」に挿入されているのは”ナンダヨオマエ”でしたよね。
猪木じゃないんだから、、、(苦笑)
謹んで訂正させていただきます。。
先日久しぶりにチューリップのこのアルバム聴きました。
確かに「何だよ!お前」でしたね(笑)
わざわざご丁寧に訂正のコメント頂き、恐縮です。
しかし、今聴くと演奏は決して上手いとは言えませんが、ビートルズが
本当にすきなんだなというのが伝わってきて微笑ましいですね。