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本多 俊之_BURNIN' WAVES ◇ 2007年 05月 27日
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今回紹介するのは、最近では故・伊丹 十三監督の作品をはじめとする映画音楽の場でも活躍しているサックス奏者・本多 俊之が、1978年にリリースした初のリーダー・アルバム『BURNIN' WAVES』です。
当時、発足したばかりの日本制作によるFUSIONの専門レーベル"エレクトリック・バード"から、増尾 好秋の『Sailing Wonder』(1978年)に続く第二弾のアルバムとしてリリースされたと記憶しています。
CD化されたことは知っていたのですが、買いそびれてしまいアナログ盤で楽しいでいましたが、少し前に中古CD店で見つけて購入することが出来ました。

このアルバムが録音された頃は、本多 俊之はまだ成蹊大学3年生だったとか・・・。まだプロデュースやアレンジに関しては人任せですが、収録曲8曲中5曲は本多のオリジナル曲です。結構良い曲が多く、作曲家としての才能の片鱗を感じさせてくれます。
アレンジは上田 力、当時CTIレーベルに在籍中だったSEAWINDがバックを務めているという豪華布陣で制作されています。ライナー・ノーツで上田 力が「本多 俊之には過酷なくらいハイ・レベルのプレイを要求したが、よくそれに応えてくれた」と書かれてありましたが、新人とは思えない程の堂々たるサックス・プレイを聴かせてくれます。
また、SEAWINDの演奏も彼等のアルバムでは聴けないようなパンチ力のあるハードなもので、彼等の実力を見せてくれています。流石にハーヴィー・メイソンが見出したグループだけのことはあります。まさにFUSIONと呼ぶにふさわしいアルバムに仕上がっていると思います。

『本多 俊之 / BURNIN' WAVES』
01. BURNIN' WAVES
02. ALL NIGHT RENDEZVOUS
03. THUNDER KISS
04. YOU BLOW MY HEART AWAY
05. JUST A DREAM AWAY
06. HAVANA CANDY
07. SAO PAU-LO
08. 747 WIND FLIGHT

FUNKYな01は、ボブ・ウィルソン(ds)とケン・ワイルド(b)のリズム隊の跳ねた感じのリズムに、ラリー・ウィリアムズ(key)のプレイが光るナンバーです。お馴染みのホーン・セクションをバックに伸び伸びとサックスを吹いている本多のプレイが印象的です。本多のオリジナル曲。

美しいアルト・サックスの音色の都会の夜を彷彿させる02。美しいメロディー・ラインと本多のサックスとフルートのプレイに尽きる1曲ですね。本多のオリジナル曲ですが、センスの良さを感じます。

軽快なノリが印象的なFUNKYチューン03。息の合ったホーン・セクションが格好良く、ラリー・ウィリアムズのシンセ・ソロも素晴らしいですね。

ソフト&メロウな雰囲気のイントロからスタートする04は、大野 雄二の作風に通じる軽快かつ親しみやすいメロディーを持ったサンバ調のナンバーです。聴きやすさで言えば1番かも知れません。SEAWINDのメンバー各々のプレイが素晴らしく、上田 力のアレンジが冴えた1曲でしょう。上田 力の作品です。

メロウなナンバー05は、本多のオリジナル曲です。ホーンのアンサンブルが印象的で、メロディーも美しく親しみやすいナンバーですね。バッド・ニュアネズの軽快なギター・カッティングとソロがとても心地良いです。

アルバム中唯一のヴォーカル曲06は、SEAWINDの紅一点、ポーリン・ウィルソンが魅力溢れるヴォーカルを聴かせてくれます。パティ・オースティンのカヴァー曲ですが、パティとは全く違う個性の「HANANA CANDY」を聴かせてくれ、オリジナルにも負けない仕上がりになっているラテン・ナンバーです。

フレンチ・ホーン奏者・デヴィッド・アムラムの作品07。ホーン・セクションを全面にフィーチャーした渋いナンバーです。ボブ・ウィルソンのドラミングが素晴らしく、そのタイトなドラミングに注目して欲しい1曲。

ラストの08は、本多のオリジナルでサンバ調のナンバーです。まさしくフライトを楽しんでいるような軽快な曲です。本多のソプラノ・サックスのプレイも素晴らしいですが、ジェリー・ヘイのフリューゲル・ホーンやラリー・ウィリアムズのシンセ・ソロ、バッド・ニュアネズのギター・カッティング、ボブ・ウィルソンのエンディングでのドラミング等聴き所が沢山あるナンバーですね。

