今回は本当に久しぶりに"CD化してくれ!"のカテゴリ記事を書いてみようと思います。考えてみるとCD化して欲しいアルバムということになると、それはある意味マニアックなアルバムということでもある訳で・・・(笑)
現在は作詞家として活躍している田口 俊とソング・ライターであり、音楽講師として活躍している堀口 和男の二人によって結成されたREICO。今回紹介するのは、1985年にリリースされた2ndアルバムにして最後のアルバムとなった『OFF LIMITS』です。
以前、やはり"CD化してくれ!"のカテゴリで1983年の1stアルバム『REICO』を紹介しましたが、やはり2ndもCD化して欲しいですから・・・、まぁ無理でしょうね。
彼等の作り出す音楽を、どのような言葉で表現すれば上手く伝わるのか難しいのですが、個人的なイメージで言わせてもらうならば"育ちの良さが伝わるCITY POP"とでも言いましょうか・・・、決してインパクトは強くないのですが洗練されたメロディーと、田口 俊による都会人の日常を描いた歌詞、そして二人の美しいハーモニーがREICOの特徴かも知れません。
作品は全曲の歌詞を田口 俊が書き、曲は堀口と田口が各4曲と共作2曲の全10曲が収録されています。アレンジは全曲REICO名義です。
高水 健司(b)、佐橋 佳幸(g)、島 健(p)、嶋田 陽一(p)、ペッカー(per)、Hi-Fi SET(cho)、杉 真理(cho)、麗美(voice)等が参加していますが、残念なのは当時の流行とは言えリズムは全てLINN DRUMによるチープな打ち込みサウンドが今聴くと少々辛いですね。
『REICO / OFF LIMITS』
01. 凪Noon
02. ロールシャハ・ジャングル
03. 海岸電車
04. 連弾
05. ワイパー・ソング
06. 失われたエンジェル
07. ガラスの星座標
08. 金色のAnt Lion
09. 雨のソリスト
10. ある日どこかで
田口 俊の作曲による爽やかなポップ・ナンバー01。音数の少ない演奏ながらコーラス・ワークによって、爽やかな雰囲気を作り出しています。「凪Noon」というタイトルも洒落ていますね。
堀口 和男の作曲による軽快なナンバー02。田口 俊による独特な詞の世界が広がっています。シンセの音が時代を感じさせますが、それはそれで味になっています。
田口 俊作曲による03。湘南をイメージさせる歌詞や海辺の心地良さを感じさせるメロディーとアレンジが秀逸なナンバー。ブレッド&バターが歌っても似合いそうな1曲ですね。夏のイメージの曲ですが、この季節でも天気の良い日の海辺のドライブにはピッタリでしょう。
都会的なミディアム・チューン04は堀口 和男の作品です。REICOの場合、田口の作品はリゾート感が強く、堀口の作品は都会的なイメージが強いというのも特徴かも知れません。
ワイパーの動く音をリズムとして使った演出が面白いバラード曲05。堀口 和男の作曲による美しいメロディーと優しいピアノの音色が印象的なナンバーです。
ロック色の強いアレンジが特徴の06。田口・堀口の共作によるナンバーです。AOR風な作品でギターの佐橋 佳幸が大活躍しています。こういう曲の場合は生のドラムの方がより迫力が出ると思うのですが・・・。
田口 俊の作曲による07。割とハードな音色のギター・リフが印象的で、メロディーは田口らしくキャッチーなポップ・ナンバーです。高水 健司のベースも聴き所です。
アナログB面(06以降)の特徴としてハードな演奏曲が多くなっています。08もメロディーはあくまでキャッチーなんですが、ギター・リフやソロがロック色の強いハードなサウンドになっています。AORを意識して作っているのかも知れません。堀口 和男の作品です。
ロマンティックでメロディアスなバラード曲09。田口 俊の作品。アレンジ面では生のストリングスを使わずにシンセで代用しているおり、それがこの曲の雰囲気にマッチしていて個人的には好きですね。
まるで子供のような麗美のナレーションではじまるナイアガラ・サウンド全開の10。完全にナイアガラ・サウンドを意識して作られているサウンドと、Hi-Fi SETと杉 真理がコーラス・アレンジとコーラスで参加しています。アルバムの中では異色ですが、メロディーとコーラス・ワークはREICOらしさが出ています。田口・堀口の共作です。
洒落たメロディーとコーラス・ワークのREICOですが、万人に受けて大ヒットするというタイプではありません。1985年のリリース当時にリアル・タイムで聴いていましたが、正直地味な印象でした。ところが彼等の作り出す音楽は、聴く回数が増えるにつき魅力的に思えてくるところが不思議なんですね。長く付き合える音楽とでも言いましょうか、そんな音楽なんです。
