久しぶりに"プロデューサー"にスポットを当てて記事を書いてみようと思います。今回紹介するのはシングル盤で、山下 憂というアーティストが1994年にリリースしたものです。山下 憂というアーティストを知っている方は少ないと思います。そういう私もつい最近まで全く知りませんでしたから・・・(笑)
先日、DVDを借りにGEOへ出かけまして、ついでにCDが格安で売られているコーナーを物色中に偶然見つけたもので、最初自分の目を疑いました。380円コーナーで売られていたこのCD、丁寧に帯まで付いていたんですが、当然山下 憂という名前にはピンとこなかったんですが、プロデュースがなんとジェイ・グレイドンと書いてあるではないですか!あのジェイ・グレイドンが日本人アーティストをプロデュースしていたという事だけで、かなりの驚きだったのですが、参加しているメンバーを見てさらに驚くことになりました。
ジェイ・グレイドン(g、programming)、ビル・カントス(key)、スティーヴ・ルカサー(g)、ジョン・ピアース(b)、ジョン・キーン(ds)、クリフ・マグネス(cho)が参加しているんですよ。これはもう買うしかないだろって感じでレジへ急ぎました(笑)
シングル盤にも関わらず中田 利樹氏がきっちりとライナーを書いており、それによると山下 憂は1955年5月生れ。大学時代に"かげらふ"という名のフォーク・グループを結成し、1977年にはアマチュア・バンド・コンテストで優勝。以後はソロ活動に入り、ライブハウスを中心に活動していたようです。また同郷の先輩であるギタリストの松原 正樹にも認められ一緒にミュージック・ビジネスを進めるも、自己のプロジェクトを立ち上げるために1986年に独立。1988年にはデヴィッド・T・ウォーカーがサウンド・プロデュースを手掛けた(これはぜひ聴きたいものです)1stアルバム『GLOOMY』をリリースしたという経歴の持ち主です。
また、中田氏のライナーによると、やはり山下 憂がジェイ・グレイドンが正式にプロデュースをした最初の日本人アーティストらしいですね。それだけに貴重な音源とも言えるでしょうね。
さて、肝心の音楽ですが、これがもう直球ど真ん中といった感じのAORです。英語詞で歌っているのですが、おそらく何も知らずに聴いたら日本人だとは気付かないでしょう。それほど本場のAORに溶け込んだ素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれます。
『山下 憂 / EVER AFTER LOVE』
01. EVER AFTER LOVE
02. ONE LOVE
ジェイ・グレイドン、ビル・カントス、ヴァレリー・ホーベル3人の共作01。日本サイドのプロデューサーがグレイドン・フリークで、アル・ジャロウの「モーニン」とディオンヌ・ワーウィックの「フォー・ユー」の2曲の中間に位置するような曲をジェイ・グレイドンにリクエストして出来上がった曲らしいです。実はこの曲、以前紹介したジェイ・グレイドンのソロ・アルバム『Airplay For The Planet - The Album -』に収録されているのですが、実は山下 憂の為に書き下ろした曲だということです。ジェイ・グレイドンの打ち込みとギター、ビル・カントスのキーボードだけで演奏されていますが、まさにアル・ジャロウの「モーニン」を彷彿させる粋なAORナンバーですね。ギター・リフを聴けばきっとニヤついてしまうでしょう(笑)
ジェイ・グレイドンが書いた曲に山下 憂がサビにメロディーを加え、ケンジ・サノが歌詞を付けたというロック・テイストのAORナンバー02。リズム・セクションの中心はスティーヴ・ルカサーのギターで、タイトなジョン・キーンのドラミングと相まってライヴ感溢れる演奏が特徴です。間奏のジェイ・グレイドンのギター・ソロがとにかく格好良いの一言ですね。クリフ・マグネスのコーラスも曲を盛り上げています。ジェイ・グレイドンが全て録音に関わっているので、音質・バランスも最高です。
1994年というAORの影が薄れてきた時代に、こんなにストレートなAOR作品が作られていたというのが驚きでした。これは山下 憂が相当AORに対して思い入れが強かったのかも知れませんね。現在はどのような活動されているのかは不明ですが、元々シンガー・ソング・ライターらしいので今でも頑張っているのかも知れません。デヴィッド・T・ウォーカーのプロデュース作品の1st『GLOOMY』はぜひとも聴いてみたい1枚なので探してみたいと思っていますし、もし他の音源が存在するならば聴いてみたいアーティストです。
現在は入手困難でしょうが、機会があればぜひ聴いてみて下さい。AORファンには超お薦めの1枚です(笑)
by kaz-shin
| 2008-03-08 12:31
| PRODUCER
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Comments(6)
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| ▲
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PON
at 2008-03-08 20:33
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知らないアーティストだったのに当たり、だったようで
良かったですね!
'94年で直球AORサウンドというのも嬉しいです。
手に入れるのは難しそうですが、機会があったら
聴いてみます^^
良かったですね!
