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宮崎 美子_Mellow ◇ 2008年 02月 02日
宮崎 美子_Mellow _e0081370_10175133.jpg 

1980年、♪いまのきみは ピカピカに光って 厭きれかえるほど素敵~♪という歌が流れる中、木陰でTシャツとGパンをはにかみながら脱いでビキニ姿になる可愛いらしい少女が映し出されるカメラのCMが一世を風靡しました。その主人公だったのが宮崎 美子です。このCMは強烈なインパクトがありましたし、ぽっちゃりした肢体と可愛らしい顔だったので同じ年代の私は当然魅了されました(笑)

今回紹介するのは、その宮崎 美子が1981年にリリースした1stアルバム『Mellow』です。2006年にリマスタリング音源を使用し、紙ジャケット仕様で初CD化されました。宮崎 美子の当時の人気や勢いを物語るように、アルバムには豪華でバラエティに富んだ作家陣を迎え制作されました。いわゆるアイドル歌謡ポップスという範疇ではありますが、作品の出来としてはかなり良いと思います。
残念ながらミュージシャン・クレジットがありませんが、アレンジャーの名前と実際に音を聴けば、相当なミュージシャンが集まっているのが分かります。
宮崎 美子の歌は決して上手いとは言えません。考えてみれば当然ですよね。少し前まで地方の女子大生だった普通の女の子に、いきなり大都会・東京で仕事をさせ、しかもアルバム出すから歌を歌えと言われても辛いものがありますよね(笑)
しかし、上手くはありませんが1曲1曲を非常に丁寧に歌っているのが好感が持てますし、決して眉をひそめるような歌ではありません。

『宮崎 美子 / Mellow』
01. 夕闇をひとり / 作詞・作曲:松任谷 由実、編曲:新川 博
02. Johnny / 作詞・作曲・編曲:田中 弥生
03. オルゴールの恋唄 / 作詞・作曲:渡辺 真知子、編曲:船山 基紀
04. NO RETURN / 作詞:八神 純子・阿里 そのみ、作曲:八神 純子、編曲:船山 基紀
05. Beautiful Dreamer / 作詞・作曲・編曲:田中 弥生
06. 今は平気よ / 作詞:矢野 顕子、作曲・編曲:坂本 龍一
07. 嫌いですか / 作詞:喜多条 忠、作曲:吉田 拓郎、編曲:鈴木 茂
08. ためらい / 作詞・作曲:松任谷 由実、編曲:新川 博
09. 明日は痛くない / 作詞:糸井 重里、作曲・編曲:鈴木 慶一
10. ワイルド・ハネムーン / 作詞:来生 えつこ、作曲:南 佳孝、編曲:後藤 次利

ユーミンの1981年のアルバム『昨晩お会いしましょう』にも収録されていた01。本作とほぼ同時期にリリースされていますが、ユーミンの方が1ヶ月半ほど早くリリースされているのでカヴァーという感じになるのでしょうか・・・。新川 博のアレンジが冴えた1曲で、松任谷 正隆のアレンジによく似た雰囲気に仕上がっています。宮崎 美子の声との相性の良い曲だと思います。

主にアニメ系の作品を手掛けていたという田中 弥生の作品02は、オールディーズ風の3連バラード曲です。若干キーが高いのか、少しヴォーカルが辛そうですね(笑)

渡辺 真知子の作品に船山 基紀のアレンジという黄金コンビによる03。作家としての渡辺 真知子の才能を感じる1曲で、渡辺 真知子自身では歌わないタイプの曲かも知れません。ギターのプレイが印象に残るナンバーなんですが、おそらく松原 正樹だと思います。

八神 純子が書き下ろした曲で、八神 純子自身も1982年のシングル「サマー・イン・サマー」のB面曲としてセルフ・カヴァーしている04。ポップでキャッチーなナンバーで、1stシングルとなったのも頷けます。今 剛ならではのキレのあるカッティングがご機嫌なサマー・チューン。

しっとりとしたバラード・ナンバー05。サビのメロディーが印象的な1曲です。

矢野・坂本コンビの06。意外にもこのコンビでの他アーティストへの提供曲というのは少ないそうで、貴重な1曲と言えるかも知れません。YMOを彷彿させるサウンドですが、そこは教授の素晴らしいセンスによってポップに仕上がっています。ライナーには打ち込みによるビートと書いてありましたが、私は高橋 ユキヒロがドラムを叩いていると思っています(笑)

いかにも吉田 拓郎らしいメロディーを持った07。おそらく宮崎 美子が、拓郎の歌ったデモ・テープを何回も聴いて憶えたのでしょうが、歌い方まで拓郎っぽくなっているのが何とも微笑ましいです。素朴な感じがするし、悪い曲ではありませんがこのアルバムにはちょっと浮いている感じもします(笑) 鈴木 茂のギターが良いですね。

