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山本 潤子_JUNKO YAMAMOTO ◇ 2007年 09月 28日
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今回紹介するのは、1970年に"赤い鳥"でデビュー。赤い鳥解散後の1974年には"Hi-Fi SET"を結成し、1994年迄の20年間にHi-Fi SETとして、通算でシングルを26枚、アルバムを19枚リリースしてきた山本 潤子の1stソロ・アルバム『JUNKO YAMAMOTO』(1994年)です。

Hi-Fi SET時代は、一貫してお洒落なCITY POPを聴かせてくれていた彼女ですが、元々はフォーク系のシンガーですから、ソロ・アルバムは一体どういう感じなんだろうなと不安と期待が入り混じった状態でした。CITY POP好きな私としては、Hi-Fi SET系のお洒落なサウンドを期待した訳です。L.A.録音で参加しているミュージシャンもRuss Kunkel(ds)、Bob Glaub(b)、Waddy Wachtel(g)、Tim Pierce(g)、Craig Doerge(key)、C.J.Vanston(key)、Michael Fisher(per)という顔触れですから、演奏は悪くは無いはずですから・・・(笑)
アレンジとプロデュースを手掛けているのは、瀬尾 一三。全11曲の全ての詩を小泉 亮が、全11曲中9曲を山本 潤子が書いています。

『山本 潤子 / JUNKO YAMAMOTO』
01. 鍵があわない
02. Cool
03. 膝まで5センチ
04. Room #406
05. ヒヤシンス
06. ねぎの花
07. True Friend
08. セント・マーチンの夏
09. Woman
10. Tokyo Moon
11. ベジタリアンのライオン

Russ Kunkelのタイトなドラミングに、Waddy Wachtelのアコースティック・ギターが印象的なミディアム・ナンバー01。サウンドはアコースティックですが、なかなかの都会的な匂いのする1曲です。Tim Pierceのギター・ソロが曲を引き締めてくれています。

真夜中の静けさを上手く音で表現している瀬尾 一三のアレンジが見事な02。山本 潤子の真骨頂発揮といった感じのヴォーカルを聴かせてくれるナンバーです。Waddy Wachtelがエレキに持ち替え渋いプレーを披露してくれますし、Brandon Fieldsがエモーショナルなアルト・サックス・ソロも見事な1曲です。

夏の太陽の輝きを感じるような躍動感溢れるRuss Kunkelのドラミングが楽しい03。眩しい程ほどの太陽光なのに涼しげな印象があるのは、やはり山本 潤子の声のおかげでしょうね。Tim Pierceのスライド・ギターとギター・カッティングに注目して欲しい1曲です。

瀬尾 一三の作曲によるナンバー04。AORな雰囲気の洒落たナンバーです。アコースティックなサウンドをメインに、Tim PierceのJAZZYなギター・ソロとCraig Doergeのローズのプレイが印象的です。

爽やかなニューミュージックといった感じの05。アレンジもオーソドックスで、少し物足りなさを感じてしまう、そんな1曲です。決して悪い曲では無いのですが、地味な印象が強いですね。

タイトルとは裏腹に、ウエスト・コースト・ロック風なサウンドが軽快な06。アルバム中唯一、Waddy WachtelとTim Pierceが二人ともエレキを弾いてるナンバーです。ドライビング・ミュージックとして最適なナンバーですね。Hi-Fi SET時代には聴けなかったタイプの曲かも知れません。

しっとりしたバラード曲07。コーラス隊が素晴らしいのですが、バンド・サウンドだけでなくストリングスを加えた方がより良かったと思います。シンセのオーケストレーションではちと物足りない感じがします。ライブのラストに歌われるような1曲ですね。

穏やかな気持ちにさせてくれるミディアム・バラード曲08。1度聴いただけでは印象に残るような曲では無いのですが、何故か山本 潤子らしさを感じる1曲です。聴けば聴くほど味わい深くなってくる曲でしょうね。

南部の泥臭さを感じる渋いナンバー09。ゴスペル調のコーラスにハモンド・オルガンB-3の音色がメロディーにマッチしていますし、Bob Glaubのベース・プレイとTim Pierceのギター・ソロがとにかく格好良い1曲。

瀬尾 一三の作曲による10は、L.A.録音でありながら東京風なサウンドのアーバンなスロー・ナンバーです。瀬尾 一三のアレンジが絶妙で、確かに東京の夜空に霞む三日月を連想させます。Tim Pierceのガット・ギターの哀愁の漂うソロが素晴らしいですよ。

イントロを聴いた時、リンダ・ロンシュタットの声が聴こえてくるのではないかと思った、これもウエスト・コースト・ロック調のナンバー11。ロック色の強いサウンドにも負けない山本 潤子のヴォーカルの存在感が素晴らしいと思います。新境地といった意味合いの強い曲かも知れません。

