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児島 未散_KEY OF DREAMS ◇ 2007年 09月 30日
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今回は、久しぶりにプロデューサーのカテゴリで記事を書いてみようと思います。紹介するアルバムは、児島 未散の1989年リリースの通算3枚目のアルバム『KEY OF DREAM』です。
児島 未散は、父が俳優の宝田 明、母がミス・ユニバース優勝の児島 明子という、いわゆるお嬢様アーティストとでも言いましょうか、恵まれた環境、遺伝子を持っている訳ですね(笑)
そんな彼女が、アイドル寄りのポップス系歌手として1985年にフォーライフ・レコードよりデビュー。同年1stアルバム『BEST FRIEND』をリリースします。翌1986年には2ndアルバム『MICHILLE』をリリースします。しかし、親の七光りも通用しなかったのか、ヒットには恵まれなかったようですね。レコード会社を移籍し、1989年に再デビューという形でリリースされたのが、林 哲司のプロデュースによる『KEY OF DREAMS』です。

児島 未散の生い立ちや名前は知っていたんですが、音楽に関してはこのアルバムを聴くまで全くノー・チェックでした。このアルバムも、BOOK OFF探索中に250円で売られており、裏ジャケットに"Produced by Tetsuji Hayashi"と書かれていたので購入したという次第です。
私の敬愛する林 哲司がプロデュースに関わっているとなれば、見過ごす訳にはいきませんから・・・(笑)
調べてみると、1stアルバム『BEST FRIEND』は全9曲がなんと松本 隆=林 哲司による作品で、アレンジは新川 博、松原 正樹が担当していたらしいのです。私だったら絶対にすぐに飛びつく布陣なのですが、どうやら当時はそれほど話題にはならなかったのかも知れませんね。実は、今このアルバムを一生懸命中古店等で探している最中なんですが、なかなか見つかりません。

今回紹介する『KEY OF DREAMS』ですが、林 哲司のプロデュースにも関わらず全10曲中で林 哲司が作曲した曲は半分の5曲のみです。残り5曲は、山川 恵津子、村田 和人、杉 真理、岸 正之、山本 達彦といったCITY POPの世界でアーティストとして活動、あるいは活動経験も持つ素晴らしい作家陣です。
林 哲司はプロデューサーとして、1stアルバムの反応が今ひとつだった事の反省も含め、練って作られたアルバムだなと感じます。プロデューサー・林 哲司のセンスの冴えを感じる1枚になっています。

『児島 未散 / KEY OF DREAMS』
01. key of dreams / 作詞:吉元 由美 / 作曲:林 哲司 / 編曲:山川 恵津子
02. なまいきCing / 作詞:吉元 由美 / 作・編曲:山川 恵津子
03. 悲しくなんて / 作詞:吉元 由美 / 作曲:林 哲司 / 編曲:山川 恵津子
04. Good-bye summer breeze / 作詞:竜 真知子 / 作曲:林 哲司 / 編曲:松原 正樹
05. 学園のDIARY / 作詞:児島 未散 / 作曲:村田 和人 / 編曲:松原 正樹
06. Sweetest joker / 作詞:吉元 由美 / 作曲:杉 真理 / 編曲:松原 正樹
07. October coast / 作詞:吉元 由美 / 作・編曲:林 哲司
08. 人の岸辺 / 作詞:吉元 由美 / 作・編曲:林 哲司
09. セピアMy true love / 作詞:児島 未散 / 作曲:岸 正之 / 編曲:松原 正樹
10. 月影のサブリナ / 作詞:吉元 由美 / 作曲:山本 達彦 / 編曲:松原 正樹

タイプライターを打つ音のSEとイントロが上手く絡んで始まるCITY POPなナンバー01。洋楽のエッセンスたっぷりのメロディー・ラインと山川 恵津子の洒落たアレンジがよくマッチした好ナンバーです。

打ち込みのリズムながらも軽快なポップ・チューン02。児島 未散のファニー・ヴォイスに似合ったナンバーですね。シンセを巧みに使ったアレンジが面白い1曲です。

アイドル系歌手に歌わせても似合いそうなキャッチーなメロディーとポップ感覚が印象的な03。サビのメロディーがいかにも林 哲司らしい曲です。山川 恵津子の打ち込みを巧みに使ったアレンジも見事です。

竹内 まりやの1stアルバム『Beginning』(1978年)に収録されていた曲のカヴァー04。このアルバムのリリース当時、成城学園に在学中だった児島 未散とデビュー当時の竹内 まりやが、キャンパスにフィットするポップスという事で林 哲司の中でイメージがオーヴァー・ラップしたのかも知れませんね。名曲ですね。

キャンパス・ポップスのど真ん中といった感じの05。村田 和人らしい明るいポップなメロディーを持った1曲です。同じキャンパス・ポップスでもデビュー当時の竹内 まりやに比べると、若干子供っぽいところがインパクトの弱さに繋がってしまっているのが残念な気がします。

日本を代表するポップス・メイカー、杉 真理が書いた底抜けに明るいポップ・チューン06。安心して聴けるナンバーですね(笑)

今の時期にピッタリなナンバー07。どことな杉山 清貴の世界にも通じるような爽やかなナンバーです。当たり前なのかも知れませんが、林 哲司の書いたメロディーに1番似合うアレンジは、やはり林 哲司自身のアレンジなんだなと感じた1曲でした。

林 哲司の本領発揮という感じのしっとりとしたバラード曲08。素晴らしいバラードなんですが、児島 未散が歌うには少々荷が重い難しい曲かも知れません。しかし、なかなか頑張って歌っていますね。良い曲です。

現在は作曲家と活躍していますが、1982年頃はアーティストとして活躍しており、密かに当時のアルバムをCD化して欲しいと願っている岸 正之が作曲したキャッチーなポップ・ナンバー09。松原 正樹のアレンジとギターが爽やかで心地良いです。

