Music Avenue
musicave.exblog.jp
Top
CHICK COREA & RETURN TO FOREVER_LIGHT AS A FEATHER ◇ 2008年 03月 07日
e0081370_1841480.jpg 

今回紹介するのは、ウェザー・リポートと並んでフュージョン・グループの先駆けとも言えるグループ、リターン・トゥ・フォーエヴァー(RTF)が1973年にリリースした『LIGHT AS A FEATHER』です。RTFと言ってまず思い浮かべるのは、かの有名な1972年リリースの『RETURN TO FOREVER』、通称"カモメ"だと思います。確かに名盤ですよね。いずれ紹介しようとは思っていますが、この"カモメ"はチック・コリアの個人名義でリリースされているんですね。そういう意味ではグループ名義となった本作がRTFの1stアルバムになるのかも知れません。そんな訳で『LIGHT AS A FEATHER』を取り上げてみました。

RTFは1970年代に8枚のアルバムをリリースしているのですが、メンバーも細かく入れ替わったりしており、そのサウンドにも変化が見られます。ラテン系音楽の影響が色濃い時期、ロック色が強くなってプログレっぽいサウンドが主体だった時期、そして大編成のホーン・セクションを加えた時期がありました。
『LIGHT AS A FEATHER』は、第1期とも言えるラテン系音楽の影響を受けた時期のアルバムです。メンバーは、チック・コリア(key)、スタンリー・クラーク(b)、ジョー・ファレル(sax、fl)、アイアート・モレイラ(ds)とフローラ・プリム(vo)の5人。
本作発表後にジョー・ファレル、アイアート・モレイラ、フローラ・プリムが抜け、ビル・コナーズ(g)とレニー・ホワイトが加わり、1973年に『Hymn To The Seventh Galaxy(第7銀河の讃歌)』をリリースします。
そして今度はビル・コナーズが抜けてアル・ディ・メオラ(g)が加わり、1976年の『Romantic Warrior(浪漫の騎士)』というとんでもないアルバムをリリースするまでの3年間はまさに黄金期と呼べる時代だったと思います。

『LIGHT AS A FEATHER』は、フローラ・プリムのヴォーカルをフィーチャーしてブラジリアン・グルーヴが心地良い作品です。そして心地良い中にも緊迫感溢れる演奏を聴かせてくれるのがRTFなんですね。このアルバムの目玉はやはり名曲「スペイン」でしょうね。

『CHICK COREA & RETURN TO FOREVER / LIGHT AS A FEATHER』
01. YOU'RE EVERYTHING
02. LIGHT AS A FEATHER
03. CAPTAIN MARVEL
04. 500 MILES HIGH
05. CHILDREN'S SONG
06. SPAIN

ゆったりとしたチック・コリアの美しいエレピで始まる01。テンポ・アップしてからのフローラ・プリムのヴォーカル、アイアート・モレイラのブラシ・ワーク、そしてチック・コリアとのエレピとの見事なユニゾンを聴かせてくれるジョー・ファレルのフルートの美しさが印象的です。ジョー・ファレルはサックスばかりでなく、フルートも本当に上手いですね。ブラジリアン・テイストの1曲。

アルバム・タイトル曲で、10分を超える大作02。ブラジリアンJAZZといった雰囲気がぴったりですね。途中4ビートに変化して、チック・コリアの素晴らしいエレピ・ソロが始まります。メンバーの息が合ったプレイが聴く者を引き込む感じですね。後半のスタンリー・クラークのベース・プレイも圧巻ですし、渋いジョー・ファレルのサックス・ソロも魅力です。

スタン・ゲッツでお馴染みのナンバー03。スリリングな演奏がたまらないナンバーです。フローラ・プリムのコーラスが良い感じですし、スタンリー・クラークのベースも凄いですが、この曲の主役はジョー・ファレルのフルートですね。サックス・プレーヤーでフルートを吹く人は多いですが、ここまで素晴らしい演奏を聴かせてくれるのはジョー・ファレルならではでしょうね。そして締めはチック・コリアのエレピ・ソロという構成の上手さが光っています。

フローラ・プリムらしいヴォーカルが堪能出来る04。この曲もスタン・ゲッツの演奏で知られる1曲ですね。この曲ではメンバー全員のスリリングなプレイが楽しめます。ジョー・ファレルのサックスも良いですが、個人的にはアイアート・モレイラの個性溢れるドラミングが大好きです。チック・コリアのピアノのプレイも大好きなんですが、やはりエレピのプレイは群を抜いて素晴らしいです。

