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カテゴリ:Compilation / Cover( 97 )
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Summertime Fizz ◇ 2007年 12月 26日
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アルバム・タイトルとジャケット写真だけでは、「何と季節外れのアルバムを紹介しているんだ!」と思っている方も大勢いると思いますが・・・(笑)
今回紹介するのは、FUSION関連の記事が中心の音楽誌アドリブが企画したアルバムで、アドリブ誌の山崎 稔久氏が監修・選曲したコンピレーション・アルバム『Summertime Fizz』(2000年リリース)です。
このアルバムは、サブ・タイトルが"アドリブ・フュージョン・ヴォーカル・コレクション"となっており、ビデオアーツ・ミュージック・ブランドから大人向けの良質な作品の中から、特にお洒落な楽曲14曲がセレクトされています。ヴォーカル曲10曲、インスト4曲で構成されています。
選曲した山崎氏は"夏向き"を意識したようですが、私には決してそう感じません。むしろ冬という今頃の季節の夜のドライブのBGMにピッタリくると思っています。確かに爽やかな夏を彷彿させる曲もありますが・・・。
言い換えればFUSION系アーティストによるAORアルバムですね。

『Summertime Fizz』
01. Heaven On Earth / GENAI
02. I.G.Y. / RHYTHM LOGIC
03. San Juan Girl / RALPH MACDONALD
04. Kisses On The Wind / EAST BOUNCE
05. Sweet Love / RICKY LAWSON
06. That's The Way Of The World / RICHARD TEE
07. You Are My Heaven / JOHN TROPEA
08. A Candle / PATTI AUSTIN
09. Catch Of The Day / RALPH MACDONALD
10. My Problem Is You / LUIS CONTE
11. Fever / JOE SAMPLE
12. Change The World / JOHN TROPEA
13. Just The Two Of Us / RALPH MACDONALD
14. I Just Wanna Stop / CHRIS MINN DOKY

1999年にデビューした、シンガーのジェナイとマルチ・プレイヤーのオリヴァー・ウェンデルの二人によるハワイのユニット"ジェナイ"のナンバー01。デビュー・アルバムのタイトル・ナンバーのようです。何とも爽やかなサウンドは確かに夏向きという気もしますが、冬の夜の乾燥した澄んだ空気にもピッタリな1曲だと思います。ピアノ以外の楽器をオリヴァーが演奏しています。

お馴染みドナルド・フェイゲンの名曲のカヴァー02。マイケル・ホワイト(ds)、ブライアン・シンプソン(key)、ロン・スミス(g)、ドゥエイン・スミス(b)から成るスーパー・ユニット"リズム・ロジック"の1998年の1stアルバム『リズム・ロジック』からのナンバーです。実にオリジナルに忠実なアレンジが素晴らしいです。ヴォーカルがインゴクニートでも知られるメイザ・リークなんですが、本当に素晴らしい歌声です。

ラルフ・マクドナルドのインスト・ナンバー03。この曲は正直夏っぽいですね(笑) 1995年にリリースされた10年ぶりのソロ・アルバム『リユニオン』に収録されているナンバー。グローヴァー・ワシントンJrのサックスが実に心地良い音色です。

ジャズ・ベーシスト、鈴木 良雄が率いる"イーストバウンス"の1993年のアルバム『キスは風にのって』からのタイトル・ナンバー04。イーストバウンスは、鈴木 良雄(b)、野力 奏一(key)、セシル・モンロー(ds)、藤枝 雅裕(sax)の4人組。ゲスト・ヴォーカルの神谷 えりが素晴らしく、ロマンティックなAORナンバーになっています。曲は鈴木 良雄が書いています。

数多くの有名アーティストをサポートしてきた名ドラマー、リッキー・ローソンの1998年の初リーダー・アルバム『ファースト・シングス・ファースト』からの05。リッキー・ローソン、フィル・コリンズ、ネイザン・イーストの共作で、極上のAORバラードに仕上がっています。リード・ヴォーカルはシーン・ホルト、リッキー、フィル、ネイザンの3人の他にもドナルド・フェイゲン(p)、グレッグ・フィリンゲインズ(key)、アル・マッケイ(g)、グレッグ・ムーア(g)、ビル・カントス(cho)という豪華なメンバーが集結しています。これはお薦めの1曲です。

リチャード・ティーの1992年リリースの『リアル・タイム』から、アース・ウインド&ファイアーのカヴァーで、インスト・ナンバー06。エリック・ゲイル(g)、ウィル・リー(b)、スティーヴ・ガッド(ds)、ラルフ・マクドナルド(per)が参加していますが、ワン・アンド・オンリーなリチャード・ティーのピアノのプレイとエリック・ゲイルのギター・プレイは流石です。どちらも故人というのが残念ですね。

ニューヨークを代表する名ギタリスト、ジョン・トロペイがウィル・リーとレイラ・ハザウェイのヴォーカルをフィーチャーした1999年のアルバム『レッツ・ゲット・イット・オン』からの07。ロバータ・フラック&ダニー・ハザウェイが歌って大ヒットしたナンバーのカヴァーです。娘が父親の歌をカヴァーするというのも興味深いですが、注目はとても白人とは思えぬ黒っぽいウィル・リーのヴォーカルと流麗なトロペイのギターですね。

パティ・オースティンの1998年のアルバム『ストリート・オブ・ドリームス』からのナンバー08。美しいバラードナンバーですが、この人の歌の上手さは格別ですね。この曲など冬の夜にぴったりなロマンティックなナンバーだと思います。カーク・ウェイラムのサックスが渋いです。

ラルフ・マクドナルドの1998年のアルバム『ポート・プレジャー』からのインスト・ナンバー09。スティール・ドラムが主役な曲なので、これはもう夏向きのナンバーです(笑)

キューバ出身のパーカッショニスト、ルイス・コンテの1995年のアルバム『ザ・ロード』からの10。ゲスト・ヴォーカルにジャクソン・ブラウンを迎えています。西海岸のAORサウンドといった雰囲気ですが、途中スペイン語で歌われている部分もあってジャクソン・ブラウンの曲にしては珍しいタイプの曲かも知れません。

お馴染みジョー・サンプルがレイラ・ハザウェイをフィーチャーして作られた1999年のアルバム『ソング・リヴス・オン』からのナンバー11。グルーヴィーなJAZZといった雰囲気が渋いナンバーですね。これは絶対に夏向きだとは思いませんね。往年の名曲のカヴァーですが、レイラのヴォーカルとカーク・ウェイラムのサックス、そしてジョー・サンプルのピアノのバランスが絶妙な1曲です。"渋い"という言葉以外に当てはまる言葉が思い付きません(笑)

ジョン・トロペイの1998年のアルバム『チェンジ・ザ・ワールド』から、エリック・クラプトンやワイノナでお馴染みの名曲をインストでカヴァーしている12。ギターに酔いしれてしまう1曲です。

FUSIONファンのみならず、AORファンにもお馴染みのグローヴァー・ワシントンJrの1981年の名盤『ワインライト』に収録されていた名曲を、ラルフ・マクドナルドがセルフ・カヴァーした13。1996年リリースの『ジャスト・ザ・トゥ・オブ・アス』から。デニス・コリンズという人がヴォーカルなんですが、これが結構良いんです。割とあっさり歌っているんですが、これが演奏とマッチしていて心地良いですね。

このアルバムで初めて知ったのですが、クリス・ミン・ドーキーというベーシストの1999年のデビュー・アルバム『ミン』からのナンバー14。なんとジノ・ヴァネリの名曲をレイラ・ハザウェイが歌います。テンポを落としたゆったりしたアレンジがJAZZYで、大人の為の1曲という感じです。間奏でのデヴィッド・サンボーンのサックスが素晴らしいです。このクリス・ミン・ドーキーというベーシストには注目したいですね。プレイも本当に素晴らしいです。

何曲か夏っぽい曲があるのですが(それが当然と言えば当然なんですが・・・笑)、アルバムの中からヴォーカル曲だけ10曲を取り出して聴けば、かなり洒落たヴォーカル・コンピレーションになります。しかも夏に限らずオール・シーズン楽しめると思います。
曲も有名なものが多いので、AORファンにも気に入ってもらえるのではないかと思います。興味があったら聴いてみて下さい。お薦めの1枚です。
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JOY with 亀渕 友香_JOY ◇ 2007年 12月 13日
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気が付けば12月も中旬ですね。あと少しでクリスマス・・・。今まで何枚かクリスマス関連のアルバムを紹介してきましたが、ゴスペルを聴きながらクリスマスを過ごすというのも良いのではないでしょうか。そんな訳で今回紹介するのは、ゴスペルを楽しめるアルバムです。
亀渕 友香を中心に1993年に結成されたゴスペルを主とするクワイアー、VOJA(The Voices of Japan)の中からのスペシャル・メンバー7人によるコーラス・ユニット"JOY"の1stアルバム『JOY』(2001年)です。

