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杉 真理_SONG WRITER ◇ 2007年 07月 27日
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今回紹介するのは、今月25日に発売されたばかりのアルバムです。杉 真理のソロ・アルバムの1stから6thアルバムまでが紙ジャケット、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック収録で再発されました。
その6枚の中から、唯一CDで買い損ねていたソロ・デビュー・アルバム『SONG WRITER』(1980年作品)を紹介します。

私が杉 真理の名前を初めて知ったのは、竹内 まりやのデビュー・アルバム『Beginning』(1978年)に収録されていた「目覚め(Waking up alone)」と「ムーンライト・ホールド・ミー・タイト」という曲の作曲者としてでした。この時はまだ"スギ マリ"という女性のソング・ライターだと思っていましたし、特に強く印象には残っていませんでした。翌1979年に竹内 まりやの2ndアルバム『University Street』が発売され、そこに収録されていた「Hold on」を聴いた時に軽い衝撃を受けて"スギ マリ"が何者なのか興味を持つようになりました。

後に"スギ マリ"では無く"スギ マサミチ"で男性であることを知りました。そして、1980年6月に杉 真理の名前を強く私の頭の中に刻み込んだアルバムに出会います。それが、須藤 薫のデビュー・アルバム『CHEF'S SPECIAL』でした。この中で杉 真理は4曲提供しており、どの曲もキャッチーなメロディーが印象的なポップなナンバーで、良い曲を書くソング・ライターだなと思っていました。そして、須藤 薫の1stアルバム・リリースから遅れること1ヶ月1980年7月の杉 真理がソロ・アルバムをリリースしました。当然、レコードを買って当時本当によく聴いていました。ちなみにジャケットは↑で紹介しているものとは違って杉 真理の顔のアップの写真でした。

『SONG WRITER』は、全曲杉 真理の作詞・作曲(1曲だけ平井 夏美との共作)で、アレンジは全曲松任谷 正隆が担当しています。サウンド・プロデュースは松任谷 正隆と杉 真理です。
やはり注目は松任谷 正隆のアレンジですね。2ndアルバム以降は杉 真理自身がアレンジを施すようになりますので、全曲アレンジを他人の手に委ねているのはこのアルバムだけです。しかし、松任谷 正隆ですから悪い訳がありません。杉 真理の音楽をよく理解しているアレンジはさすがだと思います。まだヴォーカルは未熟といった印象がありますが、優れたポップスを書くソングライティングのセンスの良さは、この時点で既に輝きを放っていますね。

『杉 真理 / SONG WRITER』
01. Don't stop the music
02. 恋のかけひき
03. Hold on
04. 悲しきクラクション
05. Send her back to me
06. 追いつめられた恋人たち
07. Catherine
08. サンシャイン ラブ
09. My baby's back
10. Dreamin'
[Bonus Tracks]
11. LIVE CAPSULE / THE HOSPITAL
12. BEE MEN (恋の蜂蜜男) / THE HOSPITAL
13. 悲しきクラクション (Live Version)
14. Send her back to me (Live Version)

平井 夏美(川原 伸司)との共作曲01。元々は西城 秀樹用に書いた曲らしいですが、割りとストレートなポップ・ナンバーですね。今 剛のキレのあるギター・カッティング、高水 健司の太いベース、ファンキーな松任谷 正隆のピアノのプレイが光ってるナンバーです。

今の季節にぴったりな湘南ポップス風なミディアム・ナンバー02。フィル・スペクターを彷彿させる松任谷 正隆のアレンジが素晴らしい1曲です。曲はビージーズの「愛はきらめきの中に」のような曲にしようと書いた曲らしいです。コーラスに竹内 まりやと堀口 和男が参加しています。初期の作品の中では名曲のひとつと言える1曲だと思います。

個人的に思い入れの強いバラード曲にして名曲の03。デビュー・シングル曲ですが、デビュー曲がバラード曲というのは相当な自信が無ければ出来ないですね。とにかく松任谷 正隆のストリングスのアレンジの美しさに尽きる1曲です。

ロック・テイストのサウンドが特徴ですが、メロディーはポップそのもので杉 真理らしいナンバーと言える04。この曲では、鈴木 茂のギター・リフが格好良いのですが、最も素晴らしいのは松原 正樹のギター・ソロです。エンディングでのギター・ソロは圧巻です。

ウエスト・コースト風サウンドが心地良いAORなナンバー05。杉 真理自身のアレンジでは聴く事の出来ないタイプのアレンジかも知れません。コーラスにRajieが参加しているのも個人的に嬉しかったですね。今 剛のギターが光っています。

