Music Avenue
musicave.exblog.jp
Top
吉田 政美_MY TUNE MY TURN ◇ 2007年 09月 25日
e0081370_21415299.jpg 

今回紹介するのは、つい最近購入したばかりのアルバムで、名前は随分昔から知っていながらもノーマークだったアーティストのアルバムです。そのアルバムとは、元グレープのメンバーだった吉田 政美(グレープ時代は吉田 正美名義だった)が1980年にリリースした唯一のソロ・アルバム『MY TUNE MY TURN』です。

グレープと言えば、さだ まさしと吉田 正美によるフォーク・デュオとしてお馴染みで1970年代の前半に「精霊流し」や「無縁坂」がヒットしたことでお馴染みだとは思いますが、逆にこれらのヒット曲が私がグレープに対して興味を持てなかった要因でもあったのです。
今回発売された『MY TUNE MY TURN』のライナーに吉田 政美のインタビュー記事が載っており、そもそも楽器演奏を中心とした音楽をグレープは目指していたらしいですね。さだのヴァイオリンと吉田のフル・アコのジャズ・ギターでクロスオーヴァー指向の音楽を目指していたとは、一連からのヒット曲からは想像つかなかったでし、どうしても「精霊流し」の印象が強かったのでグレープ解散後に吉田 政美としてアルバムをリリースしたのは知っていましたが、全く興味が湧かなかったというのが本音です。

そんな本作に興味を持ったのは、金澤 寿和監修の和モノのガイド本「Light Mellow 和モノ669」に紹介されていたからです。機会があれば聴いてみたいと思っていましたが、この9月に同じく金澤 寿和の埋もれた名盤を発掘する「Light Mellow Choice」シリーズとして、吉田 政美&茶坊主の『TREE OF LIFE』とこの『MY TUNE MY TURN』がCD化され、取り合えずバックのミュージシャンも豪華なソロ名義のアルバムである『MY TUNE MY TURN』を購入してみました。
結論から言いますと、グレープの印象とは全く違うCITY POPなサウンドが詰ったアルバムで、私好みのものでした。
ちなみに参加ミュージシャンは、岡沢 章(b)、高水 健司(b)、後藤 次利(b)、渋井 博(key)、矢野 顕子(key)、林 立夫(ds)、村上 秀一(ds)、斉藤 ノブ(per)、浜口 茂外也(per)といった面々です。全ての作・編曲は吉田 政美自身。

『吉田 政美 / MY TUNE MY TURN』
01. YOU'RE IN THE SKY WITH SODA
02. EYESHADOWはいらない
03. SMOKE RINGS
04. 不思議な出会い
05. 夏の記憶に (SAILING FOR TWO)
06. 夢の錨をまきあげて
07. 時間まかせ
08. ILLUSION
09. MIDSUMMER NIGHT DATE
10. オレンジ・シティの朝

サマー・リゾート・ミュージックといった趣のある軽快なポップ・ナンバー01。決して上手いとは言い難いヴォーカルですが、不思議と心地良さを運んできます。グレープ時代のアコースティック・ギターを弾いていた頃には想像出来ない、吉田のギター・カッティングもなかなかです。

爽やかなアコースティックなサウンドに包まれたポップな02。どちらかと言えばフォーキーな感じですね。全体的に軽めのサウンドの中において、後藤 次利のベースは存在感があります。吉田のギター・ソロも聴き所です。

ボッサ調の03。お洒落で雰囲気のあるナンバーです。どことなくけだるい感じが心地良く、夏の昼下がりに似合うようなナンバーです。

ブラジリアン・テイストの渋いミディアム・ナンバー04。リフの使い方が印象的で、リズム・アレンジが素晴らしいナンバーです。どことなくマイケル・フランクスを彷彿させるAORなナンバー。

海岸線をドライブしながら聴きたいようなサマー・リゾート感溢れるポップ・ナンバー05。吉田 政美のヴォーカルの心地良さはピッチの正確さにあるようです。不思議な魅力を持ったヴォーカル・スタイルですね。