ゴスペルを取り上げていると言っても、決して堅苦しさはありません。ゴスペルを多くの人に楽しんでもらおうという配慮を感じるアルバムで、誰もが耳にしたことのある有名な曲を取り上げているのが特徴です。
ゴスペル・クワイアー(聖歌隊)と言うと、アカペラというイメージがありますが決してそうではありません。このアルバムでも、アカペラで歌われる曲もありますが、多くは打ち込みのリズムやギターの演奏が入っています。楽しいクリスマス・ソングも良いですが、たまにはゴスペル・ソングも良いものですよ。

『JOY with 亀渕 友香 / JOY』
01. AMAZING GRACE
02. OH HAPPY DAY
03. AWAY IN A MANGER
04. JOYFUL, JOYFUL
05. AIN'T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH
06. JOY
07. SMILE AT ME
08. HAIL HOLY QUEEN
09. GONNA BE A LOVELY DAY
10. MY LIFE IS IN YOUR HANDS

多くの人に親しまれている名曲01。元々はアメリカに伝わるフォーク・ソング「かわいい子羊」に、奴隷船の船長から牧師になったジョン・ニュートンが詞を付けたものが一般的になっているようです。リズミカルかつ軽やかなアレンジですが、コーラスは重厚です。

日本でもヒットした映画「天使にラブソングを2」の中で歌われた02。ウーピー・ゴールドバーグ主演のこの映画、"1"も"2"も見ましたが、個人的には"2"が大好きなんです。映画の中でも印象的な曲だったので、憶えている人も多いでしょうね。

邦題「まぶねの中に」というタイトルが付いているクリスマス・キャロル03。私は知りませんでしたが、日曜学校などではよく歌われる曲のようです。迫力のあるコーラス・ワークが魅力の1曲です。

ベートーベンの交響曲第九番第四楽章「歓喜の歌」を元にしたゴスペル・ナンバー04。この曲も映画「天使にラブソングを2」で使われていたので、知っている人も多いでしょう。映画の中で歌われた"JOYFUL JOYFUL"は、本当に格好良かったですね。ここでは映画で使われたアレンジに雰囲気を似せた形になっています。さすがにRAPは入っていませんが・・・。この曲を聴いたら、また映画を観たくなってしまいました(笑)

05も「天使にラブソングを2」で使われていた曲です。映画の最後のエンド・ロールの時に出演者全員で歌っていた曲です。1960年代に数々の名曲を生んだニコラス・アシュフォード&ヴァレリー・シンプソン夫妻の作品です。

カーク・フランクリンが1990年に書いた曲06。映画「天使の贈り物」の中でホイットニー・ヒューストンが歌っていた曲です。日本語訳で歌われています。

アルバム中唯一のオリジナル曲07。これが結構良い曲です。ゴスペルではありませんが、爽やかで優しいメロディーと素晴らしいコーラス・ワークが印象的な1曲です。

ミサに参加しているような気分になるコーラスで始まる08。途中で明るい感じに変わります。この曲は「天使にラブソングを」で、シスター達が楽しげに歌っていたあの曲です。マリアを賛えた曲なので、カトリック系のゴスペル・ソングということになるのでしょうか。

カーク・フランクリン率いる"The Nu Nation Project"のナンバー09。明るい雰囲気の曲ですね。TVのコマーシャルでも使われていたようです。

最後の10もカーク・フランクリンの書いたナンバーです。シンプルで優しいメロディーが印象的なスロー・ナンバーです。これぞゴスペルという感じのする1曲ですね。この曲だけ、JOYの7人に加え、VOJAのメンバーも参加してスケールの大きい歌を聴かせてくれます。

私はクリスチャンではありませんし信仰心など無い人間ですが、このようなゴスペル・ソングを聴くと、多くの人たちの心の支えとなってきた曲だけあって、凄いパワーを感じますね。ゴスペルの生まれた背景等を勉強しながら聴くと、一層伝わってくるものがあるかも知れません。
単に音楽として聴いても、素晴らしい曲が多いですから理屈抜きで楽しめるアルバムだと思います。
友達や家族とのクリスマス・ホーム・パーティーで、定番のクリスマス・ソングに交えてゴスペル・ソングを入れて聴いてみるのも良いかも知れませんよ。
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David Foster presents LOVE STORIES ◇ 2007年 12月 09日
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今回紹介するコンピレーション・アルバムは、2002年にリリースされた『David Foster presents LOVE STORIES』です。プロデューサーであり、ソングライター、キーボード奏者であるデヴィッド・フォスターが絡んだ素晴らしい楽曲が詰った、いわゆるデヴィッド・フォスターの功績をコンパクトにまとめたアルバムです。
このアルバムから遡ること10年前の1992年に、以前紹介した『A TOUCH OF DAVID FOSTER』というコンピレーションをリリースしています。しかし、ワーナー系のアーティストの限定されており、本作のようにレーベルの枠を越えてのコンピ・アルバムではありませんでした。それだけでも本作は贅沢な1枚と言えますね。

アルバムの監修、収録曲の解説、日本盤におけるボーナス・トラックの許諾、日本独自の曲順選び、アルバム・タイトル名のチョイスに至るまで、デヴィッド・フォスター自らが関わっているらしいです。当然のことながら、収録曲18曲(ボリュームも満点です)の全てにデヴィッド・フォスターがプロデュースあるいは楽曲提供に関わった素晴らしい作品が集められていて、クリスマス・シーズンのこの時期、ロマンティックな気分に浸れるアルバムとしてもお薦めです。
私のように、冬になると何故かバラード曲が聴きたくなる変わり者にはたまらない1枚です(笑)

『David Foster presents LOVE STORIES』
01. You're The Inspiration (君こそすべて) / Chicago
02. The Best Of Me / Oliva Newton-John & David Foster
03. Because You Loved Me / Celine Dion
04. Unforgettable / Natalie Cole & Nat King Cole
05. I Learned From The Best / Whitney Houston
06. After The Love Has Gone / Earth, Wind & Fire
07. Through The Fire / Chaka Khan
08. Glory Of Love / Peter Cetera
09. Un-Break My Heart / Toni Braxton
10. You'll See (愛をこえて) / Madonna
11. Runaway / The Corrs
12. I Swear / All-4-One
13. You Can Never Ask Too Much (愛を求めるとき) / Take 6
14. Goodbye / Air Supply
15. I Will / David Foster & Chris Kirkpatrick
16. So In Love With You / U.N.V.
17. Love Theme From "St. Elmo's Fire" / David Foster
18. The Prayer / Josh Groban & Charlotte Church

前に紹介した『A TOUCH OF DAVID FOSTER』で既にレビューした曲(緑字の曲で、過去記事はコチラです)は、割愛してレビューします。

1984年のシカゴのアルバム『Chicago 17』に収録されていた01。ピーター・セテラのヴォーカルが光るナンバーですが、個人的にピーター・セテラの声が苦手なので特に思い入れはありません(笑)

1996年にグラミー賞を獲得したアルバム『Falling Into You』に収録されていた、セリーヌ・ディオンの名バラード03。ダイアン・ウォーレンの作品を、デヴィッド・フォスターがアレンジ、プロデュースしています。さりげないのに親しみやすいメロディーというのが、ダイアン・ウォーレンらしいですね。

ナタリー・コールの1991年のアルバム『Unforgettable With Love』に収録されていた04。既に亡くなっている父、ナット・キング・コールの1961年に録音した歌声との共演という、現代の技術が可能にしたナンバーです。録音に30年の隔たりがあるとは思えない出来栄えに驚かされます。

ホイットニー・ヒューストンの1998年のアルバム『My Love Is Your Love』に収録されていた05。この曲も天才・ダイアン・ウォーレンの作品です。抑え気味のホイットニーのヴォーカルとメロディーが見事にマッチしたナンバーです。

トニ・ブラクストンの1996年のアルバム『Secrets』に収録されていた09。哀愁漂う美しい旋律は、これまたダイアン・ウォーレンの作品。本当に凄いソングライターですね。ディーン・パークスとマイケル・トンプソンによるアコースティック・ギターの調べが美しく印象的です。

マドンナが1995年にリリースしたベスト盤『Something To Remember』に新曲として収録されていた10。マドンナとフォスターの共作です。90年代のフォスターのサウンドを象徴するような曲と言えるかも知れません。

フォスターに認められデビューを果たしたアイルランドの4人兄妹のユニット、ザ・コアーズの1995年のデビュー・シングル曲11。どこかアイルランドを彷彿させるサウンドが印象的なナンバーです。

All-4-Oneの1994年のビッグ・ヒット曲12。カントリー・シンガーであるジョン・マイケル・モンゴメリーの持ち歌のリメイクです。サウンド、歌声共に美しいという言葉がぴったりな1曲ですね。

