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しばた はつみ_SINGER LADY ◇ 2008年 02月 12日
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今回紹介するのは、1月23日に再発されたばかりのしばた はつみの1975年のアルバム『SINGER LADY』です。しばた はつみと言えば1977年にヒットした「マイ・ラグジュアリー・ナイト」を思い出す人も多いと思います。かくいう私もそんな一人なんですが、1975年頃のしばた はつみはまさに通好みというシンガーだったのでしょう。今聴くとその素晴らしさを痛感しますが、当時のJ-POPシーンにおいては早過ぎたという感じも否めません。ですから、昨今のリイシュー・ブームというのは本当に良いムーヴメントだという気がするんですね。

『SINGER LADY』は、私の敬愛する作曲家であり、編曲家であり、ジャズ・ピアニストでも大野 雄二が作曲・編曲・演奏で全面的にバック・アップしています。この頃、しばた はつみは大野 雄二と組んで、今回紹介する『SINGER LADY』、『LOTS OF LOVE』(1978年)と以前"Compilation / Cover"のカテゴリで紹介した『LOVE LETTERS STRAIGHT FROM OUR HEARTS』(1977年)の3部作を残しています。
今回の再発はこの3部作が全て1月23日にリリースされました。
大野 雄二の素晴らしい作・編曲センスとしばた はつみのシンガーとしての高いポテンシャルは、聴いてもらえば皆さんにも分かると思いますが、1975年という時代においては先端を行くものだったと思いますし、振り返って見ればJ-POPが変わりつつあった時代だったのいうのを痛感出来る1枚だと思います。
参加ミュージシャンは、村上 秀一(ds)、岡沢 章(b)、高水 健司(b)、杉本 喜代志(g)、松木 恒秀(g)、矢島 賢(g)、大野 雄二(key)、穴井 忠臣(per)、タイム・ファイヴ(cho)、羽鳥 幸次(tp)、村岡 建(sax)等という顔触れです。

『しばた はつみ / SINGER LADY』
01. シンガーレディ
02. もう一度聞かせて
03. ステージ・ドア
04. 折れたヒールの女
05. ショウガール
06. 帰らざる日々
07. 白夜の果て
08. 雨に流れて
09. 20世紀フォックス映画ファンファーレ ~ シンデレラ・シューズ
10. 愛のプリズム
11. ララバイ・オブ・スター

高速なファンキー・グルーヴが炸裂する01。当時これだけの演奏力を持ったミュージシャンが日本にいたことを誇りに思える1曲です。村上 秀一のドラミング、岡沢 章の太いベースが素晴らしいですね。リズム感抜群のしばた はつみのヴォーカルも凄いです。

イントロのサウンドで大野 雄二の仕事と分かるメロウなバラード曲02。ローズ、フルート、ギター(アコースティック、エレキ)のコンビネーションが最高に格好良いですね。

ストリングスの美しさが際立ったバラード・ナンバー03。ローズの音色、フレーズとストリングス・アレンジにいかにも大野 雄二らしさを感じる1曲。"ルパン三世"のエンディング・テーマとして使われていても違和感の無いような良いバラードです。

明るくJAZZYな4ビート・ナンバー04。ライナーで金澤 寿和も書いてましたが、バート・バカラックが書いた曲みたいな印象を受けますね。作曲は宮本 光雄です。渋いアコースティック・ギターのソロが光っています。

大野 雄二には珍しい歌謡曲チックなメロディーを持った05。ここではホーン・セクションの使い方が実に大野 雄二らしいです。

アリスにも同名曲がありますが、全く違う曲06。マイナー調のバラード曲で70年代の歌謡曲の色が強い曲です。宮本 光雄の作曲。

しっとりとしたバラード・ナンバー07。かなり難しい歌だと思うのですが、それを感じさせないしばた はつみのヴォーカルが素晴らしいと思いますね。この曲も大野 雄二が好きな人が聞けば、すぐに大野 雄二のアレンジだと分かるでしょう(笑)

シンプルな演奏構成が曲に似合っているブルース色の強いバラード08。渋いメロディーが耳に残ります。

男女(女はしばた はつみ)の会話でスタート。お馴染みの20世紀フォックス映画のファンファーレに続いて始まる09は、佐瀬 寿一の作曲によるJAZZYなナンバーです。ミュージカルの一場面を感じさせる短いナンバーです。

大野 雄二のソロ・アルバムにしばた はつみがゲスト・ヴォーカルで歌っている錯覚に陥る10。洒落たバラード・ナンバーで、アルバム中で最も大野 雄二の色が出ている楽曲かも知れません。個人的には大好きな曲です。

タイム・ファイブのコーラスをフィーチャーしたメロウなナンバー11。幕の下りた舞台裏を感じさせる切なくも短いナンバーです。

アルバムを通して聴くと、バラード曲の方が多かったのが少し残念な気がしますが、大野 雄二の色はしっかり出ていますね。しばた はつみも声を張った歌い方、抑えた歌い方など変幻自在のヴォーカルを聴かせてくれます。まとまったアルバムだと思いますが、もっとファンキーな曲も聴きたかったですね。
このアルバムは、コンセプトに合わせてしっかりと作り込まれています。そのコンセプトがCDの帯の裏側に書かれていたので、最後に紹介しておきます。

