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伊藤 銀次_Baby Blue ◇ 2008年 01月 18日
伊藤 銀次_Baby Blue_e0081370_2138411.jpg 

今回紹介するのは、伊藤 銀次が1982年にリリースした2作目のソロ・アルバム『Baby Blue』です。伊藤 銀次が、ごまのはえ、ココナツ・バンク、シュガー・ベイブを経て、1stソロ・アルバムで名盤の『Deadly Drive』をリリースしたのが1977年でした。今でこそ評価の高いアルバムでしたがセールス的には全く振るわず、一時はソロ・アーティストとして歌を歌うことを半ば諦めていたようです。事実『Baby Blue』まで5年の間隔が空いています。

その5年間における銀次の活動は非常に重要なものでした。松原みきのバック、佐野元春のプロデュース、沢田研二のアレンジ、アン・ルイスのプロデュース等で培ったアーティストの1番良いところをピック・アップして音楽として表現していくということを学んだと言えるのかも知れません。このアルバムのプロデューサーであり、当時沢田 研二のプロデューサーでもあった笠原 じゅん(木崎 賢司)が銀次に歌を歌うことを薦めたらしいです。そして笠原と銀次が作り上げたのが、銀次の優しい歌声に似合うキャッチーでポップなサウンドで埋め尽くされた『Baby Blue』でした。

作詞には売野 雅勇、神田 広美、小林 和子等を起用しており、10曲中9曲の作曲と10曲全曲のアレンジは伊藤 銀次です。佐野 元春が1曲提供しています。バックには島村 英二(ds)、美久月 千晴(b)、青山 徹(g)、西本 明(key)、浜口 茂外也(per)が参加しています。

『伊藤 銀次 / Baby Blue』
01. BABY BLUE
02. 雨のステラ
03. TAPPIN' AND CLAPPIN'
04. プラネット・ガール (PLANET GIRL)
05. センチメンタルにやってくれ (SAME OLD SONG)
06. CONGRATULATIONS
07. ONE WAY TICKET TO THE MOON
08. そして誰のせいでもない (BECAUSE OF YOU)
09. JUST A LITTLE LOVE
10. SHADE OF SUMMER

アルバム・タイトル・ナンバー01。ストリングスを全面的に取り入れ、シンプルなリズムと組み合わせた軽快なポップ・ナンバーです。決して上手くはないのですが、力の抜けた銀次のヴォーカルがメロディーとよくマッチしています。

杉 真理の音楽にも通じる60's風なミディアム・ポップ・ナンバー02。神田 広美の書いた歌詞が実に80年代風で良いですね。耳に優しく届いてくるようなキャッチーなメロディーでが印象的です。

03も60'sな香りが漂うポップ・ナンバーです。軽快な曲で、特にEVEのコーラスとジェイク・H・コンセプションのサックスが聴き所です。本当に軽い感じで聴いていて心地良い1曲です。

ロック色が多少強いアレンジですが、曲全体のイメージとしてはCITY POPな04。このアルバムを聴いて感じるのは、とにかくメロディーをシンプルかつキャッチーにしているということですね。

80's全開のCITY POPナンバー05。サビのメロディーよりもAメロ、Bメロの方が個人的にはお気に入りで、銀次のセンスの良さを感じる部分です。

銀次のお得意なリズム・パターンと言える06。例えるなら"笑っていいとも"のテーマ曲に雰囲気が似てますね。この曲もどことなく60'sの香りが漂うナンバーですね。

素直にアレンジが格好良い07。CITY POPと言うよりもJ-AORと言った方がぴったりな渋いナンバーです。私の大好きなナンバーになっています。青山 徹らしいギター・ソロが聴けます。

佐野 元春の作詞・作曲による08。もちろんコーラスにも参加しています。正直言えば、これは完全の元春節全開の曲なんで、銀次よりも元春が歌った方が似合うと思います。聴きやすい曲なんですが、かなり難しい歌ですね(笑)