Take 6の1994年にリリースされたアルバム『Join The Band』に収録されていた13。メロディー自体よりも、その完璧なまでのコーラス・ワークに酔ってしまう、そんなナンバーです。

エア・サプライの1993年のアルバム『The Vanishing Race』に収録されていた14。まさにエア・サプライにぴったりのスケールの大きなバラード曲をフォスター夫妻が書き上げています。

今回のアルバム用に用意された新曲15。フィーチャーされているのが、人気コーラス・グループのイン・シンクのクリス・カークパトリック。クリスの顔に似合わない女性的なクリア・ヴォイスにピッタリの美しいメロディーを持ったバラードですね。

Universal Nubian Voices、略してU.N.V.の1995年のアルバム『Universal Nubian Voices』に収録されていた甘いバラード曲16。ウエディング・ソングの定番の曲だとか・・・。確かに結婚式の披露宴のBGMにぴったりですね。良い曲です。

フォスターの一押しシンガーだというジョシュ・グローバンの1stアルバム『Josh Groban』に収録されていたシャルロット・チャーチとのデュエット・ナンバー18。キャロル・ベイヤー・セイガーとフォスターの共作です。美しいオーケストレーションが際立った1曲。

実は今回レビューした曲は、01を除くと全て90年代以降のフォスターの仕事なんですね。
レビューした曲だけを聴いていると、70年代後半から80年代にかけてAORを牽引してきたフォスターの面影はありません。それまでの緻密に計算されたアレンジは影を潜め、メロディーや歌声をいかに美しく聴かせるかを意識したアレンジに変わってきています。これはフォスター自身も語っていましたが、クインシー・ジョーンズとの出会いが大きく影響したようです。
AORなフォスターが好きな人、90年代以降のバラード職人としてのフォスターが好きな人と好みが別れるところだろうと思いますが、バラード主体のアルバムである本作が90年代以降の曲が多いのは当然だと思いますし、個人的にも納得出来る選曲ですね。バラード好きな人にはお薦めの1枚ですよ。
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今回紹介するのは、ワン・プロデューサーによるヴォーカル・コンピレーション・アルバムです。活動凍結中だった角松 敏生が1997年にプロデュースした『VOCALAND 2 ~Male, Female & Mellow~』です。1996年に第一段として『VOCALAND』がリリースされ、好評だったころから制作されたアルバムです。

"VOCALAND"は、"ヴォーカルの国"という意味と「Vocal and・・・」という意味を持っているとのこと。本作は、"秋から冬にかけての季節イメージ"、"男と女"、"Mellow"、"恋愛"を取り上げたミディアム・スロー・バラード集というコンセプトです。角松 敏生とエイベックスが組んだビッグ・プロジェクトと言えますし、角松自身も力を入れていたプロジェクトではなかったかと思います。
前作では、国内外の女性シンガーによるヴォーカル・コンピレーションでしたが、本作では国内で活躍している女性シンガーのみで作られています。そして、目玉は角松 敏生、楠木 達士(楠木 勇有行)、村上 圭寿という3人のアーティストがデュエット曲で参加していることでしょう。特に角松は活動凍結中だったのですが、"AGHARTA"での活動や本作でデュエットを披露したことで、活動再開は間近であろうと確信したアルバムとして印象深かったです。

角松 敏生は全10曲中8曲の作曲、7曲の作詞、全曲のアレンジ(ストリングス・アレンジで小林 信吾、塩谷 哲が加わっています)を担当しています。角松のプロデュース作品の中で、活動凍結中のプロデュース作品に出来が良いものが多いのですが、やはりプロデュース業に専念していたからなんでしょうね。
曲もこの頃のものはキャッチーなメロディーで、ストレートに耳に馴染む曲が多かったのも特徴と言えるかも知れません。

『VOCALAND 2 ~Male, Female & Mellow~』
01. Give it up / 吉沢 梨絵
02. WE ALL NEED LOVE / Vicky Vee
03. Can you change my world / 伊藤 恵子、楠木 達士
04. Don't Say "I LOVE YOU" / 吉田 朋代
05. Over The Lonely Night / 瀬 久美子
06. Together / 吉田 朋代
07. Take me your own way / 紫藤 博子
08. Voice From December ~12月の声~ / 吉井 弘美、村上 圭寿
09. Never Gonna Miss You / 吉沢 梨絵、角松 敏生
10. HEART TO HEART / Aki

先行シングルとしてリリースされた01。ビートを効かせたミディアム・グルーヴが心地良いナンバーです。吉沢 梨絵のヴォーカルも実に堂々としており、新人とは思えないほどで、『Vocaland 2』の主役の一人なのは間違い無いでしょう。

以前、『Y2K - SAVE THE WORLD-』というアルバムを紹介したヴィッキー・ヴィーの02。このアルバムで角松と出会ったことで、『Y2K - SAVE THE WORLD-』が誕生しました。この曲もグルーヴの効いたミディアム・ナンバーですね。沼澤 尚のドラミングと勝田 一樹のサックスのプレイが光っています。

伊藤 恵子と楠木 達士のデュエット・ナンバー03。二人の声の相性が抜群ですね。声に力のある二人ならではのバラード曲だと思います。楠木 達士は、楠木 勇有行という名前でも活躍してましたね。いつか勇有行名義のアルバムを紹介したいなとは思っています。ブライアン・メイのギターの音色のような角松のギターが印象的です。

本作のもう一人の主役とも言える吉田 朋代の04。既にシンガーとしてデビューしていた吉田 朋代ですが、角松の曲との相性は良いように思いますね。角松らしい打ち込みサウンドのミディアム・ナンバー。

瀬 久美子(せら くみこ)の05。しっとりとしたバラードです。声も良いですし、丁寧な歌唱に好感が持てますね。アルバムに収録されているのは、この1曲だけなので出来ればもう何曲か聴いてみてかったシンガーでした。角松のコーラスが少しうざったい気がしますね(笑)

2度目の登場の吉田 朋代の06は、先行シングルとリリースされたナンバーです。サビのメロディーがキャッチーで個人的にお気に入りのナンバーのひとつです。打ち込み主体のサウンドですが、間奏での数原 晋のトランペット・ソロはまさに職人技です。

1作目にも参加していた紫藤 博子の07。YAMAZAKI NORIOなる人物の作曲のナンバーなんですが、これが良い曲なんですよね。角松の曲には無いタイプの曲です。YAMAZAKI NORIOはギタリストなようで、間奏で渋いソロを披露しています。

吉井 弘美と村上 圭寿のデュエット・ナンバー08は、今の季節にぴったりなバラード曲であり、クリスマス・ソングとしても十分楽しめるナンバーですね。このアルバムに収められた3曲のデュエット曲の中で1番好きなナンバーです。角松も良い曲を書くもんです。間奏のトロンボーン・ソロは村田 陽一です。

シングル・カットされた吉沢 梨絵、角松 敏生のデュエット・ナンバー09。角松ファンにはお馴染みのナンバーですね。残念ながらヴォーカルは吉沢 梨絵の方に軍配が上がりますね。本当に上手いと思います。現在、劇団四季でミュージカルに出演して活躍されているのが頷けます。

Akiの歌う10は、作詞:クリス・モスデル・高橋 ユキヒロ、作曲:高橋 ユキヒロによるナンバー。知る人ぞ知るの名曲ですね。角松ファンの中には、角松と高橋 ユキヒロの繋がりを不思議に思っていた人も多かったようですが、実はこの曲はカヴァー曲です。オリジナルは、ラジが1977年にリリースした1stアルバム『HEART TO HEART』に収録されていたアルバム・タイトル曲です。角松の選ぶカヴァー曲には、いつもニヤリとさせられますね。

なかなか良いコンピレーション・アルバムだと思います。角松 敏生を知らない人でも、曲の良さで楽しめるのではないでしょうか・・・。このアルバム、BOOK OFFでは安棚の常連のようなアルバムで、値段も250円が相場になっているようです。興味のある方は、ぜひ聴いてみて下さい。250円なら聴いてみようかと思った人、いるんじゃないでしょうか・・・、どうですか?(笑)
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今回紹介するアルバムは、『A GRP ARTISTS' CELEBRATION OF THE SONGS OF THE BEATLES』という何回も書くのが億劫な位、タイトル名が長いアルバムです(笑)
1995年にリリースされたアルバムで、そのタイトルで察しがつくと思いますが、ビートルズのカヴァー・アルバムです。しかし、世の中に一体どの位ビートルズに関連したカヴァー曲、カヴァー・アルバム、トリビュート盤が存在するのでしょう。音楽史上に偉大な痕跡を残したビートルズ・・・、私もビートルズに出会っていなければここまで音楽好きにはなっていなかったと思います。オリジナルのアーティストが偉大な程、当然のようにカヴァーされることも多い訳でビートルズとなれば、それこそ相当数のカヴァー・アルバムが存在していることでしょうね。
そんな中で私のお気に入りのカヴァー・アルバムが、『A GRP ARTISTS' CELEBRATION OF THE SONGS OF THE BEATLES』なのです。

