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楠瀬 誠志郎_冒険者たち ◇ 2008年 04月 07日
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今回紹介するのは、1987年にリリースされた楠瀬 誠志郎の2ndアルバム『冒険者たち』です。独特な声質ながらも、その歌声は爽やかでコーラス・ワークも見事な楠瀬 誠志郎。彼の作品の中でも特に好きな1枚であり、CITY POP色の強い作品だと思っています。
春先から夏にかけて、楠瀬 誠志郎の歌声はまるで清涼剤のように聴く者を爽やかな心持にさせてくれますね。この2ndにおいても、その爽やかな歌声は健在です。そして、ソングライターとしても円熟してきたというのか、本当にキャッチーで耳に馴染む楽曲が揃った名盤だと思います。

このアルバムの心地良さの大きな要因は、井上 鑑、岡田 徹の二人のアレンジの素晴らしさにあると思っています。アルバムの構成も面白く、前半4曲を"- in the daytime -"、後半5曲を"- round about midnight -"というように作品の色合いを分けているのも、CITY POP全盛期の流れを汲んでいるようで、CITY POP好きな私にはたまらないです(笑)

参加しているミュージシャンは、山木 秀夫(ds)、宮崎 全弘(ds)、高水 健司(b)、中原 信雄(b)、今 剛(g)、土方 隆行(g)、吉川 忠英(g)、古川 昌義(g)、鈴木 智文(g)、浜口 茂外也(per)、井上 鑑(key)、岡田 徹(key)、土岐 英史(sax)、小池 修(sax)、数原 晋(tp)、杉 真理(cho)という凄腕ばかりです。

『楠瀬 誠志郎 / 冒険者たち』
- in the daytime -
01. ~Prologue~冒険者たち
02. トゥ・レ・ジュール - 日々の港 -
03. バニラエッセンス
04. 君の選んだ小さな傘
- round about midnight -
05. Sugar Stick
06. Elevator Town
07. Movin' Night
08. Highwayの憂うつ
09. Thousand Times

古川 昌義の奏でる心地良いアコースティック・ギター・ソロによるプロローグで始まる01。ナイアガラ・サウンドにも通じる夏を感じさせるポップなナンバーです。楠瀬 誠志郎の数ある楽曲の中でも大好きな1曲です。コーラス・ワークが見事なんですが、山下 達郎の影響を色濃く感じるコーラス・アレンジは、Hi Fi-SETの山本 俊彦です。ちなみに作詞は、同じHi Fi-SETのメンバーだった大川 茂。

井上 鑑のアレンジが実に気持ち良いミディアム・ナンバー02。ヨーロピアンな香りがするナンバーで、目の前に広がる港のイメージは地中海の小さな港といった感じですね。風に乗って気持ち良さそうに飛ぶ海鳥を見ている、そんな気分に浸れる1曲ですね。

岡田 徹のポップなアレンジが秀逸な03。この曲の聴き所は何と言っても楠瀬のコーラス・ワークでしょうね。彼の声質だから可能な甘くて爽やか(変な表現ですが・・・汗)なコーラスは素晴らしいの一言です。

杉 真理がコーラス・アレンジとコーラスで参加しているミディアム・ポップ・ナンバー04。長年杉 真理のバックでコーラスをやっていただけであって、杉&楠瀬のコンビによるコーラス・ワークは見事にはまっていて、深みもあります。

リゾート感覚の強い"- in the daytime -"に変わって、都会的でCITY POP色の強い"- round about midnight -"のトップを飾る05。井上 鑑のアレンジによるリズミカルで都会的なサウンドと、メロディーが絶妙にマッチしている佳曲。

ホーン・セクションをや井上 鑑の弾くオルガンを効果的に使った曲で、ロックとJAZZが融合したような不思議な魅力を持ったアップ・テンポのナンバー06。高水 健司のベース・プレイが光る1曲です。