ユーミンの1980年のアルバム『時のないホテル』に収録されていた曲のカヴァー08。ユーミンの曲というのは、安心して聴ける曲が多くのを痛感しますね。やはり天才と呼べるアーティストですね。

軽快なポップ・ナンバー09。鈴木 慶一は、早い時期(70年代)からアイドル系シンガーへの曲提供やコラボを積極的に行ってきていますが、確実に歌謡曲というフィールドに新しい風を吹き込んだ一人だろうと思います。鈴木 慶一らしい爽やかなアレンジが印象的で、おそらくコーラスにも参加していると思います。

南 佳孝作曲による10は、かなり渋いナンバーでお気に入りの1曲になっています。後藤 次利のアレンジも流石で、CITY POP色の強いアレンジは南 佳孝の曲との相性は抜群ですね。ベースはもちろん次利自身でしょう。

25年の時を経て初CD化された本作を聴いて感じたのは、アイドル系のシンガーと言えども80年代の作品は侮れないということ。そして、まだまだCD化されていない本作のようなアルバムがゴロゴロしてそうな80年代の音楽の素晴らしさ、楽しさ、面白さを痛感しました。
リマスター効果で音もかなり良いと思いのですが、これはオリジナルのエンジニア・内沼 映二のミキシングの手腕も大きいと思いますね。元々内沼 映二は大好きなエンジニアなので、聴きやすかったし好みのサウンドでした。興味のある方はぜひ1度聴いてみて下さい。
必ず感じると思いますよ、80年代は凄かったなと・・・(笑)
by kaz-shin | 2008-02-02 10:28 | J-POP | Comments(16) | |
Commented by momayucue at 2008-02-02 12:36
たにぴ@ログイン中です。
アルバム2枚出して、次はベスト盤だったんだよね、この人。
ひゃあ、どうなのこれ!と想いました。

ポジティブなんですよね、宮崎さん。
Commented by hisa at 2008-02-02 21:49 x
80年代はほんとうにこのような良いアルバムがいっぱいありますね。
これはNHKFMからエアーチェックした音源しか持ってないですが、紙ジャケ復刻されていたんですね。他にも復刻してほしいモノがいっぱいあります。まめにチェックしていないといけないですね。
Commented by kaz-shin at 2008-02-03 00:06
たにぴさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
このアルバムしか聴いたことが無いんですよ。他のも同時にCD化してくれれば
良かったのですが、この1枚だけみたいです。
Commented by kaz-shin at 2008-02-03 00:12
hisaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
この頃のアイドル系のシンガーには、上手い人もいれば上手くはない人もいたんですが、
上手くない人でも丁寧に思いを込めて歌っていた人が多かったように思います。
現在のテクニックやフェイクは上手くでも、ちっとも響いてこないR&B系、あるいはディーヴァなんて
呼ばれているシンガーなんぞより、私にはとても魅力的に聴こえます(笑)
一生懸命が伝わってくる歌って、技術ではカヴァー出来ない良さがありますよね。
Commented by PON at 2008-02-03 11:07 x
宮崎美子さん、歌も唄っていたのですね!
(カメラのCMの印象が強いです)
制作陣が豪華です…
ユーミン,拓郎さん,真知子さん,八神さん,佳孝さん…
私が好きな人たちの作品を1枚で聴けるなんて。。。
Commented by martha1961 at 2008-02-03 20:27 x
こんばんは。
これは知りませんでした。(笑)

CMは何度も観ましたけど、歌ってたんですね。
この後で出てきた宮崎さんと同じ大学の斉藤慶子さん
はその後歌っていたのは知っていましたが....
Commented by kaz-shin at 2008-02-03 22:59
PONさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
歌手デビューでは無いので、宮崎さんが歌っていたのを知らない人が多いのも
当然かも知れません。
ユーミンの楽曲にしても、八神さんの楽曲にしてもアーティスト自身がレコーディング
している曲ですから、楽曲の出来はかなり良いですよ。
機会があったらぜひ聴いてみて下さい。
Commented by kaz-shin at 2008-02-03 23:04
martha1961さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
お世辞にも上手いとは言えませんが、好感の持てるヴォーカルですよ。

