1981年のデビュー以来、リアルタイムで聴き続けているアーティスト・角松 敏生。彼の作った音楽が好きで26年間もの長きに渡り、彼の作品を追い続けてきています。このブログにおいても"TOSHIKI KADOMATSU"というカテゴリまで作って、記事を書いてきています。
そんな中で、度々登場する言葉に"活動凍結"というのがあります。角松の音楽が好きで、聴き続けている人なら理解できるでしょうが、角松 敏生を知らない、あるいは興味の無い人には何の事?という感じでしょうね。
26年間の角松 敏生のキャリアの中で、1993年から1998年迄の約5年間を彼は自身の音楽活動を"凍結"していました。"凍結"の理由は、私には分かりません。いや、本人以外は誰も真の理由は分からないでしょう。別に"凍結"したからといって格別淋しいとも思いませんでした。何故なら、プロデューサーとしての彼の作品には接する事が出来たからです。本人の歌ではなくても、私は一向に構わなかったですね。角松 敏生の作品が聴けるなら、それで良かったのです。
1998年に活動凍結を解凍してからリリースされたアルバムに関して、私はどうしても好きになれません。理由は単純です。角松の書くメロディーに魅力を感じなくなったから・・・。誤解の無いように書いておきますが、彼の作る作品は素晴らしいものが多いです。クオリティーも高く、1作として手抜きのモノはありません。すべての作品に角松の全精力が注ぎ込まれています。
ただ、好みの問題として私は解凍後のアルバムを好きになれずにいるだけです。
前置きが長くなりましたが、今回紹介するのは解凍後のアルバムです。唯一解凍後にリリースされたアルバムの中で、好きだと言いきれるアルバム『The gentle sex』です。
このアルバムは、他アーティスト、歌手へ提供した曲のセルフ・カヴァー・アルバムです。カヴァー曲10曲と新曲1曲で構成されています。このアルバムが好きな理由はただ一つ、メロディーが良いからに他なりません。
『角松 敏生 / The gentle sex』
01. UNSTEADY LOVE
02. ALL OF YOU
03. I CAN'T EVER CHANGE YOUR LOVE FOR ME
04. SINGLE GIRL
05. さよならを言わせて ~ Let me say good-bye ~
06. もどり道
07. サヨナラはくちぐせ
08. Bless Myself
09. 花瓶 ~ Album Version ~
10. You're My Only Shinin' Star ~ Album Version ~
11. 君という名の僕におしえたい
中森 明菜の1985年のアルバム『BITTER AND SWEET』の為に書き下ろした01は、テンポのあるダンス・チューン。江口 信夫(ds)と故・青木 智仁(b)のリズム隊によるグルーヴ感がたまらない1曲。
1998年にリリースされた吉沢 梨絵のシングル曲だった02。ミディアム・テンポで、親しみやすいキャッチーなメロディーが特徴のナンバーです。吉沢 梨絵の声によくマッチした曲で、大好きでした。角松も頑張って歌ってますね。吉沢 梨絵の1999年リリースのアルバム『SWEET REVENGE』にも収録されていました。
杏里が1984年にリリースした角松プロデュースによるアルバム『COOOL』に収録されていた名バラード曲03。オリジナルはしっとりとしたバラードに仕上げていますが、角松ヴァージョンは沼澤 尚のドラムによってグルーヴ感を出しているのが特徴です。数原 晋のフリューゲル・ホーンのソロは絶品。
角松プロデュースによるAnnaの2ndアルバム『Stories』(1998年)に収録されていたバラード曲04。アルバム中で唯一角松作品でない曲で、康 珍化作詞、林 哲司作曲という黄金コンビによる作品。さすが康・林コンビだと思わせる名バラードですね。
今井 優子が1990年にリリースしたアルバム『DO AWAY』に収録されていた05。今井 優子のオリジナルよりもテンポを落とした打ち込みによるグルーヴが心地良いです。間奏の松木 恒秀のギターが聴き所!
