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伊勢 正三_HEARTBEAT ◇ 2007年 04月 03日
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随分前の話になりますが、1970年代初め頃から半ば頃にかけてフォーク・ソングが流行していました。丁度私が中学生~高校生時代くらいの時です。吉田 拓郎、井上 陽水、かぐや姫というビッグ・ネームが活躍していた頃です。当時はビートルズを始め、洋楽中心に聴いていたのとフォーク自体があまり好きになれず、ほとんど聴いてませんでした。しかし、友人達の中にはフォーク大好きという連中も沢山いまして、よくレコードを聴かされました(笑)
特に熱狂的にかぐや姫が好きな奴がおりまして、いつも聴かされる音楽はかぐや姫ばかり・・・。文化祭になると下手なギターと歌を披露していたのが懐かしいです。正直なところ、かぐや姫が苦手でした。ファンの人には申し訳無いのですが、南 こうせつの声と貧乏臭い歌にはどうしても馴染めません。かぐや姫のレコードを聴かされている時は一種の拷問に近かったのですが、何故か伊勢 正三の書いた曲だけは別でした。

かぐや姫解散後、風を結成した伊勢 正三の音楽には興味が湧き、何枚かアルバム(当然レコードですが)も買いましたし、ソロになってからもたまにアルバムを買っていました。メロディー・メーカーとしてのセンスは素晴らしいものを持ったアーティストだと思ってます。
しかし、熱中するまでには至らず、CDで買い直すほどではありませんでしたが、先日BOOK OFFで今回紹介するアルバムを見つけて懐かしくて購入しました。
そのアルバムはソロ6作目で1984年にリリースされたアルバム『HEARTBEAT』です。プロデュースは、ソロ4作目『HALF SHOOT』、5作目『ORANGE』から引き続いて小倉エージが手掛けています。
伊勢 正三の書く親しみやすいメロディーを、佐藤 準や岩倉 健二が都会的な洒落たアレンジを施し、山木 秀夫(ds)、美久月 千春(b)、松原 正樹(g)、鳥山 雄二(g)、浜口 茂外也(per)が素晴らしい演奏を聴かせてくれるPOPなアルバムです。

『伊勢 正三 / HEARTBEAT』
01. Heartbeat
02. チャイナドレス
03. 夜にまぎれて
04. 忘れられなくて
05. NAKASHIBETSU
06. 人魚の誘惑
07. もう泣かないで
08. Are You Leav'in?
09. 11月・ロマンス

佐藤 準、伊勢 正三、新井 英治の3人のみで演奏されている01。シンセ・ベースやリン・ドラムを使っていながらも機械的な音ではなく柔らかいサウンドに仕上がっています。新井 英治のトロンボーン・ソロと伊勢 正三のギター・ソロが雰囲気を盛り上げます。

都会の夜を思わせるCITY POPなナンバー02。松原 正樹と伊勢 正三のツイン・ギターとEVEのコーラスが印象的なナンバーです。

鳥山 雄二のギターが美しい03。伊勢 正三らしい曲かも知れません。センチメンタルな歌詞とメロディーは、2時間ドラマのエンディング曲なんかにもピッタリな感じですね。

伊勢 正三の多重コーラスをフィーチャーしたスウィンギーなナンバー04。とてもキャッチーなメロディーで、サビの部分では思わず口ずさんでしまいます。

中標津をローマ字表記にした05。こんなところがフォーク時代の伊勢 正三とは一味違うところかも知れませんね。ただメロディーは1番フォーキーな感じと言えるでしょう。

ミディアム・テンポのCITY POPナンバー06。サビのメロディーで、ファルセットを使ったヴォーカルが耳に残ります。お気に入りの1曲です。

珍しく凝ったサビのメロディーが印象的な07。キャッチーなAメロとのギャップが面白い曲です。聴き所は、町支 寛二の多重コーラスの美しさですね。

01と同じメンバーによる08は、軽快なデジタル・サウンドとキャッチーなメロディーがよくマッチしているポップ・ナンバーです。ここでもファルセットを上手く使っていて、お洒落な雰囲気を醸し出しています。大好きな1曲です。

