今回紹介するのは、ジノ・ヴェネリの通算7作目となる1981年リリースの傑作『NIGHTWALK』です。以前、前作となる名盤『BROTHER TO BROTHER』(1978年リリース)を紹介しましたが、この『NIGHTWALKER』は、A&MからAristaへの移籍後の初のアルバムで、『BROTHER TO BROTHER』から3年の時を経てリリースされました。
今回のアルバムもジノ、ジョー、ロスの3兄弟によるプロデュースです。ドナルド・フェイゲンと双璧をなす完全主義者のジノ・ヴァレリですから、その気迫の込められたサウンドが詰まったアルバムであることは間違いありません。ただ、ドナルド・フェイゲンと違う所は、曲に合わせてミュージシャンを起用するという方法ではなく、固定したミュージシャンでアルバムの統一感を出しているところかも知れません。
『NIGHTWALKER』のサウンドを支えるミュージシャンは、マイク・ミラー(g)、ヴィニー・カリウタ(ds)、ジョー・ヴァネリ(key)、ブラッド・コール(p)、ニール・スチューベンハウス(b)、マイケル・フィッシャー(per)、デヴィッド・ボラフ(sax)です。特にマイク・ミラーとヴィニー・カリウタのプレイは、凄まじいものがありますね(笑)
『GINO VANNELLI / NIGHTWALKER』
01. Nightwalker
02. Seek And You Will Find
03. Put The Weight On My Shoulders
04. I Believe
05. Santa Rosa
06. Living Inside Myself
07. Stay With Me
08. Sally
街の雑踏SEで始まる01は、アルバム・タイトル曲であり、シングル・カットされたナンバーです。ジノの堂々たるヴォーカルにいきなり耳を奪われます。静と動をうまく組み合わされたようなロック色の強い1曲。
01に続きロック色の強い02。この曲の主役は、はっきり言ってマイク・ミラーとヴィニー・カリウタの二人ですね。とにかく多重録音によって様々な音色を使い分けるマイクのギター・サウンドと、タイトで迫力のあるヴィニー・カリウタのドラミングに圧倒されます。
プログレっぽいイントロ、演奏が面白いミディアム・バラード03。美しいメロディーに深みのある演奏が、スケールの大きなバラード・ソングに仕立ています。バラード系ではジノのヴォーカルの凄さが際立ちます。
軽快でポップなアレンジが印象的な04。サウンド、メロディー共に明るいトーンであるのが特徴です。デヴィッド・ボラフのサックスがフィーチャーされています。
FUNKYで都会的なサウンドの05。凝ったアレンジがジノ・ヴァレリらしいと言えるナンバーでしょう。マイク・ミラーのギターが素晴らしいと言うより凄いです。
全米で大ヒットしたAORバラードの名曲06。デヴィッド・フォスターが書きそうなバラード曲です。この手の曲になると主役は完全にジノのヴォーカルです。とにかく上手いですね。この人に発声の限界というのは無いのでしょうか?(笑)
リズムのサウンドやアレンジが凝っている07。ポップなメロディーの曲ですが、アレンジを重めのロック調になっています。この曲でもマイク・ミラーが大活躍です。
しっとりとしたバラード曲08。激しい曲調の時と同じ人物が歌っているとは、俄かに信じがたい程に情感豊かなヴォーカルが印象的です。
ロック色の強いナンバーを歌う時の激しく荒々しいジノ・ヴァレリと、バラード曲を繊細かつ情感豊かなジノ・ヴァレリが1枚のアルバムの中で共存しているというのが、聴いていて面白く実にジノ・ヴァレリらしいと思います。素晴らしいソング・ライター、アレンジャーでもありますが、やはりヴォーカリストとしての才能は群を抜いてますね。
そして、このアルバムで素晴らしいプレイを聴かせてくれたマイク・ミラーとヴィニー・カリウタの二人の存在も忘れられません。『Brother To Brother』でカルロス・リオスが一躍有名になったのと同じで、マイク、ヴィニー共に『Nightwalker』の活躍で名前を広めていったと言っても過言ではないでしょうね。
05は特に衝撃的でしたね。どんな順番で曲を作るのでしょうか。
でもジノ本人とは友達にはなりたくないなあ。白いピチピチのパンタロンで
大きく胸をはだけ、あの濃い顔で音楽について熱く語られたら。
理屈っぽそう(笑)
「Seek And You Will Find」何回聴いた事か・・・恐るべしはヴィニー。大好きな一枚です。
余談ですが、このアルバムを聴く度に何故か山下達郎さんが浮かんできます。不思議な一枚でもあります(笑)
最近はヘッドフォンで音楽を聴くのが習慣になってしまい、大音量で聴く機会がめっきり減りました。
このアルバムは大音量で聴いたら、迫力あるでしょうねぇ。
>でもジノ本人とは友達にはなりたくないなあ。
その気持ち分かりますね(笑)
とにかく神経質という感じは確かにしますね。
ライブ時のサウンド・チェックなどはかなり厳しかったらしいですね。
このアルバムでのヴィニーのドラミングは素晴らしいですが、特に02の
ドラミングは圧巻ですね。
音作りに関する職人気質みたいなものが、達郎さんを連想させるのかも知れませんね。
実際双方の楽曲のqualityの高さは、我々素人でも十分に感じ取ることができますもんね。
ただこのアルバムから感じられることとして、静と動のバランスが程よい加減で絶妙にコントロールされていることがあげられると思います。
この点ではGinoのほうに軍配があがるかな?
楽曲的には何はなくとも05から06に流れ込む云わば〝緊張感から解き放たれた後の幸福感〟とでも申しましょうか、私の場合はもうこれだけでノックアウト...ですね(笑)。
TPOに無関係に感動できる作品として、このアルバムは是非多くの方に聴いていただきたいですね!
仰るように静と動のバランスが良いですよね。
曲作りはもちろんのこと、曲順にも拘りを感じるアルバムです。
そして、このヴォーカルの素晴らしさは多くの人に感動を与えると思います。
本当に多くの方に聴いて欲しいと思います。
ジノ・ヴェネリいいですね~~~私はこのアルバムと
[Brother To Brother]が好きですね。
"I Believe" "Living Inside Myself"最高です。!!
ジノと言えばやはり、私も『Brother To Brother』と『Nightwalker』の2枚が大好きです。
アレンジが凝ったものであれ、激しい演奏曲であれ、ジノの歌声が1番輝いているところが
凄いですね。この存在感のあるヴォーカルがたまらなく好きです(笑)