軽快なポップ・ロック・ナンバー06。鈴木 茂のギター・リフや町支 寛二と杉 真理のビーチ・ボーイズ風なコーラス・ワークが印象的です。

マイナー調のしっとりとしたバラード曲07。青山 純(ds)、岡沢 茂(b)、吉川 忠英(a.g)に松任谷 正隆のキーボード(アコーディオン)のみのシンプルな演奏ですが、これが実にメロディーによくマッチしているのは、松任谷 正隆のセンスの良さでしょう。

ブリティッシュ・ポップ風な08は、やはりビートルズが大好きな杉 真理らしい1曲と言えるでしょう。爽やかな吉川 忠英ならではのアコースティック・ギターのサウンドが心地良いです。

オールディーズ風ロックン・ロール・ナンバー09。須藤 薫に歌わせても似合いそうなナンバーです。テンションの高い松任谷 正隆のピアノのプレイと竹内 まりや、町支 寛二、堀口 和男、杉 真理の素晴らしいコーラス・ワークが聴き所です。

まるでディズニー映画の映画音楽のような優しさに包まれたバラード曲10。ワンコーラス目のオーケストレーションの美しさは格別です。松任谷 正隆ならではのアレンジと言える1曲です。杉 真理の一人多重コーラスも美しいです。

ボーナス・トラック11と12は、ソニーと契約した杉 真理がソロ・デビュー直前にバンド形式でリリースしたシングル曲のA面、B面曲です。ソロ・デビューを控えていた杉 真理は直接参加しておらず、11はサンディー、12は藤本 吉文が歌っています。曲を書いているのが杉 真理(Robert Gravesというペンネームを使用)です。しかし、11のイントロや12の曲のタイトルである"BEE MEN=B面"という洒落たところは杉 真理らしさを感じます(笑)

80年代始め頃のJ-POPシーンにおいて、松任谷 正隆、井上 鑑、少し後の清水 信之もそうですが、人気アレンジャーの多忙ぶりは尋常では無かったような気がしますね。この頃の松任谷 正隆もまさに寝る暇があったのかなと思うほどで、ユーミンが年2枚のアルバムをリリースしていましたし、須藤 薫の1stアルバムでもほぼ全曲アレンジを担当してました。その上『SONG WRITER』も全曲アレンジしており、それでいてこれだけ質の高さを保っているのは驚愕です。
そんな松任谷 正隆と日本を代表するポップス・メーカーである杉 真理がタッグを組んだアルバムです。
2nd以降のアルバムの方が杉 真理らしさが出ていますが、このアルバムも上質なCITY POPのアルバムに仕上がっています。今回の再発を機会にぜひ杉 真理のポップな世界を楽しんでみて下さい。
自信を持ってお薦めできるアーティストの一人です。
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by kaz-shin | 2007-07-27 00:17 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(10) | |
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Commented by hisa at 2007-07-28 01:02 x
ついにCDでたのですね。須藤薫もあるしきついところですが、ボーナストラックもSingleだけではないようなので少しずつ揃えたいと思います。
ところで、ご存じだと思いますが、杉真理はこれより前にRCAから2枚のアルバムを出しています。マリ&レッドストライプスとスインギーです。名義がマリ&レッドストライプスですが、ほぼ全曲にの作詞作曲編曲に関わっており、ソロアルバムといってもいいと思います。こちらも最近CD化されているので機会がありましたら聴いてみてください。デビューシングル「思い出の渦」以下いい曲がそろっていますよ。
Commented by Musicman at 2007-07-28 08:42 x
懐かしいですねー。デビュー当時は存在自体知らなかったんですけど、「ナイアガラトライアングルvol.2に参加!」という記事を見て慌ててこのアルバムを買いました。
高校時代にかなりハマっちゃいましたねー。
ちょうど紙ジャケで再発されるので揃えてみようと思ってます。
ちなみに当時のアルバムとはジャケットが違いますね・・・。
Commented by kaz-shin at 2007-07-28 09:51
hisaさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も唯一CDで買い直していなかったこのアルバムだけ購入したんですが、
ボーナス・トラックに惹かれて他にも欲しいものがあって思案中です(笑)

RCA時代の2枚のアルバムは、レコード店で何度手に取ったことか・・・(笑)
ただ、年代的なことやグループ名義ということで、未だに購入には至っていませんでした。
ソロ・アルバムに近い作品だったんですね~。
hisaさんのお薦めとなれば、俄然聴きたくなってきました。
いつも情報ありがとうございます。
Commented by kaz-shin at 2007-07-28 10:48
Musicmanさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
杉さんにとって『ナイアガラトライアングルvol.2』に参加したことは、その後の音楽活動に
大きな影響を与えたようですね。知名度も上がったのも確かだと思いますし・・・。
『ナイアガラ~』参加後にリリースされた2nd『Overlap』の完成度の高さは、その証かも知れませんね。

