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米光 美保_FOREVER ◇ 2007年 11月 15日
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今回は久しぶりに角松 敏生のプロデュース作品を取り上げてみようと思います。紹介するのは、1990年に東京パフォーマンスドールのメンバーとしてデビューし、1994年以降ソロ活動を始めた米光 美保の1995年リリースの通算3枚目、角松のプロデュースでは2作目となる『FOREVER』です。
アイドルとしてのデビューを飾ってはいますが、シンガーとしてのポテンシャルの高さは相当なものだと思います。おそらく角松も彼女のそういう力量を認めたからこそプロデュースを引き受けたんであろうと思います。

角松のプロデュース第一弾となる1994年リリースの『FROM MY HEART』も素晴らしいアルバムなんですが、個人的にはCITY POP色が色濃く、彼女のシンガーとしての力量を量るべく取り上げられたような2曲のカヴァー曲が収録されていて、非常に充実したアルバムに仕上がっている本作が好きですね。
全10曲の収録曲のうちカヴァー曲が2曲、故・浅野 祥之の作曲が1曲、残り7曲を角松が曲を書いています。当時活動凍結中だった角松は、米光 美保の2枚のアルバムでは1曲も詞を書いていません。この辺りも他のプロデュース作品には見られない大きな特徴と言えますね。作詞は門屋 祐美が4曲、井上 秋緒が2曲、加藤 健が1曲、米光自身が1曲書いています。アレンジはもちろん全曲角松 敏生で、打ち込み中心のサウンドが展開されています。

『米光 美保 / FOREVER』
01. ナチュラル・フーズ
02. LABYRINTH
03. ILLUSION TOWN
04. It's just a moment ~weariness~
05. 眠れない夜
06. FALL IN LOVE, IT'S FOREVER
07. YA-DA
08. Feel of you (Album version)
09. 恋は流星 SHOOTING STAR OF LOVE
10. ひとりじゃないのよ

このアルバムの目玉曲のひとつ01。あまり知られていませんが、この曲は大橋 純子のカヴァー曲です。大橋 純子&美乃家セントラル・ステイションの名義で1977年にリリースされた『RAINBOW』に収録されていました。作詞・作曲は当時美乃家セントラル・ステイションのメンバーだった土屋 昌巳。オリジナルのアレンジを大切にしながらも、打ち込みによるグルーヴはオリジナルを凌駕する程の仕上がり。米光のヴォーカルも相当頑張っていて素晴らしいのですが、やはり大橋 純子には到底敵いませんね。1度オリジナルと聴き比べると面白いと思います。角松も凄い曲を用意したものだと思いましたね(笑)

いかにも角松らしいメロディーとグルーヴ感を持った02。特にアレンジに関しては、角松自身の名曲「LUCKY LADY FEEL SO GOOD」を彷彿させ、聴いていると1986年当時の角松サウンドを連想してしまいます。

勝田 一樹の熱いサックスが印象的で、スウィング感が心地良いポップ・チューン03。このアルバムの特徴のひとつとして、角松のアレンジ曲にしてはギターを全く使用していない曲が存在することでしょう。この曲もそんな1曲です。打ち込みにホーン・セクションによって構成されたサウンドです。

シングル・カットされた04。この頃の角松の曲は本当にキャッチーなメロディーのものが多く、プロデューサーとしても脂の乗っていた時期と言えるでしょう。この曲も例に漏れず、ラップを導入したりしてヒップ・ホップの要素を取り入れながらも、軽快で耳に馴染むメロディーが秀逸だと思います。ただ、コーラスは角松が加わらず、EVEを起用したらもっと良かったかも・・・。

バラード曲05。米光 美保のヴォーカルの魅力が上手く出ているのは、こういう曲なのかも知れないと思う1曲です。数原 晋のフリューゲルのソロがたまらなく切ないですね。

小林 信吾の流麗なフェンダー・ローズのソロで始まるミディアム・ナンバー06。軽めの音の打ち込みのグルーヴで、朝の爽やかさを演出しています。小林 正弘のトランペット・ソロがフィーチャーされています。

故・浅野 祥之の作曲による07は、ゆったりしたサンバ調のリズムが心地良いナンバーです。アレンジは角松と浅野の二人の手によるもの。浅野 祥之らしい玄人好みのギター・プレイが素晴らしく、つくづく素晴らしいギタリストを失ったものだと思います。

シングル・カットされたバラード曲08。角松の他アーティストへ提供したバラード曲の中でもかなり好きな曲で、演奏もこの曲だけは村上 秀一(ds)、青木 智仁(b)、浅野 祥之(g)、小林 信吾(key)にストリングスを加え、生音を大事にしたナンバーです。やはり米光のヴォーカルの魅力はバラードかも知れません。

