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菊池 桃子_ADVENTURE ◇ 2007年 05月 15日
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今回紹介するのは、1986年にリリースされた菊池 桃子の3rdアルバム『ADVENTURE』です。
菊池 桃子は1984年に映画「パンツの穴」でデビューし、同年「青春のいじわる」でレコード・デビューを飾りますが、歌手としての菊池 桃子に関しては当時から賛否両論、いろんな感想や意見が飛び交いましたね。
私も初めてTVで歌っているのを観て苦笑を隠せませんでしたから・・・(笑)
それでも彼女のアルバムに注目していたのは、やはり藤田 浩一がプロデュースで、敬愛する作・編曲家の林 哲司がサウンド・プロデュースを担当していたからに他なりません。
藤田 浩一は80年代を代表する音楽プロデューサーの一人で、角松 敏生を手掛け、オメガトライブそして菊池 桃子をプロデュースし、ヒット作品を沢山世に送り出してきた人ですね。そして林 哲司は、当時J-POP界においてヒット曲を量産しており、作曲家として絶頂期でした。そんな二人がタッグを組んだ菊池 桃子のアルバムは、作品自体は非常に素晴らしいものが多かったですね。

以前紹介した1984年の1stアルバム『Ocean Side』は、夏向けのAORサウンドが印象的な素晴らしいアルバムで、セールス的にも売上No.1になりましたが、今回紹介する『ADVENTURE』も2度目の売上No.1を記録したアルバムです。夏から秋にかけて聴くのが1番ぴったりな感じな1枚でしょう。
藤田・林コンビによる、菊池 桃子の声量の無さ、音程の不安定さという欠点を長所に替えてしまう作品作りは、まさにプロの仕事だと感心してしまいます。
参加ミュージシャンも、青山 純(ds)、高水 健司(b)、富倉 安生(b)、今 剛(g)、松原 正樹(g)、山田 秀俊(key)、富樫 春生(Key)等という林 哲司のサウンドを支えるお馴染みのメンバーが集まっています。

『菊池 桃子 / ADVENTURE』
01. OVERTURE
02. ADVENTURE
03. MOU AENAIKAMO SHIRENAI (もう逢えないかもしれない)
04. NAMI NI NARITAI (波になりたい)
05. NIGHT CRUISING
06. AME NO REALIZE (雨のリアライズ)
07. AKAI INAZUMA (赤い稲妻)
08. GOOD FRIEND
09. MYSTICAL COMPOSER
10. TOMORROW

短いインスト・ナンバー01。ストリングスを主体とした壮大なナンバーです。まるで映画のオープニング・テーマのようにこれからの先を期待させます。

林 哲司の得意とするミディアム・テンポのポップ・ナンバー02。サビから入る構成なんですが、サビよりもAメロ、Bメロに魅力が詰まっている気がします。間奏でのギター・ソロ(おそらく松原 正樹だと思います)やギターのリフが印象的ですね。

ヒット・シングル曲03。菊池 桃子のシングル曲の中でも好きな曲です。イントロを含め演奏はオメガトライブ路線ですね。この曲のサビもキャッチーですが、私はAメロからBメロの流れが大好きです。いかにも康 珍化らしい詞も結構好きです。

明るい曲調のポップなナンバー04。ホーン・セクションと木戸 やすひろ、比山 貴咏史、広谷 順子、国分 友里恵等のコーラスが素晴らしいです。林 哲司のアレンジが光る1曲。

私の大好きなCITY POP路線の05。曲、アレンジ共に「流石、林 哲司!!」と唸ってしまう1曲です。それにしても菊池 桃子の声の特性を活かしたメロディーには脱帽です。作詞はプロデューサーの藤田 浩一です。派手さはありませんが、聴き込む程に好きになっていく、そんなナンバーです。

しっとりと聴かせるミディアム・バラード06。この曲も何故かサビ以外のメロディーが印象に残ります。

軽快なポップ・ナンバー07。軽快な演奏のリズムと、抑揚の無い菊池 桃子の歌い方が絶妙にマッチしている曲ですね。不思議な魅力を醸し出していますね(笑)

抜けの良い青山 純のドラミングが心地良い08。リズム・アレンジが凝ったナンバーですが、菊池 桃子の声が弱すぎるのが勿体無い気がします。もっと声量のある歌手に歌わせたら輝いたナンバーだと思いますね。メロディー自体は凄く好みなだけに残念ですね。

またもやCITY POP路線の09。この曲のアレンジも秀逸ですね。松原 正樹のギター・カッティングがたまりません。05と並んでアルバムの中で大好きな1曲です。この曲は演奏に耳を傾けると、各々のミュージシャンの素晴らしいプレイが堪能できます。アレンジではアルバム中で1番好きなアレンジです。

藤田 浩一が作詞、林 哲司の作・編曲によるバラード曲10。こういうバラード曲になると俄然サビのメロディーが光ってくるのが林 哲司なんですね。壮大な感じでは無く、淡々としたメロディーの曲ですが、菊池 桃子の声には似合っていますね。