正直なところ、このアルバムを聴く前はフォークっぽいサウンドを予想していたんですが、大きく覆されました。確かにアコースティックなサウンドを軸にしていますが、それはウエスト・コースト・サウンドの響きなんですね。もちろんミュージシャンの卓越したテクニックのおかげでしょうが、日本の湿気の多い気候では絶対に出ない乾いた音の影響も大きいだろうと思いますね。
メロディーもHi-Fi SET時代よりもずっと良くなっていると感じます。
このアルバムは、"赤い鳥"時代のフォークでもない、"Hi-Fi SET"時代のCITY POPでもない。
山本 潤子はAOR!・・・と言っても大袈裟ではないアルバムに仕上がっていると思います。
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by kaz-shin | 2007-09-28 00:01 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(12) | |
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Commented by momayucue at 2007-09-29 01:45
たにぴです。どうも。
これ、持ってます。
ラス・カンケル、スカーンとくるドラム、いいですねー。
Commented by kaz-shin at 2007-09-29 13:09
たにぴさん、毎度です。コメントありがとうございます。
このアルバムでのラス・カンケルのドラミングは良いですね。
音も良いですし、L.A.録音を実感出来るアルバムだと思います。
Commented by hisa at 2007-09-30 11:40 x
山本潤子はいい声だし歌もうまいしいいですよね。でも、個人的には何か特別にくるものが無くてもってません。これは探して聞いてみます。
山本潤子=フォーク系はちょっと違うかなと思います。赤い鳥は、フォーク系の後藤夫妻(紙ふうせん)とアメリカンポップス系の山本夫妻(ハイファイセット)に分裂したので、山本夫妻はポップス系の下地はあったと思います。
Commented by kaz-shin at 2007-09-30 14:23
hisaさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
hisaさんのご指摘の通り、山本潤子さん=フォーク系というのは私個人の思い込みに過ぎません。
ご存知のようにHi-Fi SETではポップス系でしたが、ソロになってどうなるのか?という
一抹に不安があったんですよ。
原点の戻ってフォーク系の音楽かも知れないという・・・。
でも、このアルバムは全然違いました。良いアルバムですから、聴いてみて下さい。
Commented by Sken at 2007-10-07 21:58 x
こんにちは。
ご多分に漏れず、本作も次作もその次も持っております。
LA録音というのも購入動機でも有りましたけども。
でも、彼女ホントにうまい人です。
村上ポンタさんが数少ない認める女性シンガーだそうですね。
Commented by kaz-shin at 2007-10-08 02:54
Skenさん、コメントありがとうございます。
本当に上手いですし、それに声も良いですね。
あらゆるジャンルに対応出来る表現力を持っていると思います。
どんな曲、アルバムを聴いても山本さんの歌で「無理やり」というのを感じたことがありません。
本当に自然体の歌だからこそ、胸に響くんでしょうね。
Commented by halfskits at 2007-11-24 00:07
こんばんは!お久しぶりです。
女性ヴォーカル&歌謡曲フィールドという事でこちらでお聞きしまーす。
今までに沢田知可子のアルバム紹介はされた事あるのですかー??
どこかに記事があるのだったら、何処にあるか教えて下さーい。

我が家の芸術鑑賞として
24日土曜日に沢田知可子のコンサートに行くので・・・
Commented by kaz-shin at 2007-11-24 02:01
Kenny Uさん、こんばんは。ご無沙汰してました。
お元気そうで何よりです!
そう言えば、沢田さんの記事は書いた憶えがありませんね~。
アルバムは何枚か持っているんですけれど・・・。
機会があったら記事を書きますね、ってそれでは遅いですね(笑)
Commented by Kenny U at 2007-11-24 11:45 x
もっちろーん、今からでも良いですよー!
前に、ご連絡させていただいた
渡辺 直樹 & 松下 誠 etc も含めて、記事リクエストさせてくださーい!
Commented by kaz-shin at 2007-11-25 00:10
Kenny Uさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
色々リクエストありがとうございます(笑)
沢田さんの音楽は10年以上聴いてないので、さすがに今日の記事として書けませんでした~。
すみません(笑)
他のリクエストにはお応え出来るように頑張りますので!
Commented by Kenny U at 2007-11-26 00:17 x
リクエストは、いつでも結構ですよー!
私のブログで記事を書きましたので、
kaz-shinさんのブログで取り上げられた際には
またTBしてくださいね!
Commented by kaz-shin at 2007-11-28 23:21
Kenny Uさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなってしまいました。ごめんなさい。
記事を拝見しました。シンプルな構成ながら、なかなか良いライブだったようですね。
記事を書いた折には、TBさせていただきますね。
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