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鈴木 雅之_Dear Tears ◇ 2008年 03月 22日
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今回紹介するのは鈴木 雅之のソロ第3弾となるアルバムで、1989年にリリースされた『Dear Tears』です。鈴木 雅之と言えば日本を代表するR&Bシンガーというイメージがありますが、このアルバムではソウルフルな部分よりもAORな一面を全面に出しています。

以前、2ndアルバム『Radio Days』を紹介しましたが、山下 達郎がプロデュースに関わっていたという意味でも興味を惹くアルバムだったんですが、2ndではまだソウルフルな彼本来の持ち味が出ていました。しかし、この3rdでは明らかに大衆性を意識した作品になっているように思います。そしてそれが上手くアルバムに集約されたという感じがするんですね。
その証拠に、一見ミス・マッチとも思える小田 和正とのコラボレーション。ところが現実には「別れの街」という名曲を生み出しました。これは小田 和正の才能、プロデューサーとしての眼力の素晴らしさはもちろんですが、私はそれを歌いこなした鈴木 雅之のヴォーカリストとしての懐の深さ、才能の豊かさを感じました。

私はこのアルバムをJ-素晴らしいJ-AORだと思っていますし、このアルバムで鈴木 雅之というアーティストが単なるR&Bシンガーでは無い事を感じさせてくれました。小田 和正が2曲、松尾 清憲が2曲、安部 恭弘が2曲、レイ・パーカー.Jrが2曲、鈴木 雅之が2曲、曲を書いています。それぞれの個性が良く出ている曲でアレンジも洒落ていますし、非常に聴き易いアルバムだと思います。鈴木 雅之=R&Bだと思っている人は、このアルバムを聴くと少し印象が変わるかも知れませんよ。

『鈴木 雅之 / Dear Tears』
01. 別れの街
02. 今日から・・・
03. くーな
04. 軽蔑
05. Lecture (聞かせて)
06. Our Love Is Special
07. Love Overtime
08. Hard Hunter
09. 私の願い
10. 時おり僕は

小田 和正の作詞・作曲・編曲・プロデュースによる01。これは名曲だと思います。この曲に関しては小田自身が歌っても似合わない気がしますね。鈴木 雅之にピッタリな曲を書いたものだと感心しました。アレンジも都会的で洒落ていますし、小田のコーラスも普段聴けないような低音域部を使ったものだったりと、小田のアイディアに溢れた1曲です。

作詞:大下 きつま、作曲:松尾 清憲、編曲:有賀 啓雄によるミディアム・バラード02。松尾 清憲らしい安心して聴けるメロディー・ラインが印象的です。鈴木 雅之自身によるコーラス・ワークが素晴らしい曲です。

作詞:神沢 礼江、作曲:安部 恭弘、編曲:清水 信之による03。安部-清水というのは本当に相性の良いコンビで、CITY POPの中においても最強の部類に入ると思います。打ち込み主体なんですが、嫌味が無いというか決して打ち込みを強調せず、聴き易さを重視しているかのようなアレンジが見事ですね。安部 恭弘のメロディーもポップでキャッチーです。

作詞:神沢 礼江、作曲:安部 恭弘、編曲:有賀 啓雄によるアーバン・グルーブがたまらない04。この曲がアルバム中で1番好きな曲です。安部 恭弘らしい都会的な洒落たメロディーと有賀 啓雄のアレンジが見事にマッチしているナンバーです。とにかく演奏が渋いです。江口 信夫(ds)、有賀 啓雄(b)、角田 順(g)、佐橋 佳幸(g)、大村 憲司(g-solo)、松田 真人(key)、有賀 啓雄(key)、浜口 茂外也(per)という豪華メンバーの演奏で、特に有賀 啓雄のベース、大村 憲司のギター・ソロは鳥肌モノです。

作詞:西尾 佐栄子、作曲:鈴木 雅之、編曲:戸田 誠司によるキャッチーな05。鈴木 雅之のファンなら彼自身が書いた曲だというのがすぐに判るのではないでしょうか。どこがと言われても困るのですが、何故か鈴木 雅之らしさを感じる1曲です。

レイ・パーカー.Jrの作詞・作曲・編曲・プロデュース曲06。もちろん英語詞ナンバーです。メロウなAORナンバーですが、残念ながら打ち込みのビートがどことなくチープな感じがします。生のドラムを使うだけでかなり印象は変わったと思います。

続く07もレイ・パーカー.Jrプロデュース曲です。ビートを効かせたヒップ・ホップ系のダンス・ナンバーです。やはり打ち込みですが曲調に似合っているので、嫌味な印象はありません。鈴木 雅之の持つ黒っぽさがよく出ていて良いですね。

作詞:西尾 佐栄子、作曲:鈴木 雅之、編曲:清水 信之によるハードなポップ・ナンバー08。ヘビーな打ち込みのリズムに軽快なギター・カッティング、全て清水 信之一人でこなしています。本当に器用な人です。こういう曲調での鈴木 雅之のヴォーカルは本当に活き活きしてますね。

