曲のジャンルに関係なく、その人が歌うと独自の世界が出来上がってしまうアーティストっていますよね。
私にとっては太田 裕美がその代表的なアーティストの一人なんです。
歌っている曲は、歌謡曲、フォーク、ポップス等様々のジャンルに至っていますが、一度彼女の歌声、舌足らずによるものもなのか・・・独特な滑舌の悪さ(笑)が太田 裕美という世界を作り上げているような気がします。
つまり、どんな歌を歌おうとも太田 裕美が歌えば、それは「太田 裕美の曲」なんですね。ジャンル分けの意味を感じなくなってしまう、不思議なアーティストです。
今回紹介するアルバムは、秋になると何故か聴きたくなるアルバムです。1976年にリリースされた通算5枚目になる『12ページの詩集』です。
阿木 燿子、喜多条 忠、荒井 由実、松本 隆、伊勢 正三、イルカ、谷村 新司、太田 裕美という8人による12篇の詩集を歌にしたというコンセプトなのでしょう。作曲もニューミュージック系のアーティスト中心です。あえてジャンルでたとえるならフォーク、ニューミュージック風の色合いが強いアルバムかも知れません。
『太田 裕美 / 12ページの詩集』
01. あさき夢みし
02. 失くした耳飾り
03. 青い傘
04. カーテン
05. 君と歩いた青春
06. 最後の一葉
07. 湘南アフタヌーン
08. 一つの朝
09. ミモザの下で
10. 赤い花緒
11. ガラスの腕時計
12. 恋の予感
作詞:阿木 燿子、作曲:宇崎 竜童、編曲:萩田 光雄による01。宇崎 竜童らしいエキゾチックなメロディーに、滑舌の悪いヴォーカルが逆に不思議な魅力を醸し出しています(笑)
作詞:喜多条 忠、作曲:田山 雅充、編曲:萩田 光雄による02。田山 雅充と言えば、やはり「春うらら」ですが、この曲も似た雰囲気を持ったフォーク色の強い作品です。
作詞・作曲:荒井 由実、編曲:萩田 光雄による03。ユーミンの作品にしてはフォークっぽい作品かも知れません。荒井 由実時代にはこういう曲調が結構ありましたね。しかし、詞はユーミンらしいです。
作詞:松本 隆、作曲:ケン田村、編曲:筒美 京平による04。後にCITY POP系の素晴らしいアルバムをリリースするケン田村が曲を提供しています。編曲は師匠にあたる筒美 京平という事で、美しいメロディー・ラインのバラード曲で洒落た雰囲気に仕上がっています。
作詞・作曲:伊勢 正三、編曲:萩田 光雄による名曲05。何も言う事はありません、名曲です。しかし、最近は「青春」なんてタイトルの付く曲にお目にかかれませんね(笑)
作詞:松本 隆、作曲:筒美 京平、編曲:萩田 光雄による06。さすが天才・筒美 京平ですね。歌謡曲というのを知り尽くした人しか書けないメロディーです。
作詞:松本 隆、作曲:山田 つぐと、編曲:萩田 光雄による07。タイトルとは裏腹にベタなフォーク・ソングです(笑) 山田 パンダらしい曲ですが、私個人的には苦手なタイプです。
作詞:松本 隆、作曲:佐藤 健、編曲:萩田 光雄による08。アルバム中で1番好きなナンバーで、さすがに佐藤 健と思わせるLight Mellowなバラード曲。今聴いても違和感をまったく感じないメロディーと太田 裕美のファルセット・ヴォイスが絶妙にマッチしています。
作詞・作曲:イルカ、編曲:萩田 光雄による09。イルカらしいほのぼのとした歌。萩田 光雄のアレンジがベタなフォーク調になっていないのが良いです。
作詞・作曲:谷村 新司、編曲:萩田 光雄による10。谷村 新司にしては明るめの曲で、アレンジもC&W風になっています。なかなかの曲。ただ、谷村 新司の歌詞は昔から演歌の香りがしますね(笑)
作詞:松本 隆、作曲・編曲:萩田 光雄による11。マイナーなバラード曲ですが、起承転結の少ないメロディー構成が面白いですね。間奏での太田 裕美のナレーションが入ります。
作詞・作曲:太田 裕美、編曲:萩田 光雄による12。自作曲という事もありますが、自身の声を1番生かした曲かも知れません。親しみやすいメロディーのバラード曲。
1970年代半ば迄は、結構フォーク系の音楽をよく聴いていたんですが、CITY POP系の音楽を聴くようになってからはその洒落たメロディー・センスとアレンジに魅せられてしまい、フォーク系の音楽は全く聴かなくなりました(笑)
ただ、太田 裕美のアルバムだけはフォーク色の強い作品でも、何故かたまに聴きたくなります。
やはり彼女の声の魅力だと思います。聴いているとほんわかした気分になるんですね。
ストレス解消に太田 裕美の歌は効果があるのかも知れませんね。
私はkaz-shinさんより、4学年ほど下になるようですが、太田裕美は高校に入ってから、友達の家で良く聞いていました。
特に、76年から78年頃リリースしたアルバムは今でも良く覚えています。
ジャケットがお姉さんといった感じで、「背中あわせのランデブー」など意味深な言葉に大人っぽさを感じてなんかあこがれでしたね。
外は「九月の雨」が降っております。急に寒くなってまいりました。風邪など引かぬようお気をつけください。
4学年位ですと、聴いていた音楽はそんなに変わらないかも知れませんね。
76年~78年位の太田 裕美さんのアルバムは良い作品が多いと思います。
シングル曲も良い曲が沢山ありますし・・・。「九月の雨」も良い曲ですね。
私の住んでいる千葉県は現在台風のような大雨が降って、とても寒いです。
季節の変わり目ですから、お互いに体調には気をつけましょう!
いま高校時代に乗っていたプジョーのサイクリング車を一生懸命再生しています。
その頃と、このアルバムが重なります(笑)
当時の自転車雑誌も出て来たのですが内容がめちゃダサイです。
フォークからシティポップ、そしてJ-popへ。
自転車生活もクリスタルに、いやクールな乗り物になったと思います。
今の日本人と30年前の日本人との落差、レストアできても昔の自転車で乗っていく場面があるのでしょうか。
12頁の詩集の中では、湘南アフタヌーンの松本隆の詞と山田パンダのギャップが反対に好きです。
30年前の自転車をレストアして走るなんて、すごく素敵じゃないですか!
単に昔を懐かしむのではなく、30年前の自転車に乗って、このアルバムを聴きながら初秋の街を走る・・・。
きっとあの頃の風や空気を感じることが出来ると思いますよ。
景色が変わっても、変わらない何かを感じたいですね。