80年代は特にだと思うのですが、当時の音楽シーンにおいては人気が
出ればグラビア・アイドルだろうが女優だろうが、とりあえずレコード出しとけという
風潮がありましたね。ただ、出すからには真剣に良い物をというのも80年代の
面白いところなんですが・・・。
これも単に人気にあやかってレコード出しましたというレベルのものとは違って
よく作られていると思います。
興味があれば聴いてみて下さい。
Commented by はつこ at 2008-02-03 23:14 x
当時のあのCMを知らない今の若い人にとっては宮崎美子といえば最近ではお母さん役の女優さんというイメージなのかな?
私にとっては、多分何十年たってもあのGパンを脱いでいるピチピチの女子大生のイメージは抜けないでしょうね。
ところで、「オルゴールの恋唄」は真知子さんがアマチュア時代、ヤマハのポプコンで特別賞を受賞した名曲で、このアルバムのための書き下ろしではなく、カバーということになりますね。真知子さんの歌唱では18歳当時(アマチュア時代)の歌声でCDが(確か昨年あたり)リリースされています。これがかなりイイです。美子さんとの聴き比べをしてみてはいかがでしょう。
Commented by kaz-shin at 2008-02-03 23:26
はつこさん、はじめまして。コメントと情報ありがとうございます。
「オルゴールの恋唄」は渡辺さんのアマチュア時代の曲だったんですね。
全く知りませんでした。
ただ、デビュー後の渡辺さんの曲とは違った雰囲気を持っていたんで、
提供曲なのかなと思ってました。
ぜひオリジナルを聴いてみたいと思うので、ポプコン関連のアルバムを
探してみます。
本当に良い情報ありがとうございました。
Commented by kotaro at 2008-02-04 01:55 x
大分出遅れましたが私もこのアルバムはこっそり聴いていました。
「ためらい」はユーミンと増田啓子(KEI)がカバーして、大好きなナンバーです。「ノーリターン」も八神版、持っています。

宮崎美子の芸能デビューがミノルタX-7のCMで文字通りメディア総撫でみたいなセンセーションでしたので、音楽の話はCFソングを歌っている斉藤哲夫の話題が多かったです。
「MELLOW」に触れるなんてマニアックだなあ。

この頃の女優さんが出した隠れた名盤(迷盤)には竹下圭子、藤真利子などが面白いです。大竹しのぶも出していますし、マニア好みでは坪田直子(TVきまぐれ天使、東京キッドブラザース)なんていうのもいいですよ。
Commented by kaz-shin at 2008-02-05 00:21
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
楽曲的には良い曲が揃っているアルバムですよね。
それにしてもkotaroさんも色々聴かれてますね。私女優さんのアルバムって
殆ど聴いたことが無いんですよね。
なんせ80年代のアイドルの音楽の良さを今頃再確認しているくらいですから・・・(笑)
大竹しのぶさんのアルバムは、昔BOOK OFFで何回か見かけましたが最近は見ませんね。
80年代に制作されたアルバムは、アイドルだろうが女優だろうが聴いてみる
価値はあるような気がしてます。まめにBOOK OFFで探してみます。
いつも勉強になる情報ありがとうございます。
Commented by LOVE☆YUYA at 2010-05-02 10:00 x
おはようございます。
ありましたね。これは失礼しました(笑)

このアルバムでは、聴く前は一番期待してなかった渡辺真知子による③が一番心にしみる曲だなと思ったものです。

「NO RETURN」は当時なら松田聖子が歌ってたら絶対大ヒットしてたでしょうね。(河合奈保子でもそこそこ売れたかな?)そう考えたら案外もったいない曲だな…と(笑)

そうそう。デビュー当時は宮崎美子とライバル関係?にあった原日出子ってアルバム出してないんですかね?「約束」という超名曲を持っている彼女ですが彼女ほど歌唱力のある人がアルバム出してないとなると不思議…
Commented by kaz-shin at 2010-05-02 10:15
LOVE☆YUYAさん、おはようございます。コメントありがとうございます。

原日出子さんは、当時は今とは感じが違ってましたね。
約束は持っていませんが知ってます。筒美さんの曲でしたよね。
最近誰かカヴァーしてませんでした?
アルバムの話は聞いたことがありませんね。シングルを数曲出したというのは憶えてます。

基礎がしっかりとした歌という印象があります。今女優に専念してますが、もし今歌を歌っても面白いかも知れませんね。
Commented by LOVE☆YUYA at 2010-05-02 11:08 x
「約束」をカバーしてるのは、昔なら、つちやかおり、最近ならしょこたんですね。

どちらも持ってます(笑)

ただ、中川翔子バージョンは歌唱はよいのですがアレンジが現代風でちょっとアレかな…と。
Commented by kaz-shin at 2010-05-02 22:34
LOVE☆YUYAさん、コメントありがとうございます。
そうですか。中川翔子さんだったんですね。
ありがとうございました。
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