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安部 恭弘_FRAME OF MIND ◇ 2007年 07月 14日
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今週は肉体的にハードな仕事が多かったうえに、イラつくまでの蒸し暑さに少々疲れ気味です。
こんな状態の時、たまに"柔らかい音楽"が聴きたくなります。「"柔らかい音楽"って、どんな音楽?」と訊かれても答えに困るのですが、尖った感じが無くサウンドに包まれるような感じのする音楽とでも言いましょうか・・・。解らないですよね(笑)

今回選んだのは、私にとってCITY POP/J-AORの代名詞的アーティストである安部 恭弘が1985年にリリースした4枚目のオリジナル・アルバム(通算5作目)の『FRAME OF MIND』です。
このアルバムは、安部 恭弘を語る上では絶対に欠かせない名盤だと信じて疑わない作品です。
安部 恭弘で1番好きなのは、以前紹介した1984年の3rdアルバム『SLIT』なんですが、この『FRAME OF MIND』はその次に好きなアルバムなんです。

『SLIT』は、ハードなポップス・ナンバー、メロウ・ナンバー、JAZZYなナンバーというバラエティに富んだ楽曲がバランス良く収録されたアルバムで、まさにCITY POP/J-AORのカタログのようなアルバムと言えるでしょう。
ところが、『FRAME OF MIND』ではハードな要素が排除され、アーバンかつジェントル(こんな貧困な表現しか出来ず、申し訳無いです・・・汗)なメロウ・ナンバーだけを集めたような仕上がりになっています。
その分『SLIT』に比べインパクトに欠ける感じですが、これが私の言う"柔らかい音楽"なんです。

井上 鑑と並んで、1980年代のJ-POPシーンを支えてきた名アレンジャー・清水 信之がプロデュースです。当然アレンジも全10曲中9曲が清水 信之(難波 弘之、乾 裕樹との共同アレンジも含む)で、残り1曲が鷺巣 詩郎です。このアルバムでの清水 信之のアレンジは、前作とは異なりシックでソフトな印象のものが多く、清水 信之らしくないとさえ思える程です。しかし、実際にアルバムを聴くと実に緻密に練られたアレンジで、メロディーを際立たせているのが分かります。EPOと並んで、清水 信之のアレンジとの相性が抜群なのが安部 恭弘の作品だと思います。
そして、このアルバムの1番の特徴は8曲(1曲は森 浩美との共作)を安部 恭弘自身が詞を書いているところでしょう。それまでのオリジナル・アルバム3枚で彼が書いた詞は、たったの1曲だけでした。これは大きな変化とも言えます。どれも愛をテーマにした詞なんですが、その多くが切なく辛い詞が多いのも特徴です。作曲はもちろん全曲、安部 恭弘です。

『安部 恭弘 / FRAME OF MIND』
01. LADY
02. Steppin'
03. PUMPS
04. 黄昏(たそがれ)
05. So Good So Fine
06. 瞳の霧
07. Where Is Love
08. KISS MARK
09. 君は夢の中
10. CLOSE YOUR EYES

いきなりのアーバン・グルーヴ・ナンバー01。真夜中の都会の真中に連れてこられたような錯覚に陥ります。清水 信之の渋いアレンジと、EPOのコーラスが光る1曲です。

一転してライト・ポップなナンバー02。本来なら清水 信之の十八番とも言える曲調なんですが、共同アレンジの難波 弘之がリズム・アレンジを手掛けたのでしょう。EPOと安部 恭弘のコーラスがシュガー・ベイブを彷彿させます(コーラス・アレンジは安部 恭弘)

山下 達郎の「いつか」を柔らかくしたようなイントロが印象的な03。この曲もライトなポップ・ナンバーで、安部 恭弘のまろやかな歌声が心地良いですね。サンプリングした安部 恭弘とEPOの声をシンセで鳴らしているのも面白いです。

名バラード曲04。冬がテーマの曲ですが、今の季節に聴いても違和感は全くありません。美しいメロディー・ラインと甘い歌声に女性でなくてもうっとりしてしまいます(笑)

