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the RATS & STAR_SOUL VACATION ◇ 2007年 10月 11日
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今回紹介するのは、1980年に「ランナウェイ」で衝撃デビューを果たしたシャネルズが、1983年に"ラッツ&スター"と改名しての第一弾アルバム『SOUL VACATION』(1983年)です。
アルバム・タイトルで察しがつくと思いますが、プロデューサーはそう大瀧 詠一です。しかもジャケットのアート・ワークをアンディ・ウォーホールが手掛けているという贅沢な1枚。
大瀧 詠一がプロデュースといっても、大瀧 詠一色はそれほど強くはありません。ナイアガラ風サウンドを彷彿させる曲もありますが、主役のラッツ&スターの個性を上手く引き出したプロデュース・ワークです。

シャネルズ時代に比べ、鈴木 雅之のヴォーカルがかなり成長しているように感じます。この辺りは大瀧 詠一のヴォーカル・ディレクションのおかげなのかも知れませんね。楽曲も大瀧 詠一が提供しているのは2曲のみ、11曲中7曲を鈴木 雅之、2曲をラッツ&スターの育ての親とも言える井上 大輔が作曲しています。アレンジは村松 邦男が6曲、井上 大輔が2曲、井上 鑑、大瀧 詠一、鈴木 雅之が書く1曲手掛けています。
キャッチーな曲が多く、ラッツ&スターらしいどこか素人っぽいコーラスも微笑ましいですね。仲間とのワイワイと騒ぎながらのドライブのBGMなんかにピッタリの楽しいアルバムです。

『the RATS & STAR / SOUL VACATION』
01. We are RATS & STAR
02. 楽しき街角
03. 今夜はフィジカル
04. 裏切りの都会 (Back Stabber Down Town)
05. One Dream Night
06. 星空のサーカス
07. Tシャツに口紅
08. 真夜中のダイヤモンド
09. 女って・・・
10. 月へはせる想い (Warping the Moon)
11. Miss You

ドゥー・ワップ・スタイルのアカペラ・ナンバー01。プロローグといった感じの1分強の短いナンバーです。

R&B色の強いポップなナンバー02。軽快なテンポとホーン・セクションが噛み合って楽しい曲に仕上がっています。村松 邦男のアレンジ・センスが光る1曲です。

ラッツ&スターの個性を上手く引き出している03は、井上 大輔の作・編曲です。数多い作品を手掛けているだけあって、本当にラッツ&スターらしい曲に仕上がっていますね。

ギター・リフが印象的な04。村松 邦男の洒落たアレンジのナンバーです。鈴木 雅之のソング・ライターとして成長、センスを感じます。

リード・ヴォーカルがマーチンでない05は、心地良いミディアム・ナンバーです。リード・ヴォーカルは田代まさしなんでしょうか?詳しい事は分かりませんが、決して上手いとは言えないヴォーカルながらも曲調にマッチしていて良い感じです。

笑っちゃうくらいに大瀧 詠一らしさが出ているナンバー06。まさにラッツ&スター風『A LONG VACATION』といった感じの仕上がりです。作詞:松本 隆、作曲:大瀧 詠一、編曲:宿霧 十軒(もちろん大瀧 詠一です)によるナンバーで、コーラスでしっかりと大瀧 詠一の声が確認できます。この曲のエンディング部分に口笛が入っているのですが、くしゃみバージョンを含め数種あるとか・・・。本当なんでしょうか。

ヒット・シングル曲07。作詞:松本 隆、作曲:大瀧 詠一による夏向きのミディアム・ナンバー。ナイアガラ・サウンドを知り尽くしている井上 鑑のアレンジが印象的です。

井上 大輔作・編曲による08。都会的で洒落たメロディーとアレンジが素晴らしい1曲。鈴木 雅之の作曲のナンバーもキャッチーで良いのですが、こういうナンバーを聴くとやはりプロだなと改めて感じますね。個人的に大好きな曲です。

ビートを効かせたノリの良いナンバー09。マーチンとデュエットしているのは、つのだ☆ひろですね。二人のソウルフルな歌声に加え、EVEのコーラスも加わり黒っぽさが増しています。EVEのコーラスもまさにプロの仕事って感じですね(笑)

R&B色を強く打ち出した10。メロディー自体は若干野暮ったい感じもしますが(鈴木 雅之作曲)、村松 邦男のアレンジが野暮ったさを見事に消していますね。

しっとりと聴かせるハチロク・バラード11。テンポのある曲よりも、バラード曲の方がマーチンの声がより映える感じがしますね。デビュー当時とは雲泥の差で上手くなってます。

個人的にはもっと大瀧 詠一の色が強くものが聴きたかった気もするのですが、そうなるとラッツ&スターの個性が消されてしまう恐れもあるので、この程度が丁度良かったのかも知れません。
ラッツ&スターというグループは、割と好き嫌いがはっきり別れるタイプのグループかも知れませんね。実は私もそれほど好きなグループではありません。おそらくシングル曲のイメージが先行してしまっていたのでしょうね。シャネルズ時代を含め、アルバムを聴いたのはこの『SOUL VACATION』が初めてでしたが、結構楽しめたと言うかアルバムの方が好みの曲が多いみたいです。

最後に残念だったのは、このアルバムで7曲の詞を書いている田代 まさし(当時は田代 マサシ)の存在です。結構良い詞を書いているんですよね。確か絵も相当上手かったと思います。まじめにやっていれば芸術的な才能はあったと思うので、そこそこ活躍出来たと思うのですが・・・。勿体無い話です。
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by kaz-shin | 2007-10-11 00:01 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(2) | |
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Commented by 哲学者になりたい猫 at 2007-11-18 04:28 x
やっと少し書き込める余裕が出てきたの、少し遅いのですがコメントが無いのは寂しいのでご勘弁を(笑)ラッツを取り上げたのは少し意外でしたが、この盤は大瀧PD作品なので納得しました。いやラッツあまりお好きじゃないだろうなぁと思っていたもんで。なんでそう思ったのかというと林哲司(オメガトライブ)さん作品好きな人って芹澤廣明さん(初期チェッカーズ)作品嫌う人が多いからそう思ったんですけどね。自分はオメガもチェッカーズも直撃した世代というか人だったもので両方いいなぁ~と思ってたもんでネットし始めの時そういう意見を多く見かけた時大変驚いたものです。でもラッツもいい仕事を残しましたよね。また大瀧さんがちゃんと仕事してくれた時期だったのも運が良かった(笑)そしてなんて言ってもラッツを語る上で欠かせないのが井上大輔さんですよね。昨年の朝日新聞に書いていたのですが、井上さんは「ランナウェイ」で本当に自分が作りたかった洋楽みたいな邦楽が作れたと後々まで満足してたそです。本当に井上さんや田代さんと後年悲しい結果になってしまったのが返す返す残念です。
Commented by kaz-shin at 2007-11-19 22:13
哲学者になりたい猫さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなって申し訳ありませんでした。
正直言うと、シャネルズが登場した頃は色物を観るような感じが強く、音楽的に
興味を持てなかったんですが、丁度このアルバムをリリースされたのがきっかけで
色々聴くようになりました(笑)
シャネルズ、ラッツへ提供していた井上大輔さんの楽曲は、本来井上さんが
書きたかったタイプの曲なんだろうなと私も思っていました。
"洋楽みたいな邦楽"・・・、確かにそんなイメージが強いですね。
田代さんも良い詞を書いてましたし、地道に頑張っていれば良かったのにと
つくづく思います。
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