アルバム中で異色と言えばこの10でしょう。山本 達彦らしい渋いセンスが光るJAZZYなナンバーです。松原 正樹のアレンジも素晴らしく、ピアノと松原 正樹のJAZZYなギター・プレイが光っています。アダルト・ポップスという印象の1曲ですね。

さすがに林 哲司のプロデュースだけあって、バラエティに富んだ楽曲を揃えていながらもよくまとまっているアルバムだと思います。曲もアレンジも良いと思うのですが、ネックは児島 未散のヴォーカルという気がします。これだけバラエティに富んだ曲を上手く歌いこなしていると思いますし、声も悪くない・・・。
しかし、インパクトがないんですね。これは技巧的な部分よりもむしろキャラクターの弱さだったり、表現力の乏しさなのかも知れません。あるいは存在感そのものかも知れませんね。
林 哲司フリークであれば聴いておいて損の無いアルバムですし、CITY POP好きな人にも結構気に入ってもらえるアルバムだと思います。BOOK OFFなら250円程度で買えると思いますので、興味のある方は聴いてみて下さい。
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by kaz-shin | 2007-09-30 13:09 | PRODUCER | Trackback | Comments(8) | |
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Commented by WESING at 2007-09-30 17:42 x
ふ~ん、宝田明さんのお嬢さんなんですね。
そして、アルバムには林哲司さんが関係しているんですね。
そういうのは知らなくて、名前の漢字がちょっと良いなぁと思っていたので、もし、ブックオフに250円であれば買っているはずなんですけど、見たことがありません。
児島さんの歌は'86年のひなまつりコンサートに出演したのがFMで放送されて1曲だけ聞きました。
その後'86年12月の「MUSIC WAVE'86」で2曲聞きましたが、このときは児島未知留という名前でした。
売れなかったので漢字を変えたのかもしれませんね。
でも、また元に戻して再デビューしたということですね。

僕はFMで放送されたのを聞いたけど、もしかしてTV放送されているかもしれません。
Commented by hisa at 2007-09-30 22:32 x
そうなんですね。名前は知ってましたが全くのーマークでした。
私も探してみます。
Commented by momayucue at 2007-10-01 00:06
毎度です、たにぴです。
小堺一機さんのコンサートに行ったら、ゲストで、
まだアルバムデビュー前の、児島さんが出演したのを観ました。
30分くらい、独りで、誰も自分を知らない状況で、MCを交えて、
実にしっかり勤めてました。
そりゃ大変だと想う。小堺さんと、飛び入りで関根勉と、児島さん…。
みんな笑いたくてしょうがないのに、知らない女の子が出るんだもんね。
Commented by kaz-shin at 2007-10-01 00:55
WESINGさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
調べてみると、1986年の2ndアルバム・リリースの時は未知瑠名義だったみたいですね。
BOOK OFFで見かけるのは、VAPへの移籍後のアルバムが多いですね。
1stアルバムを聴いてみたくて探していますが、こちらはなかなか見つかりませんね。
Commented by kaz-shin at 2007-10-01 01:00
hisaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
今まで中古店で何回か見かけたものの、手に取らずにいたんで気付かなかったのもあり、
完全ノー・マークという感じでした。たまたま手に取って裏ジャケを見てみると林 哲司の名前が・・・(笑)
彼女がデビューした当時、何故彼女の音楽を1度も耳にしたことがなかったのが不思議なんですよね。
今のような情報が沢山ある時代だったら、デビューから注目していたと思います。
Commented by kaz-shin at 2007-10-01 01:03
たにぴさん、毎度です。いつもコメントありがとうございます。
たにぴさんのコメントを読んで、売れる、売れないというのは本人の才能や努力はもちろんですが、
やはり運とか時期とか色んな要素が、うまく噛み合わないと駄目なんでしょうね。
それと言葉では説明が難しい、人を惹き付ける魅力みたいなものも必要なんでしょうね。
Commented by kotaro at 2007-10-02 10:47 x
“七光り”というより、お嬢様ブームいや女子大生ブームというのがありました。83,4年頃。
彼女の場合、共学の、私大、4年制、で体育会系でないという軟弱なモチーフがポンとあったと思います。
僕の生活圏もそれに近かったし、どちらかというとラグビー人気などに背を向けていました。

デビュー盤、友人が持って来て「これいいよ」というので、試聴、すぐに気に入りました。
あまり売れなかったことは、こういうセグメントだから、誰もが聴くものでないと思います。
デビュー盤に「週末のイエスタデイ」という歌があるのですが、これは用賀に当時あったやや高級な外食レストランのことを歌ってるのかなあ、とひとりごちていました。
関西の人は殆ど知らないし、1軒だけ芦屋と西宮の間の夙川にあったことももう誰も憶えていません。
『金魂巻』で茶化す前の、ほんの一瞬存在した清潔で育ちの良いお嬢さん。そんな感じでしたね、彼女は。
そういう存在を音楽に翻訳したのが、林哲司や松本隆だと思っています。

Commented by kaz-shin at 2007-10-03 00:43
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
確かに80年代半ばに女子大生ブームがありましたね。
ブームに乗っかって、女子大生が幅を利かせていたとも言える時代・・・。
ユーミンがあそこまで人気があったのも、ある意味彼女達のおかげだったのでしょうね。

デビュー盤を聴いてみたくて、結構探していますがなかなか見つかりません。
kotaroさんも相当幅広く聴かれていたんですね。
児島さんのデビュー当時は全くのノー・マーク・・・。もっとアンテナを広げておくべきだったと後悔しています(笑)
松本=林コンビというのは興味深いですし、とても魅力的です。
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