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香坂 みゆき_CANTOS 3(Part 2) ◇ 2008年 09月 10日
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今回はブログを始めた頃に紹介したものの、今読み返すとあまりにも記事の内容が薄っぺらだったので改めて紹介するPart 2シリーズです。今回紹介するのは、香坂 みゆきが1991年にリリースしたJ-POPのカヴァー・アルバム"CANTOS"シリーズ3部作の第3弾となる『CANTOS 3』を紹介します。
この"CANTOS"シリーズは、非常に選曲、アレンジ、そして香坂 みゆきの素晴らしいヴォーカルという三拍子揃った出来の良いJ-POP・カヴァー・アルバムです。最近ではこういうカヴァー・アルバムも珍しく無くなってきた、と言うより猫も杓子もという感がありますが、当時こんなに洒落たJ-POPのカヴァー・アルバムは少なかったですね。
特に今回紹介する『CONTOS 3』は、夏の終わりから秋にかけてという季節にピッタリな1枚で、ご夫婦や恋人通しで週末に車に乗り込み、行く当ての無いMidnight Driving・・・。そんなドライブのBGMに最高にマッチするカヴァー・アルバムです。

CANTOS 1』はボサノヴァ、『CANTOS 2』は打ち込みサウンド、そしてこの『CANTOS 3』はJAZZという風にアルバム毎にカラーがあります。特にこの『CANTOS 3』はシリーズ中で最もアレンジ、演奏が素晴らしいと思っています。アレンジは全曲川村 栄二。素晴らしい演奏を聴かせてくれるミュージシャンは、渡嘉敷 祐一(ds)、島村 英二(ds)、富倉 安生(b)、高水 健司(b)、松下 誠(g)、今泉 敏郎(key)、島 健(piano)、浜口 茂外也(per)、淵野 繁雄(sax&flute)、木戸 やすひろ(cho)、比山 貴詠史(cho)、広谷 順子(cho)という顔ぶれ。中でも島 健、松下 誠、淵野 繁雄、渡嘉敷 祐一のプレーが光っています。素晴らしい演奏と私が1番好きと言っても過言では無い香坂 みゆきの歌声のコラボレーションがたまりません(笑)

『香坂 みゆき / CANTOS 3』
01. グッド・バイ・マイ・ラブ
02. ドラマティック・レイン
03. 偶然
04. 夏の終り
05. 愛のさざなみ
06. 空に星があるように
07. 電話
08. グッド・ナイト・ベイビー
09. すなおになれば
10. いっそセレナーデ

1974年のアン・ルイスのシングル曲のカヴァー01。つい最近(とは言っても1~2年前かな)もカヴァーされてましたね。ゆったりとしたJAZZYなアレンジが心地良いです。島 健の素晴らしいピアノ・ソロと松下 誠の渋いギター・プレイが印象的です。大人の一時って感じですね(笑)

稲垣 潤一が1982年にリリースした3枚目のシングル曲のカヴァー02。作曲は天才、筒美 京平です。この曲のアレンジが凝っています。どこかアバンギャルドな雰囲気を持ったJAZZアレンジが渋いの一言です。この曲では島 健、松下 誠、淵野 繁雄の3人のプレーが光っており、特に松下 誠と淵野 繁雄のユニゾン・プレイは迫力があります。この曲を聴いているだけでも、安易なカヴァー・アルバムではないことが判ります。

尾崎 亜美の1977年リリースの2ndアルバム『MIND DROPS』に収録されていた曲のカヴァー03。知っている人は少ないと思いますが、実に渋い選曲だと思います。単にヒット曲ばかりを選ばず、影の名曲とも言える曲を取り上げているところが、私にはたまらないところです。JAZZの香りを少しだけ匂わせたバラードに仕上げています。

1976年にリリースされたオフコースの通算6枚目のアルバム『FAIRWAY』に収録されていた」名曲のカヴァー04。女性アーティストが小田 和正の曲をカヴァーするというのは難しいような気がするのですが、香坂 みゆきはさらりと歌ってしまっています。コーラス陣の素晴らしいバック・アップもあり、まるで自分の曲のように味わい深いヴォーカルを聴かせてくれます。

