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TAN TAN_TRYING TO GET TO YOU ◇ 2007年 08月 26日
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スタジオ・セッション等で名前はよく知っているのに、ソロとしての作品は聴いたことがないというアーティストって意外に多いですよね。最近はこういうアーティストの作品がCD化されてきて、昔は聴く機会が無かった作品を聴くことが出来るようになったのはすごく嬉しいです。
今回紹介するのもそんな1枚です。TAN TANが1978年にリリースしたソロ・アルバム『TRYING TO GET TO YOU』です。洋楽曲のカヴァーを中心にしたアルバムで、全曲英語で歌われています。

私がTAN TANを知ったのは、おそらくサディスティックスのアルバム『SADISTICS』や高中 正義のアルバム『SEYCHELLES』、『TAKANAKA』での素晴らしい歌声だったと思います。
当然、当時はTAN TANという名前しか知らず、素性も分からなかったですが不思議な魅力の歌声は印象深いものでしたね。
1978年当時、このアルバムの存在は知ってましたが、洋楽カヴァー集という感じだったので購入しませんでした。もし、全曲日本語詞のオリジナル・アルバムなら購入していたかも知れません。

プロデュースにはギタリストとして活躍していたデヴィッド・ウォルファート、アレンジャーにはサックス奏者であり、HEATで活躍したトム・サヴィアーノを迎え、エド・グリーン(ds)、ジャイ・ウィンディング(key)、スティーヴ・ルカサー(g)、クッカー・ロプレスト(b)、レニー・コステロ(per)等の豪華メンバーが集まっています。
選曲に関しては、洋楽に左程詳しくない私はカヴァー曲の大半は知らない曲でしたので、新鮮な気持ちで聴けました。そんな私にもTAN TANの魅力を上手く引き出した選曲だなと思います。洋楽に詳しい人ならば、また違った楽しみがあるかも知れませんね。

『TAN TAN / TRYING TO GET TO YOU』
01. Daybreak
02. You Stepped Into My Life
03. Better Days
04. Bring Me Your Broken Heart
05. Poor Side Of Town
06. Isn't It Always Love
07. Trying To Get To You
08. Let The Morning Come
09. Don't Ever Say Goodbye
10. I'm Gonna Love You

デヴィッド・ポメランツとスペンサー・プロファーの共作01。シェリル・リンのデビュー・アルバムに収録されていました。イントロのジャイ・ウィンディングのピアノが美しく、バラードの職人・デヴィッド・ポメランツらしい素晴らしいバラード曲です。

ビー・ジーズの1976年のアルバム『Children of the World』に収録されていた曲のカヴァー02。当時のディスコ調のノリの良さを大切にしたアレンジとTAN TANのヴォーカルが奔放な感じで良い仕上がりになっています。

キャロル・ベイヤー・セイガーとメリサ・マンチェスターの共作ナンバー03。メリサ・マンチェスターの1976年のアルバム『Better Days & Happy Ending』にオリジナルが収録されています。メロウなバラード曲で、伸びやかなTAN TANの歌声が心地良い1曲。

ベイビー・グランドというバンドが1977年にリリースしたシングル曲のカヴァー04。グルーヴの効いたアレンジが素晴らしいナンバーです。

ジョニー・リヴァースが1966年に全米No.1に輝いた曲のカヴァー05。どこかカントリーの匂いのするバラード曲で、美しいストリングスが魅力的です。

カーラ・ボノフの1977年の1stアルバム『Karla Bonoff』に収録されていた曲のカヴァー06。AORが好きな人ならばご存知かも知れませんね。ポップな曲調とTAN TANの声がよく似合っているナンバーですね。

シャイ・ライツのリーダー、ユージン・レコードの1978年のアルバム『TRYING TO GET TO YOU』のタイトル曲のカヴァー07。私はオリジナルは知りませんが、ヴァレリー・カーターの名盤『WILD CHILD』で、この曲を取り上げていたのは知っております。都会的でソウルフルな1曲です。ヴァレリー・カーターのカヴァーと聴き比べても面白いと思います。

デヴィッド・ウォルファートとスティーヴ・ネルソンの共作ナンバー08。しっとりと聴かせるバラード曲です。ジャイ・ウィンディングのピアノ、ルークのギターが光る1曲です。

デヴィッド・ウォルファートとデヴィッド・フォスターの共作で、ポール・アンカの1978年のアルバム『Listen To Your Heart』に収録されていた曲のカヴァー09。いかにもデヴィッド・フォスターらしい展開のバラード曲です。ポール・アンカのオリジナルを聴いたことがないので何とも言えませんが、このメロディーは女性シンガーの方が似合う気がします。

デヴィッド・ウォルファートとスティーヴ・ネルソンの共作ナンバー10。軽快なポップ・チューンなんですが、この曲でのTAN TANの歌声が特に好きなんです。とても日本人が歌っているとは思えないですね。

このアルバムの素晴らしいのはアレンジですね。これだけのミュージシャンを集めていながらも、ソロ・パートはほとんど無いに等しいくらいです。スティーヴ・ルカサーにおいてはソロは1曲も無く、オーソドックスなバッキングに徹しています。でも逆に、このアレンジがTAN TANのヴォーカルがこのアルバムの主役なんだと主張しているようにも思えるのです。今聴いても心地良く聴ける1枚ですね。

TAN TANは、本名の森野 多恵子、TAN TAN、大空 はるみと名前を替えながらも音楽活動を続けてきましたが、残念ながら現在は故人となっています。このアルバムが、CDとなって多くの人に聴いてもらえてるのを天国できっと喜んでいるでしょうね。
蝉の声も徐々に減って、代わりに秋の虫の鳴声が夜風に乗せて聞えるようになった昨今。こんなアルバムを聴きながら、夏を惜しむのも良いのではないでしょうか・・・。
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by kaz-shin | 2007-08-26 02:53 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(10) | |
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Commented by Kenny U at 2007-08-26 09:53 x
大空 はるみ さんは、松岡直也や大野雄二のアルバムでも
フューチャリングヴォーカルで歌っていますよー!