ご存知、吉田 美奈子の名曲のカヴァー09。1977年の名盤『TWILIGHT ZONE』に収録されていました。今聴くと多少年代を感じるものの、この曲を緩めの打ち込みグルーヴで仕上げた角松のアレンジ・センスは素晴らしいと思います。米光の声にピッタリな曲で、選曲も良かったと思います。終盤の小池 修のサックス、村田 陽一のトロンボーン、小林 正弘のトランペットのソロの掛け合いは本当に素晴らしいです。

地味な印象のバラード曲ですが、味わい深い曲10。短い曲なんですが、逆に余韻を残すような感じがアルバムの最後に相応しい曲ですね。

1997年から7年間ほど活動を休止していたようですが、2004年以降は活動を再開していて現在も頑張っているようです。本当に素晴らしいシンガーだと思いますし、もっと注目されても良いとは思うのですが・・・。角松のプロデュース作品はどれも質の高い良いアルバムが多いのですが、特に新人(あるいはそれに近い)アーティストのプロデュース作品は売れませんね(笑)
これが不思議なんですよね。きっと曲や音楽だけでなくアーティスト本人が持つ人を惹き付ける魅力も必要ということなんでしょうね。
"布石のプロデューサー"と言われる角松 敏生らしいプロデュース作品です。
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by kaz-shin | 2007-11-15 00:38 | PRODUCER | Trackback | Comments(8) | |
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Commented by ayuki at 2007-11-15 08:54 x
お邪魔いたします。
角松さんのプロデュースの「ヴォーカランド」が好きでけっこう愛聴盤になっていてレビューもしました。そこで歌っていた彼女達のその後ってご存知でしょうか?特に「Sala」さんとか「Anna」さん・・・。
「アーティスト本人が持つ人を惹き付ける魅力・・・」まさに仰る通りですね。さらに、売れるためには宣伝や販売の方のプロデュースもかなり重要で、それが音楽の様々な技量とは、必ずしもイコールではない現実は、哀しいけど仕方ない部分でもありますね。
Commented by しげぞう at 2007-11-15 10:03 x
こんにちは
09の吉田美奈子曲カバー、kaz-shinさんが言われるように、角松サンのアレンジセンスが光る一曲で聴き応えあります
それと、08はそのタイトルから伺えるように、シングルとはアレンジが異なりますよね
ストリングスを加えたアルバムバージョンの方が、より豪華な印象で好きです
Commented by kaz-shin at 2007-11-16 00:27
ayukiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
まだ紹介はしてませんが、私も『ヴォーカランド』シリーズは大好きです。
いつかは紹介したいと思っています。

さて、Salaさんに関しては現在どうしているのかは分かりませんが、Annaさんは
ラジオのディスク・ジョッキーで活躍されてますね。以前、偶然聴きました。
歌を続けているかは不明ですが・・・。

売れた売れないに関わらず、これからも自分にとってに良い音楽を見つけて
聴いていきたいですね。
Commented by kaz-shin at 2007-11-16 00:32
しげぞうさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
このアルバムのカヴァー曲のアレンジに関しては、本当にオリジナルを
凌駕するほど素晴らしいですね。
自身の活動と並行していなかった時代だったので、プロデュース業に
専念できたというのも大きな要因だったかも知れませんね。

シングル・バージョンと同じものをアルバムに入れないというのも、いかにも
角松さんらしい拘りですよね(笑)
Commented by Musicman at 2007-11-17 18:32 x
私の大好きなアルバムです。
凍結当時は様々な女性アーティストをプロデュースしていましたけど、
彼女との相性がイチバン良かった気がします。
最近はあまりプロデュースしていないようですけど、今の角松らしいプロデュース手腕を聴いてみたいものです。
Commented by kaz-shin at 2007-11-19 21:59
Musicmanさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなって申し訳ありませんでした。

活動凍結当時の角松さんのプロデュース作品は、プロデュース業に専念
していたせいか、良い作品が多いですよね。
米光さんの作品はその代表的なものだと思います。
私個人としては、角松さんが取り上げた様々な70~80年代のカヴァー曲を
オリジナルを知らない世代の人が聴いて、どんな印象を持つのかが気になります(笑)
最近はプロデュース業は休業中みたいですが、ぜひまた聴いてみたいですね。
Commented by てつ at 2007-12-27 03:56 x
LABYRINTHとIt's just a moment ~weariness~が好きです。特にIt's just a momentは角松さんが作曲された曲の中でも、かなり好きな曲です。当時の所属事務所の方針もあり、アイドルから、この路線への転進を図ったのだと思いますが、(セールスには結びつきませんでしたが)個人的にはとても良いアルバムだったと思います。
Commented by kaz-shin at 2007-12-28 01:13
てつさん、コメントありがとうございます。
良い作品が売れるとは限りませんが、売れるアルバムが良い作品と称される
現在の音楽シーン。釈然としませんよね(笑)
この作品も角松さんの活動休止中のプロデュース作品でした。
良い物を作っても売れない時代ですから、プロデュースの依頼も少ないのかも知れませんが、
最近角松さんのプロデュース作品が聴けないのが少し淋しいです。
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