Music Avenue
musicave.exblog.jp
Top
彩 恵津子_PASSIŌ ◇ 2007年 06月 23日
e0081370_23112993.jpg 

今回紹介するのは、今週の私のヘビー・ローテーションだったアルバムです。
毎日、通勤時にずっと聴いていたアルバムで、最近では珍しくハマった1枚でした。
そのアルバムとは、彩 恵津子が1986年にリリースした通算5枚目となる『PASSIŌ』です。
実は先週BOOK OFFで250円で購入したばかりのアルバムで、聴いてみたらこれが凄く良くて久しぶりに良い買い物をしたと喜んでいます。
今まで1stアルバム『Reach Out』(1984年)、2ndアルバム『ALL I NEED』(1985年)を紹介しましたが、今回の『PASSIŌ』が1番ハマったアルバムですね。

プロデュースは作詞家の康 珍化(カン チンファと読みます)。私が敬愛する作詞家なんですが、普通作詞家がプロデュースとなれば収録の楽曲のほとんどの詞を書いていそうなものですが、このアルバムでは1曲も書いていません。作詞は彩 恵津子自身が6曲、森田 記が4曲書いており、康 珍化は"All Lyrics Supported"に止まっています。
(6月23日追記:哲学者になりたい猫さんより情報を頂きました。森田 記というのは、康 珍化さんのペン・ネームだそうです。ですから、4曲を康 珍化が手掛けたことになります。追記という形で訂正させていただくと共に、情報を下さいました哲学者になりたい猫さんに感謝致します。ありがとうございました。)
そして、サウンド・プロデュースを鳥山 雄司が担当し、アレンジも全曲鳥山 雄司なんですが、とにかく彼のアレンジの素晴らしさに感動しました。鳥山 雄司のアレンジャー、ギタリストとしての魅力が一杯詰まったアルバムになっており、鳥山 雄司ファンにも聴いて欲しい1枚。

作曲陣もCITY POPが好きな私にはたまらない布陣で、桐ヶ谷 仁、辻畑 鉄也、奥 慶一、古本 鉄也、久保田 利伸、亀井 登志夫、山川 恵津子、鳥山 雄司というバラエティに富んだ顔触れです。

『彩 恵津子 / PASSIŌ』
01. Airport Dance
02. ピグマリオン
03. 天使のタキシード
04. 悲しくないのに
05. 狼ガール
06. FUN! FUN! FUN!
07. 永遠のモーニング・ムーン (Duet With TOSHINOBU KUBOTA)
08. 水辺の恋の物語
09. とめて、パシオ
10. やわらかい雨

空港のアナウンスのSEで始まる01。軽快なリズムが心地良く、アルバムのオープニングにぴったりな1曲ですね。山木 秀夫のドラムと木村 誠のパーカッションによるリズムと、間奏・後奏での中西 俊博のヴァイオリンが冴えています。マニアックな話になりますが、空港のSEは角松 敏生のアルバム『T'S BALLAD』(1985年)に収録されている名曲「RAMP IN」で使われているSEと多分同じものです(笑)

ゴキゲンなダンス系ナンバー02。鳥山 雄司のギター・カッティングに魅了されます。鳥山のこういうダンス系ナンバーのアレンジは、後に中山 美穂の曲のアレンジへと繋がっていった気がします。彩 恵津子の澄んだ歌声とコーラス陣との絶妙なバランスも素晴らしいです。

02と同じダンス系ナンバー03。タイトルとは裏腹に歌詞が艶っぽい曲です。シンセが巧みに使われているのが特徴です。

奥 慶一作曲による04は、シングル・カットされたナンバーです。ボッサ調のミディアム・ナンバーで、彩 恵津子のヴォーカルの良い所を引き出している曲だと思います。アコースティック・ギターはおそらく吉川 忠英でしょう。シンセによるオーケストレーションが美しいです。

彩 恵津子の書いた詞が秀逸な05。打ち込みを軸とした軽快なダンス・ナンバーで、エディットも施されておりアルバム中最もFUNKYなナンバー。鳥山 雄司のギター・ソロは圧巻です。

ビーチ・ボーイズ風なタイトルの06ですが、トロピカルなムード漂うポップなミディアム・ナンバーです。コーラス・ワークと鳥山 雄司の軽快なギター・カッティングが印象に残ります。

