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楠瀬 誠志郎_宝島 ◇ 2007年 07月 17日
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「さわやかなRomancing Voiceとハーモニー、ハート・ウォームなメロディ・ライン、一人の静かな午後のための、二人の楽しい時間のための、リフレッシュ・サウンド・・・・・・」
これは、楠瀬 誠志郎の1986年のデビュー・アルバム『宝島』の帯に書かれていたコピーです。コピー・ライターというのは、実に完結に上手い文章を書くものですね、羨ましい(笑)

楠瀬 誠志郎は、高校生時代にシュガー・ベイブの音楽に衝撃を受け、ドラマーの村上 秀一に弟子入り。そこから、杉 真理、安部 恭弘、EPO等のステージでバック・コーラスを経てデビューしました。
まだ楠瀬 誠志郎がデビュー前、杉 真理のライブを観たんですが、そこにコーラスで参加していて「今度、ソロ・デビューする楠瀬 誠志郎」と紹介していたのを覚えています。古風な名前なんで印象強かったんでしょうね、暫くして『宝島』をレコード店で見つけ、興味本位で購入したというのが楠瀬 誠志郎との出会いです。

アルバムの特徴は、冒頭のコピーが1番上手く表現されていますが、私なりの意見を少し付け足させてもらいます。まず、収録曲10曲全て楠瀬 誠志郎が作曲したものですが、どれもキャッチーなメロディーで耳に馴染むものばかりです。そして、そのキャッチーな楽曲を井上 鑑と岡田 徹というリゾート・サウンドの達人達がアレンジを施しており、清涼感溢れるポップスに仕上がっています。
デビューするまでに数多くのアーティストのバック・コーラスを経験してきた強みでしょうか、一人アカペラも披露しており、素晴らしいコーラス・ワークを聴かせてくれるのも大きな特徴と言えると思います。

『楠瀬 誠志郎 / 宝島』
01. Always
02. 宝島 -TREASURE ISLAND-
03. April Rainに微笑みを
04. 静かな午後
05. Miss You -HOLD ON-
06. 夕凪 -an evening calm-
07. 天国の神経衰弱
08. マリオ
09. HOMELESS HEART
10. Further

一人多重コーラスによるアカペラ曲01。1分程度の短い曲ですが、美しいコーラスを堪能出来ます。コーラス・アレンジは楠瀬 誠志郎自身です。

アルバム・タイトル曲02。井上 鑑によるナイアガラ・サウンド風のアレンジが、楠瀬作曲のポップなメロディーをより爽快なポップ・ナンバーへと変身させています。

爽やかなコーラスと今 剛の軽快なギター・カッティングが心地良い03。新緑が天気雨に濡れてキラキラと輝く感じを井上 鑑のアレンジによって上手く表現されています。優しい気持ちになれる、そんな1曲です。

岡田 徹らしいリゾート感覚に満ちた柔らかなサウンドが素晴らしいミディアム・ナンバー04。楠瀬の書いたメロディーも秀逸で、お気に入りの1曲になっています。

井上 鑑の別の1面でもある都会的な洒落たセンスに溢れるアレンジが素晴らしい05。極上のAORナンバーと言えるでしょう。楠瀬のコーラス・ワークと今 剛のギター・カッティングとソロのプレイ、そしてエモーショナルな土岐 英史のサックス・ソロがこの曲のハイライトです。

アナログ盤A面1曲目にあたる01がアカペラだったので、B面1曲目にあたる06も素晴らしいアカペラ・ナンバーになっています。一人多重コーラス自体、この頃はもう珍しくは無かったですが、楠瀬 誠志郎のアカペラは山下 達郎に迫る位の完成度の高いものだと思います。清涼感で言えば、楠瀬 誠志郎の右に出るものはいないでしょう。

杉 真理が詞を提供し、コーラスに参加している07。曲は楠瀬 誠志郎が書いていますが、杉 真理っぽくて面白いです。杉と楠瀬のコーラス・ワークのコンビネーションが素晴らしく、この曲の1番の聴き所です。

打ち込みによる単調なビートで、テクノっぽい匂いがある岡田 徹のアレンジが印象的な08。単調なリズムなんですが、楠瀬 誠志郎のコーラスとアコースティック・ギターのサウンドが涼しげな風を運んでくるようなアレンジが魅力です。

井上 鑑による都会的な洒落たアレンジのCITY POPな09。この曲のメロディーを聴いていると、山下 達郎からの影響を感じます。幅広い曲が書けるのも楠瀬 誠志郎の魅力ですね。

美しいストリングスをバックにしっとりと歌うバラード曲10。歌詞を読んでいると楠瀬の自伝的な曲のように思えます。少し切なくて、美しいバラードは、アルバムの最後を飾るに相応しい1曲だと思います。

デビュー・アルバムにしてセルフ・プロデュース、しかも捨て曲無しの完成度の高いアルバムが出来上がった裏には、デビュー前からスタジオ・ワークやライブ等でコーラス・シンガーとして実績と、優れたソング・ライティングの才能があるのは事実だと思います。
しかし、楠瀬 誠志郎の才能に惚れ込み、後押ししてきた杉 真理の存在も忘れてはいけないでしょう。このアルバムのクレジットにもスーパー・バイザーとして名前が載っている杉 真理。おそらく杉 真理のアドバイスが無かったらここまで良いアルバムが出来ていなかったように思います。
今ではBOOK OFF等では安棚の常連になってしまっていますが、この1stアルバム『宝島』と
2ndアルバム『冒険者たち』は本当に完成度の高いアルバムです。
これから夏本番を迎え、清涼感溢れるアルバムとしてお薦めです。ぜひ1度聴いてみて下さい。
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by kaz-shin | 2007-07-17 00:01 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(4) | |
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Commented by rs at 2007-07-17 12:33 x
これからの時期にはいいですね!
SONY在籍時のアルバムは殆ど持っていますが
どれも好きです。

コーラスは、本当に見事なもので
曲によっては、メインボーカルを食ってるものも有るような(笑)

自分は、伊藤園の烏龍茶CMで初めて存在を知りました、
当時は、今のように簡単に探せず、苦労して曲を探したものです。

BEST盤「さよなら、また明日」は、今でも頻繁に聞きます。
Commented by at 2007-07-17 21:31 x
私の場合も、何故かTVのCFソング「季節がとうりすぎても」で嵌ってしまい、そのままシングルCDを購入しました。
今までほとんどシングルCDなんて購入したことがなかったので、いまさらながら本当に不思議だなと思います。
ですのでやはりシングルだけでは終わるはずがなく、ちゃっかり『さよなら、また明日』というベスト?アルバムも購入していました。
郷ひろみにも曲提供してたんですね、彼の楽曲の中ではクリスマスシーズンに必ず聴きたくなる「一時間遅れの僕の天使」が大好きです。
Commented by kaz-shin at 2007-07-18 00:58
rsさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
日中の気温が高くなると、涼を求めて楠瀬さんの声が聴きたくなります(笑)
特にコーラスの心地良さは格別ですよね。

BEST盤「さよなら、また明日」は以前、記事を書きました。
選曲が良いので、私も大好きな1枚です。
Commented by kaz-shin at 2007-07-18 01:03
夢さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
楠瀬さんの声って涼しげでもありますが、冬に聴くと温もりを感じる独特な声質ですね~(笑)
確かにクリスマス・ソングもよく似合います。

夢さんも『さよなら、また明日』を聴かれてたんですね。
本当に良いベスト・アルバムだと思います。
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