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須藤 薫_MORE THAN YESTERDAY ◇ 2007年 12月 04日
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今回紹介するのは、私が日本を代表する女性ポップス・シンガーだと信じて疑わない須藤 薫が、1988年にリリースした通算7枚目となるアルバム『MORE THAN YESTERDAY』です。
須藤 薫と言えば、1980年の1stアルバム『Chef's Special』から1983年の5thアルバム『Drops』が人気も高く、今年再発されたり、CITY POP関連のガイド本にも取り上げられることが多いですが、4年のブランクの後発表された1987年の6thアルバム『Hello Again』以降のアルバムにも良い作品が多く、そんな中でも個人的に大好きなのが、『MORE THAN YESTERDAY』なんです。

プロデュースは伊藤 銀次と須藤 薫で、アレンジは全曲伊藤 銀次が手掛けています。同じPOPS系でもロック色の強い伊藤 銀次が、須藤 薫をどういう感じでディレクションするのかが非常に興味深かったのですが、結果的に大成功だったと言えるでしょう。
本作の特徴は、それまでの須藤 薫の作品と違って打ち込み主体のサウンドであることと、コーラスを極力入れずに須藤 薫のメイン・ヴォーカルを際立たせているところでしょう。おそらく須藤 薫の持つ声質の良さ、豊かな表現力を前面に出したかったのではないでしょうか。打ち込みによるサウンドも、決して耳障りなものでなくシンプルな雰囲気でヴォーカルを際立たせている気がしますね。
聴けば聴くほど味わい深くなる、そんなアルバムです。

『須藤 薫 / MORE THAN YESTERDAY』
01. 初恋は何度でも (Wishful Love)
02. 許してあげない (No No Boy)
03. 気づかないで (Sadness In My Eyes)
04. 口笛と雨傘 (Rainy Afternoon)
05. 楽園行きのスロー・ボート (For Our Paradise)
06. ポロシャツで滑ろう ("Spur" In April)
07. 週末のメッセージ (Weekend Telephone Call)
08. Last Rain
09. 空を飛んだ夢 (Flying In The Dream)
10. In The Moon Light

作詞:神沢 礼江、作曲:楠瀬 誠志郎の01。楠瀬らしい軽快なポップ・ナンバーです。キャッチーなメロディーと、ギターのリフ、ソロが印象的ですね。思わず口ずさみたくなる、そんな曲に仕上がっています。

作詞:田口 俊、作曲:岩沢 二弓の02。エレ・アコのカッティングが心地良く、メロディーが可愛らしく須藤 薫の声によく似合っている曲だと思います。岩沢 二弓の曲というのが少し意外な感じもしましたが、凄く良い曲です。

作詞:田口 俊、作曲:松尾 清憲の03。杉 真理の作風に似ているなと思ったら、作曲が松尾 清憲ということで納得です。伊藤 銀次のアレンジも打ち込みの固さを感じさせない爽やかな仕上がりで、間奏のアコギのソロも雰囲気にピッタリです。須藤 薫らしさを感じる曲と言えるでしょう。

作詞:神沢 礼江、作曲:KANの04。これもアレンジが素晴らしいナンバーですね。タイトルにピッタリな感じです。それにしても作曲がKANというのが意外でした。私の持っているKANのイメージとは違っていましたね。須藤 薫のイメージに合わせて書いたのでしょうが、だとすると作曲家としてのセンスは抜群ですね。

作詞:神沢 礼江、作曲:小森田 実の05。ミディアム・テンポのポップ・ナンバーで、曲調は初期の作品に通じる明るく元気なイメージの須藤 薫を連想させます。

作詞:田口 俊、作曲:嶋田 陽一の06。疾走感溢れるポップ・チューンです。春スキーを歌ったものですが、昔と違って歌い方に余裕を感じる須藤 薫のヴォーカルが心地良さに繋がっているような気がします。

作詞:高野 祐、作曲:尾関 裕司の07。ビートを効かせたナンバーで、メロディーはオールディーズ風。まさに須藤 薫の他にこの歌が似合うシンガーはいないのではないかと思うナンバーです。逆に言えば、須藤 薫の良さを知った上で曲を提供した尾関 裕司のセンスの良さを感じますね。

作詞:高野 祐、作曲:羽場 仁志の08。これは羽場 仁志らしさ全開のFUNKYなナンバーです。須藤 薫に似合うように、FUNKYとポップな感じを上手く融合させたようなアレンジが見事な1曲です。

作詞:田口 俊、作曲:中村 昭二の09。シンセを多用した今までに無い斬新なアレンジですが、スケールの大きさを感じるナンバーです。浮遊感のあるアレンジとメロディーが心地良い曲で、私のお気に入りの1曲。

作詞:田口 俊、作曲:伊藤 銀次の10。ラストに相応しいバラード・ナンバー。タイトルの雰囲気がそのままサウンドになったという感じで、伊藤 銀次の才能の豊かさを感じさせます。今の季節にもぴったりナンバーで、星や月を眺めながら聴きたら最高でしょう。

アルバム収録曲10曲が違うソング・ライターの作品でありながら、これだけまとまったアルバムも珍しいと思いますね。それはきっと、優れたソング・ライター達が須藤 薫の魅力を理解して曲を提供していることと、伊藤 銀次の卓越したアレンジ、プロデュースによるものでしょう。コーラスが全く無い訳ではないですが、コーラスが入っていることを感じさせないほど、須藤 薫のメイン・ヴォーカルを聴かせる仕上がりで、彼女のヴォーカルを堪能出来る1枚です。
夏のイメージが強いアルバムが多い須藤 薫ですが、この季節にも似合うアルバムに仕上がっています。お薦めのアルバムなんですが、現在は入手困難かも知れません。
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by kaz-shin | 2007-12-04 01:07 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(2) | |
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Commented by hisa at 2007-12-05 23:42 x
お久しぶりです。
このアルバムはあまり印象がなかったんですが、このレビューを見ながら久しぶりに聞いてみました。思っていた以上に良かったです。
TenderLoveが来年2月に再発されるので、これも期待できるのではと思います。
Commented by kaz-shin at 2007-12-05 23:53
hisaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ご無沙汰してました。お元気でしたか?忙しい時期ですから、無理をなさらぬように願います。

そうなんですよ。私もこのアルバム買ったばかりの頃は、印象に残ってなかったんです。
と言うか初期作品のインパクトが強すぎたのかも知れません。
最近になって、このアルバムの良さを再確認しました。
目立つ曲は無いですが、なかなかの曲が揃ってますよね。
最近はこのアルバムを1番多く聴いてます。

来年2月に再発ですか!良い情報ありがとうございます。
この再発ブーム、これからも続いて欲しいですよね。
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