Annaの1997年リリースの1stアルバム『ANNA』に収録されていたバラード曲06。角松のソング・ライターとしての新たな可能性を感じた曲でした。角松ヴァージョンは、Annaのシングル「LAST DANCING」のカップリングだった「もどり道(Kadomatsu.T スペシャル・コーラス・ヴァージョン」に近いですね。吉川 忠英のアコースティック・ギターに注目です。
角松が活動凍結中に制作された曲で1番好きな07は、吉沢 梨絵の1998年のシングル曲でした。故・青木 智仁のベースと角松のギター・カッティングが素晴らしいです。この曲も『SWEET REVENGE』に収録されていました。
1994年にリリースされた米光 美保のアルバム『FROM MY HEART』に収録されていたバラード曲08。これは良く出来たバラード曲だと思います。角松ヴァージョンも村上 秀一(ds)、岡沢 章(b)、村田 陽一(tb)を迎え、しっとりとした感じに仕上げています。
中山 美穂の1988年のアルバム『CATCH THE NITE』に収録されていた角松ファンにはお馴染みのバラード09。映画「卒業」を思い浮かべてしまう歌詞、スケールの大きなメロディー構成も素晴らしい名曲。小林 信吾のアレンジによる美しいストリングスと叙情的なピアノに圧倒されます。
中山 美穂の1986年のアルバム『SUMMER BREEZE』の為に書き下ろした10は、1989年にリテイクされシングル・カットされチャートNo.1に輝いた曲です。佐藤 博のキーボードがフィーチャーされています。確かに良い曲ですね。
このアルバムの為に用意された新曲11。解凍後の角松を象徴する曲かも知れません。カヴァー曲の10曲とはやはり異質な感じがします。悪い曲ではないのですが、好きになれません(笑)
このアルバムが発売された当時、オリジナルと角松ヴァージョンを交互に入れたCD-Rを作成したり、オリジナルだけで同じ曲順のCD-Rを作って楽しんでいました。01~10迄のオリジナル曲で構成されたCD-Rは結構楽しめましたね。
『The gentle sex』は確かに活動解凍後にリリースされたアルバムなんですが、11を除いては活動解凍前に作られた曲ばかりなんですね。やはり私には活動解凍する前までの曲が合うようです。
待ちに待ったTIME TUNNELでさえ最初に2,3回聞いてそれっきりです、
まぁ嗜好に合わなくなってきたのかな。
さて、このアルバムですがVOCALAND PROJECTも正直好きじゃないんで
杏里、中森明菜、中山美穂以外は、ふーんって感じです。
オリジナル「UNSTEADY LOVE」のBASSはメチャメチャ好きですね。
rsさんも解凍後の楽曲に魅力を感じていなかったんですね。
『TIME TUNNNEL』を最初に聴いた時、不吉な予感が走りましたね(笑)
それ以来、私もリリースされたアルバムは数回聴いてそれっきりというのが多いです。
唯一1番回数聴いているのが本作なんです。
活動凍結中の数々のプロデュース作品までは、まだ楽曲的には良いと
思えるものがあったのですが・・・。
私もこのアルバムの中で、07の出来が良かったと思ってました。
角松さん自身の歌で1番違和感を感じなかった曲と言えるかも知れません。
解凍後のアルバムは、角松さんの多重コーラスの比重が増えているのが
個人的な好みで言うと"?"なんですけどね・・・(笑)
どうしても"くどさ"を感じてしまいます。
ファンの中には「解凍後はあまり・・・」という方も多いようですが、
個人的には解凍後の方が角松のオリジナリティが出ているような気がしています。
もちろん解凍前も大好きなんですけどね。
この企画は最初「?」と思ったんですけど、聴いていくうちに彼の作品のよさが伝わってきます。
是非続編も出して欲しいなと。
私もMusicmanさんと同じ意見で、「解凍後」の方がオリジナリティに
拘った作品作りをしていると思いますね。好みは別として・・・(笑)
おそらくこのアルバムは11を除いて全部曲を知っていたので、安心して
聴けたのも良かったと思っています。それに加えて好きな曲も入って
いましたから。第2弾というのも面白いかも知れませんね。
私の角松さん関連の記事は、結構「解凍後」の音楽に対しては批判的な
ものが多いです。しかし、角松さんの音楽に対する取り組み方は素晴らしい
と思っている一人です。
アーティストたる者、自分のやりたい音楽をやるというのは当然の事で、
そういう意味では角松さんの活動については素晴らしいなと思います。
ただ、私の場合は「解凍後」の作品やライブではどうしてもワクワク出来ません。
そんな単純な理由なんです。
「おおっ!カッコ良い!」と思える曲が無いという感じでしょうか・・・(笑)
これはメロディーに限ってですけどね。
アレンジ面でいつも感心するのは、このアルバムに限ったことではありませんが、
ミュージシャンの起用が上手いことですね。
適材適所といった言葉がぴったりな位はまってるケースが多いのには驚かされます。
私は、まだ20代の角松さんのファンなのですが、きっかけは凍結中にリリースされたVOCALANDです。私は、そのころはまだ10代半ばでした。
それから10年経った今でも凍結中の角松サウンドが一番好きです。最初に聞いた音が今でも印象に残っているのではと思います。
私は、どちらかといえばプロデューサーとしての角松さんの方が好きです。
角松さんは、最近は目立ったプロデュースはされていないので少し寂しく思える気もします。例えば、平井堅さんや平原綾香さん、伊藤由奈さんとか聞いてみたいです。
20代で角松ファンとは嬉しい限りですね。
最初に出会った作品というのは、アーティストを好きになった作品な訳ですから
印象に残ったり、同じようなサウンドに惹かれるというのは凄くよく分かりますね。
私も活動凍結中のプロデュース作品は好きですね。曲としては凍結前の
プロデュース作品に傑作が多いとは思いますが、あまりに角松色が強すぎた
と思っています。プロデューサーとして才能が本当に花咲いたのは、活動凍結中だったと思っています。
最近確かにプロデュースはしていないようですね。依頼が無いのか、自身の活動が忙しくて
受けられないのでしょうね。
「他アーティスト、歌手へ提供した曲のセルフ・カヴァー」と
いうコンセプトではありますけど、大抵こういう企画の場合、
収録曲は有名アーティストへのものが中心。ファンとしては
今井優子さんも混ぜてもらえたのはうれしかったですよね。
個人的には09の「花瓶」が好きです。
今井 優子さんの05は、私も大好きな曲でしたので収録されていて
嬉しかったですね。
今回は女性アーティストへの提供曲・プロデュース作品が中心だったので
もし、次があるとするなら男性アーティストへの提供曲・プロデュース作品で
第2弾を作って欲しいものです。
彩 裕季さんのアルバムもいつか紹介したいなと思ってます。
個人的な好みではお姉さんの声の方が好きですね。
久しぶりに『Heartstrings』を聴いてみようと思います。