1987年にリリースされたEPOの通算10枚目(ミニ・アルバムを含む)となる『POPTRACKS』です。EPOの歌う明るく楽しいポップな世界が好きで、1980年のデビューからリアル・タイムで聴き続けてきました。ただ、それも1984年の『HI・TOUCH・HI・TECH』くらいまでで暫く聴かない状態が続きました。別に嫌いになった訳ではなく、ただ何となく聴かなかっただけですが・・・。
久しぶりにこのアルバムを買った理由は、10曲中6曲が邦・洋楽のカヴァー曲だった事、そのカヴァー曲の選曲の良さからでした。
私の個人的な意見ですが、EPOは日本の女性シンガーの中でも、ポップスというジャンルの音楽を歌うシンガーとしての類稀なる素晴らしい資質を持った、数少ない女性シンガーだと思っています。声質、声量、音域、歌の上手さ、コーラスにおけるアレンジのセンスの良さとコーラス・ワークは、本当に素晴らしいの一言ですね。
そして、シンガーのみならずソング・ライティングにおいても、非凡な才能を発揮しているというのは本当に凄い事です。
この『POPTRACKS』は、通算10作目という事で、それまでのEPOの音楽の集約できるアルバムにしたいという意向で作られ、自分を育ててくれたポップスを取り上げているようです。
このアルバムを聴いて、まず感じたのが歌をいつも以上に丁寧に歌っているなという事。もちろんEPOのオリジナル曲も4曲収録されていますが、どの曲においてもすごく丁寧に歌われているのを感じます。ヴォーカリスト・EPOを堪能するのにピッタリな1枚だと思います。
『EPO / POPTRACKS』
01. 三番目の幸せ
02. いつか (SOMEDAY)
03. セクシー・バス・ストップ
04. さよならは2Bの鉛筆
05. 横顔
06. 夢見ちゃいなタウン
07. TRY TO CALL
08. 12月の雨
09. いとしのエリー
10. LOVING YOU
三番目とかいて「みっつめ」と読みます。花王製品のCMソングだった01。それまでのEPOにはあまり無かったタイプの曲で、以降のEPOの音楽性を暗示している曲だと思っています。
山下 達郎のアルバム『RIDE ON TIME』のオープニングを飾った名曲のカヴァー02。達郎の楽曲は、アレンジを含み非常に完成度が高いので、下手なアレンジだと楽曲の魅力が半減してしまうのですが、このカヴァーはよく出来ていると思います。アレンジは窪田 晴男。松永 俊弥のタイトなドラミングが素晴らしいです。
浅野 ゆう子が歌手時代にヒットさせた曲のカヴァー03。思い切り歌謡曲路線の曲ですが、EPOが歌うと不思議にポップな色が濃くなりますね。窪田 晴男のギターが軽快です。
EPOのオリジナル曲04。乾いたサウンドを奏でるのは、センチメンタル・シティ・ロマンスの面々です。ウエスト・コースト・ロック風なナンバーです。
私の大好きなアルバムの1枚である、大貫 妙子の『MIGNONNE』に収録されていた名曲のカヴァー05。EPOらしい爽やかなヴォーカルが心地良く、今は亡き乾 裕樹のJAZZYなアレンジが素晴らしい1曲。大村 憲司のギター・ソロに聴き惚れてしまいます。
EPOのオリジナル曲でチャンキーなナンバー06。アレンジは大村 憲司。伊勢丹のキャンペーン・ソングでした。高橋 幸宏らしいスネアのローリングがたまりません(笑)
EPOのオリジナルで、KDDのCMソングだった07。思い切りFUNKYなアレンジが格好良いナンバーです。アレンジは窪田 晴男で、彼のギター・カッティングの素晴らしさが光ります。FUNKYながらもメロディーはとてもキャッチーで、大好きな曲です。
ご存知ユーミンの名曲のカヴァー08。EPOにとってもユーミンはアイドルであり、目標のようですね。ユーミンとは違ったポップ感覚溢れるカヴァーになっています。アレンジは佐橋 佳幸で、素晴らしいギター・プレイを披露しています。
知らない人は少ないだろう程のサザンの名曲のカヴァー09。サザンの歌、しかもこの曲を女性シンガーがカヴァーするというのは珍しいと思います。相当歌に自信が無いと出来ません。センチメンタル・シティ・ロマンスの素晴らしい演奏で、実にEPOが伸び伸びと歌っています。
アルバム中で唯一の洋楽カヴァー曲10。私自身も本当に好きなミニー・リパートンの名曲です。この歌も生半可な歌い手には歌えない曲です。しっとりと歌うEPOに聴き惚れてしまいます。原曲のイメージを大事にしているのが伝わってきますね。
オリジナル色は薄いものの、シンガーとしてのEPOの素晴らしさを堪能できる1枚です。改めて上手いシンガーだと感じさせてくれるアルバムです。
BOOK OFFでは、安棚コーナーでよく見かけるアルバムなので、興味のある方はぜひ!
どんなシチュエーションで聴いても違和感のないアルバムですから、BGMとしても最適だと思いますよ。
chikazoも、だいすきなアルバムです。
失礼かもしれませんが、オリジナル・アルバムよりも好きになってしまってるかもしれません。発売当時聴いていた思い入れやなつかしさもありますからでしょうか。
とにかく、選曲は最高だと感じてしまいます。
おっしゃるとおり、丁寧でしっかり歌っておられる、そんな大事な想いが声を通して伝わってきますよね。
ありがとう、kaz-shinさん。 感謝!
続けてのコメントありがとうございます。
この選曲ですし、聴きやすいアルバムですからchikazoさんと同じように
EPOのオリジナル・アルバムより好きだという人は多いかも知れませんよ。
私自身もEPOさんの歌唱だけで言えば、他のアルバムよりも優れていると思っています。
確かに声の好きな人のカヴァー曲って、オリジナルより良いと思う事ありますね。
正直言うとこのアルバム以降のEPOさんをほとんど聴いてません。
声は好きなんですけど、昔のようなポップさが薄れてしまったので・・・。
須藤 薫さんやEPOさんのようにポップス向きの声って大好きです。
ポップさが薄れてしまったのは僕も残念に思っています。
でも、今のも嫌いではないので聞いてますけどね。
そういえば、EPOさんがショーロ・クラブとSESSIONに出演するそうです。放送日はいつだったかな。まだ収録されていないかも。
最近のEPOさんも聴いてみたいなとは思っています。
BOOK OFFでは結構安く入手できそうなので・・・。今度聴いてみます。
併せて情報まで頂いてありがとうございました。