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PETER ALLEN_BI-COASTAL ◇ 2008年 01月 20日
PETER ALLEN_BI-COASTAL_e0081370_2359291.jpg 

今回紹介するのは、オーストラリア生れの素晴らしいポップス・シンガー兼ソング・ライターであるピーター・アレンが、AORブームの真っ只中の1980年にリリースした『BI-COASTAL』です。
AORファンには既にお馴染みかも知れませんが、あのデヴィッド・フォスターのプロデュースによって制作されたAORの王道を行く傑作アルバムです。元々ピーターはAOR系のシンガーでは無いと思うのですが、当時のAOR旋風吹き荒れる時代背景もあり、AORの中心的存在のデヴィッド・フォスターにプロデュースを依頼したというのも自然の流れだったのかも知れません。そして、優れたシンガー・ソング・ライターであるピーター・アレンと天才肌のアレンジャー、プロデューサーであるデヴィッド・フォスターが手を組んだのですから、出来上がったアルバムが悪い訳がありません。

デヴィッド・フォスターがプロデュースとなれば、おのずとエアプレイ、TOTO関連を中心とした素晴らしいミュージシャンが集まってきます。一応紹介しておきますと、Drumsにはエド・グリーン、ラルフ・ハンフリー、ジェフ・ポーカロ、カルロス・ヴェガ、Bassにはマイク・ポーカロ、デイヴ・マクダニエル、Guitarにはスティーヴ・ルカサー、ジェイ・グレイドン、デヴィッド・ウイリアムス、リッチー・ジトー、Keyboardsにはデヴィッド・フォスター、トム・キーン、ピーター・アレン、Background Vocalsにはペイジズといった具合です。まだまだ有名ミュージシャンが参加していますが割愛します(笑)

『PETER ALLEN / BI-COASTAL』
01. ONE STEP OVER THE BORDERLINE
02. FLY AWAY
03. BI-COASTAL
04. I DON'T GO SHOPPING
05. HIT IN THE HEART
06. I COULD REALLY SHOW YOU AROUND
07. SOMEBODY'S ANGEL
08. SIMON
09. PASS THIS TIME
10. WHEN THIS LOVE AFFAIR IS OVER

エアプレイっぽいサウンドを彷彿させる01。ピーター・アレン、トム・キーン、デヴィッド・フォスターの共作です。トム・キーンの力強いピアノと美しすぎるペイジズのコーラス・ワークが特徴で、まさにAORなナンバー。

元々は、竹内 まりやの1980年リリースのアルバム『LOVE SONGS』の為にピーター・アレンとキャロル・ベイヤー・セイガーの二人が書き下ろした曲なんですが、ここではデヴィッド・フォスターが手を加えており、竹内 まりやヴァージョンとはサビの部分以外はかなり変わっています。
よりAOR色が強くなってメロウな雰囲気に仕上がっています。聴き比べると面白いと思いますよ。

アルバム・タイトル曲03。個人的に大好きなナンバーです。01と同じピーター、トム、デヴィッドとの共作曲で、とにかく軽快でメロディアスなナンバーです。ジェリー・ヘイのホーン・アレンジが格好良いの一言ですし、ルークのギターのバッキング、マイク・ポーカロのベース・プレイやゲイリー・ハービックのサックス・ソロも鳥肌モノです。

ピーター・アレンとデヴィッド・ラズリーの共作によるバラード曲04。大人にぴったりなムード溢れるバラードで、ピーター自身の弾くピアノも美しいですし、ストリングスの使い方も実に見事な1曲です。ロン・プライスによるサックス・ソロにも注目です。この曲はディオンヌ・ワーウィックやラベルのサラ・ダッシュもカヴァーしているようです。

ロック色の強い05は、ピーター・アレンとデヴィッド・フォスターとの共作ナンバーです。こういうロック・ナンバーには欠かせないのがジェフ・ポーカロのドラムとルークのギターですね。タイトなジェフのドラミングは流石です。ペイジズのコーラスも本当に美しいですね。

重厚なサウンドが印象的なポップ・ロック・ナンバー06。これもお気に入りの1曲なんです。カルロス・ヴェガのヘヴィーなドラミングとリッチー・ジトーのギターのコンビネーションが最高に格好良いんです。デヴィッド・フォスターとジェリー・ヘイの二人によるストリングス・アレンジが素晴らしく、美しさではなく迫力のあるストリングスが味わえます。

04と同じピーター・アレンとデヴィッド・ラズリーの共作による極上のバラード曲07。美しいメロディー・ラインが印象的で、ピーター・アレンのローズとデヴィッド・フォスターのピアノの絡み合いが心地良いです。しかし、1番美しいのはペイジズのコーラスかも知れません。

ピーター・アレンが1968年に書いたというバラード曲08。当時の奥方、ライザ・ミネリに捧げた曲らしいです。ピーター・アレンのローズとデヴィッド・フォスターとトム・キーンによるシンセという3人のみで演奏されているのですが、曲に実によく合ったアレンジであまりの美しいメロディーと演奏にうっとりします。