チック・コリアのある種ライフ・ワークのひとつなんじゃないかと思える05。本当に数多くの「CHILDREN'S SONG」が存在しますが、私は「CHILDREN'S SONG#5」が1番好きです。ここに収録されている曲は正直なところ退屈な感じですね。

チック・コリアの代表曲で名曲06。この曲を名曲と呼んでもおそらく異論はどこからも出ないでしょうね。ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」のテーマをチック・コリアのエレピで演奏するという導入部。フラメンコの要素を大きく取り入れたそのメロディやリズム・アレンジは、情熱的で聴いていて本当に楽しいですね。フローラ・プリムのスキャットや手拍子を効果的に使われています。メンバー各々の楽しげで奔放なプレイの数々にワクワクさせられっぱなしです(笑)

このような素晴らしいアルバム、演奏を聴くと人間は凄いなと思いますね。どんなにサンプリング技術が発達しようとも、こんな演奏はプログラミングでは再現出来ないでしょう。譜面に落とせれば打ち込みの演奏は可能でしょう。しかし、譜面通りにきっちり演奏してこんな躍動感が表現出来るとは思えません。そこに人間の感性が加わることで譜面では決して表現出来ないものとなり、音楽をより一層楽しく素晴らしいものに変化させているんでしょうね。
RTFのアルバムでは、このアルバムの他にも鳥肌が立つほどの凄い演奏を聴かせてくれる『Romantic Warrior(浪漫の騎士)』が大好きで、いずれ紹介したいなと思っています。
[PR]
by kaz-shin | 2008-03-07 00:08 | FUSION系 | Trackback(1) | Comments(12) | |
トラックバックURL : https://musicave.exblog.jp/tb/7449586
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from Kenny's Musi.. at 2008-03-10 23:59
タイトル : Airto Moreira 『FREE』 1972 CTI
●Airto Moreira『FREE』1972 CTI リターン・トゥ・フォーエバー関連アルバム!! 1. Return To Forever(Chick Corea) 2. Flora's Song フローラの歌 (Flora Purim) 3. Free(Airto Moreira) 4. Lucky Southern(Keith Jarrett) 5. Creek(Arroio)(Victor Brazil) <演奏者> アイアート・モレイラ(PERC,DS...... more
Commented by Chick Jarrett at 2008-03-07 01:11 x
どうもどうも、
『BEST FRIEND』、『OCEAN SIDE』、そして『風のように』(^^;;を
林哲司最高傑作とする私ですが、
この世に存在する全てのアルバムの中で一番好きなものが、通称"カモメ"、なのでございます。はい、『LIGHT AS A FEATHER』も当然好きですよ。
おっしゃる通りで、05は退屈かな。06を盛り上げる前座のようなものだと思って我慢して(笑)聴いとります。
『LIGHT AS A FEATHER』は「完全盤」というものも持ってまして、「スペイン」はなんと3テイクも入っているのですが、他の曲の別テイクも含めて、やや微妙な感じですかね。
通常盤が全曲ベストテイク集になっていると私は思います。
よし、明日の出勤ドライブミュージックは『LIGHT AS A FEATHER』にしよう!
Commented by kaz-shin at 2008-03-07 01:30
Chick Jarrettさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
やはりFUSION系もお好きだったんですね!
HNを見ておそらくFUSIONを聴かれるんだろうなと想像しておりました(笑)
通常であれば"カモメ"を先に紹介するのが筋なんでしょうが、あの名盤を
私の拙い文章でレビュー出来るかどうか不安がありまして・・・(笑)
いつかは紹介するつもりですが、それにはまだ修行を積まねばなりません。
ジョー・ファレルとチック・コリアの組み合わせって大好きで、スティーヴ・ガッド、エディ・ゴメスとの
カルテットによる『FRIENDS』も大好きなアルバムなんですよね。
チック・コリアのエレピは最高ですね。
Commented by まるいチ-ズ at 2008-03-07 08:08 x
おはようございます
チック・コリアを聞き出したのが高校生の頃でして、以来永遠のファンを勝手に自称しております。彼の魅力ってなんなんでしょうね?と考えたのですが、自宅でぼや~っと聴いていてもスペインやブラジルに連れて行ってくれるような感覚になることかな?などと思いました(実際には行ったことないですが・笑)
私はジョー・ファレルが大好きでして、このアルバムは最高です、もちろんFRIENDSも!(笑)
Commented by DENTA at 2008-03-07 19:16 x
ども、暫くブリでござんす。
アール・クルーがいた頃のRTFを聞いてみたいんですけど、
いまだ出会うことが出来ず・・・
彼がエレキを弾いている稀有な頃ですし。
・・・その前にCD化されているかどうかがわかりませんが。
再販希望!
Commented by PON at 2008-03-07 21:33 x
このアルバム持っています!
目当てはkaz-shinさんも書いている
代表曲「SPAIN」だったのですが、
どの曲も素晴らしくて、大切な1枚となりました。