こういうタイプの音楽が今受け入れられるとは思いませんから、CD化も難しいとは思います。それでも80年代はこういう音楽さえも世に送り出してきていたんです。あの時代の懐の深さ・広さみたいなものを感じずにはいられません。こういう音楽を沢山の人に聴いてもらいたいと思えば、やはりCD化してもらうのが1番なんですけれどね・・・。
CD化って、こんなのが?というのがCD化されている反面、けっこう知名度がある、この田口・堀口デュオ、ブラウンライスをはじめとする惣領泰則関係が全く出てこないのは?ですね。版権の問題などあるのでしょうか。アナログレコード再生機器はしばらく無くならないでしょうが、盤面の状態が悪くなっているものもあるし、カッティングのばらつきと思われるビビリの出てるものもあり、だんだんつらくなってます。
REICOの記事にコメントを頂戴するなんて、ある意味驚きと感動が入り混じっています(笑)
知名度的には今ひとつの感がありますが、やはり裏方にも興味を持っていた人には
注目されていたんですね。確かに傑出した曲は無いんですが、聴くほどに魅力的に
なってくるんですよね。ぜひCDで聴いてみたいです。
もしREICOのCD化が無理なら、せめて惣領 泰則さん絡みの作品、特にTINNAの
アルバムはCD化して欲しいです。
コンピには一部の曲がCD化されているので、無理な話だとは思えないのですが・・・。
指摘してくれません。。。
こんにちは、僕も2枚とも持っています。熱心に聴いた記憶があるのは
最初の方ですね。
LINNの打ち込みドラム。そうですね(苦笑)、当時先端でも今聴くと予算がなかったみたいで(事実は逆かもしれませんが)
このユニットはユーミンと杉真理と須藤薫のコラボが機縁だと思います。
当時一回だけだったけど、82年8月に「ワンダフルムーン〜行かないで、夏休み」のイベントがあり、渋谷公会堂まで見に行った思い出があります。堀口&田口俊で1曲歌ったのではなかったかなあ(記憶違いでしたらご免なさい)
毎日の更新と膨大なCD等の所有の数々に敬服しておりました。
そしてまた今回REICO2ndの話題に思わずペンをとりました。
というか、ワタシ、2ndがあったのを知りませんでした。REICOはやはり当時、色々なところで名前を見ていた二人のソングライティングに興味を持ち、1stを買いました。
1stはMD化し、今でもたま~に聞いてますが、この手のニッチなアルバムは(こう云っては失礼ですが)やはりCD化は無理なんでしょうね。
2ndなんかも是非、聞いてみたいものです。
これからも色々紹介してください。毎日、楽しみにしております。
(ちなみにワタシもBookOffの250円コーナーが好きで、昨今CDを買うと云ったら、この手のばかりです。新譜などはさっぱりでして・・・)
そしてご指摘感謝します。いやはやお恥ずかしい限りで・・・(汗)
真っ先に訂正しときました。
私も1stの方が印象が強かったのですが、最近PCに取り込んで何回か聴いているうちに
この2ndもなかなかだなと思うようになって紹介した次第です。
打ち込みの欠点は時代によって陳腐化していくことでしょうね。
やはり人間の手によって奏でられた音楽の方が逆に色褪せないし、安心して
聴ける気がします。
1年も前から訪れれて下さっていたとのこと、本当にありがとうございます。
実は恥ずかしい話なんですが、私も1stばかり気に入って聴いてまして、
2ndアルバムを購入したのさえ忘れていたんです。
少し前にレコード棚を眺めていて2ndを見つけたんですが、中身はさっぱり憶えてませんでした(笑)
折角だからとPCに取り込んで聴いていました。当時は面白く無いと思っていたんでしょうが、
今聴くと悪くなかったのですよ。それで1stと2ndのCD化の希望の気持ちを込めて
今回記事を書きました。
今のところは毎日更新出来ていますが、手持ちにも限度がありますので
そのうち記事の更新が、2~3日に1度から4~5日に1度になり、やがて
1週間に1度になるかも知れませんが、これからもよろしくお願いします。
BOOK OFFの安棚にはまだまだお宝が眠っています。お互いに頑張って発掘していきましょうね(笑)
僕が雑誌から控えた記録では’90年に、たぶん、さだまさしさんの長崎のライブにREIKO(と書いていた)が出演しているんですが、アルバム・リリースはなくても活動はしていたのかな。
BS2で放送されたんですが、録画していません。
今でもそうだけど、コンサートに縁のない僕はFMでのライブばかりチェックしてましたが、「ワンダフルムーン・コンサート」も放送してくれれば良いのにと思っていたはずです。
ユーミンが紹介した松原正樹さんと青山純さん。
須藤薫さんがデビュー前から仲良くしてもらっていたというスクェアの安藤まさひろさんと伊東たけしさんを紹介して、杉真理さんが来年デビューすると紹介した堀口和男さん、そして、伊藤広規さんと松任谷正隆さん。
須藤薫さんが杉真理さんと歌った「RAINY DAY HELLO」は杉さんが♪君に見せたい映画があるんだよ、のパートを歌って良いムードで、元からデュエット曲みたいでした。