彩 恵津子の曲では最も有名な曲かも知れない07。何故ならデビュー直前の久保田 利伸が作曲とデュエットで参加しているからです。作曲家として活動していた頃の作品であり、ヴォーカルも披露していたので、久保田がブレイクすると同時にこの曲も注目されたようですね。デュエット曲としては「ロンリー・チャップリン」に似たタイプの曲です。鳥山のギター・リフが格好良いですよ。

03の終わりに短いインタールードが挟まれているのですが、実はこの08への伏線になっています。面白い構成に関心してしまいます。亀井 登志夫の作曲による美しいバラード曲で、彩 恵津子の美しい歌声が際立っているナンバーです。歌詞は、ユーミンの「真珠のピアス」を彷彿させる女性の怖い一面が描かれてます。

山川 恵津子作曲によるポップなナンバー09。ビートを効かせたアレンジが心地良いです。

彩 恵津子の作詞・作曲によるミディアム・ナンバー10。特に特徴のあるメロディーではないのですが、鳥山 雄司の単調過ぎるくらいに単調なアレンジがメロディーを魅力的なものに変えている気がします。アルバムの最後に相応しい余韻を含んだ曲。

このアルバムは本当に良いです。曲順や構成もよく練られている気がします。おそらく康 珍化のアイディアによるものでしょう。そして、サウンド面における鳥山 雄司の功績は本当に大きいと思います。
どちらかと言うと淡々とした印象のある彩 恵津子のヴォーカルを、時に激しいアレンジで、時に単調なアレンジでその声の魅力を最大限に引き出しているように思います。全10曲捨て曲無しの名盤だと断言してしまいましょう(笑)
機会があれば多くの人に聴いて欲しいアルバムです。自信を持ってお薦め出来ます。
[PR]
by kaz-shin | 2007-06-23 01:17 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(14) | |
トラックバックURL : https://musicave.exblog.jp/tb/5951773
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by halfskits at 2007-06-23 09:24
おっとーっと…でましたねー
鳥山 雄司アレンジモノの最高傑作!

私にとっては、レコードもCDも持っているという
とっても大好きなアルバムです!

永遠のモーニング・ムーン は、
カラオケでのお披露目用に練習して
何度もデュエットしましたー!

ところで、デビュー・アルバム収録「Reach Out」は
その後、アルバム『College Life』では、
英語versionで収録された事は、ご存知でしたかー???
Commented by 哲学者になりたい猫 at 2007-06-23 16:57 x
始めて書かせて頂きます。
若い世代なのですが、今のJ-POPに馴染めず
なんか別な音楽が聴きたいなぁと思っていて探しているうちに
80年代のCITY-POPSに辿り着いたのですが肝心の知識が無
いため何かたくさんCDを紹介しているサイトはないかと
検索していく中でこのサイトに巡り会いました。
毎回のレビューを本当に楽しく読ませて頂いております。
ほぼ毎日の更新はさぞやネタ探し
を含めて大変でしょうが、ご無理なさらない範囲でこれからも
頑張ってください。

さて、差し出がましいのですが一つだけ書かせてください。
康珍化さんはこのアルバムでは一つも作詞をしていない
との事ですが、レビューを読ませていただくとちゃんと書いてますね。
実は森田 記は康珍化さんの別名義なんです。
私も康珍化さんは大好きな作詞家の一人なんですが
これを知った時は大変驚きました。
有名な作詞家、作曲家の方々は別ペンネームをお持ちの方が
多いですね。(作詞家の三浦徳子さんが亜伊林とか、売野雅勇さんが
麻生麗二とか)

大変失礼致しました
Commented by kaz-shin at 2007-06-23 17:19
halfskitsさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
このアルバムでの鳥山 雄司さんのアレンジ、ギター・プレイは本当に
素晴らしいですね。
最近では作曲家としての活動が多いようで、昔のようにバリバリのギター・プレイを聴きたい
私としては物足りない感じがしていたんですが、このアルバムを聴いて久しぶりに
鳥山さんのギターを堪能しました(笑)