海辺をドライブしながら聴きたいようなメロウな09。曲全体に波に漂っているような浮遊感みたいなものを感じる気持ち良い曲です。

伊勢 正三の書くメロディーの面白さは、すごくキャッチーなメロディーなんですが洗練されたポップスという訳ではなくて、ベースのフォークが見え隠れする部分ですね。洋楽志向の強い杉 真理や安部 恭弘のようなアーティストが書くメロディーとは、明らかに異なります。日本人が聴いて安心できるメロディーという感じなのかも知れませんね。ただ、気になる点もあります。ヴォーカル・スタイルが、私の大好きな2ndソロ・アルバム『渚ゆく』の頃とはかなり違ってます。おそらく小倉エージのディレクションのせいなのでしょうが、ある意味新鮮ではありますが、どこか妙に聴いていて落ち着かない感じもしてしまいます。曲によってはそれが顕著に感じる事があって、ちょっと残念な気がしますね。この辺は好みの問題ですけれど・・・。
伊勢 正三と言えば、「なごり雪」、「22才の別れ」、「海岸通」、「君と歩いた青春」辺りを思い浮かべる人には、違った伊勢 正三の一面を感じることが出来るでしょうし、「ほおずえをつく女」や「海風」なんて曲が好きだった人には、ぜひ聴いて欲しいと思うアルバムです。
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by kaz-shin | 2007-04-03 00:03 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(8) | |
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Commented by たにぴ@もまゆきゅ at 2007-04-03 00:36 x
う〜む…。
非難GoGo!を覚悟で書きますが、
杉真理さん、安部恭弘さんは、勿論アルバム沢山持ってますが、
何か「越えられないことに無自覚」な幸福と限界がある気がするんです。
多分しょうやん(伊勢さん)は寧ろ、そこからボズや初期スティーリー・ダンに向かっていたふしが、
サウンドの端々に感じられます。
今の若い人は、そんな葛藤すらナンセンスなんだろうな。
ぼくは「海風」なんて全部そらで歌えます。
めちゃスリリングな音楽だと、今でも想います。
Commented by kaz-shin at 2007-04-03 01:06
たにぴさん、毎度です。コメントありがとうございます。
さすがにプロの観点ですね。私にはそこまで深く掘り下げられないです(笑)
ただ、杉さんや安部さんの音楽って、自分の憧れてきた音楽というものを
ストレートに曲に反映させているという気がします。
それに比べて正やんは、その辺りが私には見えてこないです。おそらく
自分の憧れてきた音楽を正やんなりに消化してしまっているのかも
知れない・・・。いわゆる真似ではない音楽ですね。
難しいことは分かりませんが、かぐや姫時代よりも風、風よりもソロの作品
の方が私好みになっていってるのは事実なんですが・・・。
Commented by Sken at 2007-04-03 14:04 x
こんにちは。
ワタシはこのアルバム聴いたことないのですが、風の『海風』などは、
ほとんどドぅービー・ブラザーズって感じでしたね。
しかも、そこでたたいてるドラマー森谷順がジェフ・ポーカロ的
でした。
Commented by たにぴ@もまゆきゅ at 2007-04-03 23:13 x
『海風』は、演奏自体は、いやあこれは下手くそだなぁって想うんです。
サックスソロが現地のミュージシャンで、全然そこの熱気が違ったり。
ただ、アジアに、何か届かないとこにジャンプしてる奴がいる、と、
多分外人には却って伝わるのでは。
当時のこうせつとかも、スケベなだけかも知れないけど、
細野さんがソイ・ミュージックと呼んでた貧乏臭さが、ぼくには微かに感じる。
杉さんはね…当時はフォーク系の人の何倍も聴いたのに、
今聴くと、少しだけ恥ずかしい。
ほんとに主観だし、ましてや「プロの視点」なんかじゃないです。
気を悪くしないでね。
SMAPの時みたいに、時々変な事言うんですぼく、なんちて。
Commented by kaz-shin at 2007-04-03 23:38
Skenさん、こんばんは。ご無沙汰です。
コメントありがとうございます。
『海風』は、私も大好きでよく聴いたアルバムでした。
風時代の曲で1番衝撃を受けたのは「ほおずえをつく女」でしたけど(笑)
小倉エージさんもこの曲が好きでプロデュースを引き受けたという話を
以前聞いたことがありますが、本当かどうかは不明です。
Commented by kaz-shin at 2007-04-03 23:47
たにぴさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>気を悪くしないでね。
全然そんな事無いですよ(笑) むしろ楽しいくらいですから、ご安心を!

>杉さんはね…当時はフォーク系の人の何倍も聴いたのに、今聴くと、少しだけ恥ずかしい。
これってなんとなく分かりますね。私の場合はずばり音楽の好き嫌いと
いうのは、居心地みたいなものなんですね。
例えば、部屋で音楽を聴いていて、好きな音楽ならば居心地の良さを
感じて部屋を出る事は無いのですが、好みでない場合は居心地の悪さ
に途中で席を立ってしまうみたいな感じでしょうか。
分かりづらいですかね(笑)
私にとって居心地の悪い音楽がフォーク全般だったみたいです。
特にこうせつさんや拓郎さん、昔の陽水さんもそうでした。
はっきりした理由はないのですが、とにかく居心地が悪かったですね。
不思議ですけど・・・(笑)
Commented by hisa at 2007-04-08 09:12 x
わたしも南こうせつはちょっと、だけど伊勢正三は受け入れられる、ですね。一度、TVでライブを見たことがあって、エレキギターをぎんぎんに弾いていたのにびっくりしました。私の感覚てきな意見ですが、拓郎にしてもベースは、R&B~ロックです。拓郎は同郷なのでデビュー前にR&Bのバンドやってるとき聞いたことがあります。伊勢正三もそうだと思います。それに対して、杉真理などは表現が難しいですがいわゆるポップスがベースだと思います。私は居心地的には杉真理ですが、拓郎も大好きだし・・。ただし、こちら系はちゅっとダメ、みたいなのが多いかな。
伊勢正三はあまり聞いてないですが、「ささやかなこの人生」はすごく好きです。
Commented by kaz-shin at 2007-04-08 09:44
hisaさん、コメントありがとうございます。
拓郎さんにしても陽水さんにしても、優れたソング・ライターだと思っていて、
別に嫌いという訳ではないのですが、フォーク全盛期の曲に関しては苦手だったという感じです。
単に暗さとかメッセージ色の強い曲が苦手というだけなんですが・・・(笑)
そんな理由で、正直聴かず嫌いというのがありますね。
拓郎さんも機会があればじっくり聴いてみたいと思っています。
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