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Love Story ; Kazumasa Oda Songbook ◇ 2008年 01月 06日
Love Story ; Kazumasa Oda Songbook_e0081370_1135420.jpg 

肩の痛みが治まり、今日から復活します。沢山の皆さんにご心配を頂き、またお気遣い頂いたことをこの場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

さて、復活第1発目に紹介するアルバムは、トリビュート・アルバムと言うよりもカバー・ソング集と言った方が似合うアルバムです。2003年の2月にリリースされたアルバムですが、小田 和正のヒット曲12曲を8人の実力派AORシンガーが唄うという『Love Story ; Kazumasa Oda Songbook』です。
集まったAORシンガーが鳥肌モノで、クリストファー・クロス、ボビー・コールドウェル、ビル・チャンプリン、ミッキー・トーマス、ジェイソン・シェフ、デヴィッド・ラズリー、ボビー・キンボール、ランディ・グッドラムというAOR好きならお馴染みのシンガーばかりです。

実は私、10代の頃はオフコースが大嫌いでした。いい大人が"君"、"僕"という言葉で愛を歌っていることが"軟弱"あるいは"女々しい"感じがして駄目だったのです。しかし、20代、30代、40代と歳を重ねる毎にオフコース、小田 和正の歌が胸に沁みてくるようになって、今では小田 和正の作る無駄を削ぎ落としたシンプルな歌詞、耳に馴染むキャッチーなメロディーの虜になりました(笑)
そんな小田 和正の世界が英語詞になって果たして魅力的に聴こえるのかという一抹の不安はあったものの、参加ヴォーカリストの豪華さと彼等が小田の世界観をどう表現するのか興味があって購入しました。

大変偏った意見になるかも知れませんが、このアルバムを聴いて感じたのは、音楽にとって最も重要なファクターはやはり"メロディー"であること・・・、その事実でした。
良いメロディーこそ国境を越え、世界に通じるものなんだということを感じました。もはや小田のカバーとして聴くよりも、素晴らしいAORアルバムとして単純に楽しんでしまえるアルバムだと思います。

『Love Story ; Kazumasa Oda Songbook』
01. KIRA KIRA (キラキラ) / Mickey Thomas
02. SAYONARA (さよなら) / Christopher Cross
03. YES-NO / Jason Scheff
04. WOH WOH / David Lasley
05. LOVE STORY (ラブ・ストーリーは突然に) / Bobby Kimball
06. MY HOME TOWN / Bill Champlin
07. MELODY / Randy Goodrum
08. MERRY X'MAS (君にMERRY X'MAS) / Bobby Caldwell
09. ENDLESS NIGHTS / Randy Goodrum
10. LOVE THROUGH TIME (時に愛は) / Bill Champlin
11. SUSAN (こころは気紛れ) / Mickey Thomas
12. TIME WILL TELL (秋の気配) / David Lasley

マーティ・バリンの後釜として、ジェファーソン・スターシップ~スターシップのヴォーカリストとして参加したことで知られるミッキー・トーマスの唄う01。タイトル通りキラキラとしたサウンドに乗り、爽やかな歌声を聴かせてくれます。優しい歌声に癒されますね。DIMENSIONの増崎 孝司(g)、小野塚 晃(key)が参加しています。

選曲が絶妙なクリストファー・クロスの02。彼の歌声にピッタリなナンバーで、日本人の心に訴えるような魅力のある声ですね。美しいバラードに仕上がっています。今更ながら名曲ですね。増崎 孝司が参加。

シカゴのヴォーカリストとして知られるジェイソン・シェフの唄う03。これもまたオフコースを代表する名曲にひとつですね。打ち込み主体のアレンジですが、この曲の魅力をよく知っているアレンジだと思います。伸びのあるジェイソン・シェフの歌声にお似合いの1曲だと思います。増崎 孝司が素晴らしいギターを聴かせてくれますし、ジェイソン・シェフ&ビル・チャンプリンのコーラス・ワークが絶品です。

実力派AORシンガー、デヴィッド・ラズリーが唄う04。美しいメロディーとラズリーの歌声は見事にマッチした1曲と言えるでしょう。とにかく美しい仕上がりです。

小田 和正の代表曲とも言える大ヒット曲をボビー・キンボールが唄った05。この曲の持つ躍動感がボビーの歌声にピッタリですね。これぞAORという雰囲気がたまりません。増崎 孝司のギターが実に良いですね。このアルバムでの増崎 孝司の貢献度は相当なものです。