上田 力のアレンジの素晴らしさが功を奏し、デビュー・アルバムにしては完成度の高いアルバムではないでしょうか。これからの季節、車の中で聴くも良し、浜辺で聴くも良し、部屋の中で寛いで聴くも良しのFUSIONアルバムとしてお薦めの1枚です。
本多 俊之やSEAWINDが好きな人はもちろん、FUSIONが好きな人ならばきっと気に入ってもらえる1枚だと思います。ぜひ聴いてみて下さい。
1970年代終わり頃の日本のFUSIONシーンの盛り上がりを感じさせてくれる、エレクトリック・バード・レーベルの作品は今聴いても色褪せないアルバムが沢山ありますね。これからも機会があればエレクトリック・バード・レーベルのアルバムを紹介していこうと思っています。
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by kaz-shin | 2007-05-27 00:01 | FUSION系 | Trackback | Comments(10) | |
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Commented by まるいチーズ at 2007-05-27 01:03 x
こんばんは
本多俊之さん、いつか出ると思っていました(笑)、良いアルバムですよね~、kaz-shin さんの仰るとおり日本のFUSIONシーンはこの頃がいちばん盛り上がってましたよね、素晴らしい作品が多く世に出ました。本多さんのプレイはとにかく明るくて元気がいいことでしょうか?(この方はギターもすごく上手いんですよね)、このデビュー作は美しいメロディーの曲が多くて本多さんのソロも伸び伸びと歌ってますよね~、アルトはもちろんですがフルートやソプラノでのプレイも素晴らしい、06は嬉しいオマケですね、ポーリン・ウィルソンの歌がとにかく素晴らしいです。エレクトリック・バード・レーベル、私もほとんど全部集めました(笑)、ご紹介されるのが楽しみです(森園さん出ましたね、笑)
Commented by kaz-shin at 2007-05-27 01:24
まるいチーズさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
夜更かし中ですね(笑)
このアルバムは好きです。演奏もしっかりしてますし、何よりも本多さんの
プレーがデビュー・アルバムとは思えないほどリラックスしてますしね。
この頃の日本のFUSIONシーンは、本当に盛り上がっていて聴くアルバムどれもが
素晴らしくて楽しかったです。
またエレクトリック・バード・レーベルのアルバムを紹介しますね。
とは言っても、まるいチーズさんほどは持っていませんが・・・(笑)
Commented by kotaro at 2007-05-27 03:44 x
ジャズ評論家の本多俊夫さんの息子さんというより
僕が知ったころは若きジャズ界のニューリーダー(死語)という
輝く印象でした。
KILYNとか、ヤングの実力者の大同団結にも必ず名前を連ねていましたね。
伊丹十三監督の「マル査の女」で新境地だったのですが、それ以降は
個人的に聴かなくなりました。
日本のジャズ/フュージョンシーンの一幕がその頃降りたのかもしれません。
代表作を、といわれれば、このアルバムか、スパニッシュティアーズ。
僕の印象ですが。
なんだか春風亭小朝さんのような上手すぎて出世は早かったんだけど、、のような読後感が残念です。
名手・野力奏一も一時ユニット内で火花を散らしましたからね。
パット・メセニーとライル・メイズの関係みたいになって欲しかった。
同世代として今思う。
Commented by FUSION at 2007-05-27 05:59 x
お邪魔します。
このアルバムにもだいぶお世話になりました。正直、私の世代でSAXと言うとナベサダさんかこの本多さんかという感じでした。(ナベサダさの方が大分先輩ですが)。兎に角、若さ溢れるプレイと楽曲の良さが魅力ですね。仰るようにジャパニーズ・フュージョンにおいて記念碑的アルバムだと思います。私も何時か取り上げようかと考えていますが、このペースだといつになるやら(苦笑)
Commented by kaz-shin at 2007-05-27 10:45
kotaroさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
本多俊夫さんは評論家として活躍される前は、ベーシストとしても活躍されてたそうですね。
そんな父の影響なのか、当時ジャズ界でも注目されていたというのも頷けます。
私も映画音楽を手掛けるようになってから、聴いていても何かしっくりこない感じはしていました。
時代の持つパワーというのも関係しているかも知れませんが、70年代終わり頃の
日本のFUSIONシーンの輝きは、それ以降下降線を辿る一方でつまらなくなってしまいました。
技術的に上手い人は沢山出てきてはいるんですけどね・・・。
Commented by kaz-shin at 2007-05-27 10:51
FUSIONさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
やはりFUSIONさんも聴かれてたんですね。確かにJ-FUSIONの黄金期のアルバムですよね。
この頃にリリースされたFUSION系のアルバムって、本当に輝いてる作品が多くて
何を聴いても楽しかったような気がします。

FUSIONさんのレビューは細かく丁寧なのでいつも楽しみにしています。
ぜひ本多さんに作品を取り上げて下さい。
Commented by みなみ at 2007-06-07 11:53 x
初めてお邪魔させていただきました。本多さんの情報を求めてさまよっていてたどり着きました。単純に本多さんの曲・演奏が好きな者なので、音楽的なことには詳しくないのですが…
これまでたくさんのドラマ等等手がけていらっしゃいますが、それらを全部まとめたCDとか出してくださらないでしょうかね〜単発のドラマなどの音楽でもハッとするような素敵なメロディだったりして、ドラマの中のBGMとしてだけではなく、作品としてちゃんと聞いてみたい曲がたくさんあるのですが。なかなか難しいんでしょうが。

本多さんの「FOOT PRINT」もいつか取り上げていただけたら嬉しいです。
Commented by kaz-shin at 2007-06-07 23:58
みなみさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
本多さんは最近は作曲家としてのイメージが強いですね。しかし、素晴らしい
サックス・プレーヤーでもありますので、その両方が楽しめるアルバムが
リリースされると嬉しいですよね。
「FOOT PRINT」ってベスト盤でしたよね?残念ながら所有していませんが、
機会があればまた本多さんのアルバムを取り上げたいなと思っています。
また暇な時間に覗いてやって下さいね。
Commented by まるいチーズ at 2009-05-31 22:40 x
こんばんは
再発されるようです!本多さん、増尾さん、森園さん等々。
私もエレクトリック・バードのものはアナログ音源が大半ですので嬉しいですね。
しかしまたまた全部買うとなると、、、(汗)
Commented by kaz-shin at 2009-06-02 01:29
まるいチーズさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
本当にいつも良い情報をありがとうございます。
エレクトリック・バードは名盤が多いですよね。
欲しいものばかりで困ってしまいます(笑)
お財布と相談しながらですが、本多さんのアルバムは欲しいです。
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