島倉 千代子の1968年のヒット曲のカヴァー05。島倉 千代子と言えば、今の人は「人生いろいろ」のイメージが強いと思いますが、私にとってはやはりこの曲ですね。独特な歌い方をする島倉 千代子に対して、作曲家の浜口 庫之助が相当厳しい歌唱指導をしたと言われています。本当に名曲だと思います。この大好きな曲を、昭和を感じさせるJAZZYなアレンジにのせて香坂 みゆきがしっとりと歌ってくれていて、個人的には非常に嬉しい1曲なのです(笑)

俳優、歌手、作曲家、音楽プロデューサー、小説家、カードマジック研究家といった様々な顔を持つ才人・荒木 一郎の1966年のヒット曲のカヴァー06。もちろん作詞・作曲も荒木 一郎です。夜の歌なんですが、どこか軽やかなアレンジが爽やかな風のようで、とても気持ち良く聴ける仕上がりになっています。この曲も若い世代の人は知らないでしょうね。

07は実にマニアックな1曲ですね。福島 邦子のおそらく1980年代初め頃のシングル曲です。私もデビュー当時の福島 邦子は好きでよく聴いていたんですが、この曲は知りませんでした。オリジナルを聴いていないので比較出来ませんが、独特の暗い雰囲気を持っていますね。香坂ヴァージョンは、JAZZYでシックなアレンジになっており、淵野 繁雄のフルートがフィーチャーされています。

日本におけるドゥワップ・コーラスグループの大御所とも呼ばれるザ・キングトーンズの1968年の大ヒット曲のカヴァー08。ゆったりとしたJAZZバラード風のアレンジと低音域を活かした香坂 みゆきのヴォーカルが心地良いです。木戸、比山、広谷の3人による美しいコーラス・ワークと松下 誠のギター・ソロが際立っています。

1988年にリリースされた吉田 拓郎のシングル曲のカヴァー09。ビールのCMに起用され、本人も出演していたと記憶しています。メロディーの端々に拓郎らしさを感じますね。このようなフォークっぽい曲も香坂 みゆきは上手いですね。本当に幅広い歌を歌いこなせる素晴らしいシンガーです。

『CANTOS』3部作に全て収録されていたのが、井上 陽水の1984年のヒット曲のカヴァー10です。3曲ともアルバム・カラーを打ち出したアレンジが施されていて、同じ曲なのにアレンジ次第で雰囲気も随分変わるというのを実感出来る曲です。『CANTOS 3』ヴァージョンが1番哀しい雰囲気を漂わせています。落ち込んでいる時に聴いたら、ちょっと滅入るかも知れませんね(笑)