今の季節にぴったりの05は、シンセによるボッサ調のリズムが気持ち良いメロウ・ナンバーです。おそらくホーン・セクションとストリングス以外の演奏は、清水 信之のワンマン・バンドだと思います。間奏のガット・ギターのソロも清水 信之です。本当に器用な人ですね。ただ、アレンジは 鷺巣 詩郎という摩訶不思議なナンバーです。

まるでミュージカル映画音楽のようなストリングスが美しいバラード曲06。途中でテンポ・アップして明るいジャズ風のアレンジに変わるという変化に富んだナンバーです。おそらくメインのスロー・テンポ部分を乾 裕樹で、ジャズ風アレンジ部が清水 信之が手掛けたんでしょう。

アーバン・メロウなミディアム・ナンバー07。キャッチーなメロディーと軽快な清水 信之のアレンジが絶妙です。大好きな曲です。

アルバム中1番清水 信之らしさを感じるアレンジの08。軽快なポップ・チューン。EPOのコーラスが良いアクセントになっています。EPOの声は本当にコーラスで映えますね。

ベーシックなオケと歌自体は1976年にレコーディングされていた曲をリメイクした09。よく聴くと確かに声が微妙に違いますね。曲調もポップと言うより、ニューミュージックという雰囲気です。
例えるならオフコースを連想させる曲ですね。安部 恭弘には珍しいタイプの曲です。

最後の10も柔らかなアーバン・メロウ・ナンバーです。こういう曲調の安部 恭弘の歌声は本当に心地良いです。真夜中のドライブにピッタリなナンバーです。この曲も大好きなんです(笑)

このアルバムを聴いた事のある方なら、私の言う「柔らかい音楽」というイメージを理解して頂けると思うのですが、如何でしょう?(笑)
大人による大人の為のポップスを歌い続ける安部 恭弘。ぜひ一度聴いてみて下さい。
これがCITY POP/J-AORの見本にような音楽です。2004年に再発されたにも関わらず、既に入手困難なようです。レコード店や中古店で見かけたら買っておいて損は無いですよ。
『SLIT』と共に自信を持ってお薦め出来る1枚です。
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by kaz-shin | 2007-07-14 02:07 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(4) | |
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Commented by ふらいんぐしゅがあ at 2007-07-14 20:31 x
安部さんの歌声、この上なく好きです。高校1年の夏休みに学校のセンセから『ゴールデン・ベスト』をお貸りして、日夜(特に夜!)聴いたのがきっかけです。話す声も素敵なんでしょうなあ…。今年は受験生だから、今はCDばっかり聴いてちゃ駄目なのかもしれないけど、包まれたいな。このサウンド!この声!理想的なバランスのシンセのアレンジに!!
Commented by kaz-shin at 2007-07-14 23:48
ふらいんぐしゅがあさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
お若いのに安部さんの魅力を理解して下さってるようで、とても嬉しいです。
安部さんの音楽を今の若い世代の人に聴いて欲しくて、ブログで取り上げている
部分も多少あるんです。
自分の好みの音楽を聴くのが1番なんですが、最近の若い人達は好みの音楽さえも
似通ってる気がして、自分で新しい分野の音楽やアーティストを探し出すような
労力って使ってないような印象を受けてました。
でも、ふらいんぐしゅがあさんのような若い世代の人がいること、本当に嬉しく思いますよ。

受験生ならば勉強が1番でしょうけど、音楽を聴くのも無理に我慢するのではなく、
一生懸命勉強するときと、思い切り音楽を楽しむことをきっちりとケジメを
つければ問題無いと思いますよ。

私が受験生だった頃は、2時間勉強したら好きなLP(当時はレコードでしたから)
の片面を聴くという休憩の取り方を実行してました(笑)
Commented by Jun at 2007-07-15 23:30 x
こんばんは。またまた安部さんのアルバムを取りあげて下さって嬉しいです!このアルバムは大好きですよ!
私も安部さんの音楽を若い世代や幅広く知って頂きたいなあと思いながらブログをやっているので、特に若い世代の方に聴いてもらうと嬉しいですよね。
Commented by kaz-shin at 2007-07-15 23:57
Junさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
Junさんのコメント、お待ちしてました(笑)
今回コメントを頂戴した、ふらいんぐしゅがあさんのように若い世代の方に
聴いてもらっていると思うと嬉しいですよね。
もっともっと評価されて良いアーティストなんですけどね。
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