まさにLight & Mellowといった言葉がぴったりな06。音数を極力抑えたようなアレンジが素晴らしく、メロディーとよくマッチしています。メロディー・メイカーとしての才能の豊かさを感じますね。吉田の泣きのギター・ソロも素晴らしいナンバーです。

寺尾 聰の世界観に通じるCITY POPナンバー07。林 立夫と岡沢 章のリズム隊と吉田のギター・カッティングが絶妙で、そこにメロウなサックス・ソロが絡んでくるアレンジが秀逸です。かなり格好良い曲ですね。

波の音のSEで始まる08。ブラジリアン・テイストたっぷり詰ったメロウ・ナンバー。心地良い海風を受けて昼寝をする、まさにシエスタにぴったりな1曲。渋井 博のローズ、吉田のアコースティック・ギターのプレイが実に心地良い風を運んできます。

車の行き交う雑踏やエレベーターのSEで始まる09。菊池 まみのヴォーカルとコーラスをフィーチャーしたJAZZYなナンバー。

サンバのリズムが心地良いCITY POPナンバー10。村上 秀一のドラミングと矢野 顕子のローズのプレイが軽快で印象に残ります。まるでカリオカのサウンドのように、フルートを巧みに使ったブラジリアン・テイストの1曲です。

私のように、「吉田 政美(正美)って、グレープの地味だった方のひとでしょ?」という印象しか持っていない人が聴いたら、さぞ驚くだろうなと思う1枚です。逆にこれだけの作曲、アレンジのセンスを持った人が何故グレープに参加したのかが不思議な位です。
とにかくメロディーも耳に馴染みやすく、アレンジも派手さは無いもののよく練られていて、メロディーを際立たせています。完全にCITY POPあるいはJ-AORの範疇と言える素晴らしいアルバムですね。
夏にぴったりな感じなので、これからの季節に聴くのはちと辛いかも知れませんが、来年の夏に向けてストックしておくのも良いかも知れませんよ。
正直、こんなに良いアルバムだとは思っていませんでした。興味のある方は聴いてみて下さい。聴けば聴くほどに魅力に嵌っていく、そんなアルバムですね。
[PR]
by kaz-shin | 2007-09-25 00:01 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(4) | |
トラックバックURL : https://musicave.exblog.jp/tb/6516319
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by たにぴ@もまゆきゅ at 2007-09-25 09:57 x
ふふ、Kaz-shinさん、金澤さんのblogチェックしてますね〜。
ぼくのコメント、観てくれました?
Commented by kaz-shin at 2007-09-26 00:25
たにぴさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
金澤さんのブログはいつもチェックしてますよ。
当然、茶坊主の記事のたにぴさんのコメントも拝見しました。
あんなメジャーなブログにもコメントするんだなと、ちょっと驚きましたが・・・(笑)
Commented by にきゅ at 2010-03-16 01:58 x
LP、多分部屋のどこかにあるはずです。
♪長い夜が過ぎた後 あなたのぬくもりだけ 私に残った♪
高校生だった私は、どきどきしながら聞いたもんです。
なつかしいです。
そう、ビートルズのLucy in the Sky with Diamondsを知ったのは、このLPを聴いてからずいぶんたった後でした。

ところで、ネームカードはSCREENのCANVASのジャケットですか?
Commented by kaz-shin at 2010-03-17 00:19
にきゅさん、はじめまして(ですよね?)。コメントありがとうございます。
当時クレープが苦手だったので、このアルバムも完全にノー・マークでした(笑)
音楽を楽しむ場合、いかに先入観とかイメージを払拭できるかでその楽しみ方の広がり方は全く違いますね。
こういう昔の傑作アルバムをCD化、再発してくれるのは本当に嬉しいことだと思ってます。

ネームカードの写真は、ネットで探したフリー素材の写真です。
こんな所で音楽を聴きながらゆったりと過ごしたいという願望です(笑)
<< Light Mellow &q... ページトップ YUTAKA (横倉 裕)_L... >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Ice Green Skin by Sun&Moon