私自身が歌手としての香坂 みゆきが大好きなので、余計にそう思えるのかも知れませんが、この『CANTOS』シリーズは本当によく出来たJ-POPカヴァー・アルバムだと思いますね。最近のJ-POPのカヴァー・ブームを考えると、ちょっと早過ぎたのかも知れません。
最近リリースされている色んなアーティストのカヴァー・アルバムと聴き比べても、17年も前の作品ですが決して負けていない完成度だと思います。選曲、アレンジ、ヴォーカルのバランスが良いですし、とても気持ち良く聴けるアルバムです。
ぜひ1度機会があったら聴いてみて下さい。自信を持ってお薦め出来るアルバム(シリーズ)です。
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by kaz-shin | 2008-09-10 00:07 | Compilation / Cover | Trackback | Comments(13) | |
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Commented by PON at 2008-09-10 22:01 x
香坂さんは、最近になって「ニュアンスしましょ」を聴き、
kaz-shinさんが書いていたとおり、
本当に歌が上手い!とビックリしました
(ママさんタレントのイメージだったので…)。
難しい曲も唄いこなせる感じですよね。
この「CANTOS」シリーズも良さそうですね^^
Commented by kaz-shin at 2008-09-12 01:31
PONさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
香坂さんは、最近はママさんタレントのイメージがすっかり定着してしまってますよね。
私の中では、女性歌手では1番好きと言っても良い位なんですが・・・。
最近歌っていないのが本当に残念です。
PONさんも機会があったらアルバムを聴いてみて下さい。
本当に良いですよ。
Commented by 哲学者になりたい猫 at 2008-09-17 21:31 x
フォーライフは出発点がアーティストが作ったレコ社で販売や宣伝のノウハウが不足していたのか残念ながらいわゆる女性歌手(アイドル)系でセールス的成功をほとんど収める事ができなかった会社でしたが、それと反比例にアーティスト系レコ社の意地があったのかクオリティがめちゃくちゃ高い!って人が多かったです。その点からも香坂さんのフォーライフ移籍とそこで残した作品群は本当に質が高くまたセールスとは別にして幸福な出会いだったと思います。特にカントスシリーズはもう既にヒットが望めない状況下にあり低い制作費でと言う条件があったのかもしれませんが香坂さんはある意味カバー曲においてより魅力を発揮出来る人であり、ただ単にカバーで終らせないシンガーである事をしっかりと示せ、作品として残せたのではないでしょうか。この事は西洋の人で例えれば香坂さんはリンダ・ロシュタットのような存在の人だったのではないのか…ってこんな事言うとkaz-shin さんを含め音楽通から石投げられちゃいますかね(苦笑)
Commented by kaz-shin at 2008-09-17 23:55
哲学者になりたい猫さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
大丈夫ですよ、石なんて決して投げませんから(笑)
私も香坂さんは本当に稀有なシンガーだと思います。
誰の持ち歌だろうが、誰が書いた曲であろうが、彼女自身が歌う以上は
曲を自分のモノにするという信念を持っているような気がします。
または、本人は意識しておらず自然とそうなる才能を持ち合わせているのではないでしょうか。
アイドル系歌手という変な括りを解き放って、香坂さんのフォーライフ時代の音源を
多くの人に聴いてもらいたいですね。
Commented by kotaro at 2008-09-19 07:25 x
PONYCanyonって、フジサンケイグループの一員で随分良い時もありました。フォーライフは発足の経緯は有名な事件ですが、ポニキャンの本来は別働隊になるべきでした。
哲学者さんは、エピックとCBSの関係をとらまえて言っておられるかと理解し続けます。
フォーライフのアイドル路線は歴史の過去になりましたが、杏里、今井美樹とアーティスト志向で最初は売れなくてもクリエートを続ける骨がありました。
僕は真璃子、佐藤聖子というところに魅力を感じるのですが、ポニキャンがおニャン子のバブルで企業的に前年実績予算が組めなくなってからおかしくなり、低落するなかで、フォーライフは別事業部だっただけに、よく頑張ったと思います。佐藤聖子とか、とくに。
まだフジテレビに何回出してどれだけ売ってみたいな発想の残ってた時代、最後の方はアイドルは不幸でした、でもこんな企画でも魂こめてた部分はきちんと理解されているのでは、ないでしょうか。
Switchという雑誌のような路線でフォーライフはファンのために残って欲しかったです。
Commented by まつのすけ at 2008-09-19 22:25 x
哲学猫さんとkotaroさんの補足となりますが、フォーライフは最近は一時期ソニーが販売担当していたそうです。因みに現在のフォーライフは新会社として再設立し、再びポニーキャニオンと提携しているようです。
ポニーキャニオンと言えば、私は崎谷健次郎さんやCHAGE&ASKAですね。フォーライフはZOOもいましたし、バイオリニストの中西俊博さんもいたような。