「Reach Out」の英語ヴァージョンの存在は知ってました。
『College Life』を中古店で探しているのですが、この頃の彩さんのアルバムに
なかなか出会えませんね。今回の『PASSIŌ』に出会えた(しかも250円)のは、
本当にラッキーでした。
Commented by kaz-shin at 2007-06-23 17:39
哲学者になりたい猫さん、はじめまして。
コメントとご指摘ありがとうございます。

こんな拙い記事ばかりのブログを訪れて下さるだけで感謝の気持ちで
一杯です。

さて、森田 記さんが康 珍化さんのペン・ネームというのを今回初めて知りました。
ありがとうございます。実は、森田 記という名前はこのアルバム以外で
見かけたこともなかったので、もしかしたら・・・という思いはありました。
もっと調べて書けばよかったなと反省しています。
また、ひとつ知識が増えました。本当にありがとうございます。

どうかお気使い無く、おかしな所がありましたら遠慮無くご指摘下さいね。
これからもこんな記事しか書けませんが、よろしくお願い致します。
記事の方は、早速追記させて頂きました。

Commented by WESING at 2007-06-23 18:55 x
「Reach Out」のときに書きましたが、これはリアルタイムではなくてCDを5枚同時に買ったときが最初だからあまり聞いてません。
一度に買うと聞き込めませんね。(苦笑)
久保田利伸さんがデュエットしていたのも忘れてましたが、デビュー前と書かれていたので、「えっ?」と思いました。
というのも、'84年11月にリリースされた松岡直也さんの「Long For The East」にボーカルで参加しているんですけど、それからデビューまでに1年以上もかかっていたのかなぁと思ったんです。
ということで、調べたんですけど、彩さんのこのアルバムが'86年10月にリリースされていて、久保田さんのデビューが同じ年の6月でした。
ということは、久保田さんがデビュー後にアルバムが発売されていることになるんですけど、レコーディングが久保田さんのデビュー前だったということかな。時期的にその可能性が十分あるしね。
Commented by kaz-shin at 2007-06-23 19:07
WESINGさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ご指摘ありがとうございます。
厳密に書けば良かったですね。仰るようにこのアルバムがリリースされた時には、
久保田さんはデビューされてましたね。このアルバムのレコーディングが1986年7~8月、
つまり曲を書き上げたのがデビュー直前で録音したのがデビュー直後ということになりますね。
いずれにせよ、正式なデビュー前から久保田さんは業界では注目されていたんですね。

Commented by トシユキ at 2007-06-24 05:36 x
はじめまして。
kaz-shinさんの、緻密なコメントと、作品を愛する気持ち、独特の表現に感服しながら、Music Avenueを読まずに一日は終わらないファンです。

今回、挙げて頂いた彩恵津子には、ただならぬ魅力を感じていたファンで、前出の「ALL I NEED」中でも05 「みっつ数えて」が、私にとっても永遠のベストポップソングです。
残念ながら、「PASIO」はレコードでしか持っておらず今は聞くことが出来ません。
01 の空港のSEは、言われて「あっ、その通りだっ!」と大きく頷きました。彩恵津子はデビュー前に角松敏生のバックコーラスを担当していたことがあると聞いた気もしますが、関連があるはずですね。
このアルバムを思い出すと、やはり、アルバム全体をひとつの作品として着地点に落ち着かせる最後の曲が印象的です。確かになんとも後を引く締めくくりですね。
アルバムの締めくくりについては、角松作品や前出二名 敦子の「him」もインパクトを強く覚えました。
Commented by トシユキ at 2007-06-24 05:39 x
(続き)
彩恵津子のアルバムで私の中では、「ALL I NEED」、「UNKOWN TINGS」、「彩」の3つは、これからも聴き続けるであろうお勧めです。
彼女の歌声は独特のもので、「キラキラしている、透き通った、でも冷たいガラス細工」のように感じます。

kaz-shinさんの音楽の好みが、私とかなり一致しているのか、どの作品も、過去に興味がありながらも、ジャケットを見てクレジットを読み内容を想像し、買いたい気持ちをグッと我慢してきた思いがよみがえります。
私も門松敏生やフュージョン、セールスとしては脚光を浴びなかったシンガーなどを聞き込むのが好きです。
kaz-shinさん、これからも楽しみにしています。年代は私がちょっと下なのかと思いますので、兄貴から良い作品を教えてもらっている感覚で毎日読んでいます。これからも、無理せず書き続けてください。
Commented by kaz-shin at 2007-06-24 10:29
トシユキさん、はじめまして。
とても温かいコメントを頂戴し感激です。ありがとうございます。

