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MINAKO OBATA_WE HAVE A DREAM ◇ 2008年 11月 19日
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今回紹介するのは、魅力的なヴォーカリストであり、優れたソング・ライターでもあるMINAKO OBATAが1992年にリリースしたデビュー・アルバム『WE HAVE A DREAM』です。一般的にはあまり知られていないかも知れませんが、FUSIONやJAZZ系の音楽を中心に取り上げている音楽誌"ADLIB"では、何度かベストレコード賞を受賞するなど知る人ぞ知るといった感のあるシンガー・ソング・ライターです。

プロフィールによると10代でスティーヴィー・ワンダー、ジョージ・ベンソン、アル・ジャロウ、エラ・フィッツジェラルド、ダニー・ハサウェイ等を聴き、大学時代にコーラスアレンジやアカペラなどのヴォイシングに多大な興味を持ち、TAKE 6やアンドレ・クラウチ等に傾倒していたそうです。そしてジャズクラブでレギュラーシンガーとして歌うかたわら、オリジナル曲を作り始めたとか。
彼女のデモ・テープを聴いたカラパナのケンジ・サノが彼女を気に入り、プロデュースを引き受け制作されたのがこの『WE HAVE A DREAM』です。
収録曲11曲中、10曲が彼女の作詞・作曲(共作含む)でしかも全て英語詞です。歌声は本当に黄色人種である日本人が歌っているのかと思える程、黒っぽくてソウルフルです。

参加しているメンバーも豪華で、中西 康晴(key)、ケンジ・サノ(b)、斉藤 ノブ(per)、土方 隆行(g)、本多 俊之(sax)、渡嘉敷 祐一(ds)、島 健(key)、高水 健司(b)、数原 晋(tp)、Bill Cantos(key)、岩見 和彦(g)、江口 信夫(ds)、富樫 春生(key)、鈴木 茂(g)、松浦 善博(g)、村田 陽一(tb)、Ralph Humphries(ds)、Abraham Laboriel(b)という1stアルバムでこれだけのメンバーが集まっているというのは贅沢の極みですね。しかもエンジニアも故・助川 健にあのJay Graydonも参加しているのです。参加しているメンバーだけで聴いてみたくなった方も多いのではないでしょうか?(笑)

『MINAKO OBATA / WE HAVE A DREAM』
01. In The Beginning~Keep On Going
02. Need Me Now
03. Take Me
04. Sunshine In Your Eyes
05. I Can't Hold You Any More
06. M# What?
07. Mooki's Song
08. The Power Of Love
09. Spain (I Can Recall)
10. Just To Know You Love Me
11. Without You

思いっきり黒っぽいヴォーカルを聴かせてくれるゴスペル調のナンバー01。軽快な中西 康晴のピアノとオルガン、そして打ち込みのビートがいかにもN.Y.チックです。自然と体が揺れてくるようなナンバーです。中西のピアノ・プレイがどこか故・リチャード・ティーを彷彿させます。

打ち込みのリズムをベースに、土方 隆行の軽妙なギター・カッティングやリフのプレイとホーン・セクションが印象的なキャッチーなPOPナンバー02。アレンジは本多 俊之。

ゴスペル・チックでソウルフルなハチロク・バラード・ナンバー03。タイトな渡嘉敷 祐一のドラム、堅実な高水 健司のベース、力強い島 健のピアノが曲を盛り上げます。Minako Obataのヴォーカルの迫力に圧倒されます。

Bill CantosとMinako Obataの共作によるブラコン風AORナンバー04。打ち込みのリズムに渡嘉敷 祐一、ケンジ・サノがオーヴァー・ダブによってサウンドに厚みを出しています。岩見 和彦のロック・テイスト溢れるギター・ソロが格好良いです。アレンジはBill Cantos。

美しいストリングスが印象的なスケールの大きいバラード・ナンバー05。綺麗なメロディーのナンバーです。Bill Cantosのアレンジで、演奏が江口 信夫、富樫 春生、ケンジ・サノ、鈴木 茂という面白い組み合わせです。

彼女の魅力のひとつである低音域を活かしたミディアム・ナンバー06。ホーン・アレンジがMichael Pauloというのが、いかにもケンジ・サノ繋がりという感じですね。鈴木 茂&松浦 善博のギターで、松浦の素晴らしいスライド・ギター・ソロが堪能出来ます。