菊池 桃子の歌を上手いか、下手かと尋ねられたら、おそらく歌手としては相当レベルは低いとしか言いようが無いと思いますね。
しかし、その事実は本人を含め、スタッフも承知した上でのアルバム作りがきっちりと行われているところが私は好きですね。音域の狭いところでの曲作りは林 哲司も苦労が多かっただろうと思いますが、菊池 桃子の特性を活かそうとしたプロ達の仕事と、歌詞を噛み締めるように丁寧に歌う菊池 桃子の歌には不思議に嫌悪感は湧きません。逆に心地良く感じます。
菊池 桃子=聴くに堪えない歌というイメージを持っている方も大勢いるかも知れませんが、1度じっくりアルバムを聴いてみることをお薦めします。
歌が上手い、下手という次元の話以外に感じるものがきっとあると思いますよ。
by kaz-shin | 2007-05-15 00:01 | J-POP | Comments(8) | |
Commented by kotaro at 2007-05-15 04:29 x
学生時代、自称音楽通のつもりでしたが、Ocean Sideは友人から「騙されたつもりでこれいいよ」で目から鱗の1枚でした。
才人、林哲司について奴と語り明かしたものです。
VAPという会社はビデオ・オーディオ・プロジェクトの略で、オメトラとあと林哲司くらい(と、ジャッキー・リン&パラビオン)の日テレ系でしたが、今で言う利益率の高い企業だったと思います。
菊池桃子をこういう完成度の高い"パッケージMedia"として売り出すのは「あざとい」と非難するのは簡単です。
でもそういう連中は、林のコンポーザーとしての能力が分かっていないし、複雑だけど心地よい、和音の理論も勉強していないでしょう。
(笑)
やがてラムーになったり迷走するMOMOCOですが瞑想はMay  Thoughtということで、許してちょんまげ。
Commented by しげぞう at 2007-05-15 07:48 x
おはようございます
このアルバム、僕もけっこう聴きまくりました
Ocean Sideよりも、グッと落ち着いた感がありますね
05NIGHT CRUISINGはホントいい曲です
むしろ菊池桃子でなければいけない--と思わせられます
ボーカルが弱いのは弱いですが、だから逆に曲はつぶれず、雰囲気が出ていますよね
林ー菊池というコンビは、どちらにとっても都合良かったのだと思います
Commented by kaz-shin at 2007-05-15 23:30
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私も『Ocean Side』を初めて聴いた時の衝撃は忘れません。
1980年頃から林 哲司さんの作品を追い続けていましたから、菊池 桃子さんに対して
どういう作品を作るのか興味津々でしたが、予想を遥かに上回る完成度で度肝を抜かされましたね。
『Ocean Side』を聴いて以降、菊池 桃子さんのアルバムは躊躇なく買っていました。
林 哲司さんの才能を改めて感じたのが、菊池さんの一連の作品でした。
Commented by kaz-shin at 2007-05-15 23:34
しげぞうさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
「NIGHT CRUISING」や「MYSTICAL COMPOSER」を聴くと、
林 哲司さんのメロディーの良さはもちろんのこと、アレンジャーとしての
センスの良さに驚かされますね。洋楽が好きで、聴きまくってきた林さん
ならではのアレンジだと思います。
それでいて菊池さんの個性を消していないのが凄いとしか言い様がありません(笑)
Commented by hisa at 2007-05-16 23:13 x
私も「騙されたつもりで・・」といわれて聴いて、林哲司のセンスの良さを実感しました。4枚目のEscape From Dimensionまでは今聴いてもまったく色褪せません。その後は、全く迷走ですが・・。
菊池桃子が癖のない歌い方をしているので、林哲司のよさがそのままでているのでしょうね。
Commented by kaz-shin at 2007-05-18 00:45
hisaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
返事が遅くなって、すみませんでした。
偏見はよくないですが、林 哲司さんがサウンド・プロデュースでなければ
聴いていなかったと思います。
やはりどんな歌い手でも、本人とスタッフがしっかりと手を組めば素晴らしい
作品は生れるものだという証明でしょうね。
売れる作品ばかりを追いかけている現代では、こういう感動はもう味わえないのでしょうかね。
少し淋しい感じもしますね。
Commented by jyubon at 2007-05-20 22:47
桃子さんを聞いてた当時は小学生でよく彼女のモノマネをしてました。
多分昔の方が今より似てたように思います。
未だに彼女の歌を歌うときには彼女のマネして歌っちゃいますから。
桃子さんのアルバムなんて見た事がないので、もし出会う機会があったら聞いてみたいです。
Commented by kaz-shin at 2007-05-20 23:31
jyubonさん、コメントありがとうございます。
菊池さんのアルバム、騙されたと思って1度聴いてみて下さい。
中古店では店によって違いますが、安く購入できる所もありますから・・・。
シングル曲とはまた違った印象を受けると思いますよ。
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