私は非常に飽きっぽい性格で、これまで日記などを書いたこともありませんし、
小学生の時の夏休みの宿題だった絵日記さえ毎日書けないような人でした。
それが何故、こんなブログを始めようと思ったのか不思議なんですが、どこまで頑張れるか
という挑戦もありましたし、やはり時代を超えて名作・名盤と呼ばれるような音楽を
紹介したかったという思いが強かったというのもあります。

今のJ-POPが10年後、20年後に一体どれだけの作品が名盤として聴き継がれていくんだろう?
と思った時、セールス的には大した数字を残していなくても、アーティストやスタッフの
良い音楽を作ろうという姿勢と時代のパワーとの相乗効果で生まれた70年代~80年代の
沢山の良いアルバムを、少しでも知ってもらえたらと思ってボキャブラリーの少なさゆえの
拙い文章しか書けませんが、何とか続けています(笑)

こんなブログでも、トシユキさんのように楽しみにして下さってる方がいるのは本当にありがたいですし、
励みになります。
Commented by kaz-shin at 2007-06-24 10:35
>トシユキさん
彩 恵津子さんのアルバムは、1st、2ndとこの『PASSIO』の3枚しか所有しておりませんが、
実は昨日BOOK OFFで『UNKOWN TINGS』を見かけました。しかも250円・・・。
手に取って悩んだのですが、ジャケットの自画像のような絵がどうもピンとこなくて買いませんでした。
トシユキさんのコメント読んだ後なら速攻で買っていたんですが・・・(汗)
近いうちにもう1度BOOK OFFへ行ってみます。残っていたら買って聴いてみます。

色々お薦めいただいたり、励みになるコメントを頂戴して、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
Commented by ebel_1911 at 2007-06-29 23:51 x
kaz-shinさんお久しぶりです。
発売当時の私のヘビーローテーションだったアルバムです。
友達が、カセットで聞いていて、それまで全然知らなかったですが、やはり、彩 恵津子さんの歌声と、鳥山 雄司さんのアレンジに
やられてしまいました。鳥山さんを意識したのもこのアルバムが最初だと思います。角松さんのバックボーカルの件は驚きですが。おもしろいつながりですね。良い勉強になりました。
Commented by kaz-shin at 2007-06-30 00:50
ebel_1911さん、こんばんは。お久しぶりです。
お元気でしたか?コメントありがとうございます。

実はこのアルバム、記事を書いた日の前後2週間程毎日聴いてました。
本当に良いアルバムですね。まず、何回聴いても飽きないのです。
真剣に聴いても、BGM的に聴いても、続けて繰り返し聴いても飽きないのが不思議です。
鳥山さんの素晴らしいアレンジとギター、そして彩 恵津子さんの透き通るような声のバランスが絶妙ですよね。
Commented by アンクル・トム at 2008-05-28 23:42 x
今日は『PASSIO』を一日聴いておりました。
もしかしたらブログに載ってるかなと探したら
しっかり書かれてありました(笑)。ウレシイ..!
『UNKOWN THING』はその後入手されましたか?
Kaz-shinさんの好きな南佳考さんも一曲提供してます
この『PASSIO』は発売当時毎日聴いてました 飽きもせずです。
鳥山雄司さんのアレンジ・ギターがカッコいいですよね。
『永遠のモーニング・ムーン』はジャーメイン・ジャクソンと
ホイットニー・ヒューストンのデュエット曲に少し似てますが
今でも好きなデュエット曲です。
彩さんもまたいつか歌ってくれるといいのですが...。


Commented by kaz-shin at 2008-05-30 00:18
アンクル・トムさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
『PASSIO』は名盤です!(笑)
何度聴いても厭きのこないアルバムですね。
私個人では彩さんの最高傑作だと信じております。

『UNKNOWN THING』は無事入手しております。いつか必ず紹介しようと思っていますので、楽しみにしていて下さい。
ただ、あのイラストのジャケットが・・・(笑)
<< 高中 正義三昧の半日(笑) ページトップ 麗美_REIMY BRAND >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Ice Green Skin by Sun&Moon