大瀧 詠一の影響を感じる09。メロディー・ラインやアレンジに顕著に表れている気がします。でもこれが結構良い曲なんです。大瀧 詠一がもし歌っても全く違和感が無いと思います。

アルバムの中で唯一バラードらしいバラード曲10。この曲も60's風な雰囲気を持っています。美しいストリングスが曲の切ない雰囲気を一層際立たせている気がします。

思わず唸ってしまうような名曲と呼べる曲は残念ながらありませんが、気軽に聴けるポップなアルバムです。繰り返し聴いても苦にならない感じと言いましょうか・・・。傑作はなくても佳作が揃ったアルバムだと思います。私は『Deadly Drive』も大好きなんですが、80年代という時代に添った、そして銀次自信が自分をちゃんと見つめ直して制作したという意味では、すごく重要なアルバムだと思っています。
大袈裟な言い方かも知れませんが、このアルバムがソロ・アーティストとしての伊藤 銀次の本当のデビュー・アルバムだという気がします。興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。
by kaz-shin | 2008-01-18 00:02 | CITY POP / J-AOR系 | Comments(6) | |
Commented by Gunts at 2008-01-18 08:46 x
2度目の書き込みお邪魔します。
このアルバムは当時、高校2年の自分は毎日のように聴いたベストなアルバムです。伊藤銀次のアルバムの中でも大変好きなアルバムです。
また、作詞家の売野雅勇もまだ無名の時期で、雑誌「明星」か「平凡」でこのアルバムの最後の曲の詞がとても好きだと、自身の歌詞作品のベスト10に入るとコメントされてました。
当時(そして今でも)世間一般での伊藤銀次の知名度がない時に、芸能界の代表的な雑誌に『SHADE OF SUMMER』の歌詞が掲載されただけで当時は感激しておりました。
Commented by Musicman at 2008-01-18 11:16 x
私も最近再発CD買っちゃいました(笑)。
当時はアナログでリアルタイムに聴いていましたけど。
おっしゃる通り「コレ!!」って曲は無いんですけど、聴けば聴くほど味わいが出てくる作品ですね。
そういえば、アナログ初回盤はブルーのレコード盤でした。
Commented by kaz-shin at 2008-01-19 02:35
Guntsさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
高校生で銀次さんを聴いていたなんて渋いですね~。
あまり周りにはいなかったんじゃないですか?
銀次さんは詞も書ける人であるにも関わらず、職業作家に詞を書いてもらったことが
逆に良い結果を生んだアルバムだと思います。
銀次さんがもし詞を書いていたら、ここまでポップな感じには仕上がっていないような気がするんですよね。
まさに毎日聴ける、聴いても厭きのこないアルバムですね。
Commented by kaz-shin at 2008-01-19 02:39
Musicmanさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
最近再発されたんでしたね!『Deadly Drive』も来月再発みたいですね。
おそらく『Deadly Drive』は買ってしまうと思います(笑)
これほど繰り返し聴いても苦にならないアルバムというのも、私にとっては珍しいんですよ。
Commented by nowhere1967 at 2008-01-19 23:14
伊藤銀次のことを知ったのは佐野元春つながりで、中学3年生の頃でした。
中学生ではアルバムを買うのも容易でなく、FM放送で収録曲の数曲を聴くことしかできませんでした。
高校を卒業して社会人となり、発売後5年経ってからアルバム購入でした。
ポップで聴きやすい曲が揃っていますね。
たしかに名曲といえる曲はないかもしれないですが、どの曲も水準以上ですので結果的にアルバムの価値を高めていると思います。
Commented by kaz-shin at 2008-01-20 00:59
nowhere1967さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
銀次さんの凄いのは、どのアルバムも平均して聴きやすく親しみやすい
曲が揃っているところだと思います。
これって突出した名曲をアルバムに1~2曲残すことよりもはるかに難しい
ことだと思います。
CDの時代になって一瞬で曲を飛ばせるようになっても、銀次さんのアルバムを
聴いていて曲送りをしたことは無いです(笑)
もっと注目されても良いアーティストですよね。
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