"バーバラ・ストレイザンド、ライザ・ミネリ・・・に代表される華麗なショウの世界。その世界に憧れ、夢をもって生きている人々。そんな人間の歓びや哀しみを、いま最も注目されている若手女性ボーカリスト・しばた はつみが、ドラマチックに表現し、大野 雄二との出会いにより生まれたのが、このアルバム『シンガーレディ』です。華やかな世界に生きるスターも独りの人間であり、ステージがそのまま人生の縮図であるといえるのではないでしょうか・・・"
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by kaz-shin | 2008-02-12 00:01 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(6) | |
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Commented by kotaro at 2008-02-12 01:35 x
やはりその頃といえば『サウンド イン S』を思い出しますね。
前項の伊東ゆかりとともに。

きょうは引越し後 初めてピアノの調律師が来てくれたので
久しぶりに好きな曲を弾ける範囲でポロンと触っていました。
my foolish heart (イントロだけ) moon river ...
あなたしか見えない も思い出しながらコードをなどってみました。

大人の音楽番組の復活を本当に願います。
ご結婚20周年 おめでとうございます。
Commented by ひと at 2008-02-12 21:55 x
タイム・ファイブもいるんじゃ、やはりサウンド・イン"S"ですね。
世良譲のピアノを囲んで大人の雰囲気で。
Commented by kaz-shin at 2008-02-12 23:07
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
最近は「サウンド・イン・S」みたいな良質かつ幅広い年齢層が楽しめる音楽番組が、
無いのは淋しい次第です。「ミュージック・フェア」も良い番組だとは思いますが、
SHOWという華やかさがあった「サウンド・イン・S」は魅力的でしたよね。

それにしても私のブログを訪れて下さる皆さんは、楽器が出来る方が多いのに驚いています。
結構バンドが組めたりするかも知れませんね(笑)

お礼が最後になってしまいましたが、お祝いの言葉ありがとうございました。
本当に嬉しい気持ちで一杯です。
Commented by kaz-shin at 2008-02-12 23:41
ひとさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
しばた はつみさん、伊東 ゆかりさんのようなベテランで、上手いシンガーの歌を聴ける(見れる)
歌番組を作って欲しいですよね。
中年、壮年だって良い音楽に接したいと思っていると思うんですね。
露出は多いけど、失言やら何やらで世間を騒がすアーティストを取り上げるのも
良いけど、経験を積んだことで表現出来る素晴らしい歌というものを若年層にも聴いて欲しい気がします。
おそらくそんな年代がそんな番組は見ないでしょうけど・・・(汗)
Commented by ymoymo at 2008-02-14 15:50 x
こんなアルバムがあるんですね。まったくノーマークでした。聞きたくなってきました。今自分はR&BブームでCD買って金欠なのに。聞く時間もないのに。大野雄二は気にはなっていたんですが、ルパンのシリーズのCDが多すぎてどっからはいっていいやらわからず困惑していたんです。この三作どれがいいですかね?
ついでに青年でもいい音楽に接したいと思ってますよ。たぶん同世代では珍獣ですが。伊東ゆかり(筒美京平ウルトラベストトラックス)も聞いてますし、雪村いづみ、佐良直美とかの歌をきいて感動しましたし、いまの歌姫よりも表現力や解釈を含めた意味でのうまさは圧倒的に勝っていると思います。自分が懐古趣味ってわけでなく。今のR&B歌姫って大半は単なる欧米の機械的な音声コピーで表現力を感じない人が多い気がします。逆に演歌歌手にソウルを感じる有様です。同世代音楽好きだとレゲエ祭とかラップやインディーズ音楽ききにクラブ行っちゃいますからそんな番組見ないでしょう(笑)よさも理解できないとおもいますし。
Commented by kaz-shin at 2008-02-14 23:42
ymoymoさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
しばたさんと大野 雄二さんのコラボ3作の中でお薦めするとすれば、洋楽カヴァー集
『LOVE LETTERS STRAIGHT FROM OUR HEARTS』ですね。
この『Singer Lady』も大野 雄二の色が濃いですし、悪くはありませんが
しばたさんのシンガーとしての魅力に溢れている『LOVE LETTERS ~』の方が初めて聴くなら良いでしょう。
馴染みの曲も多いでしょうから・・・。

ymoymoさんのように、お若いのに本物志向というか、きちんと良いものを聴き分ける
耳をお持ちの方がいらっしゃるのは嬉しいです。
ただ、そんな本物志向の人というのは、いつも金欠状態を覚悟して下さい(笑)
聴けば聴くほど、深みに入っていくタイプだと思いますので・・・。しかし、良い音楽が
どんなに沢山聴いても決して毒にはなりませんし、それどころか人間を豊かにしてくれますよ。
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