ビートを効かせたミディアム・ナンバー07。いかにも井上 鑑らしい凝ったリズム・アレンジが印象的です。真夜中になっても静まることの無い不夜城・東京を上手く表現しているのではないでしょうか。

東の空が明るくなり始める時間帯に高速を走りながら聴きたくなるような、洒落たCITY POPナンバー08。交通量の少ない高速を快適に走っているような、そんな疾走感を感じる曲です。インパクトは強くないのですが、井上 鑑のアレンジ・センスの良さを感じる1曲です。

楠瀬 誠志郎のピアノの弾き語りスタイルによるバラード・ナンバー09。ピアノの他はシンセとコーラスのみというシンプルなナンバーです。どこかゴスペル・ソングを彷彿させる曲ですね。

楠瀬 誠志郎と言うと、1991年にヒットした「ほっとけないよ」みたいな明るく元気なPOPな曲を歌うアーティストというイメージを持っている人も多いと思いますが、以前紹介した1stアルバム『宝島』や今回紹介した2ndのように、リゾート感覚溢れる曲と都会的なサウンドの曲とを上手いバランスで織り交ぜた、まさにCITY POPと呼ぶに相応しい作品をリリースしていました。
今では楠瀬 誠志郎のアルバムも、悲しいかなBOOK OFFでは250円コーナーの常連となってしまいました。しかし、考え方によっては聴いたことの無い人には冒険出来る価格だと思いますので、機会があったら聴いてみて下さい。本当に気持ち良くなれますよ。
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by kaz-shin | 2008-04-07 00:02 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(4) | |
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Commented by kotaro at 2008-04-07 01:20 x
名盤の1枚です。僕も当時すぐに求めました。
この時代ならではの人材の多層さと、上品なパティシエが作った
ケーキのような傑作、かな。

ただ、最初のギターソロをはっきり聞きたくてボリウムを回してると
突然大音響! で周囲を驚かせる1枚です。

この1枚と同時期の武部聡志の組曲「CLALA」は交流があり
外せないですね。
ああなんて贅沢な時代だったんだろう。
Commented by PON at 2008-04-07 15:45 x
確かに、楠瀬さんは「ほっとけないよ」のイメージが強いですが
(それとCMソングに使われていたタイトル不明曲しか
知りません…f(^^;)爽やかな歌声が素敵です。

kaz-shinさんのブログが素晴らしいのは、
作り手(作詞、作曲、編曲者、プロデューサー、ミュージシャン…)に
ついてもきちんと書いてくださっているところです。
そして、1曲ごとに曲調や感想をしっかり書かれているので
アルバムや曲へのイメージが思い描きやすいところ。
これからも、楽しみにしています!!
Commented by kaz-shin at 2008-04-08 01:28
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
楠瀬さんの1stとこの2ndが大好きで、今でも毎年春先から夏にかけて
必ず聴きたくなるアルバムなんです。
本当に不思議なんですが、70年代~80年代にかけて個性的なアーティストが多かったですよね。
そして各々が自分を見据えた音楽作りをちゃんとしていたという感じがします。
それが聴く者としては、バラエティに富んでいて楽しかったのだと思います。
今の時代は、何故こういう音楽が受け入れられないのか不思議でなりません。
こう感じるのも"老い"なのかも知れませんね(笑)
Commented by kaz-shin at 2008-04-08 01:39
PONさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
拙い記事をお褒め頂いて、本当にありがとうございます。
もっと文章が上手く書ければ、簡潔で的確な表現が出来るのでしょうけど、
生憎そんな文章力を持っていないので、自分のイメージ(風景とか情景)を書くようにしています。
それで少しでもイメージが伝わってくれたらと願っています。

あとプロデューサーやミュージシャンを書くようにしているのは、ミュージシャンや
プロデューサーに詳しくなることで、聴く音楽が広がってくるんですね。
実際に私がそうでした。
記事を読んで下さる方々も少しでも興味を持って頂けたら嬉しいですね。
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