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SADISTICS_SADISTICS ◇ 2007年 05月 28日
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25日の金曜の夜、話題の映画『パイレーツ・オブ・カリビアン - ワールド・エンド -』を観てきたのですが、正直なところ期待外れというか個人的には1作目が1番面白く、段々つまらなくなっていった気がしますね。ただ観ていて退屈するほどの作品ではないのは確かですが・・・。
さて、『パイレーツ・オブ・カリビアン』を話題に出したのも意図的なものです(笑)
今回紹介するアルバムは"海賊"つながりという事で、1977年にリリースされたサディスティックスの1stアルバム『SADISTICS』です。ジャケットから既に海賊モードになっています。

サディスティックスは、高橋 ユキヒロ(幸宏)、高中 正義、今井 裕、後藤 次利の4人で結成されたグループで、ご存知の方も多いでしょうがサディスティック・ミカ・バンドが1975年に解散した後、残ったメンバー3人(高橋、高中、今井)にバンドにゲスト・プレイヤーとして参加していた後藤を加えて結成されました。そして1977年の1月にレコーディングが開始されたのが、この『SADISTICS』です。
ただ、バンドとしての活動期間は短く、翌1978年に2ndアルバム『WE ARE JUST TAKING OFF』とライブ・アルバム『Live Show』をリリースした後、自然消滅のような形になってしまいました。

1977~1978年頃と言えば、既にソロ・アルバムをリリースしていた高中を筆頭にメンバー各々がソロ活動や新しいユニットへの関心が高まっていた時期でもあり、『WE ARE JUST TAKING OFF』ではソロ作品を集めただけのような形になってしまっています(それでも内容はかなり良いのですが・・・)。
そんな中で唯一バンドしてのカラーというかコンセプトを打ち出して制作されたのが、この『SADISTICS』だろうと思います。

このアルバムの面白いところは、まずアナログ盤A面にあたる4曲が"七つの海をまたにかける海賊"をコンセプトにした組曲になっているところです。音楽を聴けば今世界のどこにいるのかを連想出来る仕組みになっています。洒落たタイトルにも注目して下さい。
そしてアナログ盤B面は、CITY POP色の強い仕上がりになっていて聴き応えのある1枚になっています。

『SADISTICS / SADISTICS』
01
① 眠れぬ海の男たち ~ eo Vandes
② Rio De Janeyo
③ Soft Sea Sailing
④ Koola
02
① Cobra Twist
② キリンのいる風景
③ Whip It Up!!
03
① Kannst Du Jodein? (ヨーデルが出来るかい) 海のお兄さん
② 冷怪気 ~ 神族 VS 海賊
04. 香港戀歌
05. The Crazy Kimono Kids
06. The Tokyo Taste
07. 今頃君は・・・
08. Far Away (熱い風)

01は4つの曲で構成された組曲です。美しいメロディーとストリングスが印象的な今井 裕のインスト・ナンバー①、高中・今井共作による軽快なインスト・ナンバーでサンバ調のリズムに乗せた軽快な②、今井の作品でゆったりと海の上を滑っているようなインスト曲③、高橋 ユキヒロ作詞、後藤 次利作曲でTANTANと斉藤 ノブのヴォーカルをフィーチャーしたコミカルなナンバー④

02は3つの曲の組曲です。インドを連想させるインスト曲①はバンド名で作曲にクレジットされています。短いインスト曲②は高橋・今井の共作で、美しいメロディーが印象的です。今井作曲のファンキーなヴォーカル曲③は、後藤 次利のベースが聴き所です。

03は2つの曲の組曲です。歌謡界の大御所・灰田 勝彦をゲストに招き、灰田ならではのヨーデルを聴かせてくれる後藤作曲によるヴォーカル曲①、高中・今井共作のインスト曲②は高中のギターをメインにしたバラード曲です。

海賊の旅も04の香港で終了という形なのでしょうか・・・。高橋が作詞、高中の作曲によるヴォーカル曲です。高中とラジのデュエットです。

今井の作曲によるファンキーなナンバー05。英語詞のヴォーカル曲なんですが、Alexというヴォーカルが今ひとつで物足りないのが残念です。サディスティックスの演奏力の高さを感じさせるナンバーですね。

CITY POP史上に残る名曲06。この時代にこの曲を書いた高橋 ユキヒロと後藤 次利のセンスの良さには脱帽です。Alexとラジのデュエットなんですが、やはりAlexのヴォーカルが気になります。やはり、この曲はラジの1stアルバム『HEART TO HEART』(1977年)に収録されている南 佳孝のデュエットが最高ですね。

