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佐藤 竹善_THE HITS CORNERSTONES 3 ◇ 2008年 10月 01日
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今回紹介するのは、佐藤 竹善が1995年から始まったカヴァー・アルバム・シリーズの第三弾となるアルバムで、2004年にリリースされた『THE HITS CORNERSTONES 3』です。この『CORNERSTONES』シリーズの中では、以前紹介した彼の音楽のルーツとも言えるAORの名曲を取り上げた『CORNERSTONES』(1995年リリース)が今でも1番好きなんですが、如何せん選曲が通好みと言った感じで一般的とは言い難い作品でした。
そして、2002年には日米豪華アーティストとのコラボレートによるカヴァー・アルバム『CORNERSTONES 2』をリリースしました。第一弾に比べれば、邦楽もカヴァーしたり選曲的にも有名な曲が増えましたが、それでもやはりマニアックな路線だったように思います。

そして第三弾となる本作では、タイトルの前に"THE HITS"が付いているように多くの人に知られている曲が集められています。多くの人に受け入れられやすいカヴァー・アルバムと言えるでしょう。何でもインターネットで「佐藤竹善にカヴァーしてほしい楽曲」 というアンケートを実施して、その結果をベースに佐藤竹善が選曲したらしいです。豪華なゲスト陣を迎え、佐藤 竹善のアレンジ・センスと素晴らしいヴォーカルを堪能出来る1枚です。

『佐藤 竹善 / THE HITS CORNERSTONES 3』
01. はじまりはいつも雨
02. 木蘭の涙 with コブクロ
03. GET BACK IN LOVE
04. らいおんハート
05. 君住む街へ with 根本 要
06. Ya Ya (あの時代を忘れない)
07. Interlude
08. Last Christmas
09. トーキョー・シティ・セレナーデ (ARTHUR'S THEME)
10. Right Here Waiting featuring TOKU
11. Hard To Say I'm Sorry
12. THE CONTINENTAL featuring No Name Horses

ASKAの1991年のヒット曲のカヴァー01。この曲に関しては、聴く前から竹善の歌声に似合うだろうなと思っていましたが、やはり期待通り竹善の声にぴったりでした。シンプルな伴奏に、塩谷 哲のアレンジによるストリングスが美しく絡みます。ASKAのオリジナルより好きです。それにしてもASKAの歌詞はいつも難解ですね(笑)

いまやスターダスト・レビューの代表曲のひとつとなった1993年の名曲のカヴァー02。コブクロの二人がヴォーカルで参加しています。お洒落という言葉とは程遠い、レトロな感じなメロディーですが、何故か胸に沁みてくるメロディーです。日本人のDNAに訴える曲といった感じでしょうか・・・。竹善とコブクロのヴォーカルのコンビネーションが見事です。

山下 達郎の1988年のヒット・シングルのカヴァー03。オリジナルのイメージを壊さず、それでいてAORっぽさを前面に出した竹善のアレンジが見事です。この曲のギターなんですが、クレジットには"・・・"の表記だけなんです。おそらくこのギターは山下 達郎本人ではないかと思います。竹善と友好もありますから可能性は高いと思うのですが、どなたか真相をご存知の方はいませんか?

SMAPの2000年のヒット曲のカヴァー04。私自身SMAPの曲の中でも3本の指に入る位に好きな曲です。アコースティック・ギターをメインにしたオリジナルに近いアレンジと、ゴスペル調のコーラス・ワークの組み合わせがお洒落で、お気に入りの1曲になっています。

1988年のオフコースの名曲のカヴァー05。ゲスト・ヴォーカルにスタレビの根本 要を迎えています。個人的に思い入れがある曲ではありませんし、特に好きという曲でもありませんが、このカヴァーを聴いて感じたのは、小田 和正の曲は小田 和正以外のアーティストが歌っても力不足だということですね。竹善も要も素晴らしく歌が上手いですし、このカヴァーの出来もかなり良いとは思うのですが、小田 和正の持つ声のパワーというか存在感にはやはり敵わないと思いますね。