Minako Obataの愛称である"Mooki"がタイトルになっている短いアカペラ・ナンバー07。コーラス・アレンジはもちろんMinako Obataです。ゴスペル・コーラス・スタイルですね。

なんともアフリカンなナンバー08。アフリカの渇いた大地を感じさせるようなケンジ・サノのアレンジが秀逸です。この曲なんて日本人が歌っているとは思えない迫力ですね。この曲は私のお気に入りのひとつになってます。Abraham Laborielのベースに注目です。演奏部分の録音はJay Graydon。

アルバム中唯一のカヴァー曲09。ご存知チック・コリアの代表曲のひとつですね。シンガーとしての力量を量るのには、こういうカヴァー曲を聴くと分かりますよね。そのヴォーカル・スタイルは1stアルバムとは思えぬほど堂々としており、本当に上手いなと感じさせます。しかもRalph Humphries、Bill Cantos、Abraham Laboriel、Michito Sanchezによる演奏が素晴らしいです。名カヴァーだと思います。

Bill Cantosとの共作&デュエット・ナンバー10。アルバム中で最もAORチックなバラード・ナンバーです。まるで白人男性シンガーと黒人女性シンガーのデュエット曲のように聴こえます。美しいメロディー・ラインを持った良い曲です。

Bill Cantosのエレピのみをバックにしっとりと歌い上げるバラード・ナンバー11。シンプルな演奏だけに彼女の歌の存在感が前面に出ている1曲だと思います。聖夜に静かに聴いても似合いそうな1曲です。

前回は吉田 美奈子で今回がMinako Obata・・・。単純に"Minako"でチョイスしてみました(笑)
久々にこのアルバム聴きましたが、やはり良いですね~。声質に好みが別れるかも知れませんが、本格派のシンガーであることは疑う余地がありません。
興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。
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by kaz-shin | 2008-11-19 00:41 | FUSION系 | Trackback | Comments(11) | |
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Commented by まるいチ-ズ at 2008-11-20 08:02 x
おはようございます
寒くなりました~、昨日からコ-トを着て出勤しております。
OBATAさん!すっかり忘れていました(笑)この1stだけCD(笑)で持ってます、当時スイング・ジャ-ナルで紹介記事を読みまして買いました。
kaz-shin さんの記事を拝見し、昨夜ほんとうに何年ぶりかで聴きました。いやいや、当時とは印象が違いましたねえ、この頃はバブル期の終焉期で世の中に不穏な空気が流れ出した頃でした。なぜかJAZZが人気を回復していて特にリスナ-に女性が増えだした印象が残ってます。
明らかに女性を対象にしたコンピレ-ションCDが東芝EMIなどから多数リリ-スされていました。彼女のデヴュ-もそんな背景があったのかな?と思います。当時は上手いけどなあ..というのが感想でしたが、今聴くといいなあ(笑)と..演奏も素晴らしいですね。
Commented by 哲学者になりたい猫 at 2008-11-20 21:18 x
この人はこういう作品を残してる人だったんですねぇ~始めて知りました。音楽通の方々には知られた存在の人だったんですね。(どうりで。JAZZ畑の人かと思ってました)記事を見て「あれ?どこかで見た事ある名前だなぁ…」と思っていたら映画「メトロポリス」(フリッツ・ラング監督の名作とは同名違作です)のEDに流れる主題歌「There'll NEVER BE GOOD-BYE」を歌っていていた人だった事を思い出しました。作品は個人的感想としてはアレな作品だったんですが(苦笑)ED曲は曲と歌声がいいなぁと印象に残ってたんですよ。(もし興味ありましたらED曲をリンクしておきましたので是非ご覧下さい)その映画は曲を本多俊之さんが担当していたのですが(ED曲も)このアルバムからもう関わりがあったんですね。本当に私は根がぐうたらなものでkaz-shinさんの記事を読むまで結局調べもせずすっかり忘れておりまして、本当にこのサイトで勉強させて頂いております。…ところでこうコメント書くせいか私はアイドルやアニメの人…となんか認識されてそうなのですが、私は決してそんなに知識は無く、ただ一匹の普通の猫だってkaz-shinさんなら分ってくださいますよね(何同意求めてるんだよ(笑))
Commented by kaz-shin at 2008-11-20 21:48
まるいチーズさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
本当に寒くなってきましたね~。風邪なぞひかぬようご自愛下さい。