ボートラで村田和人さんも同じように歌ってましたが、買いましたか?(笑)
私も色んな音楽を聴く割には、ライブへ出かけるアーティストって限られてまして、
WESINGさんが書いてくれたようなライブはほとんど行ったことが無いのです。
杉さんのライブは1度行きましたが、須藤さんは観た事がありません。
それでいて、ライブ盤の音楽CDはそんなに好きではないのですよ。
やはりライブは映像と音が共存してこそ価値があると思ってますので・・・。
でも、「ワンダフルムーン・コンサート」みたいなものは音だけでも聴いてみたいです。
>ボートラで村田和人さんも同じように歌ってましたが、買いましたか?(笑)
残念ながら紙ジャケを買ったのは1st~3rdまでなんで聴けてません(笑)
情報ありがとうございました。
私もREICOの記事にコメントを頂戴したこと、本当に嬉しいです。
ありがとうございます。
こんな言い方は失礼なんですが、80年代の音楽って決して脚光を浴びていなくても
素晴らしいアーティストや作品が沢山ありました。
アーティストやスタッフが一丸となって良い音楽を作ろうという雰囲気があったと思っています。
そんなアーティストや作品を紹介したいなと常々思っています。
これからもよろしくお願いします。
「OFF LIMITS」は今聴くと少々辛いということですが、今どころか、当時から音は最悪でした。全体的にエコーを掛けすぎていて音の分離が悪く、レンジも狭い。これが意図的にノスタルジックな雰囲気を出そうとしたからなのか、予算の関係なのかわからないのですが、あまりに音が悪いので敬遠してしまったところがあります。ただ楽曲自体は良いのでリミックスかリマスター処理をして聴いてみたいところですね。もちろんCD化されないと話になりませんが^^
betronさんのご指摘の通り、エコーのかけ過ぎと音の分離の悪さは
私も感じてました。ただ、まだアナログ盤として再生している分には我慢
出来たんですが、デジタル化した音は酷かったですね。
1stと2ndではエンジニアも全く違いますし、マスタリング・エンジニアも
違っています。おそらくこの影響が大きいかも知れませんね。
マスタリングでかなり音が違ってきますからね。
でもREICOがOK出していたとしたら、狙った音かも知れませんが・・・。
可能性としては低いでしょうけど、CD化されることがあればリミックス、
リマスタリングは希望したいですね(笑)
確か、田口さんが関西(大阪)出身だったと思いますよ。
現在湘南にお住みですか!良いですね。
湘南で思い出すミュージシャンは沢山いますね。ブレバタや鳥山 雄司さん、
南 佳孝さん等・・・。風景と音楽がマッチする良い所ですね。
奥様にくれぐれもよろしくお伝え下さい。音楽は感性を豊かにするもので、
沢山聴いて実になることが多いけど、決して毒にはならないと・・・(笑)
そんな事を言ってる私も嫁に沢山のCDを何とかしろとよく言われてます。
これからもよろしくお願い致します。
音が悪かったのですね。
当時は吉野金次とか、名のあるエンジニアも多かったと思います。
カッティング技術とか、言う前にセパレーションと残響が悪いとやほり気持ちよく聴けませんものですね。
売れなかった、かからなかった、理由がそうだとしたら、ゼネラルプロデューサーの罪は重いですね。
確かに、1stと続けて聴くと音の悪さが際立ちますね。
想像ですが、通常であればREICOの二人があの音で満足していたとは
思えないんですよね。もしかしたら、ノスタルジックな雰囲気を出す為に
狙っていたのかなという気もするんです。
もし、お金がかけられなかったという単純な理由だったなら、淋しい話ですよね。
"REICO"のリマスタリング&初CD化、"OFF LIMITS"のリマスタリングCD再発、本当に希望します。ついでに田口俊氏が在籍していたローレライも!!!
"REICO"が発売された時、神戸(三宮)のどこのレコード店でもイチオシコーナーに置かれてて、店内ではヘビーローテーションで流れてた記憶があります。当時はTowerもHMVもなく、電気屋のレコードコーナーか個人店がほとんどで、アルバム1枚しかリリースしていないのに、ちゃんと"REICO"単独で分類されてました。Alfaがかなり力を入れていたのかな。
それと比べると"OFF LIMITS"は発売告知がほとんどなかった記憶があって、"REICO"ではなく"レ"のところにいつの間にか1枚増えてたっていうくらいでした。
"OFF LIMITS"はLPとCDの両方が発売されていて(確かCDは後発だったような)、両方とも購入しました。
音はみなさんがご指摘の通りですね。個人的にはLPの方が打ち込みっぽい雰囲気が少し柔らかい感じがしました。
リマスタリングすればかなり印象が変わるはず。
五十嵐浩章の"WING"、川島なお美の"SO LONG"...