1995年当時のGRPレーベルに所属していた豪華14アーティストによる演奏が収録されています。ビートルズとJAZZの融合と言うのか、とにかく参加アーティストが各々自分の個性を十分に発揮しており、単にビートルズの曲を歌い、演奏しているというような安易なカヴァーにはなっていません。中にはオリジナルを凌駕するような仕上がりの作品もあるように思います。
参加しているアーティストは、ジョージ・ベンソン、マッコイ・タイナー、グルーヴ・コレクティヴ、ダイアナ・クラール、トム・スコット、ラムゼイ・ルイス、リー・リトナー、ネルソン・ランジェル、チック・コリア、ラス・フリーマン、スパイロ・ジャイラ、デヴィッド・ベノワ、アルトゥーロ・サンドヴァル、デイヴ・グルーシンの14人(組)です。
エグゼクティヴ・プロデューサーとしてトミー・リピューマの名前が載っており、これだけでも決して悪いアルバムではないというお墨付きをいただいたような気分になりますね(笑)

『A GRP ARTISTS' CELEBRATION OF THE SONGS OF THE BEATLES』
01. The Long and Winding Road / George Benson
02. She's Leaving Home / McCoy Tyner
03. She's So Heavy (a/k/a I Want You) / Groove Collective
04. And I Love Her / Diana Krall
05. The Fool on the Hill / Tom Scott
06. Michelle / Ramsey Lewis
07. A Day in the Life / Lee Ritenour
08. Let It Be / Nelson Rangell
09. Eleanor Rigby / Chick Corea
10. While My Guitar Gently Weeps / Rus Freeman
11. In My Life / Spyro Gyra
12. Here There and Everywhere / David Benoit
13. Blackbird / Arture Sandoval
14. Yesterday / Dave Grusin

ストリングスとジョージ・ベンソンの歌声の美しさが際立っている01。ポール・ジャクソン.Jrの軽快なギターのバッキングやグレッグ・フィリンゲインズのピアノも素晴らしい1曲です。ジョージ・ベンソンのヴォーカルだけではなく流麗なギター・ソロも堪能出来ます。ジョン・クレイトンのアレンジが秀逸です。

ジャズの歴史上、重要なピアニストに数えられる存在の一人であろうマッコイ・タイナーのJAZZピアノを堪能出来る1曲02。まず選曲が渋いですね。トリオによる演奏はシンプルながらも、まるでオリジナル曲のごとく活き活きとしたピアノが素晴らしいの一言です。

ジャズの本場ニューヨークにおいて、アシッドジャズ・ムーブメントの中心的なセッション・ユニットであるグルーヴ・コレクティヴによる03。これも選曲とアレンジの良さが際立った1曲ですね。この曲をカヴァーしている時点で普通ではないなと思いましたが、とにかく言葉で説明するのがもどかしいほど素晴らしい仕上がりです。

カナダ生まれの女性ジャズ・ピアニスト兼歌手であるダイアナ・クラールが、看板に偽り無しの素晴らしいピアノのプレイと歌を披露している04。JAZZの醍醐味を味わえるナンバー。

トム・スコットのエモーショナルなアルト・サックスと煌びやかなサウンドが実に心地良い05。メロディー部は勿論のこと、アドリブ・パートでのトム・スコットのサックスが実に溌剌としているのが印象的です。

あえてオリジナルのイメージを壊したようなアレンジが斬新なラムゼイ・ルイスの06。普通に聴いていたら、あの"ミッシェル"だとは気付かない可能性もありそうです(笑)

リー・リトナーのJAZZYなギター・プレイが光る07。ビートルズのナンバーの中でもカヴァーされることの多い曲ですね。ウェス・モンゴメリーを彷彿させるオクターブ奏法が素晴らしいですね。

サンボーン・ファロワーとして頭角をあらわしたネルソン・ランジェルの08。アルト・サックスの音色や音を拉げるところなどは、本当にデヴィッド・サンボーンにそっくりです。オーソドックスなカヴァーのスタイルですが、その分サックスの泣きが際立っている気がします。

チック・コリアのピアノの独奏による09。この曲をピアノの独奏で表現しようと思うこと自体が普通ではありませんが、これが実に良いんですよね。まさにチック・コリアならではのアレンジのセンスの良さと高度なテクニックを感じます。

ラス・フリーマンによる10も斬新なアレンジの1曲ですね。打ち込みのリズムにホーン・セクションを交え、フリーマン自身も12弦ギター、シタール、スライド・ギター等を駆使した多彩なプレイを披露してくれます。後半のギター・ソロは本当に素晴らしくて鳥肌モノです。

本当に気持ちの良い作品に仕上がっているのはスパイロ・ジャイラの11。オリジナルの雰囲気を大事にした素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれます。

デヴィッド・ベノワが"Here There and Everywhere"を弾くというだけでサウンドが想像出来てしまう12。期待を裏切らずに、本当に美しく仕上がっています。恋人や奥さんと二人だけでお酒を楽しみながらBGMに流していたら最高ですよ、きっと(笑)

キューバ出身のトランペッター・アルトゥーロ・サンドヴァルによる13。オリジナルは凄くシンプルな曲なのに、ここで繰り広げられるのはビッグ・バンド風のアレンジです。アイディアに富んだアルトゥーロ・サンドヴァルのアレンジ、そして素晴らしいトランペット・ソロに注目して欲しい1曲です。

最後を飾るのはデイヴ・グルーシンの14。名曲中の名曲をしっとりとピアノの独奏で聴かせます。チック・コリアとはまた一味違った表現力豊かなピアノのプレイに、うっとりと聴き惚れてしまいます。デイヴ・グルーシンの感性の素晴らしさに感動です。

偉大なビートルズの後世に聴き継がれるであろう名曲を、一流のジャズ・プレイヤー達がオリジナルの持つ素晴らしさを吸収しつつ、自分の感性で表現しているという贅沢なアルバムです。個人的には、単にビートルズのカヴァー・アルバムと言うレベルで括れない素晴らしいアルバムだと思います。
私の所有しているCDは輸入盤なので14曲ですが、日本盤は木住野 佳子の「Imagine」が収録されているようですね。私は輸入盤で十分良かったと思っていますが・・・。
ビートルズのカヴァー・アルバムとしては、以前日本人アーティストによる『抱きしめたい』を紹介しました。
これはこれで面白くて好きなんですが、完成度で言えばやはり本作の方が好きです。
ビートルズが好きな方は勿論ですが、ジャズやフュージョンが好きな人にもお薦めの1枚です。
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香坂 みゆき_CANTOS 1 (Part 2) ◇ 2007年 11月 10日
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ブログを始めた頃に紹介したものの、今読み返すとあまりにも記事の内容が薄っぺらだったので改めて紹介するPart 2シリーズ・・・。ブログを始めた頃って自分にとって大切な、大好きなアルバムから紹介しているのですが、如何せん内容が薄すぎました(笑)
今回紹介するアルバムも2年前に1度紹介しているものの、その音楽の良さがちっとも伝わってこない内容に呆れ、再度書きたくなりました。そのアルバムが、香坂 みゆきが1991年にリリースしたJ-POPのカヴァー・アルバム『CANTOS 1』です。実はこの"CANTOS"は3部作で、それぞれに特色のある内容・選曲になっています。前回紹介した時(過去の記事はコチラ)は、3枚まとめての記事だったのですが、今回は1枚に絞っての紹介記事を書かせてもらおうと思います。いずれ残り2枚についても書くつもりでおりますが・・・(笑)

昔からカヴァー・アルバムというのは存在しましたが、最近は特にブームなのか結構色んなアーティストがカヴァー・アルバムをリリースしていますね。カヴァーするアーティストの色を出そうとしているようですが、アーティストなりに曲を消化して自分の歌として歌われているアルバムは結構少ないように思えてなりません。そんな中、今から16年も前に制作されたこのシリーズは、私の中では他に類を見ないほど出来の良いカヴァー・アルバムだと思っています。

私がこのシリーズが好きな理由は、まずシリーズ3枚通してジャケットや香坂 みゆきの歌い方においてもカラーが統一されていることです。それでいてアルバム毎にちゃんとサウンド的にも特色があるのです。
次に選曲の良さ。新旧、超有名な曲からマニアックな曲まで幅広い選曲されています。この辺りが単にカヴァー・アルバムと言うより、"CANTOS"というアルバムの独特なカラーを出せたような気がします。
最後にやはり香坂 みゆきの歌の良さですね。私が最も惹かれているのも彼女の歌、声なんです。
本来、声量のある人なのですが、このアルバムではあえて抑え気味に歌っています。おそらく彼女の持つポテンシャルの6~7割程度しか力を出していないのではないでしょうか。曲のキーもあえて低めに設定して、彼女の低音域を強調した落ち着いた雰囲気を醸し出しているのだと思います。