実は私も購入当時よりも、最近良いなあと思うようになった1枚です。
音楽の面白いところは、聴く年代とかで印象が変わることなんですよね。
だから私は買ったレコードとかCDを売れないのかも知れません(笑)
現在でもJAZZ系のライブ・ハウスで活動されているようです。きっと生で聴くとまた印象が違うのかも知れませんね。
きっとスタンダード・ジャズ歌っても似合うそうですね。
私もOBATAさんはこのアルバムしか持っていないので、他の作品も聴いてみたいと思っている今日この頃なんです。
Commented by kaz-shin at 2008-11-20 22:03
哲学者になりたい猫さん、こんばんは。コメントとリンクありがとうございます。
このようなJAZZ系の歌を歌っているのと、このアルバムの曲とでは雰囲気が違いますね。
やはりJAZZも似合うシンガーですね。

さて、アニメの話ですが残念ながら『メトロポリス』は観てませんが、結構アニメは好きですよ。
私の年代が、TVがようやく一般家庭に普及した頃に幼少時代を過ごしているので最初のアニメ世代と言えるかも知れませんよ。
『メトロポリス』も手塚治虫さんですが、私の子供の頃は『鉄腕アトム』、『ジャングル大帝』、『リボンの騎士』、『ビッグX』、『W3』という作品を夢中になって観てました。
昭和30年代~40年代に放映された国産、洋物アニメを語らせたら長いですよ(笑)
Commented by kadomania at 2008-12-06 22:36 x
ちょっとご無沙汰しておりましたが、kazさん、お元気ですか?
kazさんもMookiを聞かれていたのだと分かって、死ぬほど喜んでいるkadoでございます。

これほど、聴く者をワクワクさせる、アルバム、そしてシンガーは無いと個人的には思っております(ちょっと大袈裟ですか?)。自分もいつの日か、キチンと彼女のアルバムを紹介したいと思いつつ、思い入れが強過ぎるのか、なかなか書けないもんで困っております。

このアルバムは、Mookiが、一流のミュージシャンをバックに唄える事の喜びに満ち溢れている感じがして大好きです。それと、彼女のこのリズム感の良さは、どこから出てくるんでしょうね?不思議でしょうがありません・笑。08~11までの流れは、何十回、何百回と聴いても、本当に素晴らしくて、彼女のヴォーカルに魅了されっぱなしです。

この後に出された、JAZZ色の強い「True Peace of Mind」もAOR色全開の「Brand New Day」も本当に素晴らしい作品ですので、是非是非お聞きくださいませ。あ、間に挟まれたクリスマスアルバムも、クリスマスソングがお好きなkazさんには、おすすめです・笑。

Commented by kaz-shin at 2008-12-08 23:53
kadomaniaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなってすみません。

kadomaniaさんのアルバム・レビュー、楽しみにしてます(笑)
本当に上手い人ですよね。聴いていると日本人であることを忘れてしまいそうになります。
正直なところ美声というタイプではありませんが、迫力のある歌声は凄いの一言ですね。

他のアルバムも機会があったらぜひ聴いてみたいです。
Commented by 江口せいら at 2011-05-16 15:55 x
みなこさんの声に圧倒されジャズなどに興味を持ちました。素敵な声です。
Commented by kaz-shin at 2011-05-17 22:39
江口せいらさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

仰るように圧倒される歌声って感じですよね~。
Commented by 江口せいら at 2011-05-18 11:42 x
メトロポリスの主題歌を最初、聴いた時ドキドキしました。 アルバムもシングルも買いました。残念ながら今は手元にありませんが…
Commented by kaz-shin at 2011-05-21 06:11
江口せいらさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなってしまい、失礼しました。
映画『メトロポリス』の主題歌の話題が以前にも出ていましたが、聴いたことがありません。
1度聴いてみたいですね。
Commented by 江口せいら at 2011-08-28 04:36 x
近々、おばたさんのCDを探す旅に出ます(笑)
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