サザンの1982年のヒット曲のカヴァー06。この曲は逆に桑田の声よりも竹善の声の方が、メロディーに似合っているような気もします。桑田が歌っているオリジナルより、この竹善ヴァージョンを聴いた時の方が良い曲だなぁと感じましたね(笑)

唯一の竹善のオリジナルの07。まさにインタールード的な1曲です。

今更説明の必要の無い曲だと思いますが、ワムの1984年の大ヒット曲で今やクリスマスのスタンダード曲と言えるナンバーのカヴァー08。ここではあえてクリスマス色を出さずに、ビートを効かせたアレンジでポップに仕上げています。個人的にはクリスマス・ソングなんで、やはりクリスマスという雰囲気を出して欲しかったですね。私クリスマス・ソングが大好きなもんで・・・(笑)

クリストファー・クロスの1981年の大ヒット曲のカヴァー09。"NEW YORK"を"TOKYO"に歌詞を替えて歌っています。この歌詞の変更に関しても作家陣(クリストファー・クロス、ピーター・アレン、バート・バカラック、キャロル・ベイヤー・セイガー)サイドに許可を得たとの事です。JAZZYなアレンジとAORを歌わせると活き活きとしている竹善のヴォーカルが魅力ですね。

リチャード・マークスの1989年の名曲のカヴァー10。TOKUのトランペットがフィーチャーされており、何とも都会的でお洒落なサウンドに仕上がっています。私のイメージでは紅葉に彩られたセントラル・パークといった感じでしょうか・・・、行ったことはありませんが(笑)

渕上 義人(cho,arranged)、大滝 裕子(cho)、比山 貴詠史(cho)、木戸 やすひろ(cho)を迎えて、シカゴの1982年のヒットでありAOR史上に残る名曲と言っても過言では無い曲をアカペラでカヴァーした11。これだけコーラスの達人達が集まるとやはり凄いですね。人間の声っていうのは限りない可能性と魅力に溢れているなと思います。

ナット・キング・コールの代表曲としても知られるナンバーを、ジャズ・ピアニストの小曽根 真がプロデュースとアレンジを担当し、ビッグ・バンド・ジャズ風に仕上げた12。意識して歌い方を変えて、古いJAZZの雰囲気を醸し出しています。バー・ラウンジのBGMにピッタリかも知れませんね。