'94年で直球AORサウンドというのも嬉しいです。
手に入れるのは難しそうですが、機会があったら
聴いてみます^^
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kaz-shin at 2008-03-09 01:00
PONさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
やっぱり音楽の世界はとてつもなく広いですね(笑)
まだまだ素晴らしい作品に出会えず損をしているのかなと、こういう音楽に出会うと
そんなことを感じます。
日々勉強というより、探究心を無くさぬように努力せねばと思いますね。
機会があったら聴いてみて下さい。AOR好きな人なら驚くと思いますよ。
やっぱり音楽の世界はとてつもなく広いですね(笑)
まだまだ素晴らしい作品に出会えず損をしているのかなと、こういう音楽に出会うと
そんなことを感じます。
日々勉強というより、探究心を無くさぬように努力せねばと思いますね。
機会があったら聴いてみて下さい。AOR好きな人なら驚くと思いますよ。
再び『SWEET VIBRATION 日本の定盤100選』なんですけど・・・
ここにも山下憂の事が紹介されていて、
私もかねがね一度聴いてみたいなーと思っていたんですよ!
今回、おかげさまで、縁あってやっと聴く事が出来ましたー。
いつもいろんな情報提供を本当にありがとうございます。
そして、勿論、以前から所有している
『Airplay For The Planet 完全盤』収録ヴァージョンとも
聴き比べしてみましたー。
おー、確かにバッキングトラックは同じですねーー!
「締め切りに間に合わずに云々・・・」という曰くつきとは
こりゃまた何とも・・・(笑)
歌に関してですが、
ビル・カントス・ヴァージョンもほとんど同じ歌い方で
ちょっと聴いただけでは違いがわからない程です。
(声質までよく似ています)
フルアルバムの超レア作品『GLOOMY』、
これって、いつの日か聴く事出来ますかねーー??
デヴィッド・T・ウォーカー・プロデュースだと
私もすごく興味あるんですけど???
ここにも山下憂の事が紹介されていて、
私もかねがね一度聴いてみたいなーと思っていたんですよ!
今回、おかげさまで、縁あってやっと聴く事が出来ましたー。
いつもいろんな情報提供を本当にありがとうございます。
そして、勿論、以前から所有している
『Airplay For The Planet 完全盤』収録ヴァージョンとも
聴き比べしてみましたー。
おー、確かにバッキングトラックは同じですねーー!
「締め切りに間に合わずに云々・・・」という曰くつきとは
こりゃまた何とも・・・(笑)
歌に関してですが、
ビル・カントス・ヴァージョンもほとんど同じ歌い方で
ちょっと聴いただけでは違いがわからない程です。
(声質までよく似ています)
フルアルバムの超レア作品『GLOOMY』、
これって、いつの日か聴く事出来ますかねーー??
デヴィッド・T・ウォーカー・プロデュースだと
私もすごく興味あるんですけど???
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kaz-shin at 2009-07-05 01:12
kenny Uさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私も『KennAirplay For The Planet』と聴き比べてみました。
本当ですね!同じトラックなんですね!知りませんでした。と言うか全く気付きませんでした。
私も『GLOOMY』はぜひとも聴いてみたいです。しかし入手は難しいそうですね~。
このシングルを見つけただけでも奇蹟に近いかも知れません。
私も『KennAirplay For The Planet』と聴き比べてみました。
本当ですね!同じトラックなんですね!知りませんでした。と言うか全く気付きませんでした。
私も『GLOOMY』はぜひとも聴いてみたいです。しかし入手は難しいそうですね~。
このシングルを見つけただけでも奇蹟に近いかも知れません。
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kikutaku
at 2010-06-17 11:27
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先日、2010年6月15日のページに検索でお邪魔した者です。
その後、あらためてそのページを拝見し、このページへのリンクが
あることに気づき、来てみたら・・・何と!こんなに詳しい解説が!!
しかも!カップリングされてるOne Loveって曲も、凄く良さそうですねえ。
ぜひ聴いてみたいのですが、今まで何度も中古CD屋を巡って、
でもこのCDは見つからなかったので、できたらOne Loveのほうも
YouTubeにアップしていただけたら嬉しいです。いかがでしょうか・・・。
その後、あらためてそのページを拝見し、このページへのリンクが
あることに気づき、来てみたら・・・何と!こんなに詳しい解説が!!
しかも!カップリングされてるOne Loveって曲も、凄く良さそうですねえ。
ぜひ聴いてみたいのですが、今まで何度も中古CD屋を巡って、
でもこのCDは見つからなかったので、できたらOne Loveのほうも
YouTubeにアップしていただけたら嬉しいです。いかがでしょうか・・・。
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kaz-shin at 2010-06-17 22:42
kikutakuさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
そしてリクエストありがとうございました。
私も「ONE LOVE」もUPしたいと思っていましたので、早速UPしました。
楽しんで頂ければ嬉しいです。
そしてリクエストありがとうございました。
私も「ONE LOVE」もUPしたいと思っていましたので、早速UPしました。
楽しんで頂ければ嬉しいです。