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006CXLE/
↑ 松岡直也の『Danzon』というアルバム
これは、結構、有名です。(…よね???WESINGさん)

また、大野雄二モノは、
「ルパン三世 テーマ・レボリューション’92」という
アルバムです!
Commented by まるいチーズ at 2007-08-26 11:06 x
こんにちは
出ましたTAN TANさん!お顔に似合わない(失礼)ベイビーな声が魅力です。キャリア十分の実力派ですが、私も知ったのは77年頃です、このアルバムでは06が好きですね~、彼女にぴったりだと思います。個人的にお薦めなのがこの後にリリースされた「はるみのムーンライトセレナーデ」と「VIVA」の2枚、いずれも加藤和彦さんによるプロデュースで参加メンバーも大村憲司さんをはじめkaz-shin さんなら涎が出そうな顔ぶれです(笑)20年以上前の作品ですが、サヴァンナバンドのような音楽を展開していて実に中毒になります(笑)CD化はされていないようなのでこれを機会に是非CD化してほしいですね。彼女も亡くなったんですよね、残念です。
Commented by WESING at 2007-08-26 23:37 x
僕も名前を知ったのはサディスティックス辺りじゃないかと思うけど、名前はすぐ覚えたけど、あまり歌は記憶に残っていないんですよ。
歌で覚えているのはプリズムの「LOVE ME」ですね。
ただ、Tan Tanさんが歌っていると知ったのはずっと後でしたが。

このアルバムは当時レコード店で見つけてレコードを買いましたが、はっきり言って好みとは言えないので、今回のCDは買ってません。
僕は英語の歌はどうもね。(^_^ゞ

それから、Kenny Uさんが書いている「DANZON」ですね。
たしか、このWESINGに参加していた時代に大空はるみ名義でソロ・アルバムをリリースしたんですけど、松岡さんが参加していなかったのが残念でした。
加藤和彦さんのヨーロピアンな感じはあまり好きじゃないんですよ。
少しラテン系が入った「VIVA」の方がちょっと好きです。
Commented by kaz-shin at 2007-08-27 00:13
Kenny Uさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
松岡 直也さんとの共演は知ってましたが、ルパンの歌を歌っていたのは
知りませんでした。
情報ありがとうございます。
Commented by kaz-shin at 2007-08-27 00:17
まるいチーズさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
このCD化で初めてTAN TANさんのソロ・アルバムを聴いた私には、
加藤さんプロデュースのアルバムを聴かれていたといのは、実に羨ましい!(笑)
ぜひともCD化して欲しいですね。

>サヴァンナバンドのような音楽を展開していて~
それだけで、何となく想像出来ます。尚更聴いてみたいですね。
Commented by kaz-shin at 2007-08-27 00:30
WESINGさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
サディスティックのアルバムでは、あまり目立ってませんでしたから、
印象が薄いというのは私も同じでした(笑)
やはり高中さんのアルバムの方が印象が強かったですね。

発売当時は洋楽カヴァーだったので購入しなかったんですが、今回聴くことが
出来ただけでも嬉しかったです。

やはりWESINGさんも大空 はるみ名義の2枚のアルバムを聴いていたんですね。
何とも羨ましい限りです(笑)
私はそんなアルバムがリリースされていたことさえ知りませんでした・・・。
Commented by どすこい at 2007-09-28 08:48 x
高中さんの音楽が好きで今でもCDを買って聞いておりますが、TANTANさんの声が気に入って、netという便利なものが出てから調べているのですが、亡くなられているのを知って驚いています。プロフィールとか、どういう経路をたどってプロになったのか、何故 いつ亡くなられたのかとか知りたいのですが、ご存知ないでしょうか?
Commented by kaz-shin at 2007-09-29 12:51
どすこいさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
実はこの記事を書くにあたり、かなりTANTANさんについて調べたのですが、
詳しいことは結局分かりませんでした。
ただ、亡くなる前は歌の先生と活躍されていたようで、TANTANさんの教え子だった方の
ブログをいつだったか覗かせてもらいました。
とても良い先生だったらしく、亡くなったことを嘆いていらっしゃいました。
折角コメントを頂いたのですが、お役に立てずに申し訳ありませんでした。
Commented by DNA at 2011-07-20 00:25 x
「はるみのムーンライトセレナーデ」「VIVA」は是非CD化してほしいです。
ポリドールのロンドンっていうのが再発しづらいレーベルなのではないかと・・・。
加藤和彦、大村憲司、清水信之、細野晴臣などここまで豪華で何故復刻されないのかと思います。
「はるみの~」のLPはピクチャーレコードになってるんですが、
飾り物にもなりそうな夜空の絵が綺麗なんですよね。
ピクチャーCDで復刻になってもこの美麗さはレコードじゃないと表せないのが残念ですけど・・・。
Commented by kaz-shin at 2011-07-20 22:52
DNAさん、コメントありがとうございます。
CD化して欲しいアルバムはまだまだありますよね。
CDが売れない時代ですから、これからはもっと再発やCD化は難しくなってくるかも知れません。
大空さんの他のアルバムのCD化をして欲しいですが、このアルバムがCD化されただけでも奇跡だと思って喜んでおります。
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