ここ何年かカヴァー・アルバムというのが流行っていますよね。そんな中において完全なる個人的な考えで恐縮なんですが、私の思う良いカヴァーというのは歌の上手さとか、いかにアーティストの色の染めるかでは無く、オリジナルがこんなにも魅力的な曲だったんだと再認識させてくれるような楽曲だと思っています。所詮オリジナルを超えるカヴァーはそんなに存在しないと分かっていながらも、カヴァー曲を聴いて「やっぱり名曲だよな~」と感じさせてくれる、そんなカヴァー・アルバムが好きです。
そういう意味では、この『THE HITS CORNERSTONES 3』はまさに私好みのカヴァー・アルバムです。音楽好きが楽しめ、大人が楽しめ、秋の夜長に楽しめるというおいしいカヴァー・アルバムだと思います。『CORNERSTONES』が1番好きなんですが、幅広い世代の人が楽しめるという点では断然この『THE HITS CORNERSTONES 3』をお薦めします。興味がある方はぜひ聴いてみて下さい。
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by kaz-shin | 2008-10-01 23:56 | Compilation / Cover | Trackback | Comments(10) | |
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Commented by ぎっちゃん at 2008-10-02 00:36 x
私も、「CORNERSTONES」大好きです。私が、AOR好きになったきっかけを作ってくれたアルバムでした。今でも私のフェイバリットアルバムです。この「THE HITS CORNERSTONES 3」の中では、「GET BACK IN LOVE」「トーキョー・シティ・セレナーデ」あたりがお気に入りです。もし、次にカヴァーアルバムが出るなら思いっきりAORなアルバムがいいですね~。しかもCat Grayプロデュースで。(ほんと、個人的な願望でスイマセン。)GINO VANNELLIの「I JUST WANNA STOP」をスタジオ録音でもう一度カヴァーして頂きたいです。是非とも!
Commented by kaz-shin at 2008-10-02 00:44
ぎっちゃんさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ある意味マニアックですが、やはり『CORNERSTONES』は最高ですよね。
この3枚目を聴いても、AORの曲では竹善さん本人も本当に楽しそうに歌ってますね。
私もベタベタなAORカヴァーを聴いてみたいですね。
「I JUST WANNA STOP」は、確かに竹善さんが歌ったら似合うと思います。
あと、このアルバムのアカペラのメンバーでマンハッタン・トランスファーのカヴァーなんていうのも良いかも知れませんね。
Commented by 猫になりたい哲学者 at 2008-10-02 23:10 x
子供の頃はカヴァーって何か製作陣の手抜きって印象を勝手に感じんてしまって正直好きじゃなかったんですが、最近はその曲の魅力を世に出すんだったら別にオリジナル・カバーって枠にそんなに拘らなくてもいいんじゃないかって思うようになりました。しかし今のカバーブームを思うにつけ本当にあの香坂さんのカントスシリーズは早すぎましたねぇ…香坂さん本人が語っていますが「あの当時「いいアルバムだねぇ…」と見本盤がどれだけなくなったことか」と言ってる通り今だったらもっと注目された可能性があったでしょうねぇ。ただあれだけ丁寧に作ることが出来るかは分かりませんが…。5は私は好きな曲なのですが根本さんと歌の達人二人が関わっても恐らくオリジナルの魅力には及ばないだろうなとは思います。いやあれは清水・松尾・小田の三人のVoの魅力であり、後に小田さん自身がソロでカヴァーしましたがオリジナルに及ばない印象をうけましたから。ところで音楽に関係無く口うるさい様で大変恐縮なのですが… kaz-shinさん「役不足」の使い方間違ってますよ(^_^;役不足は「その人の力量に比べ役が不足している事」で kaz-shinさんの文脈だったら「力不足」が正解ですね。大変失礼しました…。
Commented by kaz-shin at 2008-10-03 01:26
猫になりたい哲学者さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
まずはご指摘ありがとうございます。いい歳をしてお恥ずかしい限りで・・・。仰る通り"力不足"が妥当ですね。
訂正しておきました。

さて、私自身カヴァー・アルバムって結構好きで、トリビュート系のアルバムも含めて色々持っています。
アーティストによってそれぞれ個性が出ていて面白いなと思うのですが、そんな中でもオリジナルの楽曲の素晴らしさを
再確認させてくれるようなアルバムという意味では、竹善さんのこのシリーズとか香坂さんの『カントス』シリーズがやはり素晴らしい作品だと思います。
オフコースを含め、小田さんの楽曲はどれもオリジナルを凌駕するようなカヴァーには出会えていません。
以前、小田さんの曲を海外のアーティストがカヴァーしたアルバムを紹介しましたが、あれは歌詞が英語でしたから
純粋にメロディーだけを楽しめた作品でした。
それだけ小田さんの歌声には存在感があるのだと思いますね。
Commented by みなみ at 2008-10-10 12:59 x
SLTとしての活動がなくファンとしては寂しい限りですが、
やっぱり褒められると嬉しいです(笑)
取り上げていただいたありがとうございます!
竹善さんはもっともっと認められてもいいと思うんですけどね〜
まぁ、「認める」が必ずしも=セールス、じゃなくてもいいんですが、
玄人好みって感じがいつまでも先にあって少し残念です。

