
2月8日~9日の2日間、宮崎に出張でした。南国宮崎は、数多くのプロ野球やJリーグのチームの春季キャンプ地として有名ですが、それにしても暖かくて驚きました。9日は20度を越えてましたから・・・。2月だというのにこの暖かさですからね、やはり異常気象なんでしょうか。コートは勿論ですが、スーツの上着を着ているのも辛かったくらいでした(笑)
そんな暖かい日には爽やかな音楽が聴きたくなりますね。そこで今回紹介するのは、本当に久しぶりとなるFUSION系のアルバムです。FRUITCAKEが1984年にリリースした2ndアルバム『FRUITCAKE 2』です。
私の場合、FUSIONも大好きなんですが何故か常に聴いているという訳ではありません。聴かない時は数ヶ月全然聴かない時もあれば、聴きだすとFUSIONばかり聴き続けている時があります。概ね夏に近づくと聴く回数が増える傾向があります(笑)
さて私の考えるFRUITCAKEの魅力は以下の2点です。
①理屈抜きで聴いていて気持ちが良い
②1曲の長さが長くても4分30秒以上というのが少ない
何より①ですね。FUSION系の音楽を聴く場合、どうしてもミュージシャンの演奏技術が気になってしまうことも多いのですが、FRUITCAKEの場合はそれ以前に親しみ易いメロディーとアレンジが耳に入ってきます。その心地良さに余計な事を忘れてしまうという感じでしょうか。決してFRUITCAKEが演奏力が無いということではありません。根底にはしっかりした演奏力があるがゆえに可能な音楽だと思いますね。
そして②も大きな魅力です。FUSION系の音楽には珍しく、1曲の長さが非常に短いんですね。その分収録曲数が多く、バラエティーに富んでいて聴いていて厭きないんです。ですから「~しながら」聴くにはピッタリな音楽とも言えるのではないでしょうか。
FRUITCAKEは、オランダのグループで1stアルバム「FRUITCAKE」をリリースした時は、Benny Baan(key)、Rob Taekema(g)、Jan Paul Driessen(b)、Bart Adrichem(ds)の4人組みでしたが、『FRUITCAKE 2』リリース時にはBenny Baan(key)、Rob Taekema(g)の二人だけとなっております。他のメンバーはサポート・メンバーという形で数曲で参加しています。
サウンド的にも1stに比べて、グルーヴ感が増し、Rob Taekemaのギター・プレイが前面に出るケースも多くなっていて、個人的な好みで言えばこの2ndの方が好きかも知れません。
当時はTV番組、スーパーのBGM等、いろんなところでFRUITCAKEの音楽が使われてましたから、聴けば知っている曲というのも多いかも知れませんね。
『FRUITCAKE / FRUITCAKE 2』
01. HEARTBEAT
02. WASHINGTON SQUARE
03. COOL AND GENTLE
04. LOBSTER FUSION
05. CASINO JUMP
06. BREAKFAST AT BENNY'S
07. KAYO
08. SCREEN MUSIC
09. YOU CAN MAKE ME
10. GAME FOR TWO
11. MARIMBA
12. BEN'S BOSSA
13. SUPER STRUTT
ピックアップ曲:
「HEARTBEAT」 / 作曲:Rob Taekema、編曲:Harry van Hoof、Benny Baan & Rob Taekema
発売された当時、あちこちで耳にした代表曲とも言える1曲。Rob Taekemaの軽快なギター・カッティングとBenny BaanのピアノのプレイというのがFRUITCAKEの特徴でもありますが、この曲ではシンセ・ベースを使うことで都会的でありながら爽やかな印象を与えます。イメージ的には夕陽に染まる摩天楼といったかんじでしょうか(笑)
「COOL AND GENTLE」 / 作曲:Benny Baan、編曲:Harry van Hoof、Benny Baan & Rob Taekema
上手いタイトルを付けたと感心した曲です。まさにクールな紳士の内に秘めた情熱をサウンドにしたようなBennyの熱いピアノ・プレイが素晴らしいです。週末の夜を遊ぶ大人達の為のナンバーといった感じですね。
「LOBSTER FUSION」 / 作曲:Rob Taekema、編曲:Harry van Hoof、Benny Baan & Rob Taekema
RobのギターをフィーチャーしたFRUITCAKEには珍しいくらいにストレートなFUSIONサウンドを聴かせてくれます。この曲を聴くとFRUITCAKEが確かな演奏力を持っているグループなんだということが分かります。
「BREAKFAST AT BENNY'S」 / 作曲:Benny Baan、編曲:Harry van Hoof、Benny Baan & Rob Taekema
この曲もストレートなFUSIONサウンドが魅力です。RobのJAZZYなギター・プレイが堪能できるGuitar Fusionといった趣があって、個人的にはかなりお気に入りの1曲になっています。
「YOU CAN MAKE ME」 / 作曲:Benny Baan、編曲:Harry van Hoof、Benny Baan & Rob Taekema
「これぞFRUITCAKE!」と思わせてくれるサウンドが心地良いナンバーですね。FRUITCAKEのサウンドは、シャカタクのサウンドに似ているところもありますが、よりPOPで爽やかということではFRUITCAKEでしょうね。
「MARIMBA」 / 作曲:Rob Taekema、編曲:Harry van Hoof、Benny Baan & Rob Taekema
潮風の心地良い浜辺でビールでも飲みながら聴いたら最高だろうなと思わせる1曲です(笑)。Robのアコースティック・ギターのプレイが本当に気持ちが良いです。こういう曲を聴くと夏が恋しくなりますね。
「SUPER STRUTT」 / 作曲:Eumir Deodato、編曲:Harry van Hoof、Benny Baan & Rob Taekema
Deodatoの名盤『Deodato 2 (ラプソディー・イン・ブルー)』に収録されている曲のカヴァーです。オリジナルだけでなく、こういう曲をカヴァーするというのもFRUITCAKEの魅力であり、演奏力の高さを示していると言えるでしょうね。