ジャケットは、アート・ディレクターが田島 照久さんになった時に、田島さんの
イメージに統一しようと替えたらしいです。
私も杉さんの顔写真のジャケットの方が、馴染みが深かいですね(笑)
Commented by kotaro at 2007-07-28 11:11 x
昨日は私も偶然、「Have a hot day!」を聴いていました。

レコード時代にジャケットが差し替わったのは、ナイアガラトライアングルに参加決定してからで、CBSの売り出し方針が理由だと思われます。
私も持っているのは古い方です。
マリ&レッドストライプス、CD音源化されたときにいきなり2枚1組に
なったので購入しました。20年ほど昔でしょうか。
RCサクセションの新井田耕三がドラムを叩いています。
ほとんど初期のスギマササウンド共通です。
「夜の青梅街道〜」と歌っている曲が結構良いと思います。
これをモチーフに彼自身の「悲しきクラクション」とかRCの「青梅街道はもう秋なのさ」が生まれたのでは、と勝手に推測しています。
銀次の「Deadly Drive」とか、この時代の若者はホント、クルマが好きですね。
Commented by kaz-shin at 2007-07-28 23:26
kotaroさん。こんばんは。コメントありがとうございます。
実は『Have a hot day!』とこのアルバムのどちらを紹介しようかと
迷ったんですが、新しく購入した『SONG WRITER』を選びました。
マリ&レッドストライプスはなかなか手が出ず、未聴なんですが皆さんの
コメントを読ませていただくと結構良さそうですね。
入手出来るうちに購入しておこうと思います。

>銀次の「Deadly Drive」とか、この時代の若者はホント、クルマが好きですね。
当時は、車でお洒落な音楽を聴くのが本当に楽しみで、いかに良い編集
されたカセットを作るかを友人で競ったりしてました(笑)
Commented by WESING at 2007-07-29 23:10 x
僕のブログでこのアルバムをupするのを忘れていました。
今'81年9月をupしているので1年ほども過ぎてしまいました。(苦笑)
僕はレンタルしたと思っていたので、このアルバムを聞いたのは'81~2年かと思っていたんですけど、テープを調べたら全曲FMで放送されたのを録音してました。だから、当時は杉さんの作曲だろうと思ってましたが、誰が演奏しているかなどはまったく分かりませんでした。
のちにCD選書盤を買ったけど、クレジットあったかなぁ?
ジャケットは杉さんの顔アップですね。(笑)
杉真理&レッド・ストライプスは'82年8月に「ナイス・ペア」という2枚組のレコードが出て、それをレンタルして聞きました。
CDは'93年のを買ってますが、kotaroさんのは'86年の初CD化盤みたいですね。
Commented by kaz-shin at 2007-07-29 23:47
WESINGさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
今回の紙ジャケの再発は、レコードと同じライナーに加えて、新しいライナーも付いてましたよ。
この頃の作品がCD化された時は、とりあえず1番好きなアルバムを先に買って、
残りは少しずつ揃えようと思っている内に入手困難になってしまうんですよね(笑)
金銭的に余裕があれば、1度に全部揃えるんですけどね・・・。
ですからこういう再発があるのは、とても嬉しいですね。
Commented by ymoymo at 2008-05-31 04:12 x
最近買いました。昔のソウルやグラムばっか買ってたんで邦楽まで手がまわらなかったのですが、須藤薫の3rdをたまたま安く手に入れる機会があり、あまりに良かったため杉ブームになってしまいまして買わされました。A面に当たる部分は最高ですね。この時代は本当にアレンジがいいです。レッドストライプス買うべきか・・・
車とおしゃれな音楽の時代っていいですねぇ。いまはみんな音楽よりファッションに異常に凝る時代になってます。ブランドものとか。みんなでドライブに行った時にこのころの厳選した選曲のMDかけたんですが誰も聞いてやしねえ(笑)こんなもんかと落胆しました。
Commented by kaz-shin at 2008-05-31 10:36
ymoymoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
このアルバムがお気に入りでしたら、ぜひ2nd『Overlap』、3rd『STARGAZER』、4th『MISTONE』の3枚はぜひ聴いて下さい。
自信を持ってお薦め出来るアルバムですし、私が最も好きだった頃の作品です。
しかし、杉さんの場合はどのアルバムを買ってもハズレが無いのが特徴なんですが・・・(笑)

ドライブには良い音楽は絶対に欠かせませんよね。
良い音楽に良い風景、ドライブを楽しくさせる大事なファクターだと思います。
今度ドライブでMDかける時は、帰り道で皆さんの疲れが出ている時を狙ってかけてみては如何でしょう?
喋り疲れた時って、結構音楽に耳を傾ける時が多いようなので・・・。
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