ビル・チャンプリン自らがギターを弾き、素晴らしい歌声を聴かせてくれるミディアム・バラード曲06。この曲でもジェイソン・シェフ&ビル・チャンプリンの美しいコーラス・ワークを堪能出来ます。

シンガーとしてだけでなく、優れたソング・ライターとしても知られるランディ・グッドラムが唄う07。都会的な洒落たアレンジが印象的です。まさにAORサウンドが全開です。良いメロディーですね。増崎 孝司、小野塚 晃が参加していますが、小野塚のピアノ・プレイが素晴らしいの一言です。

"KING OF AOR"と称されるボビー・コールドウェルが唄う08は、バンドを引き連れての1曲です。JAZZYで大人の雰囲気がたまらない演奏と歌声が鳥肌モノです。Joel Taylor(ds)、Dave Carpenter(b)、Mitch Forman(p)、Brandon Fields(sax)が参加しており、ブランドン・フィールズのアルト・サックスのプレイは聴き所のひとつです。

ランディ・グッドラムがピアノの弾き語りで唄う09。オリジナルの歌詞をランディ・グッドラムが書いていますから、思い入れも強いのでしょう。実に大切に丁寧に歌っているのが印象的です。

オフコース時代の名曲をビル・チャンプリンが繊細かつ躍動的に唄っている10。このままシカゴで歌っても違和感の無いようなAORな仕上がりになっていますね。もちろんコーラスはジェイソン・シェフ&ビル・チャンプリンです。増崎 孝司も参加しています。

アルバム中で最も明るい感じで仕上がっているのが、ミッキー・トーマスの唄う11。オフコース時代の隠れた名曲とも言える曲で、私自身も大好きなナンバーです。実に軽快で心地良いサウンドはオリジナル以上かも知れません。増崎 孝司と小野塚 晃のプレイが光る1曲です。ウエスト・コースト風AORナンバーの仕上がりが最高です。

私がオフコースの数多い曲の中で最も好きなナンバーである12。デヴィッド・ラズリーが5人の女性コーラスをバックにアカペラで歌い上げます。まるでゴスペル・ソングを聴いているような錯覚に陥りますね。J-POP史上に残る名曲だと信じて疑わない1曲です。欲を言えばアカペラ以外のカバーも聴いてみたかったですね。

参加しているアーティスト自らが唄いたい曲をチョイスしたのか、制作側に依頼された曲を唄ったのかは不明ですが、どれもアーティストにベスト・マッチの選曲だったような気がします。もちろんこれだけの実力派が揃っていますから、どんな曲でもこなしてしまうと思いますが・・・。
このアルバムを聴いて改めて小田 和正の素晴らしいメロディー・センスを感じましたし、一流と呼ばれるシンガーの表現力の凄さを実感しました。どのアーティストも自分で素晴らしい曲が書ける才能を持っていますが、その才能を除いたシンガーとしてだけの部分でもこれだけの実力を持っていることに驚きです。日本のシンガー達にも頑張って欲しいものです(笑)

このアルバムは、オフコースや小田 和正が好きな人よりも、むしろオフコースや小田 和正に興味が無い洋楽好きな人に聴いてもらいたいですね。そんな人達がこのアルバムを聴いてどんな感想を持つのか、聞いてみたい気がします。
逆にオフコースや小田 和正が大好きな人が、このアルバムを聴いたらどんな感想を持つのかも気になりますね。いずれにせよ私にとっては大満足のカバー・アルバムになっています。
by kaz-shin | 2008-01-06 12:50 | Compilation / Cover | Comments(9) | |
Commented by ayuki at 2008-01-06 15:49 x
お邪魔いたします。
遅れましたが今年もよろしくお願いいたします。記事を拝読させていただく限り、肩の調子も良いようですね。無理せずご自愛ください。
小田和正さんの世界はTVやラジオでの接点しかありませんが、以前、海外公演を終えたあとのインタビューで『国境を越えた感じがした』と言うようなことを答えていたのを聞いて、あの詞の世界観が外国の方に解るのかな?と少し否定的に捉えていたのですが、この記事を拝読させていただいて、小田和正さんがインタビューで答えていた意味合いが何となくわかったような気がします。今更ながらメロディって重要ですね。
Commented by hisa at 2008-01-06 22:53 x
私もオフコース、小田和正は音楽的はともかく生理的に積極的になれませんでした。(武道館コンサートには話題性で行きましたが)しかし、息子の高校の先輩で学校創立何周年かの行事で父兄と在校生向けのコンサートがあり、タダなのでいってみました。このとき、いいじゃないというありその後少しずつ聞いています。これだけいい音楽は聴かないと損だという感覚ですね。
Commented by kaz-shin at 2008-01-06 23:10
ayukiさん、おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
私もカバー集ということで、英語の歌詞にしてどれだけ小田さんの世界観が
表現出来るのか疑問に思っていました。
でも聴いていて思ったのは、歌詞が先で後からメロディーを付ける場合でもその逆の場合においても、
歌詞に合ったメロディー、メロディーに合った歌詞が付けられている訳ですから、言葉が通じなくても
メロディーの持つ雰囲気が聴く者に訴えるものがあるんだろうと思います。
それと小田さんの聴く者を感動させるんだという姿勢が、そういうメロディーを生んでいるような気がします。