『香坂 みゆき / CANTOS 1』
01. あの日にかえりたい
02. 別れのサンバ
03. 気絶するほど悩ましい
04. 白いサンゴ礁
05. どうぞこのまま
06. September Rain
07. 夢で逢えたら
08. あの頃のまま
09. ジェントル・レイン
10. いっそセレナーデ

ご存知ユーミンの荒井 由実時代の名曲をカヴァーした01。1975年のシングル曲で、TVドラマの主題歌に使用されてユーミン初のオリコン1位に輝いた曲でしたね。オリジナルよりも少しテンポを落としたボッサ調のアレンジと香坂 みゆきの透明感溢れるヴォーカルが素晴らしいです。

盲目のシンガー・ソングライター・長谷川 きよしの1969年のデビュー曲であり、彼の代表作のひとつのカヴァー02。抑え目のヴォーカルが実に心地良く響きます。

Charが1977年にリリースした2ndシングル曲のカヴァー03。名曲ですね。しっとりとしたボッサ調のアレンジが素晴らしく、富倉 安生のベース・プレイと松下 誠のギター・ソロはこの曲の聴き所だと思います。

角川映画「野性の証明」のメイン・テーマ「戦士の休息」をヒットさせた町田 義人が在籍していたグループ、ズー・ニー・ヴーの1969年のヒット曲のカヴァー04。海辺の心地良い風のようなアレンジが秀逸です。

J-POPにおけるボッサの名曲のひとつ05。ご存知丸山 圭子の1976年のヒット曲のカヴァーです。香坂 みゆきヴァージョンも素晴らしいですが、これは歌い手が凄いと言うより楽曲自体の持つパワーが凄いということなのかも知れませんね。

多くの人が知らないであろう渋い選曲なのが06です。実はこの曲、CITY POPの名盤と誉れの高い松下 誠の1981年の1stアルバム『FIRST LIGHT』に収録されていたメロウ・ナンバーのカヴァーです。曲中でジョージ・ベンソンばりのスキャットとギター・ソロのユニゾンを聴かせてくれているのが、松下 誠本人というのも贅沢ですね。

名曲中の名曲で、一体この曲のカヴァーって何曲あるのか見当も付かない07。大瀧 詠一の作詞・作曲によるナンバーで、吉田 美奈子の1976年の名盤『FLAPPER』に収録されています。元々はアン・ルイスの為に書かれた曲だったとか・・・。松下 誠のギター・プレイと広谷 順子(おそらくですが)等のコーラス・ワークが素晴らしいですね。

ブレッド&バターが1979年にリリースした13枚目のシングル曲で、アルファ・レーベルへ移籍第一弾のシングルのカヴァー08。呉田 軽穂(ユーミン)の作詞・作曲による名曲ですね。川村 栄二によるボッサ調のアレンジが素晴らしく、しっとりと歌う香坂 みゆきの歌声に痺れます(笑)

09も実にマニアックな選曲です。先日紹介したばかりですが、豊島 たづみが1981年にリリースしたアルバム『LONELY ONE』に収録されていた曲のカヴァーです。オリジナルの豊島 たづみヴァージョンのアレンジを担当していたのが、このアルバムのアレンジャーでもある川村 栄二でした。おそらく川村 栄二が推薦した曲かも知れませんね。

井上 陽水の1984年のヒット曲のカヴァー10。お馴染みの曲ですね。実はこの曲は、この"CANTOS"シリーズのハイライト曲のひとつとなっています。この曲はシリーズ3作に全て収録されていて、全て違うアレンジによって収録されています。個人的には、この曲を聴き比べるのが"CANTOS"シリーズの楽しみ方のひとつになっています。正直なところ、それほど好きな曲では無いのですが・・・(汗)

この1週間くらい寝る時にBGMとして聴いているのが、この"CANTOS"シリーズなんです。とにかくカヴァー・アルバムとしても出来の良いアルバムだと思いますが、個人的には純粋に香坂 みゆきの歌声を堪能出来るアルバムという認識なんです。その位彼女の歌は良いですね。また、シリーズ全曲のアレンジを担当している川村 栄二のセンスが光っています。川村 栄二はJAZZYな感じやボッサ調のアレンジにかけては、本当に素晴らしい仕事をする人で大好きなアレンジャーの一人です。
参加ミュージシャンは、渡嘉敷 祐一(ds)、富倉 安生(b)、吉川 忠英(a.g)、安田 裕美(a.g)、松下 誠(g)、今泉 俊郎(key)、島 健(p)、浜口 茂外也(per)、木村 誠(per)等。コーラスについてはクレジットの書かれていません(CANTOS 3には載っていましたが)が、おそらく松下 誠、広谷 順子、木戸 やすひろ、比山 貴咏史辺りだろうと思います。
機会をみて、『CANTOS 2』、『CANTOS 3』も紹介したいと思っています。たまにBOOK OFFでも見かけますので、興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。シリーズのどのアルバムもお薦めです。
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EVE_JACK AND BETTY ◇ 2007年 11月 03日
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今回紹介するのは、1976年に"アップルズ"としてデビュー以来、スタジオ・セッションにおけるコーラス・ワークで30年以上のキャリアを持ち、常に第一線で活躍し続けて日本の音楽シーンを支えてきた沖縄出身の3姉妹、新里 玲乙奈(レオナ)、新里 久良良(クララ)、新里 利里佳(リリカ)によるEVEが1992年にリリースした『JACK AND BETTY』です。

このアルバムは、1992年に放映されたTBS系の特別企画のドラマ「ジャック・アンド・ベティ物語」のイメージ・テーマ曲「ヒーローに逢いたくて」を中心に、古き良きアメリカを象徴するかのようなオールディーズやスタンダード・ナンバーをカヴァー等全24曲が収録されています。特にドラマのサントラ盤という訳でもないようですが、昭和24年から33年に全国の8割以上の中学校で使われていたとされる英語の教科書「Jack and Betty」がモチーフとなっているのは、ジャケット写真からも明らかです。終戦後、生活が安定し始めた頃になると憧れの国となった"アメリカ"。そんな"アメリカ"へのオマージュ作品と言えるかも知れませんね。

一応EVE名義のアルバムになっていますが、収録曲24曲中2曲がオリジナル曲で"内藤 やす子"がEVEと共に歌っており、残り22曲のカヴァー・ソングをEVEが歌っています。22曲を5つのメドレー形式によって歌われているのですが、EVEの3人で歌っているものとレオナ、クララ、リリカがそれぞれソロで歌っているものがあり、3人の声や歌い方の個性の違いを感じることが出来るという点では他のアルバムよりも面白いと感じましたし、それぞれ個性の違う3人が一緒に歌うことで生れる極上のハーモニーの素晴らしさは日本を代表するコーラス・グループであると改めて感じました。

『EVE / JACK AND BETTY』
01. ヒーローに逢いたくて / 作詞:湯川 れい子、作曲:筒美 京平、編曲:萩田 光雄
メドレー① / 編曲:石黒 彰
02. In The Mood
03. Come On - A My House
04. Buttons And Bows
05. Que Sera, sera
06. Corazon De Melon
07. Tennessee Waltz
08. Mockin' Bird Hill
09. The World Is Waiting For The Sunrise
10. Mister Sandman
11. How High The Moon
メドレー② / 編曲:土屋 学、石黒 彰
12. Lipstick On Your Collar
13. Where The Boys Are
14. Breaking Up Is Hard To Do
15. Put Your Head On My Shoulder
16. Happy Birthday, Sweet Sixteen
17. One Boy
メドレー③ / 編曲:笹路 正徳
18. Lucille
19. Blue Suede Shoes
メドレー④ / 編曲:笹路 正徳
20. Earth Angel
21. Singing The Blues
メドレー⑤ / 編曲:笹路 正徳
22.Try Me
23. Smoke Gets In Your Eyes
24. 愛の鳥 / 作詞:湯川 れい子、作曲:筒美 京平、編曲:萩田 光雄

01と24はオリジナル曲で内藤 やす子との共演。メイン・ヴォーカルは内藤 やす子とクララです。筒美 京平らしいキャッチーなナンバーですが、01は歌謡曲チックなメロディーで24はしっとりとしたバラード曲になっています。正直なところ、内藤 やす子のヴォーカルは必要無かったような気もします。クララのヴォーカルが光る2曲。24の間奏での松原 正樹の美しいギター・ソロが印象的です。

