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EVE_JACK AND BETTY ◇ 2007年 11月 03日
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今回紹介するのは、1976年に"アップルズ"としてデビュー以来、スタジオ・セッションにおけるコーラス・ワークで30年以上のキャリアを持ち、常に第一線で活躍し続けて日本の音楽シーンを支えてきた沖縄出身の3姉妹、新里 玲乙奈(レオナ)、新里 久良良(クララ)、新里 利里佳(リリカ)によるEVEが1992年にリリースした『JACK AND BETTY』です。

このアルバムは、1992年に放映されたTBS系の特別企画のドラマ「ジャック・アンド・ベティ物語」のイメージ・テーマ曲「ヒーローに逢いたくて」を中心に、古き良きアメリカを象徴するかのようなオールディーズやスタンダード・ナンバーをカヴァー等全24曲が収録されています。特にドラマのサントラ盤という訳でもないようですが、昭和24年から33年に全国の8割以上の中学校で使われていたとされる英語の教科書「Jack and Betty」がモチーフとなっているのは、ジャケット写真からも明らかです。終戦後、生活が安定し始めた頃になると憧れの国となった"アメリカ"。そんな"アメリカ"へのオマージュ作品と言えるかも知れませんね。

一応EVE名義のアルバムになっていますが、収録曲24曲中2曲がオリジナル曲で"内藤 やす子"がEVEと共に歌っており、残り22曲のカヴァー・ソングをEVEが歌っています。22曲を5つのメドレー形式によって歌われているのですが、EVEの3人で歌っているものとレオナ、クララ、リリカがそれぞれソロで歌っているものがあり、3人の声や歌い方の個性の違いを感じることが出来るという点では他のアルバムよりも面白いと感じましたし、それぞれ個性の違う3人が一緒に歌うことで生れる極上のハーモニーの素晴らしさは日本を代表するコーラス・グループであると改めて感じました。

『EVE / JACK AND BETTY』
01. ヒーローに逢いたくて / 作詞:湯川 れい子、作曲:筒美 京平、編曲:萩田 光雄
メドレー① / 編曲:石黒 彰
02. In The Mood
03. Come On - A My House
04. Buttons And Bows
05. Que Sera, sera
06. Corazon De Melon
07. Tennessee Waltz
08. Mockin' Bird Hill
09. The World Is Waiting For The Sunrise
10. Mister Sandman
11. How High The Moon
メドレー② / 編曲:土屋 学、石黒 彰
12. Lipstick On Your Collar
13. Where The Boys Are
14. Breaking Up Is Hard To Do
15. Put Your Head On My Shoulder
16. Happy Birthday, Sweet Sixteen
17. One Boy
メドレー③ / 編曲:笹路 正徳
18. Lucille
19. Blue Suede Shoes
メドレー④ / 編曲:笹路 正徳
20. Earth Angel
21. Singing The Blues
メドレー⑤ / 編曲:笹路 正徳
22.Try Me
23. Smoke Gets In Your Eyes
24. 愛の鳥 / 作詞:湯川 れい子、作曲:筒美 京平、編曲:萩田 光雄

01と24はオリジナル曲で内藤 やす子との共演。メイン・ヴォーカルは内藤 やす子とクララです。筒美 京平らしいキャッチーなナンバーですが、01は歌謡曲チックなメロディーで24はしっとりとしたバラード曲になっています。正直なところ、内藤 やす子のヴォーカルは必要無かったような気もします。クララのヴォーカルが光る2曲。24の間奏での松原 正樹の美しいギター・ソロが印象的です。

02~11までのメドレーは打ち込みによる演奏が主体なんですが、若干演奏がチープな感じがして残念です。EVEとしてのコーラス・ワークが冴える02、07、09、10、11は、やはり"EVEらしさ"が全開です。それぞれのソロも堪能出来るのもこのアルバムの良い所です。

12~17までのメドレーも打ち込みによる演奏が主体です。このメドレーではオールディーズ風ナンバーが集められています。3人のソロの中では、クララのヴォーカルが一際光っているように感じます。他の二人も相当上手いのですが・・・。

18~19はロックンロール・ナンバー・メドレーです。18~23迄は、渡嘉敷 祐一(ds)、岡沢 章(b)、土方 隆行(g)、笹路 正徳(key)、淵野 茂雄、ジェイク・H・コンセプション(sax)等というメンバーが参加しています。ご機嫌な演奏とリリカとクララの歌が最高です。

20~21はJAZZYなオールディーズ・ナンバー。特に21の3人がヴォーカルの掛け合いが聴き所ですね。

22~23は美しいバラード・ナンバーのメドレーです。22における日本人離れしたリリカのヴォーカルや23における情感溢れるクララのヴォーカルは素晴らしいの一言です。ストリングスを上手く使っているのもこのメドレーの特徴です。

J-POPを聴く人ならば、おそらく意識していなくても必ずと言って良いほどEVEのコーラスは耳にしているはずです。その位彼女達はコーラスという分野において、J-POPシーンを影で支えてきました。また、それだけの実力を持っているコーラス・グループです。沖縄で生れ育ったという環境が、彼女達独特の黒人的フィーリング溢れるコーラスを育んだのかも知れませんね。そんな彼女達の素晴らしい歌を機会があればぜひ聴いて欲しいなと思います。BOOK OFF等を探せば安く入手出来ると思います。実はこのアルバムもBOOK OFFで250円で入手したアルバムでした(笑)
by kaz-shin | 2007-11-03 01:17 | Compilation / Cover | Comments(2) | |
Commented by kotaro at 2007-11-05 12:44 x
EVEの前身の名前とか、新里3姉妹の呼称がスラスラ出て来るなんて、
ご主人はスタ誕の裏番組の「全日本歌謡選手権」10週勝ち抜きの頃から記憶されているんじゃありません? いや話題が逸れてスイマセン。 私も生まれが最後の50年代なもので。

EVEの作品はラジオのライブ録音以外まとまったかたちで持っていませんが、端端に聴く仕事ぶりはプロ中のプロですね。

内藤やす子のヴォーカル、これも渋いですね。
昔、ラジオで生で「スローバラード」を歌っているのを聴いて
髪の毛に少し電気が走るような気がしました。
実際に歌っているのをナマで聴きたい歌手の一人です。
Commented by kaz-shin at 2007-11-05 21:59
kotaroさん、コメントありがとうございます。
「全日本歌謡選手権」10週勝ち抜きというのは知りませんでしたが、
アップルズ時代に「銀座NOW」だったかによく出演していたのは憶えています。
当時から歌の上手さを知っていたので、コーラスとしてこれだけ活躍しているのも
不思議では無かったですね。

内藤 やす子さんのヴォーカルは確かに渋いです。ただ、何故EVEと一緒に
歌っているのかが不思議でしたが・・・。
このアルバムはEVEのそれぞれのソロがたっぷり聴けるので結構好きなんですよ。
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