レビューを読んで改めて思ったのが、
1,6曲目のように、ゆっくり→アップテンポ…といった
緩急が気持ち良いな~ということです。
久しぶりにじっくり聴いてみます^^
Commented by bonejive at 2008-03-07 22:25 x
来ましたねRTF。
スペインは生茶のCMで使われて話題になりましたね~。
何度聴いても飽きない曲です。
ボーカルのボビーのスキャット版もかっこいいですね。
Commented by kaz-shin at 2008-03-08 12:41
まるいチ-ズさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなり、すみませんでした。
チック・コリアは良いですよね~。RTFも含めてチック・コリアのプレイは聴いていると
不思議と気分をリラックスさせてくれるんですよ。
緊張感溢れるスリリングな演奏でも肩が凝らずに聴けるそんな音楽だと思います。

ジョー・ファレルも大好きでして、以前より彼の1番FUSION色の強いアルバムである
『Night Dancing』(1978年)をCD化して欲しいと熱望しているんですが・・・(笑)
Commented by kaz-shin at 2008-03-08 12:44
DENTAさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
アール・クルー在籍時のRTFの音源て残っているんですかね?
もし残っているなら聴いてみたいですね。
ライブ音源でも残っていればCD化して欲しいですね。
アール・クルーの弾くエレキはぜひとも聴いてみたいです。
Commented by kaz-shin at 2008-03-08 12:48
PONさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
「SPAIN」だけでもこのアルバムを聴く、買う価値のあるアルバムだと思っています。
特にラテン系のノリが好きな人にはたまらない1枚ですね。第1期時代の2枚のアルバムは
本当に素晴らしい仕上がりで、これからも大切に聴いていきたい作品です。
Commented by kaz-shin at 2008-03-08 12:56
bonejiveさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
今までFUSION好きと言いながらも、王道と言われる作品はあまり紹介していませんでした。
というのも多くの方に愛されているアルバムのレビューって、私のような拙い文章しか
書けない者にとっては非常に敷居が高いんですね(笑)
今回RTFを紹介したことで、少し図々しくなれそうなんで今後は王道アルバムも紹介しようと思ってます。
その時はぜひとも温かい目で見守ってやって頂けると嬉しいです(笑)
Commented by kotaro at 2008-03-10 12:36 x
ジャズの面白さは個人個人の能力が10としても複数の人間が
一緒になり20も30もの能力を発揮してしまう奇蹟にあると思います。
チック コリアはマイルス門下から出た俊秀ですが、油の乗る前のスタンリー クラーク、アイアート モレイラ、フローラ プリム、ジョー ファレルらとこういう音楽的化学反応を起こして、いくつかの優れたアルバムを残しました。30-40年経っても音楽の分る人にはそのテンションの高さと、鮮やかな切り口が面白いわけで、優れた文章や芸術と同じものだと思います。

そういう日常的ハプニングや音楽的なトライエラーが少なくなってしまった今の時代にやや不満はあるものの、いつかはこういう「面白さ」をもう一度理解してシーンが戻って来る日が来るのではと、このブログに期待してコメントしています。
Commented by kaz-shin at 2008-03-10 23:19
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
チック・コリアが好きなのは、決して難解な音楽ではなく、あくまでも自然体なところですね。
しかし、そのプレイのテンションの高さ、アイディアの豊富さで聴く者を魅了するという
素晴らしいミュージシャンですね。彼が集めてくる面々とのセッションは、仰るように
1+1が2では無く、3にも4にもなって押し寄せてくる感じがあって、聴いていて本当に楽しいです。
<< 山下 憂_EVER AFTER... ページトップ 渡辺 美里_HELLO LOVERS >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Ice Green Skin by Sun&Moon