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林 哲司_TIME FLIES ◇ 2007年 03月 05日
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今回紹介するのは、アルバム・ジャケットだけ見るとマンハッタンズの名盤『BACK TO BASIC』にそっくりな(実際に意識して似たデザインにしたようですが)、林 哲司が1988年にリリースしたミニ・アルバム『TIME FLIES』です。このアルバムは、オリジナル・アルバムではなく作曲家として書いた曲を取り上げた、いわゆるセルフ・カヴァー・アルバムです。

学生時代から音楽活動、作曲活動を続けたいた林 哲司が、1970年頃「ヤマハ作曲・編曲」スクールへ通うようになります。当時このスクールには、萩田 光雄、船山 基紀、オフコースの鈴木 康博、佐藤 健、大橋 純子といった凄い人材が集まっていたらしいですね。73年にアルバム『ブルージェ』でデビューします。彼の音楽のセンスを認めていた人の中に、フジパシフィック音楽出版の社長である朝妻 一郎がいて、林の作曲した作品をイギリスのグループ、ジグソーのシングルA面曲として採用されてしまう快挙を成し遂げました。そう、あの「スカイ・ハイ」のジグソーで、78年のヒット曲「If I Have To Go Away」が林 哲司作品です。
また林 哲司のアレンジャーとしての才能を早くから認めてくれていたのが、あの筒美 京平だったらしいです。
つまり、林 哲司はアーティストとしてよりも作曲家・編曲家としての才能が抜きん出てた証かも知れません。
この『TIME FLIES』は、作曲家として書いた曲をアーティストとしての林 哲司がどう歌うのかという意味では、非常に興味深いアルバムです。

『林 哲司 / TIME FLIES』
01. 思い出のビーチクラブ
02. 君のハートはマリンブルー
03. P.S.抱きしめたい
04. バック・ステップ・ダンス ~BACK STEP DANCE~
05. サマー・サスピション ~SUMMER SUSPICION~
06. IF I HAVE TO GO AWAY

1987年に稲垣 潤一のシングル曲として書き下ろした01。オリジナルよりも若干テンポをゆったりさせた感じが林 哲司のヴォーカルに似合っています。林 哲司らしいメロディー・ラインを持ったポップ・ナンバーですね。

林 哲司自身が自信作かつフェイバリットと断言している02は、1984年に杉山 清貴&オメガトライブのシングル曲として書いたものとしてお馴染みですね。オリジナルよりもビートを効かせ、間奏での今 剛のギター・ソロ等ロック色の強いアレンジが特徴です。木戸 やすひろ、比山 貴咏史、広谷 順子のコーラスが美しいナンバーです。

1986年に稲垣 潤一の為に書いた03。しっとりとしたバラード曲です。この曲に関しては、稲垣 潤一の歌うより林 哲司が歌った方が似合うような気がしますね。アレンジャーとしての非凡な才能を感じる曲でもあります。

1983年に上田 正樹に提供した04。オリジナルを聴いた事がないので何とも言えませんが、林ヴァージョンは打ち込みによるソリッドな感じが強いですね。こういうタイプの曲を上田 正樹が歌っているのがちょっと想像出来ません。オリジナルを聴いてみたい1曲です。

1983年に杉山 清貴&オメガトライブのシングル曲として書いた05。サビの部分の♪I CAN'T SAY~♪のメロディーがいかにも林 哲司らしくて好きなナンバーです。

1978年にジグソーに提供した06。美しいメロディーのバラード曲です。ここでは吉元 由美の日本語詩の歌が収録されています。サビのキャッチーで美しいメロディーは、確かに世界で通用したのも頷けますね。