さて、このアルバムは「はじまり〜」と「Right Here〜」の2曲が聴きたくてゲットしました。
「Right Here〜」は、リチャードマークスのかすれた声が好きだったんですけど、竹善ver.はかなりマイルドですよね。
「はじまり〜」もASKAの方が私は好きかな、と。
竹善さんの声で聴けるのは嬉しいんですが、やっぱりオリジナルで脳内イメージができているので、そこを塗り替えるのは難しいです。
もちろん、ムリに塗り替える必要はないんですけど。

ちなみに、ASKAさんの歌詞って難解ですか?
私の解釈が浅いのかもしれませんが、細かい理解はできなくても、曲全体を通して何となく伝わってくるものがあればいいかな〜と私は思っているのですが…
Commented by kaz-shin at 2008-10-10 23:40
みなみさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
確かに玄人好みという印象がありますね。
何故なんでしょうねぇ。不思議です。
邦楽のカヴァーより、洋楽のカヴァーの方が好きなんですが、これは1作目が明らかに私好みだったからだと思います。
本当に歌の上手い人ですから、邦楽のカヴァーも気持ち良く聴けるのがこのアルバムの最大の魅力だと思います。

>ASKAさんの歌詞って難解ですか?
これはひとえに私の理解力の乏しさゆえのことです(笑)
雰囲気は伝わるのですが、歌詞カードを読むと「?」ということがありますね。
Commented by locoloco at 2008-11-26 16:59 x
通りがかり素敵なレビューが目にとまりました。初めまして。一曲一曲どれも賛同する感想です。「はじまり~」はASKAの高出力の歌声より、竹善さんの歌唱力だからこそ、この曲が持つ素朴な柔らか味が初めて引き出してみせたと思いますし、「YaYa」も桑田さんのわびさびあるしゃがれ声もいいけど、竹善さんがうたうと曲の琥珀色の情景が桑田さんより輝いてきそうな気がしました。一方「君住む街へ」も素晴らしいトラックですが小田さんの凛とした声の求心力は別格ですもんね(ただ前作の「生れくる~」は肩を並べてもよかったと思いますが)。
このシリーズは邦楽カバー史のマスターピースだと私は思います。

ところで、ASKAの詞は難解ですよね~。事象を表すに単純なことばを使わず遠回りの比喩表現にするから、逆にことばが表せない行間の描写も伝えてくるのかなとも思います。それを一本一本読み解くのに時間を必要とさせる詞ですよね。でもみなみさんの言うように全体でみたときにはまた別の色彩があるような。珍しいタイプの作詞家ですよね。竹善さんにはまたいつか何かをカバーしてもらいたいと思いました。

乱文長文失礼しました。
Commented by kaz-shin at 2008-11-26 23:55
locolocoさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
『CORNERSTONES』シリーズは、選曲を含めて素晴らしいカヴァー・アルバムだと思います。
しかも竹善さんの素晴らしい歌の数々は、大袈裟かも知れませんがオリジナルを凌駕していると思えるものさえありますよね。
私の中では香坂みゆきさんの『CANTOS』シリーズと並んでカヴァー・アルバムの名作だと思っています。
これからも『CORNERSTONES』シリーズは続けていって欲しいです。

ASKAさんの詞に関しては、まさにlocolocoさんが仰る通りで、表現がストレートで無い分歌を聴いた者が
それぞれのイメージ、解釈で曲を楽しめば良いのかなという気もします。
意味が理解できずとも、不思議と雰囲気とかニュアンスが解るのが不思議です(笑)
Commented by locoloco at 2008-11-27 19:53 x
「CANTOS」シリーズの選曲全てみてきました。これは是非ともきいてみたいと思います!教えてくださってありがとうございました。
Commented by kaz-shin at 2008-11-27 23:27
locolocoさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
もし機会があったらぜひ『CANTOS』シリーズも聴いてみて下さい。
大人が安心して聴ける上質なカヴァー・アルバムだと思います。
香坂さんの歌も素晴らしいですよ。
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