02~11までのメドレーは打ち込みによる演奏が主体なんですが、若干演奏がチープな感じがして残念です。EVEとしてのコーラス・ワークが冴える02、07、09、10、11は、やはり"EVEらしさ"が全開です。それぞれのソロも堪能出来るのもこのアルバムの良い所です。

12~17までのメドレーも打ち込みによる演奏が主体です。このメドレーではオールディーズ風ナンバーが集められています。3人のソロの中では、クララのヴォーカルが一際光っているように感じます。他の二人も相当上手いのですが・・・。

18~19はロックンロール・ナンバー・メドレーです。18~23迄は、渡嘉敷 祐一(ds)、岡沢 章(b)、土方 隆行(g)、笹路 正徳(key)、淵野 茂雄、ジェイク・H・コンセプション(sax)等というメンバーが参加しています。ご機嫌な演奏とリリカとクララの歌が最高です。

20~21はJAZZYなオールディーズ・ナンバー。特に21の3人がヴォーカルの掛け合いが聴き所ですね。

22~23は美しいバラード・ナンバーのメドレーです。22における日本人離れしたリリカのヴォーカルや23における情感溢れるクララのヴォーカルは素晴らしいの一言です。ストリングスを上手く使っているのもこのメドレーの特徴です。

J-POPを聴く人ならば、おそらく意識していなくても必ずと言って良いほどEVEのコーラスは耳にしているはずです。その位彼女達はコーラスという分野において、J-POPシーンを影で支えてきました。また、それだけの実力を持っているコーラス・グループです。沖縄で生れ育ったという環境が、彼女達独特の黒人的フィーリング溢れるコーラスを育んだのかも知れませんね。そんな彼女達の素晴らしい歌を機会があればぜひ聴いて欲しいなと思います。BOOK OFF等を探せば安く入手出来ると思います。実はこのアルバムもBOOK OFFで250円で入手したアルバムでした(笑)
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今回紹介するコンピレーション・アルバムは、「知的な香りとスタイリッシュな響き。生活空間を彩るオトナのポップスをここに凝縮。今、改めてAOR!!」というキャッチ・コピーのもとに、中田 利樹、金澤 寿和の両氏が監修・選曲した2001年リリースのAORのコンピレーション・シリーズnの第3弾、『AOR Light Mellow』のUNIVERSAL Editionです。今までに"WARNER Edition"と"SMJI Edition"の2枚を紹介してきました。今回の"UNIVERSAL Edition"も相当レアな音源を含んでいて、AOR好きな人にはたまらない選曲の1枚だと思います。紹介してきた2枚よりもかなりマニアックな選曲になっているのも特徴と言えますね。

『AOR Light Mellow ~ UNIVERSAL Edition ~』
01. PRELUDE - VAGABOND FROM HEAVEN (天からのならず者) / STEPHEN BISHOP
02. WHY DO WE HURT EACH OTHER / DENNE & GOLD
03. DO YOU WANNA MAKE LOVE (恋人たちの午後) / PETER McCANN
04. BREAKAWAY / GALLAGHER & LYLE
05. THE TWO OF US (ふたりは風) / SEAWIND
06. WHO DO YOU THINK YOU ARE / PLAYER
07. WE'RE SO CLOSE / RANDY GOODRUM
08. CRAZY LIFE / GINO VANNELLI
09. LESS IS MORE / RUPERT HOLMES
10. BABY WHEN YOU MAKE IT WITH ME / FARAGHER BROTHERS
11. I'LL PUT SOME LOVE (BACK IN YOUR LIFE) / BOOKER T. JONES
12. DRIFTIN' (さすらいの恋) / ALESSI
13. SLEEPLESS NIGHTS / ALAN GORRIE
14. BLAME IT ON THE NIGHT / ROBERT BYRNE
15. CALIFORNIA 1 / CON FUNK SHUN
16. STEAL AWAY / PHOTOGLO
17. YOU CAN'T HIDE LOVE / HODGES, JAMES & SMITH
18. WHERE IS THE KEY / MARILYN SCOTT

スティーヴン・ビショップの1978年リリースの2ndアルバム『BISH (水色の手帖)』に収録されていた01。幻想的なシンセで始まり、彼には珍しくグルーヴィーなナンバーですね。このコンピのトップを飾るのに相応しい曲かも知れません。

デン&ゴールドが1978年にリリースした唯一のアルバム『DENN & GOLD』に収録されていた02。イギリス出身ながらも非常にソウルフルなナンバーを聴かせてくれます。まさにブルー・アイド・ソウルといった言葉がぴったりですね。

優れたソング・ライターでもあるピーター・マッキャンが1977年にリリースした1stアルバム『PETER McCANN』に収められており、シングル・カットされた03。スケールの大きなナンバーで、時に繊細で、時に力強いピーターのヴォーカルが魅力です。この曲はこれが初CD化らしいです。

スコットランド出身のデュオ、ギャラガー&ライルの1976年リリースの4thアルバム『BREAKAWAY』のアルバム・タイトル曲04。メロディアスなナンバーで、コーラス・ワークが美しいナンバーです。この曲はアート・ガーファンクルが取り上げたことで、彼らが注目されるきっかけになった曲のようです。

お馴染みハワイ出身のFUSIONグループ、シーウィンドの名曲05。ジョージ・デュークのプロデュースで1980年にリリースされた4thアルバム『SEAWIND』に収録されていました。キレのあるリズムに乗せ、ポーリン・ウィルソンとカール・カールウェルのヴォーカルが冴えるAORナンバー。

プレイヤーと言えば「BABY COME BACK」が有名ですが、1980年の3rdアルバム『ROOM WITH A VIEW』に収録されていたドラマティックなナンバー06。イントロの軽快なギター・カッティングやマイナーからメジャーへ転調していくメロディー、ギター・ソロもとにかく格好良い1曲です。

ソング・ライターとしても定評のあるランディ・グッドラムの1982年の1stアルバム『FOOL'S PARADISE』の冒頭を飾ったロック色の強いナンバー07。演奏とは裏腹にハートフルな歌声が魅力の1曲です。お気に入りのナンバーになっています。

ジノ・ヴァレリの1973年のデビュー・アルバム『CRAZY LIFE』のタイトル・ナンバー08。その後の彼のイメージとは異なるマイケル・フランクスを彷彿させるボサノヴァ・ナンバーです。なんともライト・メロウな楽曲です。プロデュースはハーブ・アルバート。

AORには外せないSSWであるルパート・ホームスの1978年のアルバム『PERSUIT OF HAPPINESS (浪漫)』に収録されていたホームスらしいバラード曲09。雰囲気、メロディーともにホームス節みたいなものが溢れています。

ファラガー・ブラザーズの1978年のアルバム『OPEN YOUR EYES』に収録されていたソウルフルなナンバー10。黒っぽいサウンドやヴォーカル・スタイルが魅力的です。

黒人キーボード奏者ブッカー・T・ジョーンズの1978年のソロ・アルバム『TRY AND LOVE AGAIN』に収められていたファンキーかつメロウなナンバー11。これが初CD化とのことです。間奏のジェイ・グレイドンのギター・ソロが素晴らしいです。

双生児デュオ、アレッシーの1978年リリースの3rdアルバム『DRIFTIN'』のアルバム・タイトル曲12。キレの良いビートと美形の顔を裏切らない繊細なヴォーカルの組み合わせが面白いですね。アレンジが秀逸!

アヴェレイジ・ホワイト・バンドの中心人物、アラン・ゴーリーの1985年の1stソロ・アルバム『SLEEPLESS NIGHT』のアルバム・タイトル曲13。都会的で実に洒落たナンバーです。ジェイ・グラスカのプロデュースということもあり、どこかマクサスのサウンドを彷彿させます。まさにAORといった感じの1曲です。

マッスル・ショールズを拠点に活動してきた優れた才能を持ったソング・ライター、ロバート・バーンの唯一のソロ・アルバム『BLAME IT ON THE NIGHT』(1979年)のタイトル・チューン14。メロディアスなバラード・ナンバーで、メロウという言葉がピッタリくる曲です。

ご機嫌なFUNKバンド、コン・ファンク・シャンが1981年にリリースした『7』に収録されていたナンバー15。タイトル通りのハイウェイを疾走しているような爽快感溢れるナンバーです。随所で聴けるギター・ソロが印象に残る1曲。

ジム・フォトグロの1stアルバム『PHOTOGLO』(1980年)に収録されていたAORナンバー16。ボズ・スキャッグスの「Lowdown」を意識して書いたというこの曲、演奏はまんま「Lowdown」を連想させます。これだけ雰囲気だけ似させて別の曲に仕上げるというのは、ある意味凄い才能を感じますね。