爽やかなヴォーカル曲07は、高橋作詞、高中作曲によるナンバーです。高中らしいギター・サウンドとメロディー・ラインは、そのままソロ作品にも通じるものですね。

今井 裕らしい洒落たナンバー08は、TANTANのヴォーカルをフィーチャーしています。今井のソロ・アルバムでも聴く事の出来る、JAZZのスタンダードを歌詞やアレンジに盛り込む手法をここでも聴く事が出来ます。こんな洒落たことを平然とやってのけたのがサディスティックスなんです。

アルバムを通して聴くと、メンバー各々の演奏技術はもちろんのこと、その卓越した作曲センスに驚かされます。逆の見方をすれば、これだけの才能を持った面子が揃ってバンドとして纏まるのは至難の業としか思えません(笑)
まだこの1stではメンバー全員で作り上げたという感じは伝わってきますが、2ndの『WE ARE JUST TAKING OFF』では各メンバーの作品を各自がプロデュースして、他のメンバーは演奏に参加しているだけという雰囲気が強くなります。ところが楽曲的にはこの1stを凌駕する素晴らしい作品が揃っているのも事実なのです。
これだけの個性的で才能あるミュージシャン達が一時的にせよ、一緒にバンドを組んでアルバムを制作したというのは、歴史的にも価値ある1枚ではないかと思うんですね。
J-POPシーンをミュージシャンとして牽引してきた彼等4人の偉大さを感じながら、楽しんでもらいたいアルバムですね。
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by kaz-shin | 2007-05-28 00:01 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(6) | |
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Commented by kotaro at 2007-05-28 03:47 x
「黒船」の次は「海賊」。おそらくそんな遊び心のコンセプトだったのではないでしょうか。
ジョニー・デップのあとにリア・ディゾンが来たんじゃ順番が逆ですな。

冗談はさておき、シングルも出さない彼らがこんなアルバムを出した、
考えるとスゴイ時代でした。
ミーハーシーンはカルメン77や勝手にしやがれですよ。(どっちも阿久悠ですけど)
リアルタイムにこんなロックの変遷が聴けたのは、めちゃ幸せな少年時代でした。(きょうは手短に)
Commented by Sken at 2007-05-28 08:33 x
こんにちは。
私、彼らのライヴを見たことがありますが、そのときは
完全なフュージョン・バンドでした。ヴォーカルはいっさいなくて
壮絶なテクニックを駆使した演奏だけでした。
それもまた、すごいものではありました。
Commented by まるいチーズ at 2007-05-28 22:55 x
こんばんは
また出ました77年(笑)、30年前ですからねえ、驚きです。今思うとかなり画期的なアルバムだと思うんですが、素晴らしさを実感したのは後年になってからでした、それだけ良いものが多かった時代だったんでしょうかね?アナログ盤のB面、05~はライナーを見るとシティ・ミュージックサイドと書いてますね、そうでした、、シティ・ミュージックという言葉もこの頃から盛んに使われました(笑)。個人的にはボーカルが多彩な顔ぶれでいいですね、TANTANさんやラジさんはもちろんですが、07で高中さん~ユキヒロさん~今井さんの順でリード・ボーカルとってませんか?(笑)
Commented by kaz-shin at 2007-05-28 23:48
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
"黒船"の後は"海賊"というのは、仰るように彼等特有の遊び心でしょうね。
タイトルにしても、eo Vandes=ええ、お晩です。とかRio De Janeyo=リオでじゃねえよ。
とか遊び心が一杯ですね。
それでいて楽曲、演奏においては素晴らしいセンスを感じさせますし、
本当に凄い連中だと思いましたね。
Commented by kaz-shin at 2007-05-28 23:53
Skenさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
きっとミカさんのような強烈な個性を持ったヴォーカリストに出会えなかった
というのも理由だと思いますが、彼等の場合は歌が無くとも演奏力で聴く者を
魅了出来ますからインストでも良かったのかも知れませんね。
2ndはインスト曲の割合が増えましたから・・・。
私も初めて後藤さんのチョッパー見た時は小便ちびりそうでした(笑)
Commented by kaz-shin at 2007-05-29 00:06
まるいチーズさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
魅惑の1977年のアルバムです(笑)
30年前の曲とは思えないセンスが光ってますよね。凄い連中です。
>07で高中さん~ユキヒロさん~今井さんの順でリード・ボーカルとってませんか?(笑)
流石ですね~!確かに仰るようにリード・ヴォーカルが変わってます。
高中さんの声はあまり変わってませんが、ユキヒロさんの声が若いですね(笑)
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