まだまだCD化されていない名曲揃いのアルバムが眠ってるんですよね〜。
昨今の再発、初CD化の流れにおいてもなかなかCD化されていない名盤も多いですよね。
このREICOもそうですし、TINNAもそうですね。
当時私の周りではREICOを聴いている人は少なかったので、こんな拙い記事ながらもコメントを頂戴すると本当に嬉しいです。
私の場合、特に1stアルバムに思い入れが強いので、1stアルバムだけでもCD化して欲しいと密かに願っております。
アナログ盤をデジタル化した音源でも音自体は悪くは無いのですが、やはりノイズが気になります。
やはりCD化はぜひともお願いしたいものですね。
皆様の詳しい音楽知識には到底追いつけませんが、私も『OFF LIMITS』のリマスターCD化、そして『REICO』のCD化を強く望んでいる一人です。
確かに、当時あまり一般的ではなかったCDは、どれもエンジニアが試行錯誤しながらマスタリングしていたのが見え見えで、『OFF LIMITS』の場合、LPと比べて薄っぺらで広がりの悪い音像は、聞いてて寂しいものを感じましたし、実質このアルバムを最後に活動を中断(正確には、86年6月21日発売のオムニバスCD『サマー・ホリデイ・スペシャル12』に「海岸電車」「凪Noon」が収録されているのが、REICO名義で最後のリリースです)しているのが残念でなりません。
遅ればせながら、これからよろしくお願い致します。
ありがとうございました。
リンク先のHP拝見させて頂きました。
『サマー・ホリデイ・スペシャル12』というアルバムは、ぜひとも聴いてみたいアルバムですね。
凄い貴重な音源が詰まったアルバムだと思います。
それとやはりアナログ盤しか所有していない私としては、ぜひとも2枚のオリジナル・アルバムのCD化や再発をお願いしたいですね。
拙い文章の記事ばかりのブログですが、これからもよろしくお願いします。
また、私の拙いHPも御覧頂けて幸いです。
『サマー・ホリデイ・スペシャル12』は、二名さんを中心に当時ビクター(インビテーション)がプッシュしていたアーティストのナンバーがたくさん収録されていますし、どの曲も今となっては入手が難しい(特に、二名さん!)分、色んな方に聞いてほしいと思っています。
もしよろしかったら、リンク先(メールフォーム)から御連絡を頂けると幸いです。
では、また。
レスが遅くなってしまいました。すみません。
『サマー・ホリデイ・スペシャル12』は、REICOの音源がCD化されているだけでも垂涎モノなのに、二名さんまで収録されていますからね。
私のブログにも二名さんの名前で検索して、訪問してくれる方が多いんです。
常に検索ランキングのTOP10に入っているくらいなんです。
『サマー・ホリデイ・スペシャル12』だけでも再発してくれたら嬉しいですし、喜ぶ人も多いでしょうね。
週末にでもゆっくり連絡させて頂きますね。
当時よく聴いていた杉真理のクレジットに頻繁に登場する堀口和男に惹かれてか、はたまた作詞家として名を馳せていた田口俊目当てか。
どちらにせよ、私もCD化を強く望むオッサンであります。
「ワイパーソング」、いいなぁ。最初から最後までフロントガラスをワイパーが滑る音、今でも耳に残っています。
同じ思いをする人に出会えて、ちょっとだけ明日からの仕事の励みになりました。
ありがとうございました❗
田口さんのローレライのデビュー時から、ずっとライブに行っていました。
REICOの曲も大好きです。
亡くなった須藤薫さんの曲も田口さんは作詞していましたね。
REICOのアルバム、本当にCD化して頂きたいです。
夏に聴くと良い感じですね。
本当に懐かしいです。
ついに来ました!
ビクター〈マスターピース・コレクション〉シティポップ名作選 17タイトルのうちの一つとして、2021年6月23日に発売です。じつに36年ぶりのリリースです。
\(^o^)/
リマスターもされてお値段は税込1,980円。
生産限定盤とのことです。(VICL 65534)
お邪魔しました。
未だ実家にはこのアルバムのレコード盤が残っています。
昨夜数十年ぶりに「OFF LOMITS]を聴くことができました。
ラストナンバーの「ある日どこかで」は名曲だと思います。
分厚い伴奏と、ハイ・ファイ・セット&杉真理のコーラスが創り上げる「音壁」は本当に心地いいです。
今はこんな音楽どこにもないんですよね。