言葉を介さずに世界の人々が同じ感動を感じることが出来るのが、メロディーなんでしょうね。
Commented by kaz-shin at 2008-01-06 23:33
hisaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私も徐々にオフコースを聴くようになったんですが、ある時TV番組のBGMで
「言葉にできない」が流れていて、それまで何度も聴いていた曲なのに何故か涙が溢れてきたんです。
それ以降、真剣に聴くようになりましたね。
還暦を過ぎても素晴らしい歌声ですし、TVの企画(クリスマスの約束)ですが、
若いミュージシャンとも積極的に関わりを持とうという姿勢が凄いなと思います。
これからも注目したいアーティストですね。
Commented by Harriet at 2008-01-07 19:28 x
こんばんは。あけましておめでとうございます。肩の調子がよくなったとのこと,安心いたしました。^^

小田和正は,声といいメロ~なメロディといい,とっても魅力的なアーティストだと思います。特に女性に人気ですよね。ご紹介のアルバム,是非聞いてみたいと思います。

小田和正がTV番組で披露しているほかのアーティストのカバーもすごくいいですよね。なんか,すべて自分のものにしてしまっている感じで,アーティストとしての懐の深さを感じます。

で,小田和正のファースト・ソロ(『K.ODA』)は,Jeff Porcaroが叩いてまして,ベースにDavid Hungate,パーカッションにLenny Castroというおいしさも相俟って,Jeffマニアの私のヘヴィー・ローテーション・アルバムの一枚となっております。(笑)
Commented by kaz-shin at 2008-01-08 00:12
Harrietさん、明けましておめでとうございます。
ご無沙汰してましたが、元気そうで何よりです。今年もよろしくお願いします。

Harrietさんの仰るように、素晴らしいシンガーというのは人の曲であっても
自分のものとして歌えてしまうんですよね。
私もいつも凄いなと思いながら見てました。紹介したアルバムも凄いシンガーが顔を揃えていて、
彼等なりに自分のものとして歌っているのが良いですよ。
ぜひ聴いてみて下さい。

『K.ODA』はオフコース時代に制作したソロ・アルバムでしたね。
そう言えば久しく聴いていませんでした。久しぶりに聴いてみます。
Commented by WESING at 2008-01-09 23:20 x
好きな日本人アーティストの英語(など)でのカバーというのは興味がありますが、このアルバムは買ってません。
'90年前後までだったら手を出していたかもしれません。

12月に25年振りに友人に会いましたが、彼が「小田和正は良いよ。聞いてみたら良いよ」と言ってました。
彼は文学青年だったので、小田さんの歌を聞いて詞が良いと言うんですよね。
僕はインスト派だから、「詞の意味を理解して聞いたことないんだけど」と、答えましたが、そういう点で言えば、オリジナルを聞かなくちゃいけないですけどね。(苦笑)
Commented by kaz-shin at 2008-01-10 00:03
WESINGさん、コメントありがとうございます。
小田さんの魅力は、歌詞を際立たせるメロディーと書くところかも知れません。
歌詞だけ読んでも左程感動しないのに、メロディーに乗せると何故か心に沁みてくる、
そんな曲を書けるのが小田さんの凄いところかも知れませんね。
Commented by Kenny U at 2011-01-10 14:51 x
今日は、2011年の事始め!!
ブックオフに新年一回目のお買い物に行きました!

だからって報告する事は別に無いのですが(笑)

コメントに書かれている小田和正のファースト・ソロ!
250円コーナーにあったんで、今更ながら、
聴いてみる気になりました!

おーっと、TOTOのメンバー参加してますね!
ポーカロ⇔こんな所で名前を見つけるとは思っていませんでした!

今年も、「まだまだ、聴けていない良いアルバムに出会うチャンス」が、
有りそうな予感のする一日になりました!
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