ジェフ・ポーカロのハネたドラミングが印象的な軽快かつグルーヴィーなナンバー09。ピーター・アレン、キャロル・ベイヤー・セイガー、デヴィッド・フォスターの共作です。ルークとジェイ・グレイドンの2本のギターも贅沢ですが、ソロではジェイ・グレイドンならではのプレイを披露してくれます。演奏がとにかく格好良いですね。

10は最後に相応しいドラマティックで美しいバラード曲です。ピーター・アレンとデヴィッド・フォスターの共作。デヴィッド・フォスターらしいキーボード・ワークが冴えていますし、ホーン・セクションやストリングス、ペイジズのコーラスの美しさは勿論のこと、ルークのギター・ソロに至るまでまさに完璧なアレンジだと思わせるナンバーですね。この頃のフォスターはまさに神懸っているとしか思えません(笑)

やはりデヴィッド・フォスターの手腕に唸ってしまうアルバムなんですが、注目したいのが作曲やプレイヤーとしても良い仕事をしているトム・キーンでしょう。当時トムはまだ16歳くらいだったらしいですね。恐るべし16歳です。16歳でこれだけの曲が書けて、デヴィッド・フォスターと並んで仕事をしているというのが何とも凄いの一言です。
そしてもう一つ注目したいのがペイジズのコーラスです。私が今まで聴いてきたペイジズのコーラスの仕事の中では、このアルバムでの仕事が最高だと思います。大袈裟かも知れませんが、ペイジズのアルバムでもこれだけ美しいコーラス・ワークは滅多に聴けません。本当に素晴らしいコーラスです。
私が好きなCITY POPやAORというのは、楽曲の良さ、演奏(アレンジ)の良さ、歌の良さの三つのどれが欠けても成立しないと思っているのですが、この『BI-COASTAL』は3拍子が完璧なまでに揃ったアルバムと言えると思います。
AOR好きな人やデヴィッド・フォスター・フリークだったら絶対に聴いて欲しいアルバムです。
by kaz-shin | 2008-01-20 00:02 | 洋楽系 | Comments(6) | |
Commented by Harriet at 2008-01-20 00:19 x
David Fosterのプロデュースは,尾崎亜美のHot Babyくらいしか持ってません。^^;

でも,AirplayよりはPagesのほうが,落ち着いて聞く分には好きなので,これは是非聞いてみたいです。^^ 
Commented by kaz-shin at 2008-01-20 01:23
Harrietさん、こんばんは、コメントありがとうございます。
デヴィッド・フォスターがアレンジやプロデュース、演奏に参加している日本人アーティストを
数多く聴いてきましたが、1番好きなのが『HOT BABY』なんです。
あのアルバムでの演奏は、決してやっつけ仕事ではない本気の凄さが詰ってますね。

このアルバムでのペイジズのコーラスは本当に絶品ですよ。
10曲中7曲でコーラスが聴けます。
曲もアレンジ、演奏も良いですし1度聴いてみて下さい。お薦めです。
Commented by martha1961 at 2008-01-20 01:23 x
こんばんは。
TBさせていただきました。

このアルバム、90年代は私、血眼になって中古屋めぐって探しました。入手が難しいアルバムの1つでした。
21世紀になって、数々のAOR名盤が復刻されて今では簡単に入手できるようになりCDは復刻してようやく入手しました。

フォスターファンならどうしても持っておきたいアルバムなんですよね。
彼はもうこの世にはいませんが彼の作品は今でも輝き続けていますね。
Commented by kaz-shin at 2008-01-20 01:45
martha1961さん、こんばんは。コメントとTBありがとうございます。
一時はオークションでも凄い値段が付いていたみたいですね。
私は友人がLPを持っていて、当時録音してくれたカセットをボロボロになるまで
聴いてましたが、2001年に再発された時には飛びつきましたよ(笑)
本当に良く出来たアルバムだと思います。
ライナー・ノーツを読んで知ったのですが、1992年にエイズで亡くなっていたんですね。
このアルバムはAOR好きな人にきっと聴き継がれていくと思います。
Commented by かわちゃん at 2008-01-30 10:45 x
僕もこのアルバムは大好きです。一曲目なんか最高です。ピーターアレンの声とペイジスの美しい声が本当にぴったりですね。僕はAORというジャンルの中で初めて聴いたのがペイジスだったような気がします。本当にペイジスは美しい声です。ちなみに僕はMr.ミスターよりも断然ペイジスが大好きです。
Commented by kaz-shin at 2008-01-31 01:34
かわちゃんさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ペイジズは本当に良いですね。私もMr.ミスターは左程良いとは思えなかったです。
ペイジズのコーラス・ワークは色んなアーティストのアルバムで聴くことが出来ますが、
このアルバムのコーラス・ワークの美しさは格別だと思っています。
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