このコンピで1番注目して欲しい曲が、この17です。黒人女性3人組のホッジス・ジェイムス&スミスが1978年にリリースした『WHAT HAVE YOU DONE FOR LOVE?』に収録されていたナンバーですが、曲自体は有名ですね。しかし、注目はこの曲のアレンジがデヴィッド・フォスターで、しかもジェイ・P・モーガンの『JAYE P. MORGAN』(1976年)用に録音されたオケが流用されたのがこの曲なんです。ですから、ジェイ・P・モーガンのアルバムに収録されているのと聴く比べると実に面白いですよ。迫力では3人組の方が上かも・・・。

実力派シンガー、マリリン・スコットの1983年リリースの2ndアルバム『WITHOUT WARNING』に収録されていた18。プロデュースはマイケル・センベロで、この曲はイエロー・ジャケッツのラッセル・フェランテ、ジミー・ハスリップとマリリンの共作曲という贅沢なナンバーで、実に演奏、ヴォーカル共に素晴らしい仕上がりの曲ですね。

どうですか?この選曲。そんじょそこらのAOR系のコンピレーションとはひと味もふた味も違うコンピレーションだとは思いませんか?いかにもマニア向けですよね(笑)
今回のアルバムは、金澤 寿和が中心に選曲・監修されたもののようです。曲順や選曲のセンスの良さは当たり前ですが、さすがだなと思いますね。秋向けのAOR集といった趣きがあり、これからの夜長の季節に部屋で聴くのも良し、ドライブしながら聴くにもピッタリな1枚です。
AORの王道と言えるような曲は少ないですが、AORの奥深さと楽しさを味わせてくれる素晴らしいコンピレーションですから、AOR好きな方はぜひ聴いてみて下さい。お薦めです。
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Light Mellow "Pavement" ◇ 2007年 09月 26日
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今回は、音楽ライター・金澤 寿和氏が監修・選曲しているJ-POP/CITY POP関連のコンピレーション・シリーズで2004年に発売されたLight Mellowシリーズ10枚。その中でJ-POP/CITY POP関連5枚の中の1枚、『Light Mellow "Pavement" -TOKUMA Edition-』を紹介します。
シリーズ5枚の中から、『Light Mellow "Splash"』『Light Mellow "SKY"』『Light Mellow "Cruise"』『Light Mellow "Hours"』の4枚は既に紹介しましたので、興味があったら過去の記事を読んでみて下さい。

このシリーズは、新旧を問わずライト・メロウという観点で選曲されたCITY POP、あるいはJ-AORの隠れた名曲を発掘しているのが特徴です。今回は徳間ジャパンコミュニケーションズの音源から選曲されているのですが、どうも徳間という会社とCITY POP、J-AORというイメージが結び付きませんでした。
しかし、実際にアルバムを聴いてみると、そんなイメージを払拭してくれる素晴らしい楽曲が多いので正直驚きました。

『Light Mellow "Pavement" -TOKUMA Edition-』
01. 24th. Street / 井上 大輔
02. 銀色クリアデイズ -White Silver Clear Days- / 堂島 孝平
03. おはよう / カーネーション
04. You're Young / 桑名 晴子
05. 「祭りばやしが聞こえる」のテーマ / 柳 ジョージ&Nadjaバンド
06. 黒い雪 / 鷺巣 詩郎 with SOMETHIN' SPECIAL
07. Quick Talk / 青山 陽一
08. Dream in The Street / 池田 典代
09. 手の中に陽まわりの夏 / 後藤 ゆうじ
10. LOVER'S PARTY / 村松 邦男
11. 二人の帰り道 / サーカス
12. 別れのDress / 桑江 知子
13. Don't Look Back (ふ・り・む・く・な) / BAKER'S SHOP with HARUKO
14. バイバイ ブルース / 茶木 みやこ
15. POLE POSITION / ティナ&ブラウン・ライス
16. ハジメテのハジマリ -Begin The First Beginning- / 堂島 孝平
17. ZA・ZA・ZA / 宮手 健雄

元ブルー・コメッツのメンバーで、作曲家として活躍していた故・井上 大輔が1982年にリリースした井上 大輔名義としては2枚目となる『DAISUKE Ⅱ』に収録されていた01。FUNKYな演奏とは対象に柔らかなポップなメロディーが印象的です。

新世代シティ・ポッパーと呼ばれる堂島 孝平の2004年リリースのアルバム『FIRST BEGINNING』からのナンバー02。80年代のCITY POPを彷彿させるようなキレの良いギター・カッティングで始まる軽快なポップ・チューンです。少し子供っぽい声が残念な気もしますが、作り出される音楽はまさにCITY POPの後継者といった感じです。EPOがコーラスで参加しているのも注目です。

1983年に直枝 政太郎を中心に結成されたカーネーションの1992年のアルバム『天国と地獄』に収録されていた03。ロック色の強いグルーヴィーなナンバーです。

1970年代後半~1980年代にかけて数多くのセッションにヴォーカリストとして参加し、当時のCITY POPには欠かせない重要なヴォーカリストの一人、桑名 晴子の1978年の1stアルバム『MILLION STARS』に収録されていた04。ソウルフルで堂々たる桑名 晴子のヴォーカルが光る1曲です。

ショーケン(萩原 健一)が主演したドラマ「祭りばやしが聞こえる」の主題歌だった05。ソロ・デビュー前の柳 ジョージがヴォーカルで、演奏しているのが大野 克夫を含む当時のショーケンのバック・バンドだったNadjaバンド。スワンプっぽさが特徴の渋いナンバーです。

鷺巣 詩郎が若干21歳だった1979年にリリースしたアルバム『EYES』に収録されていたメロウなバラード曲06。ヴォーカルは須貝 恵子なる女性シンガーですが、なかなかソウルフルな歌声を聴かせてくれます。伊東 たけし、笹路 正徳、仙波 清彦というFUSION人脈のミュージシャンも参加しています。

青山 陽一の2000年のアルバム『EQ』に収録されていた07。アコースティックなサウンドを軸に、グルーヴ感溢れる好ナンバーです。青山 陽一の音楽はこれが初体験でしたが、興味深い存在の一人ですね。

1980年にデビューした女性シンガー、池田 典代の1stアルバム『DREAM IN THE STREET』に収録されていたアルバム・タイトル・ナンバーの08。この曲は、山下 達郎フリークならご存知の方も多いでしょうが、達郎が作曲、アレンジ、演奏に加わっています。以前紹介しましたが、達郎が自分以外のシンガーやグループの為に提供した数多い作品の中から、CD化されていないものを達郎自ら選曲・監修をしたアルバム『The Works Of Tatsuro Yamashita vol.1』にも収録されていました。

09はレアな音源のようです。1982年にリリースされたオムニバス・アルバム『OCEAN PARADISE』に収録されていたという、後藤 ゆうじなる人物のナンバーです。これがご機嫌なCITY POPナンバーなんですが、それもそのはずでアレンジは鳥山 雄司。とにかく鳥山 雄司のギター・プレイに圧倒される1曲です。

村松 邦男が1985年にリリースした2ndアルバム『ROMAN』に収録されていたメロウなナンバー10。ギタリスト、アレンジャー、プロデューサーとして活躍していますが、ソング・ライターとしての非凡な才能を持っていますし、シンガーとしても甘い歌声が印象的で、才能豊かなアーティストですね。

11も貴重な音源です。サーカスが「ミスター・サマー・タイム」でヒットを飛ばした前年、実は男性陣が兄弟ではなく別人だった時代の1977年のシングル曲「月夜の晩には」のカップリングだった曲です。プロデュースは南 佳孝です。作詞・作曲・編曲:南 佳孝によるラテン調のメロウ・ナンバーです。

桑江 知子の通算4作目となる1983年にリリースされた『TOMOKO Ⅰ』に収録されていた12。
桑江 知子の作詞・作曲、アレンジが梅垣 達志によるお洒落なアーバン・テイストのナンバーです。深町 純(key)、富倉 安生(b)、山木 秀夫(ds)、土方 隆行(g)、和田 アキラ(g,solo)、斉藤 ノブ(per)といった豪華面子の演奏が素晴らしいですね。

1980年に桑名 晴子とベーカーズ・ショップとのジョイント作としてリリースされたアルバム『HOT LINE』に収録されていたAORナンバー13。このアルバムのCD化を願っているのですが・・・。

フォーク出身のシンガー・ソング・ライターの茶木 みやこが1977年にリリースした『RAINBOW CHASER』に収録されていた14。叙情フォーク系の茶木 みやこが都会的なサウンドにチャレンジしたアルバムだったらしく、アレンジミッキー吉野を起用、ゴダイゴのメンバーをバックに洒落たCITY POPに仕上げています。

何故CD化されないのか全く解せない女性デュオのティナ。そのティナがブラウン・ライスとのジョイント作でドキュメンタリー・フィルムのサントラ盤『POLE POSITION』(1978年)に収録されていた15。ファンキーな演奏と力強い歌声が魅力です。