小田 和正の作詞・作曲・編曲・プロデュースによる09。重厚なシンセ・サウンドが印象的なバラード曲です。01に比べると小田 和正色の強いメロディー・ラインと歌詞です。

作詞:阿部 真理子、作曲:松尾 清憲、編曲:清水 信之によるミディアム・ナンバー10。強く印象に残るタイプの曲ではないのですが、不思議に耳に心地良いといった感じの曲です。そこが何とも松尾 清憲らしいところですね。聴けば聴くほど味わい深い曲だと思います。

本当に佳曲揃いで楽しめるアルバムだと思います。01はヒットしたんで知っている人も多いでしょうね。今ではBOOK OFFでは250円コーナーの常連となってしまっているアルバムですから、興味のある方は聴いてみて下さい。特にCITY POP/J-AOR好きな方は04を聴くだけでも250円なら損はしないと思います。私は初めて04を聴いた時、あまりの格好良さに鳥肌立ちましたよ(マジです・・・笑)
私の考える良い音楽の定義である、楽曲(メロディー)の良さ、アレンジ(演奏)の良さ、ヴォーカルの良さの3拍子が全て揃った曲です。この格好良さは絶対に打ち込みでは出せませんね。
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by kaz-shin | 2008-03-22 00:19 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(6) | |
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Commented by 猫になりたい哲学者 at 2008-03-22 22:28 x
鈴木さんと小田さんのコラボと当時聞いた時「なんだかなぁ…」という印象を正直持ちました。ところが出来上がった曲は素晴らしいもので本当に大成功でしたよね。小田さんもオフコースを解散した直後だっただけに気合が入っていたというかソロしてこれからの自らの音楽活動の可能性・方向性を探っていたのかもしれませんね。(あまり曲を提供しない人ですからね。オフコースでは代わって松尾さんがいい曲をアイドルを中心に残してくれましたが)鈴木さんは自ら曲を書きながらも様々な人から提供された曲も歌う歌手寄りのソングライターって存在で本当に貴重な人ですよね。鈴木さんって時たま本当に意外なコラボをする人で、その一番際立っていたのが菊池桃子さんとのデュエットでしたね。女優業に完全にシフトしてブランクがあった時期に、また現在までの所最後の桃子さんの歌手としての存在感・輝きを提供してくれた人として個人的には大変感謝しているんですよ(お前何様だよ(苦笑))
Commented by kaz-shin at 2008-03-24 01:14
猫になりたい哲学者さん、こんばんは。いつもコメントありがとうございます。

小田さんのプロデュースというのは、確かにミスマッチな印象を受けますが
01に関しては大成功だったなと思います。さすがに良い曲を書きますね。
桃子さんとのデュエット曲も大好きなんですよ。
♪今日も渋谷で5時~♪(笑)
鈴木さんてR&Bだけに拘らず幅広い視野のアーティストなんで、今でも
一線で活躍出来るんでしょうね。
Commented by at 2008-03-25 08:26 x
先日以来ちょこちょこのぞかせてもらってます。
たくさん音楽聴いていてすごいっ!読んでるだけで楽しいです。

このアルバムは聴いた事ないですが、01はベストにも入ってますね。
去年の夏、鈴木雅之、Skoop On Somebody、ゴスペラーズ、
ダンス☆マンなどが出るSoul Powerというライブイベントに行きました。
鈴木さん、思ってたより歌が上手じゃなくて・・・(^^;
会場やその日の調子にもよるんだと思うのですがちょっと残念でした。
Commented by kaz-shin at 2008-03-26 00:35
華さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
凄い面子の集まったライブですね。ダンス☆マンまで出演していたなんて、
想像しただけで楽しそうですね(笑)

生で鈴木さんの歌を聴いたことが無いのですが、やはり体調や調子によって
出来も随分違うんでしょうね。確かにレコーディングされたものと実際の生歌とで
かなり違うアーティストはいますからね。
でもあれだけ歌える人なので、華さんが聴かれた時は調子が悪かったのかも知れませんね。
Commented by こういち at 2009-08-05 00:11 x
このアルバムは捨て曲ありません。

癖になるサウンドばかりです。中でも「軽蔑」。
有賀さんのファンキーなベースと大村憲司さん(故人)のギターが強いです。ベースラインが強調してますね。清水さんのアレンジもいいですね。

ところで、前前から気になった疑問ですが、3曲目の曲に「くーな」という曲がありますが、何の意味なのでしょうか? 詩から見て、どこも見当たらないといいますか。わかりません。

あとは、Ray Parker Jr.は、ゴーストバスターズの音楽を作った方ですよね?
Commented by kaz-shin at 2009-08-07 00:00
こういちさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなってしまいました。すみません。

言われてみると「くーな」というのは変わったタイトルですよね。
私もタイトルの意味が知りたいです(笑)

>Ray Parker Jr.は、ゴーストバスターズの音楽を作った方ですよね?
そうです。ギタリストとしてスタジオ・ワークで活躍していましたが、ハービー・ハンコックの勧めもあってレイディオというグループを作ってデビュー。
名曲「A WOMAN NEEDS LOVE」等をリリースして、「Ghostbusters」の大ヒットへと繋がっていきました。
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