フィリーのサウンド・クリエイター、トム・ベルやデヴィッド・フォスターにかなりの影響を受け、サウンド構築の面ではボズ・スキャッグスやTOTOの手法の影響を受けたという林 哲司。
洋楽志向の強い林 哲司の作品が、1970年代後半から世に認められ数多くのヒット曲が生まれた事によって、その後のJ-POPシーンに与えた影響はかなり大きかったと思います。
これからもずっと第一線で活躍して欲しい作曲家、アレンジャー、プロデューサーの一人です。1979年に出会った松原 みきの「真夜中のドア」、竹内 まりやの「September」、郷 ひろみの「入り江にて」のたった3曲が、私をCITY POP漬けの毎日に変貌させてしまいました(笑)
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by kaz-shin | 2007-03-05 00:03 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(8) | |
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Commented by moksiiru at 2007-03-05 14:37 x
kaz-shinさん、こんにちは。
君のハートはマリンブルーは初めて聴いたときになんて暗い曲なのだろうかと当時、高校生だった私は思ったものですが、聴きこむにつれて良さがわかってきました。今ではオメガトライブのシングルの中で1.2番に大好きな曲です。林ワールドここにありって感じの一曲ですよね。

Commented by kaz-shin at 2007-03-05 21:20
moksiiruさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
杉山さんがお好きなmonksiiruさんにとって、林 哲司さんは馴染みの深い
作曲家でしょうね。とかく夏というイメージで固定されそうなところを、ある時は
都会的なイメージの曲や、少し暗いイメージの曲を書いて、オメガトライブの
音楽的な幅を広げた作曲家なんだなと思います。
杉山さんの初期の自作曲も林さんの影響を感じるものの多いですし・・・。
機会があったら林さんの歌う「君のハートはマリンブルー」も聴いてみて下さいね。
Commented by WESING at 2007-03-05 21:47 x
そういえば、こんなアルバムがあったんですよね。
興味はあったけど、「林さんの歌で提供曲をカバーしたものならいいか」と思って、買いませんでした。
その後、インスト・アルバムを出したので買ったんですけどね。(苦笑)
FMで2週連続のスタジオ・ライブがあって、稲垣潤一さんゲストの回を聞き逃してしまったのが今でも残念に思ってます。
Commented by kaz-shin at 2007-03-05 22:11
WESINGさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>「林さんの歌で提供曲をカバーしたものならいいか」と思って、買いませんでした。
WESINGさんの気持ち分からないでもないですね~(笑)
失礼な話ですけど、お世辞にも上手いとは言い難いですからね。
私も林さんの歌目的と言うよりも、どのようなアレンジを施してあるのか
興味があったんですけどね。
実際聴いてみると、歌も悪くなかったですけど・・・(笑)
Commented by てつ at 2007-04-07 03:53 x
林さんのファンとしては、コメントしなくてはいけませんね(笑)。正直なところ稲垣さんや杉山さんのボーカルのほうが好きですが、林さんには「味」があるのは確かですね。Kaz-shinさんのおっしゃるように、私もアレンジが聴きたくて買いました。オリジナルとはまた違って、良くも悪くも林さんらしいアレンジだと思います。ちなみに上田正樹さんの「バックステップダンス」も、とても良いですよ。確か「バック~」と同じアルバムに入っていたと思う「Goin Down」という曲もとても好きです。
Commented by kaz-shin at 2007-04-07 11:32
てつさんも幅広く聴いてらっしゃいますね。驚きます。
ヴォーカルだけで考えれば、オリジナルのアーティストには到底かないませんから、
やはり優れたアレンジャー・林 哲司の仕事に対する興味で購入したと言っていいアルバムです。
上田さんのオリジナルを聴いた事が無いので探してみますね。
Commented by WESING at 2008-12-08 18:35 x
探していたわけではないけど、今日、ブックオフにあったので買いました。
帯がないのが残念なんですけど、250円でした。
フル・アルバムじゃないから250円は高いけど、まぁ良いでしょう。(笑)
Commented by kaz-shin at 2008-12-09 00:41
WESINGさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
250円なら損の無い買い物だと思いますよ(笑)
林哲司さんのアルバムはたまに見かける程度なので、250円で入手できたのはラッキーと言えるかも知れません。
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