堂島 孝平の16は、02と同じアルバムからの選曲です。キャッチーまメロディーを書く才能は、杉 真理を彷彿させますが、個人的には声質が好きではないので、ちょっと辛いです(笑)

09と同じオムニバス盤『OCEAN PARADISE』に収録されていた宮手 健雄のナンバー17。宮手自身何度もセルフ・カヴァーしているという代名詞的なナンバーのようです。たしかにリゾート感溢れるメロウなナンバーです。ここでも鳥山 雄司のアコースティック・ギターを堪能できます。

こういうコンピレーション、オムニバス系のアルバムを色々紹介しているのですが、曲数が多いのでレビュー記事を書くのが疲れますね(笑)
コンピレーション系のアルバムが好きでない人も多いと思うのですが、私は色々と幅広く聴きたいので音のカタログとしてこういうアルバムをよく購入します。今まで知らなかったアーティストに出会えますし、そこからまた新しい感動に出会えることも多いです。
ドライブの時やデジタル・オーディオ・プレイヤーに入れて聴くには、こういうコンピ系のアルバムは重宝します。特にこのアルバムは、この季節に聴いても違和感がありません。
CITY POP、J-AOR系が好きな方にはお薦めです。
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今回紹介するコンピレーション・アルバムは、「知的な香りとスタイリッシュな響き。生活空間を彩るオトナのポップスをここに凝縮。今、改めてAOR!!」というキャッチ・コピーのもとに、中田 利樹、金澤 寿和の両氏が監修・選曲した2001年リリースのAORのコンピレーション・シリーズの第2弾、『AOR Light Mellow』のSMJI Editionです。前回紹介したWARNER Editionも相当AOR色が強かったですが、今回のSMJI Editionも負けていません。

AORを代表するアーティストを有するSMJIならではの選曲になっています。逆に素晴らしいアーティストが多いほど、コンパイラーとしては辛いのではないでしょうか?ベタな選曲するなら、中田・金澤両氏が選曲・監修に加わる必要がないわけです。おいしい曲は抑えつつも、多少マニアックな曲が入っていたりして絶妙なバランスが、このコンピレーション・アルバムの魅力だと思います。
AOR好きな人も納得のアルバムではないでしょうか・・・(笑)

『AOR Light Mellow ~ SMJI Edition ~』
01. LOWDOWN / BOZ SCAGGS
02. DO RIGHT (パステル・メッセージ) / PAUL DAVIS
03. SEEING YOU (For The First Time) / JIMMY MESSINA
04. FALLING IN LOVE / BALANCE
05. MAGIC / DICK ST. NICKLAUS
06. CASABLANCA / DANE DONOHUE
07. HERE'S THAT FEELING / THE McCRARYS
08. IF I SAW YOU AGAIN / PAGES
09. SING TO ME (歌っておくれ) / NED DOHENY
10. NOTHING IN THIS WORLD / GOOGIE AND TOM COPPOLA
11. JUST FOR THE MOMENT / RAY KENNEDY
12. YOU'RE ONLY LONELY / J. D. SOUTHER
13. GOIN' DOWN (ラストタイム・ラヴ) / GREG GUIDORY
14. LOVIN' AND LOSIN' YOU (追憶のパラダイス) / DWAYNE FORD
15. WHAT GOOD IS LOVE / BILL CHAMPLIN
16. WAIT A LITTLE WHILE / KENNY LOGGINS
17. WHY CAN'T WE FALL IN LOVE? (愛は果てしなく) / DENIECE WILLIAMS
18. GEORGY PORGY / TOTO

SMJIでAORと言えば、やはりボズ・スキャッグス。そんなボズの超名盤『Silk Degrees』(1976年)に収録されていた名曲01。もともとこの曲は、デビュー以前のTOTOが演奏していた「Tale Of The Man」という曲の間奏部のリフを元に作られた曲だそうです。

聴いていると心温まるSSWのポール・デイヴィスのナンバー02。1980年にリリースされた『Paul Davis (邦題:パステル・メッセージ)』に収録されていました。この曲も名曲ですね。

ジミー・メッシーナのAORの名盤『Oasis』(1979年)に収録されていた03。この曲は人気の高く、名曲と呼ぶに相応しい1曲ですね。夏の海にピッタリの1曲。

PEPPY CASTRO、BOB KULICK、DOUG KATSAROSというNYのスタジオ・ミュージシャン3人によるユニット、バランスの1981年のデビュー・アルバム『Balance』に収められていたナンバー04。美しいコーラス・ワークが魅力のアダルトなバラード曲です。

歌謡曲チックなAORの代表曲のひとつ、ディック・セント・二クラウスの『Magic』(1979年)のアルバム・タイトル曲05。何とも下世話な感じが魅力な曲で、私自身結構好きだったりします(笑)

デイン・ドナヒューが1978年に残した唯一のアルバム『DANE DONOHUE』に収録されていた06。バーティー・ヒギンスの曲とは同名異曲です。後半の演奏が素晴らしいナンバーですね。

マニアックな1曲07は、このアルバムで初めて聴きました。男女2人ずつの兄妹カルテット、マクラリーズが1978年にリリースした『McCrarys』に収録されていたソウルフルなナンバー。もともとがソウル系のグループらしいのですが、この曲の演奏にはジェイ・グレイドン、デヴィッド・フォスターが参加しています。ジェイ・グレイドンのソロも堪能出来ます。

1978年リリースの『Pages』に収録されていたメロウ・チューン08。ペイジズの魅力は何と言っても、リチャード・ペイジとスティーヴ・ジョージの素晴らしいコーラス・ワークですね。

ブルー・アイド・ソウル系SSW、ネッド・ドヒニーの名盤『Hard Candy』(1976年)に収録されていた09。アコースティックなサウンドを軸にしながらも決して軽くならず、実にソウルフルに仕上がった1曲ですね。

またもマニアックな曲です。トム・コッポラ、グーギー・コッポラ夫妻が1980年にリリースした『Shine The Light Of Love』に収録されていたナンバー10。この曲もソウル色の強いナンバーですが、グーギーのヴォーカルが心地良いナンバーです。

デヴィッド・フォスターのプロデュースにより、1980年にリリースされたレイ・ケネディのAORの傑作『RAY KENNEDY (邦題:ロンリー・ガイ)』に収録されていた名バラード曲11。

思い切り西海岸しちゃってるJ. D. サウザーの代表曲12。1979年のアルバム『You're Only Lonely』のアルバム・タイトル曲ですが、個人的にはあまり好きではない曲なんです(笑)

ブルー・アイド・ソウル系AORシンガー、グレッグ・ギドリーの1982年リリースのアルバム『OVER THE LINE』に収録されていた名曲13。

ドウェイン・フォードが1981年にリリースした『NEEDLESS FREAKING (邦題:ストレンジャー・イン・パラダイス)』に収録されていた14。デヴィッド・フォスターがプロデュースしたAORの名盤の1枚ですね。スティーヴ・ルカサーのハードなギターが印象的な1曲。

AOR系アーティストのコーラス要員として欠かせない存在であるビル・チャンプリン。彼の1stアルバム『SINGLE (邦題:独身貴族)』に収録されていた15。デヴィッド・フォスターがプロデュースの上、ジェイ・グレイドンのギターが炸裂するという贅沢な1曲です。

恐るべきヴォーカリスト、ケニー・ロギンスの1978年にリリースした2ndソロ・アルバム『NIGHTWATCH』に収録されていた16。FUSIONっぽいサウンドに乗せて、素晴らしい歌声を聴かせてくれるナンバーで、個人的に大好きな1曲です。

デヴィッド・フォスター節全開の美しいバラード・ナンバー17は、デニース・ウイリアムスが1979年にリリースした『When Love Comes Calling』に収録されていました。プロデュースは、もちろんデヴィッド・フォスターです。素晴らしい歌声とモーリス・ホワイトのファルセット・ヴォイスのコーラスが際立った名バラードです。

SMJI Editionの最後を飾るのは、SMJIのAORでは欠かせないグループTOTOの登場です。
1978年のデビュー・アルバム『TOTO (邦題:宇宙の騎士)』に収録されていた、AOR好きな人にはお馴染みのナンバーですね。この曲、ボズ・スキャッグスに歌って欲しくて仕方のない曲なんです(笑)

どうですか?そんじょそこらのAORのコンピレーション・アルバムとは一味も二味も違うアルバムだと思いませんか?実はこのシリーズは7枚あるのですが、私は6枚集めました。今になって全部揃えとけば良かったと後悔しています(笑)
とにかくドライブのお供にも、静かにお酒を飲みながらでも、BGMとして最適なアルバムです。
次回もこのシリーズから紹介したいなと思っています。
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