ソニーレコードは元々CBSとの合弁会社だった気がします。エピックは元々、大沢誉志幸、TM NETWORK、FENCE OF DEFENCE、エピック以外でもグラス·バレーといった、硬派寄りのアーティストを擁していた気がしますね。今ではエピックと言えば、のだめカンタービレですから、だいぶ様変わりしてしまいましたね。ソニー自体も安易なアニソン依存に陥ってしまって、時代の音楽シーンをリードしていた会社にしては、落ちた感がありますね。若い輩が言うのも申し訳ないですが。
Commented by kotaro at 2008-09-20 08:43 x
あのね、アメリカにはテレビの3大ネットワークというのが昔ありまして、ABCとRCAとCBSです。このうち日本で音楽ビジネスに手を出したのが後の二つでRCAはRVCという会社、和田アキ子なんかがいましたね。
CBSはCBSsonyを作る前は、Cは何のCかというとコロンビアです。
日本コロンビアは戦前からありまして私はコロンビアのコロちゃんレコードシリーズ、童謡の17cmレコードで育ったくちです。
で、あまりにもドメスティックなビジネスをするコロンビアに袂を分かって、新興企業のソニー(懐かしい言い方だね)と合弁でレコード産業に最後発で参入しました。昭和43年、明治100年だから今からちょうど40年前のことですね。
ひまがあったら、というか機会があればその時にどんな人材発掘、転職、引き抜きで企業を作ったか、まだ生き証人らは生きていますので、音楽に興味のある人は聞いてみると面白いです。
最初のもたもたしていた企業に、自信をつけとトップに押し上げたのが天地真理(S45デビュー)と郷ひろみ(S47かな)です。
そのあと山口百恵(S48)で日本一のレコード会社になり入れ替わりで松田聖子(S55)が出てきて栄光の時代を築きます。
Commented by kaz-shin at 2008-09-20 23:44
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私はかなり音楽好きだと自負しておりましたが、レコード会社に関する知識が欠如していることに気付きました(笑)
kotaroさんやまつのすけさんのコメントの内容も正直理解出来ておりません(汗)
なので気の利いたレスが付けられません。すみません。
色々勉強させて下さい。
Commented by kaz-shin at 2008-09-21 00:08
まつのすけさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
koraroさんへのレスにも書きましたが、曲に関しての興味は人一倍強い私ですが、
レコード会社に関しては全く知識がございません。
もちろんレコード会社の名前は知ってますが・・・(笑)
なので大したレスも出来ません。ごめんなさい。
Commented by Thunderer at 2008-10-18 00:32 x
香坂 みゆきさんですか。
「愛よ、おやすみ」をTVで歌っていたのを覚えています。
シングルで出してたみたいですが、これもカバー。
カバーの多い人なんかな?って思っていたら
最近、いろいろな曲を聞く機会がありそうじゃないと知りました。
とはいえ、このアルバムのシリーズは聞いてないので、
一回、聞いてみようかなとおもいつつ。。。
Commented by kaz-shin at 2008-10-19 23:25
Thundererさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ぜひ1度じっくり聴いてみて下さい。私が自信を持ってお薦めできる女性シンガーの一人です。
比較的中古でも入手しやすいのが、この『CANTOS』シリーズを含めたフォーライフ時代のアルバムだと思います。
フォーライフ時代のアルバムは、アイドル路線から脱皮した大人のシンガーとしての歌声を堪能出来ます。
『CANTOS』シリーズはコンセプトはしっかりしていますし、歌も素晴らしいので機会があったらぜひ聴いてみて下さい。
Commented by ギムリン at 2009-03-11 23:25 x
シリーズ3作の中では、演奏が一番ゴージャスな?CANTOS-3が当面のお気に入りになりそうです。
このシリーズ、2ヶ月間隔でリリースしたということは、ヒットするかどうかは関係なしに、まずは3作とも選曲してどんどんレコーディングしていった、という作りですね。なんか、作りにプロのこだわりを感じちゃいます。

ところで芸暦が長いので、気がつきませんでしたが、松田聖子さんより1つ下なんですよね。だとすれば、まだまだ声は出るはずなんで、歌わないのはもったいないな~。
Commented by kaz-shin at 2009-03-14 00:45
ギムリンさん、コメントありがとうございます。
JAZZYなアレンジを得意とする川村栄二さんの良いところが前面に出たアルバムですね。
私もアレンジ面では1番このアルバムが好きです。

これだけの歌唱力を持っていながら、ママさんタレントに甘んじているのは勿体無いですよね。
新作でもカヴァー集でも良いので、ぜひともまた歌って欲しいと心から願っているのですが・・・。
難しいでしょうかねぇ。
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